燗で呑む熟成古酒の魅力
「奥播磨 宮の井 純米H30BY」
熟成酒特有の黒糖・醤油・紹興酒にも通じる熟成香は、さほど強くない。ナッツのような香ばしい香りがある。凝縮した上品な旨味が広がり、柑橘系の酸が小気味よくキレて、スッキリと呑める。まだ余韻の渋味も強く、熟成の余地を感じる。
これを燗にするとまた一段と美味いんだなぁ!
燗につけると、旨味と酸の輪郭がよりクッキリとして、 バランスがよくなり、強い純米酒の酒質を再確認する。濃い味の料理やチーズ料理でも受け止める。
原材料:米・米麹
酒米:兵庫県産米
精米歩合:55%
アルコール度:15度
長期熟成させた完全発酵純米酒の古酒は、大変魅惑的だ。時を駆けて熟成し、練れて凝縮された旨味に打ちのめされる。そんな魅惑の「純米古酒」を紹介しよう。
長期熟成酒(古酒)の特徴
①色合いは、非常に「濃い山吹色」をしている。
②「黒糖」「ナッツ」「醤油」「味噌」などに通じる独特の香りの「熟成香」がある。 これは個人的嗜好により好き嫌いがはっきり分かれる香りだ。 私にとっては食欲をそそる香りなのだが・・・生理的に受け付けない人がいるのも否めない。(笑)
③時を駆けて、熟成により「練れた旨味」が集積、凝縮しているのが古酒である。一般的な完全発酵の2回火入れの純米酒ならば、時間が経つほど、気温が高いほど熟成度合いが増していくことになる。
(熟成度合=積算温度×時間)
④「燗酒」でこそ凝縮した旨味が開き、本来持つポテンシャルを発揮する。
⑤「食中酒」として料理とともに呑んでこそ真価を発揮し、お互いを高めあう。 和食はもとより、濃い味わいの中華料理、ジビエ・肉料理、チーズ料理などとも相性が良い。
純米古酒(長期熟成酒)は、このように大変個性的であり、慣れてない方は嫌悪感さえ感じる可能性もある。紹興酒や梅酒に似た酒質を有するので、これらを呑みなれている方なら、比較的すんなりと受け入れることができるはずだ。
注意:古酒の名称にある「H10BY」とは、平成10酒造年度(平成10年7月~平成11年6月)に搾られた清酒を意味します。
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