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バッファローネイバルパークの「リトルロック」艦内の
展示ルームをご紹介しています。
■登舷礼を行う「リトルロック」
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現役だった頃の「リトルロック」で登舷礼を行っている様子。
艦橋から撮られたちょっと珍しいシーンです。
元乗組員から寄贈されたというこのバトルヘルメットには、
コマンダーを表すCOMMという文字と、少佐の階級章がマークされています。
艦橋から撮られたちょっと珍しいシーンです。
元乗組員から寄贈されたというこのバトルヘルメットには、
コマンダーを表すCOMMという文字と、少佐の階級章がマークされています。
ヘルメットの縁にあるベルトについてはわかりませんでした。
そして、写真の左側のクロームの物体は、5インチ砲の火薬ケースです。
「リトルロック」が搭載していたのはMk.12で、就役時は6基でしたが、
タロスミサイル艦に改装されてからは1基だけとなりました。
その代わり、Mk.16の6インチ砲が1基だけ導入されています。
「リトルロック」が搭載していたのはMk.12で、就役時は6基でしたが、
タロスミサイル艦に改装されてからは1基だけとなりました。
その代わり、Mk.16の6インチ砲が1基だけ導入されています。
■ カジュアルティ・パワーシステム
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こちらは展示ではありませんが艦のダメージコントロールシステム、
「カジュアルティ・パワーシステム」です。
「カジュアルティ・パワーシステム」です。
本体には、
ライザー端子 3-56-2
ライザー端子2-56-2に接続
コンパートメントA-211-L内
と記載があります。
これは艦内のダメコンシステムで最も重要なものですが、
これ自体は単純な配電装置となっています。
これ自体は単純な配電装置となっています。
船がダメージを負うなどの非常事態に、艦体を浮揚させるため、
あるいは危険な区域から脱出するために必要な、
重要な機械や装置のための電力源を確保する非常システムです。
あるいは危険な区域から脱出するために必要な、
重要な機械や装置のための電力源を確保する非常システムです。
カジュアルティ・パワーシステムは次のアイテムで構成されています。
○ ポータブルケーブル(ラックに収納されている)
○ 隔壁端子(バルクヘッドターミナル)
水密性を阻害することなく隔壁間の回路を連絡する
ライザー(高さを調節するの意)によってデッキ間が調整される
○供給源に繋ぐコネクション
○ ポータブルケーブル(ラックに収納されている)
○ 隔壁端子(バルクヘッドターミナル)
水密性を阻害することなく隔壁間の回路を連絡する
ライザー(高さを調節するの意)によってデッキ間が調整される
○供給源に繋ぐコネクション
ライザー端子は、バルクヘッド端子と似ていますが、
ライザー端子同士、取り外すことができない装甲ケーブルで接続され、
それらは垂直方向に「ライズ」するために配線されます。
つまり、発電機から主甲板および第 2 甲板レベルにパワーを運ぶのです。
ライザー端子同士、取り外すことができない装甲ケーブルで接続され、
それらは垂直方向に「ライズ」するために配線されます。
つまり、発電機から主甲板および第 2 甲板レベルにパワーを運ぶのです。
ここにあるのは配電盤で、電源パネルの端子は高音になるので、
カジュアルティ電源ケーブルが端子に接続される前に、
パネルへの通常の供給は遮断する必要があります。
非常用電源システムからは、操舵装置、IC配電盤、消火ポンプ、
消防室や機械室の補機類などに供給が行われます。
カジュアルティ電源ケーブルが端子に接続される前に、
パネルへの通常の供給は遮断する必要があります。
非常用電源システムからは、操舵装置、IC配電盤、消火ポンプ、
消防室や機械室の補機類などに供給が行われます。
■ スカットルバット
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俗語としての「スカットルバット」が、「噂」「ゴシップ」を表し、
この語源がこの水供給器であることは、
当ブログでも何度となくお話ししてきたところです。
この語源がこの水供給器であることは、
当ブログでも何度となくお話ししてきたところです。
航海用語の樽や噴水による水供給器=スカットルバットは、
水兵たちがその周りに集まって噂話をしたことから、
いつしかスカットルバットは噂を意味する言葉になったというわけです。
水兵たちがその周りに集まって噂話をしたことから、
いつしかスカットルバットは噂を意味する言葉になったというわけです。
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この写真は帆船で使われていた樽型のスカットルバットです。
バット(樽)には水を汲み出すための四角い穴が開けられています。
バット(樽)には水を汲み出すための四角い穴が開けられています。
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これはシースカウト(ボーイスカウトの海版)で行われている
「スカットルバット吊り上げ競技」の様子です。
帆船時代の樽のスカットルバットは、甲板の一階下に収納しますが、
その際、写真のような三脚を甲板のハッチの上に立てて、
保管庫からの出し入れを行う作業が日常的に行われていました。
この競技は、その作業と同じことを、水をこぼさずに行い、
その最短時間を競うもので、三脚の下に置かれた樽にロープを結び、
ドラム缶を規定の高さ(3フィート)に持ち上げるのを3回繰り返し、
地面にドラム缶を降ろして装備を元の状態までするまでが1ラウンドです。
水がこぼれたり、作業中誰かと話をしたら失格。
「優秀」とされるタイムは1分未満だそうです。
安全のために参加者はヘルメットをかぶっていますね。
「スカットルバット吊り上げ競技」の様子です。
帆船時代の樽のスカットルバットは、甲板の一階下に収納しますが、
その際、写真のような三脚を甲板のハッチの上に立てて、
保管庫からの出し入れを行う作業が日常的に行われていました。
この競技は、その作業と同じことを、水をこぼさずに行い、
その最短時間を競うもので、三脚の下に置かれた樽にロープを結び、
ドラム缶を規定の高さ(3フィート)に持ち上げるのを3回繰り返し、
地面にドラム缶を降ろして装備を元の状態までするまでが1ラウンドです。
水がこぼれたり、作業中誰かと話をしたら失格。
「優秀」とされるタイムは1分未満だそうです。
安全のために参加者はヘルメットをかぶっていますね。
■ 山下奉文大将処刑に使われたロープ(実物)
他の多くの展示艦と同じく、ここもまた館内は博物館となっていて、
「ベトナムルーム」と名付けられたコーナーには
海軍艦なのに陸軍ヘリ部隊や陸軍の女性についての展示があります。
そして、もう少し先に進むと、ほんの一瞬ですが、
我々日本人にとって看過できない展示が現れます。
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第二次世界大戦時、マレー作戦の指揮官としてイギリス軍と戦い、
シンガポールを陥落させ、フィリピン攻防戦でアメリカ軍と戦った、
山下奉文陸軍大将の処刑を報じる新聞と、その際使われた
処刑用のロープの一部が展示されていたのです。
シンガポールを陥落させ、フィリピン攻防戦でアメリカ軍と戦った、
山下奉文陸軍大将の処刑を報じる新聞と、その際使われた
処刑用のロープの一部が展示されていたのです。
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山下奉文元帥は、第二次世界大戦中の大日本帝国陸軍大将である。
マラヤ・シンガポール侵攻の最前線に立ち、
70日間でこの2カ所を制圧するという快挙を成し遂げ、
英国のウィンストン・チャーチル首相は、
日本軍によるシンガポールの無念の陥落を
「最悪の災害」「英国軍事史上最大の降伏」と呼んだ。
戦後、マニラでの裁判の結果、彼は戦争犯罪の有罪判決を受け、
1944年に日本が占領したフィリピンの防衛戦における部隊の行為により、
1946年に絞首刑で処刑された。
この写真は、有名な、山下大将がアメリカ軍に投稿した時のものです。
かつて恰幅の良かった大将の体はすっかり痩せていますが、ご本人は
「家内にはいつももっと痩せろと言われていたからちょうどいい」
と笑っていたとか。
かつて恰幅の良かった大将の体はすっかり痩せていますが、ご本人は
「家内にはいつももっと痩せろと言われていたからちょうどいい」
と笑っていたとか。
以下、ここに展示されている写真とその説明です。
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戦後、山下大将が裁判中に収容されていたフィリピンのロスバノス収容所
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山下大将が処刑された絞首台
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処刑直前、黒い頭巾をかぶっている山下大将が見える
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処刑執行したメンバー
写真左から2番目のハワード・ロス(写真左から2番目)は、
山下大将の最後の言葉が
「May I face the East.」
であったと回想している。
処刑寸前、山下大将は皇居の方角に頭を下げ遥拝を行いました。
山下大将が処刑された後4、5日して、フォリピン第一キャンプの入り口の
本部前の掲示板に処刑の写真が四つ切り大に引き伸ばされて、
11枚のシリーズで張り出されたといいます。
その11枚とは下の通り。(wiki)
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処刑執行したメンバー
写真左から2番目のハワード・ロス(写真左から2番目)は、
山下大将の最後の言葉が
「May I face the East.」
であったと回想している。
処刑寸前、山下大将は皇居の方角に頭を下げ遥拝を行いました。
山下大将が処刑された後4、5日して、フォリピン第一キャンプの入り口の
本部前の掲示板に処刑の写真が四つ切り大に引き伸ばされて、
11枚のシリーズで張り出されたといいます。
その11枚とは下の通り。(wiki)
1、刑場の全景
2、山下が患者輸送車から下車する場面(囚人服姿)
2、山下が患者輸送車から下車する場面(囚人服姿)
3、階段の手前の山下
4、十三階段途中の山下
5、十三階段の一番上の山下
6、山下の首に縄がかけられた状況
7、蹴り板がはずれて釣り下がる
8、下半身が黒見を帯びた袋に入れられつつあるところ
9、完全に袋に入れて、遺体を運ぶところ
10、遺体を担架に乗せるところ
11、担架の前で日本人の僧侶が読経しているところ
ここに展示されていた写真は「1」以外相当するものがありません。
11枚の写真は海軍の公式カメラマンによって撮影されたものであり、
ここにあったのは、現場に立ち会うことを禁じられた報道関係者が
なんとか処刑の様子を収めようとこっそり撮影したものと思われます。
ここにあったのは、現場に立ち会うことを禁じられた報道関係者が
なんとか処刑の様子を収めようとこっそり撮影したものと思われます。
■ 処刑を報じるイギリスの新聞
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山下奉文が絞首刑になったのは、シンガポール陥落で煮湯を飲まされた
イギリスと、マッカーサーの報復感情が大きく作用したと言われています。
これはそのイギリスの発行した新聞です。
「山下と太田、絞首刑に」
と赤字で大きくタイトルがありますが、実際の処刑についての記事は
一番右だけになります。
イギリスと、マッカーサーの報復感情が大きく作用したと言われています。
これはそのイギリスの発行した新聞です。
「山下と太田、絞首刑に」
と赤字で大きくタイトルがありますが、実際の処刑についての記事は
一番右だけになります。
「他の日本軍戦犯も処刑される」
マニラ 2月23日-(UP)
本日午前3時、ロスバニョスのフィリピン拘置更生センターで、
山下奉文元大将が絞首刑に処された。
他に2人が絞首刑に処された。
太田誠一大佐と東路琢磨である。
AFWES-PACの命令により、報道陣とカメラマンは刑場から退出させられた。
シンガポール陥落の際、山下大将がパーシバル中将に「イエスカノーか」
と降伏を高圧的に迫った、という噂については全くのデマで、
ご本人、日露戦争の「乃木-ステッセル」会談みたいになればいいな、
と思っていたら、もうとにかく通訳がグダグダで何を言っているかわからず、
その苛立ちもあって「いやだからどっちなんだって聞いてるの」
みたいなことを言ったら、変に脚色されてしまったらしいですね。
全くお気の毒としか言いようがありません。
ついでに、この日の新聞のヘッドラインは他に何が書かれているかというと、
他に2人が絞首刑に処された。
太田誠一大佐と東路琢磨である。
AFWES-PACの命令により、報道陣とカメラマンは刑場から退出させられた。
シンガポール陥落の際、山下大将がパーシバル中将に「イエスカノーか」
と降伏を高圧的に迫った、という噂については全くのデマで、
ご本人、日露戦争の「乃木-ステッセル」会談みたいになればいいな、
と思っていたら、もうとにかく通訳がグダグダで何を言っているかわからず、
その苛立ちもあって「いやだからどっちなんだって聞いてるの」
みたいなことを言ったら、変に脚色されてしまったらしいですね。
全くお気の毒としか言いようがありません。
ついでに、この日の新聞のヘッドラインは他に何が書かれているかというと、
「空挺部隊と反乱軍が砲撃戦で64人の死者を出す」
「カナダ、シャープノートを獲得」
「カナダ、シャープノートを獲得」
【オタワ2月28日】
ソ連のスパイ組織に関するカナダ政府の立場を批判するロシア語のメモが、
昨日遅くカナダ政府に届いたことが、外務省関係者の話で明らかになった。
ソ連のスパイ組織に関するカナダ政府の立場を批判するロシア語のメモが、
昨日遅くカナダ政府に届いたことが、外務省関係者の話で明らかになった。
「エジプトの学生騒乱で23名が死亡」
「3月7日に米国で電話ウォークアウトを実施」
(電話会社のストライキ)
(電話会社のストライキ)
「インドネシア軍」
【バタビア、2月23日-(UP)】
セレベス北部のゴロンタロに2万人のインドネシア軍が集結していると、
昨日、民族主義新聞ムルデカが報じた。
ムルデカ紙によれば、この軍隊は完全装備で、
地元の先住民当局の同意を得て、
すでにドルサンクとモンゴンドゥールを占領している。
以上となります。
山下大将を戦犯として処刑したかったアメリカとイギリスは、
なんとかして残虐行為の責任を被せようとしましたが、
どの証言者の口からもその名前が聞かれることはありませんでした。
裁判に立ち会ったイギリスの記者が次のようなことを書き残しています。
「山下裁判はきょうもつづいた――しかしこれは裁判ではない。
なんとかして残虐行為の責任を被せようとしましたが、
どの証言者の口からもその名前が聞かれることはありませんでした。
裁判に立ち会ったイギリスの記者が次のようなことを書き残しています。
「山下裁判はきょうもつづいた――しかしこれは裁判ではない。
審理でさえあるかないか疑わしい。
昨日は山下の名は一回だけでた。今日は一回も出なかった。
裁判をする軍法委員会は、いかなる法律や、証拠の規定にも
拘束されないかのように、裁判をすすめている。
私は日本人の弁護を扱ったことはない。
しかしイギリスの法廷なら、山下の場合のような
杜撰な告発は受理されないだろう。
裁判は軍司令官は兵隊のどの行為にも責任があるということを
制定しようとしているらしい」
裁判をする軍法委員会は、いかなる法律や、証拠の規定にも
拘束されないかのように、裁判をすすめている。
私は日本人の弁護を扱ったことはない。
しかしイギリスの法廷なら、山下の場合のような
杜撰な告発は受理されないだろう。
裁判は軍司令官は兵隊のどの行為にも責任があるということを
制定しようとしているらしい」
アメリカの法曹関係者にも、この裁判が
復讐と報復が目的であることを見抜いていた人がいました。
「もし敗戦の敵将を処置するために、
復讐と報復が目的であることを見抜いていた人がいました。
「もし敗戦の敵将を処置するために、
正式な手続きの仮面をかぶった復讐と報復の精神をのさばらせるならば
それは同じ精神を発生させ、
全ての残虐行為よりも永久的な害毒を流すものである」
マーフィー米最高裁判事 wiki
そして、最後まで堂々とした山下大将に対し、アメリカ人弁護人は
感嘆と尊敬の念を抱いていたといいます。
「彼には威厳と平静さがあった。
勝利者になろうが、敗北者になろうが、司令官になろうが、
捕虜になろうが、彼は男らしかった。
(中略)彼の眼は深くて思慮があった・・人生を見つめて来た者の眼、
人生を理解し、死を恐れない者の眼・・」
弁護人フランク・リール大尉 wiki
ところで、絞首刑のロープが細切れにされて展示されているのには、
細切れにすれば各方面に記念品として配りやすいからで、
これこそ、アメリカに伝わる悪しき慣習の成れの果てです。

細切れにすれば各方面に記念品として配りやすいからで、
これこそ、アメリカに伝わる悪しき慣習の成れの果てです。
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このロープの別の一部分がここにも・・・。
山下大将の横に、武藤章(東京裁判で処刑)参謀(当時)がいます。
山下大将の横に、武藤章(東京裁判で処刑)参謀(当時)がいます。
武藤中将は、フィリピンで山下に切腹することを提案するも、
逆に説得されて現地で降伏し、降伏調印を行っていますから、
この写真はその時のものかもしれません。
武藤中将は、東京の軍務局勤務が長かったので、連合軍は、
東京裁判に出廷させ、そこで裁くことを決めていたため、
山下大将が裁かれたマニラ軍事法廷では起訴されずに帰国しました。
逆に説得されて現地で降伏し、降伏調印を行っていますから、
この写真はその時のものかもしれません。
武藤中将は、東京の軍務局勤務が長かったので、連合軍は、
東京裁判に出廷させ、そこで裁くことを決めていたため、
山下大将が裁かれたマニラ軍事法廷では起訴されずに帰国しました。
これで現在世界に二つのロープのピースが現存することがわかったわけです。
絞首刑のロープを切り刻んで記念品にする(か売り捌く)行為に対し、
アメリカ軍はもちろん、これを不適切として公式には禁じていました。
絞首刑のロープを切り刻んで記念品にする(か売り捌く)行為に対し、
アメリカ軍はもちろん、これを不適切として公式には禁じていました。
基本的にはこの命令は守られたのですが、
軍部や死刑執行官の目をかいくぐって不法行為を犯す者は絶えず、
処刑が行われたこのフィリピンの刑務所でも、それは行われました。
もちろん、そんな敬意を欠いた不謹慎な記念品に一体なんの意味があるのか、
と不快に思う人の方が、特に現代では多数であるせいか、
この「遺物」が必要以上に重要視されることもないわけですが・・・。
■米軍の投降勧告ビラ
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アメリカ兵に告ぐ!
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アメリカ兵に告ぐ!
「私は抵抗をやめました」
このリーフレットは、抵抗をやめようとする日本人に
人道的な待遇を保証するものである。
直ちに最寄りの将校のもとに連れて行くこと。
最高司令官の指示による
人道的な待遇を保証するものである。
直ちに最寄りの将校のもとに連れて行くこと。
最高司令官の指示による
終戦が決まり、日本人に降伏し、良い待遇を受けるようにと投下された
アメリカ合衆国の降伏ビラ。
アメリカ合衆国の降伏ビラ。
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この小さな旭日旗が何を表しているのかは説明がありませんでした。
絹の搭乗員スカーフを使って手作りしたように見えます。
続く。