あらすじと感想、最終回、
韓国ドラマ「耳打ち」2017年、全17話
テベク法律事務所を舞台に悪と正義の間で揺れ動く大人の愛と
事件の真相を追いながら弱者が強者に戦いを挑み悪を懲らしめて
いく過程が描かれている社会派ドラマです。
いつも清楚な雰囲気のイ・ボヨンさんが父親の無実を晴らすために
悪の権力と戦う女刑事を演じていますが、なかなかアクションも
決まっていて行動的なかっこ良い女性を演じています
また相手役のイ・サンユンさんは正義感の強い判事として有名
でしたが、権力や陰謀に飲み込まれそうになるも、イ・ボヨンさんと
出会い二人で真実を追い求めていく元判事を演じています。
はじめは悪の窮地に立たされて良心を売ってしまった嫌味な男を演じ
悪の魅力を垣間見せていますが、そんな男女のハラハラドキドキする
駆け引きが大きな見どころとなっています。
二人が2012年に共演されたドラマ「いとしのソヨン」は高視聴率を
叩き出しましたが、本作も6年越しの再共演という息の合った演技を
熱演されていて、今回も視聴者の心をつかむこと間違いありません。
女刑事のヨンジュ(イ・ボヨン)は記者の父チャンホと防衛産業の
不正疑惑を追っていました。不正の背後に法律事務所テベクが
関わっていることを突き止めますが、そんな時父チャンホと一緒に
事件を追っていた同僚が殺され、父チャンホが殺害したという
濡れ衣を着せられ逮捕されます。
父チャンホの裁判を担当したのは、正義の判事と評判のドンジュン
(イ・サンユン)で、ヨンジュはドンジュンに無罪の証拠を
渡しますが、テベクの代表であるイルファン(キム・ガプス)から
圧力をかけられ仕方なく無罪と知りながら父チャンホに有罪判決を
下すドンジュンです。
その後、ドンジュン(イ・サンユン)は判事をやめて弁護士になり
テベク代表イルファン(キム・ガプス)の娘スヨン(パク・セヨン)
と政略結婚します。
スヨンにはすでにジョンイルという恋人がいますが、ドンジュンとの
結婚は単なる取引と割り切っているスヨン(パク・セヨン)です。
またヨンジュ(イ・ボヨン)は復讐と父親の救済のために猛然と
立ち上がり、裏切ったドンジュン(イ・サンユン)にある罠を仕掛け
弱みを握ったヨンジュ(イ・ボヨン)は名前を変え秘書として
テベクに入りドンジュンに近づくのです・・・
そして父チャンホの殺人罪が冤罪である証拠を探るうちに、
防衛産業界のトップであるポグク産業のカン会長の息子ジョンイル
(クォン・ユル)が絡んでいることを知ります。
そして、ジョンイルとその恋人でドンジュンと政略結婚をした
スヨン(パク・セヨン)も殺人事件に関与していると確信した
ヨンジュ(イ・ボヨン)はドンジュン(イ・サンユン)に手を組む
ことを提案します。そんな中、獄中にいる父がガンを患っている
ことが判明。ヨンジュ(イ・ボヨン)は窮地に立たされます。
はじめは対立していたヨンジュとドンジュンでしたが、テベクの代表
であるイルファン(キム・ガプス)から追い詰められ途方もない
陰謀の陰に二人は手を取り合うことになりますが、ともに父の冤罪を
調べていくうちにお互いに心が通い合い情が芽生えていきます。
敵から同志へ、そして切なくも深まる愛情は普通の恋人たちとは
ちょっと違う人間愛という大人の愛を育てていきます。
また一方、ヨンジュとドンジュンのように法の正義へと進んでいく
二人とは正反対に、強烈な徹底した悪役カップルを演じるジョンイル
(クォン・ユル)とスヨン(パク・セヨン)。
ジョンイルは防衛産業界のトップでポグク産業のカン・ユテク会長の
息子でスヨンとは恋人関係ですが、テベク法律事務所の後継者の座を
狙っています。
またスヨンはテベクのチーム長でわがままで高慢なお嬢様。
ドンジュンとの結婚は単なる取引だと割り切っていますが、この悪役
カップルの頭の中には自分の欲望だけしかありません。
お互いに記者殺人に関わっている真犯人なのに二人の関係は騙しあい
裏切りの連続で本当の愛を知らずに生きているかわいそうな二人。
本作の悪女パク・セヨンさんの顔の表情は怖いくらい役になりきって
いて悪役カップルのスヨンとジョンイルの強烈なキャラがすごい
勢いでバトル展開します。
でも本作の鍵を握るドラマの駆け引きはこの二人の存在が大きく
彼らの動きからも目が離せなくなります。
特にジョンイル(クォン・ユル)の人殺しの証拠を隠すためにどんどん
周りの人間を陥れていく姿はクォン・ユルの爽やかな見た目から想像が
出来ない凶悪ぶりで今までのイメージを覆した彼の演技は圧巻です。
本作は彼の男としての力強さを感じるドラマでした。
そして、このドラマの面白いところはヨンジュとドンジュン、敵対する
ジョンイルとスヨンの立場が2転3転と不利になったり有利になったりの
繰り返しでスピード感あふれるストーリーがスリル満点に描かれて
いるところです。
最後まで視聴者を引き込む要素がふんだんに盛り込まれています!
また、スヨンの父でテベクの代表であるイルファンとジョンイルの
父でポグク産業の会長であるユテクの昔からの悪縁によるバトル戦も
見応え十分でベテラン俳優の深い重みのある演技も最高!
そして、私はこのドラマの重要な部分の1つとして、昔イルファンの
家はユテクの家の小作人だったということで、ジョンイルの父ユテクは
イルファンの娘スヨンが気に入らないのです。小作人一家と親せきに
なれば皆にバカにされて故郷に帰れないと思っているのでしょう。
そしてイルファンはテベクをユテクからつぶされるのをビクビク
しながら暮らしています。この二人の上下関係も緊張が走ります。
後半、スヨンは信頼していた恋人のジョンイルから裏切られ、自分が
犯人にされそうになりショックを受けますが、スヨンも「真犯人は
ジョンイルです」という証拠の映像を残します。
そうなると今度はお互いの親同士がますます対立することになり
ユテクはスヨンの映像の証拠能力を失わせるようにやっきになり
スヨンを殺人犯にして息子のジョンイルを救おうとします。
事件の目撃者はスヨンとヤクザのペク・サングなので、きっと
ペク・サングをうまく利用するでしょうね。
何と言っても悪者たちは検察と裁判所をも動かす力を持っている
連中ですから・・・
そしてここから危険な戦いがはじまり、お互いの駆け引きはスリルが
あって面白い展開になっていきますが、そんな中、敵対していた
テベクのイルファンがジョンイルの父ユテクを殺してしまいます。
そして、その罪をヨンジュ(イ・ボヨン)にかぶせます。
もちろん父親を殺されたジョンイル(クォン・ユル)は犯人が
スヨンの父イルファンだと感づいていますが、ジョンイルは
自分の父を殺したイルファンと手を組むことになります・・・
それは入院しているヨンジュの父の所に行って犯人は私だといえば
拘留中の娘ヨンジュ(イ・ボヨン)を助けるということでした
結局、父は嘘の供述をし殺人犯のまま亡くなります。
誰一人弔問客がいない寂しい葬儀がとてもかわいそうで、娘の
ヨンジュの悔しさ無念さをこらえる姿に胸が痛くなりました。
父の嘘の供述でジョンイルも同じく容疑が晴れたわけですが
これから彼は父の復讐に走るでしょうね。
そしてはじめにジョンイルはなんと父の会社ポグクを手放し、
今までの不正に対する調査を監査院に頼みます。二人の父親の
不正があばかれれば困るのは生きているイルファンですから。
そして、ドンジュン(イ・サンユン)は「今までのいろいろな
間違いを正そう」と言って医者である父親と縁を切ります。
ドンジュンの応援もあってヨンジュ(イ・ボヨン)は元の警察に
復職します。そして心が通い合う二人は周りの仲間たちに助け
られながら事件解決に力を合わせ、やっと横領でイルファンの
側近であるソン秘書を逮捕します。その後はソン秘書もドンジュン
ヨンジュと手を組んでイルファンのカン・ユテク殺害の逮捕に
力を合わせますが、娘のスヨンは父親を助けるために必死に
もがきますが、父親は娘を助けるために殺害を自供します
そしてすぐに娘のスヨンにジョンイルをテベクの代表にして
テベクを守るように言い、ジョンイルと結婚して将来は子供を
テベクの代表にするように言います・・・
ところがスヨンは、その父の言葉に理解できない戸惑いを
感じるのです。
そうですよね、自分の父がジョンイルの父を殺したのですから
その息子と結婚なんて普通は考えられないことですよね。
娘の逮捕だけはさけたいと必死になっていた父でしたが、結局は
自分の会社テベクが一番大事だったということなんですね。
それにセヨンが気付いたのでしょう。
すべてお金なんですねぇ・・・
終盤、大きな証拠をつかんだヨンジュはやっとジョンイルを
逮捕し、スヨンも殺人隠蔽の疑いで緊急逮捕します。
そして韓国ではテベク法律事務所最大の汚職事件として大きな
関心を集めます。そしてドンジュンも不正裁判の疑いで逮捕
されます。
最終回、裁判がはじまり、スヨンの父イルファンに無期懲役、
ジョンイルに懲役10年、スヨンに懲役7年、そしてドンジュンに
懲役4年の刑が求刑されました。
ヨンジュは父親の名誉回復の裁判を行い、自ら警察に辞表を出します。
それから3年の月日がたち、ヨンジュは弁護士になるための学校に通い
見事合格します。
ヨンジュは自分の弁護士事務所を開き、ドンジュンの席も作って
彼を待っています。
ドンジュンの出所の日、二人はお互いを見つめながらやさしく
ほほ笑み、その後ドンジュンの母の養護施設に向かいます。
そして、そこでドンジュンは重い痴呆症を患った父の姿をみて
衝撃を受けます。
母は「花道を歩いていた人生も、泥沼を転んでいた人生も、結局
最後はこの道なのよ・・・」と寂しそうに話します。
そして初めての裁判を迎えた日、ヨンジュは、「見える証拠から
目を離さない」というドンジュンの意志に従い、立派な弁護士に
なりました。
幸せそうなヨンジュとドンジュンの姿が微笑ましいラストでした。