めっきり秋めいてきて、暖かい布団の中でミステリーを読んで過ごすのには最適なシーズン。
聞いたことはあっても読んだことがなかったミステリーを読んでみた。
まずは「十角館の殺人」(綾辻行人)。有名である。クリスティの「そして誰もいなくなった」への
オマージュなのかは知らないが、それっぽい。無人島にある十角形の建物の中で一人また一人と
殺されていく話。いいねぇ。久しぶりに読んだなぁ、こういうの。
当時(1980年代)の大学生の生活ぶりがなつかしい。「紅茶に角砂糖入れますか?」みたいな
小物の扱いとか、女子学生が炊事を当たり前のように引き受けるとか。そういう楽しみ方も
あってよかったんだけど、あれ、十角形の意味あったかなぁ。
次は「七回死んだ男」(西澤保彦)。BSの番組で薦めていたので読んでみた。
コメディっぽい語り口がウマい。同じ日を9回繰り返す特異体質の高校生が、
その9回が終わる前になんとか祖父が殺されるのを防ごうと奮闘する
話。なんとなくそんな気がしていたとおり、日付を間違っていたわけですが
(ぽてちはネタバレとか全く考慮してませんよー)、それが自分が死んでいたから
というのは気づかなかった。1日寝ていたのかと思った。
こちらは1990年代のお話だったが、それほど古い感じはしなかった。
どちらも日本製のミステリーで親近感ありました。ちょっと昔が舞台だったから
かもしれない。今の小説に必ず出てくる携帯電話も、インターネットも出てこない。
古き良き時代のミステリー。