中央道を八王子ICで降りて、城までの道で迷ってしまった。
挙句、変な山道に入ってしまい時間を大幅にロス。
観光名所になっていない山城跡を探すのには苦労する。
けれど、何とか遠回りはしたものの到着できました。
スタンプが押せる時間はあと少ししかない。
ボランティアガイドさん達が詰める管理事務所は16時で閉館。
なんとかギリギリでスタンプは押すことが出来た。
さあ帰ろうかと思った時、「せかくだから少し案内しようか?」とガイドさんが声をかけてくれた。
本当に山の中だから暗くなるのが早い。
しかも生憎の雨天だ。
申し訳ないと思いつつもその好意に甘えて、本丸までとはいわないが、名所である「曳橋」まで行くことにした。
ところどころに看板があるものの、ガイドさん付きの方が、この八王子城の見学は良い。
雨とマッチングするアジサイ。
これが復元された曳橋。
すごく立派です!
短パン、かなり涼し過ぎマス(笑)
曳橋全景。
見事でしょ?
下から覗いても立派です。
気になったマスコットが描かれた幟と撮影。
このマスコットは「うじてるくん」。
北条氏照を可愛くしたものだ。
八王子城は北条氏の支城で、当主氏政の弟氏照の居城であった。
豊臣秀吉に滅ぼされるまでの北条氏は関東のほぼ大半を領地としており、氏照は八王子城以外にも担当する領地があったらしく、多忙ゆえに八王子の地に居座るということは無かったらしい。
この八王城の落城は、豊臣秀吉による北条征伐によるもので、総勢20万人といわれた軍勢のうち、北陸方面の大名が攻め込んだ。
前田利家を大将として、真田昌幸・上杉景勝などの有名大名だ。
城跡を見学して思ったが、この八王子城は険しい山に構えているだけあって、攻略は相当難しいはずだろう。
しかしながら、北条氏の内部崩壊と史上まれに見る大軍勢によって強固な氏照の城もあえなく落城した次第。
落城後、徳川の時代になっても修復されなかったので歴史の舞台から消え去った。
しかし、ハイキングの人によって史跡の一部が発見されたことによって調査が始まり、現在の100名城指定を受ける。
今回の八王子城見学は、歴史から忘れられそうになった幻の城と向き合った感がある。
そこに櫓など建造物は無いが、立派な石垣が想像を掻き立てる。
巨石が積み重なる姿が今にも残るのを見て感慨深くなる。
現存天主が映える城も素晴らしいが、このような歴史の影とすれすれに位置する城もまた趣があると思える。
100名城スタンプが無ければ立ち寄らなかっただろう。
でも、訪れてその歴史の深さを思い知る。
造っては滅ぼされ、滅ぼされては造り、まるで平家物語の「祇園精舎の鐘」のようなせつなさを感じるが、
積み上がった巨石のように歴史もまた積み重なっていく。
先人達が残した跡は現代を生きる日本人として出来るだけ見て、学び、また後々の人たちに伝えなければならない。