◎見知らぬ世界に
(2018-12-02)
『このことは憶えておく必要はない
君はいつも見知らぬ世界に
いつも見知らぬ旅人としてある
君たちは常に今から
まったく新しい旅へ出発する』
(ダンテス・ダイジの原典『救世主入門』の一節)
見知らぬ世界の見知らぬ旅人とは、ありふれているとも言えるし、さほど頻繁に出会うものでもないとも言える。
酒を食らいすぎて目が覚めたら、自分が「見知らぬ世界の見知らぬ旅人」であったことを自覚したこともある。
山水画では、山岳河川などの大自然に比較して人物はあまりにも小さく、なぜ主人公である人間を「見知らぬ世界の見知らぬ旅人」のように一目で見えるような描き方をするのか。それは安藤広重の東海道五十三次の人物とは全く異なる構図である。
後に精神病者の症状の一つに「見知らぬ世界の見知らぬ旅人」である自覚を発見したこともあった。
『このことは憶えておく必要はない』とは、知識として理解しても何の意味もないからだとは、推測ができる。ところが、『このことは憶えておく必要はない』の狙いは、知識として理解しても何の意味もないからだとは推測ができるが、まさか『本当に自分がそうなんだから憶えておく必要はない』という意味であることを知るのは、それが起きて後の事だろうと見当はついている。