『愛の不時着』でエリート軍人役を見事に務めたヒョンビンは、子どもの頃から制服と男らしさに憧れて「警察大学に進学する」ことを夢見ていたという。2011年の入隊直前、とあるトーク番組に出演した際は「もし俳優になれなかったら、対テロー作戦を担当する特殊部隊、“第707特殊任務大隊”に入ったことでしょう」と語ったほどだ。当時、芸能人としては珍しく自ら海兵隊に志願したのも十分頷ける。そんなヒョンビンが俳優を志したのは高校生の時。先輩に勧められて入った演劇部で、芝居の魅力に目覚めたのだ。ヒョンビンが出演する公演はチケットが瞬く間に完売されたというから、人を惹きつける才能はすでに発揮されていたようだ。しかし、彼の熱心な部活動を高校教師だった父が猛反対。ソウル大学出身や裁判官・検事の親戚が多い家系において、芸能人など言語道断と思われたのだろう。ヒョンビンは当時をこう振り返る。
「父に内緒で稽古に出かけたのがバレた時は、パンツ一丁のまま野球バットで叩かれました。その時、間違って膝にも当たってしまったんです。そのことに負い目を感じた父が、とある条件を出しました。僕がそれをクリアしてからは、黙って見守ってくれました」
その条件とは、「中央(チュンアン)大学演劇映画学科」に入学することだった。中央大学はいわゆる名門大学に分類され、なかでも1959年に開設された演劇映画学科は「韓国初の演劇教育機関」という歴史を誇る。同大学出身の俳優は数え切れないほどで、ハ・ジョンウ、パク・シネ、シン・セギョン、キム・スヒョン、チェ・ウシク、カン・ハヌル、チン・セヨンなどが挙げられる。2003年、堂々と中央大学に現役進学したヒョンビン。時を同じくして以前からアプローチされていた芸能事務所と専属契約を結び、同年放送のドラマ『ボディーガード』で俳優デビューを果たした。ちなみに同作でヒョンビンが演じたのはチャラいストーカーの脇役。しかも水着姿だったため一部では“黒歴史”ともされるが、最も若いヒョンビンが見られる貴重な作品には変わりない。(スポーツソウル)上の写真はチャ・スンウォン主演のドラマ「ボディーガード」のヒョンビンです!