年末年始に呑みたい「古酒」
「竹泉 どんとこい純米(鳶色)H 27BY」
純米燗金太郎です。
今朝の電話・・
「つかぬ事をお伺いします。今日そちらを車で通るのですが、道路は凍てついてないですか? 走れそうですか?」
朝は、あたり一面、白かったですが、国道は塩化カルシウムが撒いてあるし、日がさしたらすぐに溶けるので、車で走るには問題ありません。
でも、この電話のかた、当店にご来店のためのお問い合わせでなく、きっと帰省の為か、他の用事で佐用に来られるご様子でしたので、思わず吹き出してしまいそうになりました。
でも、こんな、お問合せも大歓迎です。お気軽にお声掛けください。
これもまた、地元に根差した酒屋と認知されている事と捉えれば、酒屋冥利に尽きます。^_^
さて今日ご紹介する古酒は、食用米で醸しているのに、素晴らしい風味を醸し出すこの純米燗です。
「竹泉 どんとこい純米(鳶色)H 27BY」
但馬産どんとこい米で醸した純米酒。
この米の特徴なのか、熟成感ある旨味と甘味を包み込むように酸がたち、独特のキレ方をして、その風味を醸し出す。ミントの様な爽快な酸だ。のどごしすべらかで落ち着いた良い酒だ。
燗につけても呑み飽きせず、杯がすすむ。熟成させれば旨味がどんどん濃くなる。食用米の「どんとこい米」が、何故こんなに風味の良い酒になるのか?不思議だ!(笑)
「酒米の精米歩合の意味」
酒米って粒が大きく、心白があって、蛋白分たんぱくぶんが少ないものが良いのです。
というのは、粗蛋白分が多いと雑味が強く、味の多い酒質になりやすいからです。
米の外側は特に蛋白分が多いので精白します(削る)。
だから精米歩合が少ないほど、雑味の少ないきれいな酒になりやすいのです。
ここで、基本的なおさらい・・・
精米歩合80%は、酒米の外側20%を削って、中心部の80%を残している状態です。
(精白歩合20%=精米歩合80%)
ただ、米の中心部の白い部分(心白)が丸い形をした球状心白だと、精米歩合は50%が限界となってしまいます。
それ以上精白すると心白まで達することになるからです。
心白が剥き出しになると、麹菌が剥き出しになった心白部分に片寄って付いたり、また心白は溶けやすいので、米割れの原因や、米が溶けすぎて糊精の多い鈍重な質のお酒になりやすいのです。
これが細長い線状心白だと、心白を剥き出しにせずとも、35%ぐらいまでの精米歩合にできます。言い換えれば65%の精白歩合です。
蔵によっては20%未満まで精米歩合を低めて、精米歩合で日本一を争うところもあるのですが、精米歩合が低ければ必ず美味しい酒ができるか?
と言えばそうとも言えません。
精米歩合を低めれば低めるほど、醸すのが難しくなり、杜氏さんの卓越した技術と勘が必要になってきます。
さて、このような線状心白をもった酒米は
「山田錦」
「雄町」
「強力」
の3種類しかありません。
しかし「山田錦」に関しては、山田穂と短稈渡船をかけあわせて作った人工的な酒米の品種なので、実際に純系分離された品種で線状心白をもつのは、
「雄町」と「強力」
しかないと言えます。
この2品種は、互いに超長稈品種(背が高い品種であるということ)であり、不思議な事に、共に鳥取の大山の麓に起源を持つ原生種です。
お酒を電話で取り置き予約もできます。
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