国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

尖閣ビデオ流出とロシア大統領の国後訪問

2010年11月05日 | 中国
11月1日にロシア大統領が国後島を訪問した。尖閣問題で日本が苦しんでいる最中のこの行動は、日本を南北から挟み撃ちにするもので日本の打撃は大きいように思われる。また、11月4日に何者かがユーチューブに尖閣事件のビデオをアップロードし、これが拡散することで日本国民の対中感情は更に悪化している。来週横浜で開催されるAPEC会議で中国首脳が訪日する直前のこの動きは何を意味しているのだろうか? まず、ロシアについて分析する。ロシアと日本は、米国を中心とする国際金融資本と中国という二つの敵に挟まれた国であるという点で国益が合致しており、表向きの対立関係とは裏腹に裏では親密な関係にあると思われる。ロシア大統領の国後訪問はこの親密な関係を隠蔽し、あたかもロシアが中国の味方であるかの様に振る舞ってみせることで中国を強気にさせる為の日露共同作戦の可能性が高い。中国を脅威視する米国の勢力もそれを容認していると思われる。 尖閣ビデオ流出も、表向きは海上保安庁の関係者のリーク説が有力だが、このような重大な問題が海保だけの意志で決定されることはあり得ないのであり、実際には政府や外務省が主導して実行している可能性が高いと思われる。その目的は、日中両国の世論を刺激して日中間の対立を深刻化させることにある。船長逮捕や海保職員が銛で突かれたとの未確認情報の場面はまだリークされておらず、今後それらの場面がリークされることで日中両国の対立は更に深まっていく可能性もある。 この日中対立は、中国国内の権力闘争とも深く関わっていると思われる。中国国内では改革解放で美味しい思いをしている上海派・太子党連合と、中国の統一を維持し貧富の格差を縮小させていこうとする団派が対立している。恐らく上海派・太子党連合は日本と裏で手を結んでおり、団派の代表である胡錦濤国家主席を攻撃するために尖閣事件に協力しているのではないかと私は妄想している。横浜のAPEC会議での胡錦濤と菅直人首相の会談はビデオ流出問題で絶望的となり、団派は大きな打撃を受けていることだろう。今後は上海派・太子党連合が中国政治の主導権を握り、内陸部で反日運動を煽って中国を混乱させ、その隙に上海を事実上独立させてゆくのではないだろうか。 . . . 本文を読む
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