パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

お上が国民をなじるのに民主主義はいらない

2017年07月10日 | 平和憲法
 ◆ こういう人たち・・・ (東京新聞【本音のコラム】)
師岡カリーマ(文筆家)

 昔見た、サッチャー元英国首相の熾烈なインタビューの一コマが印象に残つている。
 通り一遍の返答に終始した彼女の話を、キャスターがきっぱり遮ったのだ。
 「首相、もう結構です」。
 屈辱的な瞬間に怒りをこらえるしかなかった鉄の女の表情が忘れられない。

 二〇〇一年、ポーランド訪問中に十九歳の青年に卵を投げつけられたアメリカのクリントン元大統領はこう言った。「若者が怒るのはいいことだ」
 逆に、事実上ミャンマーの指導者となったスー・チー氏は、BBC記者の厳しい追及に苛立ちを露わにした。民主化のヒロインが民主主義の厳しさを味わった瞬間だった。
 国民の無遠慮に直面したときこそ、リーダーの品格が現れる。責・任・者という漢字は雄弁だ。
 最高責任者とは国で一番偉い人ではなく、誰より容赦なく問いただされる役職だということだろう。
 やじを飛ばす市民を敵視した安倍首相の問題発言は、一瞬の逆上や動揺から出た失言とも理解できる。
 理解できないのは、民主主義だから発言は自由だ、という擁護論だ。

 民主主義によって発言権を保障されるのはお上に物申す市民の方で、お上が国民をなじるのに民主主義はいらない。
 「首相に向かって帰れとやじれる民主主義に誇りを持ち、守り抜きます。証明するチャンスをください」なーんてとっさに応えるって、難しいものなのかな。
『東京新聞』(2017年7月8日【本音のコラム】)

コメント    この記事についてブログを書く
« 半分冗談で「北朝鮮ミサイル... | トップ | 7月11日は共謀罪法施行の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事