一週間ほど前、ご近所さんからカボチャをいただいた。
そのご近所さんは、80歳くらいの奥様でよくお庭の手入れをしている。
たまたまそこを通りかかったらご挨拶するという程度のお付き合いで、立ち話もしたことがない。
その時は、彼女がたまたま玄関からでてきたところに通りかかった。
腕に小ぶりのカボチャを二つ抱えている。
よく立ち話をしているお向かいさんに持って行くらしい様子だけれど・・・
あらら、この展開では、あのカボチャ、私がいただくことになるのではないかしら?
図々しくもそんな予感をもちながら、いつものように、こんにちはと言った。
カボチャから目をそらしながら。
その奥様もにっこり、こんにちはと言いながら、行く過ぎようとして、はっと足が止まった。
「カボチャ食べる?」
やっぱり。
「あ、食べますけど・・・」
「じゃあ、これ食べて。親戚が送って来たんだけど、たくさんあるから」
二つのうち一つをくださるという。
「あら、すみません、いいんですか?」
そんな感じで、二言三言話して、カボチャはありがたくいただいた。
奥様はもう一度家の中に入って行った。
一つ足りなくなったカボチャを取りに戻ったのだろう。
2,3日してそのカボチャを煮物にした。
正直なところ、不味い。
夫と私で一切れづつ食べて処分となった。
次の日、またその奥様のお宅の前でお会いした。
「この間はカボチャをありがとうございました。美味しかったです」
すると
「あら、良かったわ~、当たり外れがあって不味いのが多かったんだよね、当たりが良かったのね~」
そうか、きっと殆ど外れだったんだわ。私がいただいたのだって、本当は大外れだったんだから。
でも、そんなことはどうでもいいのよ。
大事なのは、日頃挨拶だけの私にもおすそ分けが来たということね。
その気持ちをありがたいと思う。
今度通りかかったら、立ち話でもしようかしら。