マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ラフマニノフの楽興の時

2017-05-27 23:48:52 | ラ・プロムナード・ミュジカル
29日と6/3に弾く、ラフマニノフの楽興の時、原題は「Moments musicaux」で、直訳すれば「音楽の時」ということ。
シューベルトも6曲から成る楽興の時を作っていますが、ラフマニノフの楽興の時も6曲から成ります。
6曲に意味があるのかないのか…わかりません。
ただ、楽興の時というタイトルには特に意味はなさそうです。
ロマン派の「性格的商品」と言われる商品に付けたタイトルで、特に形式とか決まったことがあるわけではない、やや即興的な感じの曲につけられたようです。

ラフマニノフの楽興の時は、23歳のころ作られていて、作曲技法的にはまだまだ練れてないというか、深みも足らないし構成も単純…そんな気がします。
6曲の内、奇数番号がゆっくりな抒情的な曲、偶数番号が速くて技巧的な曲になっていて、2曲ずつちょうどセットになっているようです。
なので、今回弾くのは5番と6番。
5番の方は変二長調で、ゆったりと同じような伴奏形が続く中にきれいなメロディが歌われる曲です。
優しさにあふれる曲…と言えるかも。
とても気持ちの落ち着く曲です。
第6番は対照的に勢いがあって堂々とした曲です。
細かいトリルのような伴奏形を素早く弾くのはなかなか大変です。
菊地裕介氏のおっしゃる「ずらす奏法」というか指をほとんど動かさない奏法をうまく使うと良さそうです。
常に2つのメロディーが、最大の山場では3つのメロディーが浮かび上がるので、それをいかに表現するかがポイントですね。
ここ数日でやっと軽さが出てきたか…という感じで弾いています。

CDは、ニコライ・ルガンスキーの ラフマニノフ:前奏曲集/楽興の時 の演奏がなかなかいいですね。