まったく、旅なんて考えていなかった。
ただでさえ、日常の些事に追われて、時間的余裕も無く、せいぜい、手賀沼の自然の中をウォキングするのが、やっとのこと、思いもしなかった。
ある日、新聞で足立美術館の記事を見て、日本一の庭園と、横山大観の絵が多数展示されている事を知り、是非行ってみたい、じゃ行こう。
話が、まとまれば、早い。
早速、柏市のJTBに駆け込むと、ツアーに、ちょうど二人分の空きがあり、ホイホイと参加することにした。
思いがけなく、とは、こんなことだ。
昔も、黒姫高原のコスモスが綺麗だと言うと、すぐさま車を駆って、長野の善光寺をぬけて、高原へひた走りした思い出がある。
若かりし頃は、そんなこともあった。
しかし、この歳で、思いつきで行動できたのは、気持ちが若い所為だと悦にいっていた。
いざ、ツアーの参加者35人が、空港で添乗員さんの前に揃って集合してみれば、全員高齢者のペアばかり。
爺、婆、ジジ、ババ、ジジ、ババ、ジジ、ババ、ジジ、ババ、ジバ、ジバ・・・・・・・・・・・~~
若いカップルは、一組も見られない。
せっかく、縁結びの神様である出雲大社にも、お参りするのだから、婚活の組み合わせあってもいいんじゃん。
足立美術館へ行きたくて、旅行会社に相談した。
出雲から、松江、宍道湖、そして足立美術館.
3日めに、鳥取砂丘から、天橋立をめぐり、大阪伊丹空港より羽田空港へ戻ると言う大掛かりな旅行になった。
(そうだよね、足立美術館と言っても、東京の足立区にあるんじゃないから。)
山陰をめぐる観光旅行がセットされた。
ならば、お忍びと言っても、この際、充分に有難い理由(わけ)をつけよう。
てなわけで、①結婚記念日 ②妻の古希 ③自分の喜寿、 この3っつを祝っての夫婦旅行。
羽田空港の出発は、早朝と言うことで、空港近くのホテルに前泊。この日の夕食に、小ジョッキを一杯。
なんと、なんと。半分しか、喉を通らない。これでアルコールのテストは、終わった。
明日からの、温泉旅館のご馳走は、飲み物は水かお茶に限ることに決定。(禁酒してんだから。)医者は旅行大丈夫と言っていたが、アルコール大丈夫と言っていなかった。
結果、三日間のすべてのご馳走は、おいしく味わって、胃の腑に無事収まった。
食いしん坊は、酒辛抱。
お陰さまで、2泊3日の全行程を楽しくめぐる事が出来た。
出雲大社。松江城。足立美術館庭園。
画像は、毎日に分けてアップ。
先日の旅行のコースを、すっかりムック本で、おさらいして、資料や、地図でなぞって復習した。
いわゆる、一度で二度美味しいと言う事だ。
ガイドさんの、説明の補足にもなる。
自分で、車を運転して出かけた若い頃は、ロードマップと資料で、すっかり予習して、頭に入れてから、ハンドルを握ったものだ。
今は、車を駆って自由に旅することはないので、予習より復習で、より深くエンジョイし、旅の思い出を強固なものにしようと言う訳だ。
写真も、降りたったところでは、しっかり撮れるが、走行中のバスからは、画像が流れてうまくとれない。
車窓のきれいな景色は、自らの網膜に焼き付け記憶に残すしか無い。
ツァー関係者によると、弾丸ツアーと言うらしい。
一泊2日で、見どころをきちんと、押さえて、後はひたすら、バスは走り、ガイドさんは、少しの休憩で、のべつ間もなくマイクを握り、地理や歴史の知識を、ユーモアを交え東北弁で車窓に合わせ、解説する。
添乗員さんは、狂いのないスケジュールで、観光スポットや、食事タイム、ホテルの部屋割まで、面倒見て、往復の列車の乗降の安全と案内をする。
そんな訳で、二日間で充実した旅を堪能できたのは、バスの運転手さん、ガイドさん、添乗員さん。加えて42名のツアー同行客の一致して、時間厳守の協力もスムースに運行できたわけだ。
人気のツアーで、今回は84名の参加者が、一号車、二号車、42名ずつ2台のバスに分かれた。
弾丸ツアーも、安全で無事だったのは、ベテランのドライバーと、ガイド、添乗員のスタッフに、寄って成り立っている。
さて、弾丸の話は、これくらいにして、東京から仙台まで東北新幹線、仙台から後はバス移動。
コースは、中尊寺、角館、雫石温泉で泊、翌日、奥入瀬渓流をウオーキング、十和田湖で休み昼食、湖畔の乙女の像、発荷峠で十和田湖を一望、仙台へ、仙台で少し時間を取り、東北新幹線で、上野、東京、へ。
家に帰りついたのは、24時。
息もつけない、弾丸のお陰で、全部の観光を、滞りなく終えた。
東北も内陸部だから、気兼ねなく楽しめた。震災津波の被災地なら、荒涼とした瓦礫の中、気の毒で観光などできないであろう。
実はガイドさん、気仙沼での被災者で、一年間仕事もできず塞ぎこんでいたという。その後前向きに、励むようになった。気持ちの切り替えが出来たのだ。
明日にも、写真を、追加アップしよう。