マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ドビュッシーの小品

2018-03-02 19:02:15 | ラ・プロムナード・ミュジカル
3日のプロムナード・コンサートでは、大小合わせて8曲弾く曲のですが、ドビュッシーの小品から4曲演奏します。
小品というのですから、1曲あたりは短い。
2分から、長くても5分くらいの曲です。
ドビュッシーのピアノ曲は、数曲ずつのまとまりとなっているものが多いですが、小品と呼ばれる曲は単独で演奏されます。
今回は、特に理由はなく弾きたい曲だけを取り上げました。

ボヘミア舞曲
ドビュッシー18歳、1880年の作品で、現存する最初のピアノ曲です。
ボヘミア的(東ヨーロッパ的)、ロシア的な要素がある曲で、凝った作りではないし、優れているとは言えませんが、それでもどことなくドビュッシー的な響きがして、それなりに魅力的だと思って弾いています。

ハイドンを讃えて
1909年、ハイドン没後100年を記念して、音楽雑誌SIMで記念号が特集され、この企画のために編集長クロード・エコルシュヴィルから委嘱された作品です。
委嘱はほかにもラヴェルやポール・デュカスなど、数人にされていて、それぞれ作品を作っています。
HAYDNのアルファベットを、「シラレレソ」という音に置き換えてテーマとしています。
このテーマが何度も形を変えてえ出てきますが、テーマそのものがフワッとしているので、不思議な感じのする曲です。

ロマンティックなワルツ
1890年前後の作曲。
このころに作られたものは、ドビュッシーの作曲技法も確立されていないし、構成も凝ったものではありませんが、それでもドビュッシーらしい響きが随所に感じられるワルツです。
すご~くワルツらしいわけではありませんけど。

仮面(マスク)
1904年出版なので、作曲されたのはそれ以前ということでしょうか。
このころのドビュッシーの王朝趣味に関連し、ルイ王朝の仮面劇を暗示して作られているようです。
8分の6拍子と4分の3拍子の複合リズムで、弾いていると何拍子かわからなくなってしまいます。
スペイン風と東洋風が入り混じっています。
テンポが速く、とても技巧的です。

CDは、何と言っても、ジャック・ルヴィエ氏の ドビュッシー:ピアノ作品全集 がお勧めですね。
オーソドックスないい演奏です。
ほぼ全曲網羅しています。