牡丹色(ぼたんいろ)
昨夜は隅田川大花火大会、今年もテレビの中継で観賞。
花火・ゆかた・藍色~ 近年のゆかたはカラフルになり、連想は藍色につながらない。
「一瞬の命はげしき大花火」 上野章子
花火もさまざまに趣向を凝らしたデザインで、色も形も 大空狭しと いっぱいに繰り広げ、かっての花火の情緒をかき消す勢い。
一瞬の~ 刹那みたいなものと、ちょっと違う。 江戸の粋はどこへやら。
バラエティと、イベントと、番組宣伝、それにコマーシャル。喧騒だけが、TV中継の花火。やはり現地の大川端へゆくべきかな。女
かって放浪の画家、裸の大将、山下清の ちぎり絵の「花火の図」を思い起こし、花火の色って、どんなだったかな。
花火は光、色は白、白はすべての色(光)の集約。
色即是空、般若心経に 色は有る様でない、無い様で有る。 なんちゃって(知ったかぶりの出来ない気弱な人間の照れ隠しの言葉)。
そこでもう一つ 夏の季語「水中花」 かな女の句。
「水中花菊も牡丹も同じ色」 長谷川 かな女
命の無い造花も、水につかると、涼しげに生きているように見える。それでも実際の花と違って、色は菊も牡丹も同じような色。
一瞬に大空に消える大花火、手元にて水を得て 生かされているが如き、水中花。 いずれも人間のはかない生命(いのち)を象徴するような夏の景物。
「候補者は花火をあげてまわるなり」 吉天子
やっと、牡丹色にたどり着きましたよ。
赤紫、赤と紫の中間に位置する色、花の王、牡丹から連想する赤みの強い華やかな色とは少し違うようでもある。
歴史的には七,八世紀、黒紫、赤紫と書かれている。
平安朝の「襲の色目(かさねのいろめ)」十二単のような重ね着の配色美の中に、牡丹と言う名がある。
花の名からとった日本の色名は優しい。現代は化学染料や、合成染料によるもので、牡丹色に近いもので洋紅色(ようこうしょく)、マジェンタである。
マジェンタは、印刷インクなどの三原色の一つでマゼンタともいう。
カラー印刷では、このマゼンタ(赤)とシアン(青)とイエロー(黄)の三原色に、さらにブラック(黒)の組み合わせで、さまざまな色が印刷再現される。 黒を含む四つの色を マゼアワセるのに、マゼンタとは。
ああ::疲れた~