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ナイアガラの滝詣で〜アメリカ自粛中旅行

2021-01-02 | アメリカ

新年のけじめとしてみなさまには賀状めいたログをアップしましたが、
ご覧になった方はおそらくうすうすお気づきのように今回ナイアガラの滝を見てきました。

今回渡米したのはMKが今期借りていた寮の退出期限と、次に移るアパートの
入居可能日の間に3週間という微妙なタイムラグが起きてしまい、
平常時なら荷物の預かりと配送を依頼するドームルームムーバーが
中共ウィルスの影響で手配できないという事態に対応するためでした。

しかも選択している授業によっては最終試験の次の日に退出、
という厳しいスケジュールになっていて、MKの場合夏頃から
それがストレスになっているという状態だったので、パッキングと
荷物と本人のホテルへの引き取りを目的にわたしの出動となったわけです。

しかも彼の場合退出日の前日夜に企業を加えた研究プレゼンというのまであったとか。
相手は日本のゼネコン「A組」とその窓口となるB社の人、つまり日本人相手に
英語でオンラインプレゼンを行ったそうで、その様子をわたしは興味津々で聞いたところ、

「B社の社長はプレゼンにいたよ」

「ふーん」

「でもA組の社長はいなかった」

「社長・・・・そんなもんいるかーい!(呆)」

さて、ここピッツバーグでは気温が零下8度から11度まで寒暖が繰り返されます。
雪が降ったと思ったら雨がそれを溶かし、そこにまた寒波の波が雪をもたらします。

現地について二回目の雪が降った日、朝向かいの球場の整備員が
こんなハイテク機器で球場の周りの雪かきをしていました。

雪除けのフードは太腿部分にベルトで留めてあるようですね。

それが終わったら今度は雪を溶かすための塩を撒いていました。
ブルーの色は雪が溶けるとなくなります。

二回目の雪の後、ホテル前の河原のトレイルを歩きました。
向こう側に見えるのは、かつてワシントンが南北戦争の時に上陸した
ハーズ(Heers)アイランドで、今は高級住宅地とマリーナがあります。

クリスマスの時はビルディングのイルミネーションは皆緑と赤でした。

河原の鉄橋下などにあった落書きは、すべて塗り潰されたのですが、
いたちごっこのように上から新しい落書きが・・・。
この微笑ましい?やりとりは旧落書きのときにもありました。

夏までトラ(ンプ)大統領を貶める4文字言葉の落書きがあった場所には、
塗り潰し作業後、全く逆の応援落書きが現れました。

都市部ではトランプ支持者は襲われて危険などという情報もあるようですが、
少なくともここピッツバーグ(ペンシルバニア=スィングステート)では今回
車に「トラ(ンプ)・ペン(ス)」のナンバーを付けて走っている車も見ますし、

フリーウェイを走ると、郊外には大きな「トランプ」の看板を挙げている家もあります。

大統領選以降、隠れていたトラ支持者が存在を表し、声を挙げているのを肌で感じます。

 

さて、ナイアガラの滝まで行く計画はなんとなく決まりました。
住んでいるピッツバーグから車で簡単に行ける観光地というと
ナイアガラしか思いつかなかったからなのですが。

休憩を入れて3時間半くらいでバッファローに到着。
ホテルの隣にウォルグリーン(24時間営業のドラッグストア)があって便利です。

地形に高低がなく、どこまでも真っ直ぐな地面のせいで空が広い。

古い建物が多く残された落ち着いた雰囲気の街です。

レジデンスインをたまったマリオットのポイントで取りました。
オープンしてまだ新しく、インテリアも設備も最高です。
こういうご時世なのでクリスマス休暇中にもかかわらず部屋を取るのは容易でした。

翌日、早速ナイアガラ国立公園に行ってみました。
ピッツバーグからまっすぐ北上するとエリー湖に突き当たります。
エリー湖の向こうはもうカナダ。

ボストン在住時、幼児のMKも一緒にナイアガラには来ているのですが、
彼は当然ながら全くその記憶がないそうです。

国立公園に入ってみると、無料のパーキングがあったので、
そこに車を停めて現地まで歩いて行きました。

滝の近く(といってもそんなに近くない)にも駐車場はありますが、
行ってみると並んでいる上なんと10ドルも取られるのです。
(アメリカの駐車代10ドルは異常に高い部類)

エリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラリバーの河畔を歩いて行きます。
穏やかだった川の流れがだんだん激しくなって行きました。

向こうの橋のむこうが滝。
超当たり前ですが、この川は一切船の交通はありません。

川に万が一落ちたら確実に命はありません。
日本なら厳重に柵を作ってしまうところ、こちらではこの通り。
川岸に腰を下ろして流れを見ながらコーヒーを楽しんでいる人が
立ち上がるときにバランスを崩して川に落ちたとしても自己責任です。

向こうに見えているタワーはオンタリオにあるスカイロンタワー。

高さ236mで展望台からはカナダ滝、アメリカ滝の全景が楽しめます。
最上階には回転レストランがあるそうですが、もちろん今は営業していないでしょう。

この日は晴れて絶好の「ナイアガラ日和」でしたが、気温はマイナス3度くらいで、
ダウンコートに今回のためにネットのリサイクルショップでゲットした
フード付きのマフラー、ダウン入りパンツが大活躍です。

川沿いの通路は滝に近づくにつれて(たぶん飛沫のせいで)
普通の靴では滑って危険状態になってきました。

手前の柵の小さな氷柱をご覧ください。

そこでわたしは手すりを掴める状態で、「ペンギン歩き」を心がけました。

寒い地方にはそれなりの歩き方の作法があるのです。

というわけでナイアガラの滝に到着。

水の勢いが凄すぎて氷瀑になりようもなさそうです。
流れを凝視していると自然への畏怖みたいなものを感じずにいられません。

観光客はこのシーズンにしては少なめとはいえ、一定数いました。
前回来たときとの比較でいってもかなり人数は減っていると思いました。

平常時であれば滝の周りを回遊する「霧の乙女号」は、営業を停止して
全て陸揚げされていました。

前回来た時もなんだか不思議だったこの巨大な廃屋。

昔は宿泊施設だったりしたのかな。
ちなみにナイアガラの滝はアメリカ側からよりカナダ側からみる方が絶景です。

川の真ん中に突き出すように設置された展望台に行ってみました。
普段は有料のようですが、今は無料公開されています。

展望台の手前にあるゲートでは係が一人立って人数制限をしていました。

飛沫を浴びるくらいの至近距離に近寄ることができる通路があります。
コロナに関係なく危険なので冬季は閉鎖しているようです。

拡大してみると、そこは氷漬けの世界。

 

ナイアガラの滝の観光客が現地で費やす時間はせいぜい30分といったところでしょう。
たしかに一生に一度は見るべき自然のスペクタクルではありますが、
見ていても何も変わるものではないので、皆写真を撮ったらそそくさと帰って行きます。

前回の記憶のない息子はそれなりに期待していたようですが、見た後、
あんなものか、みたいな軽い失望を表したので、わたしは彼に
「日本の三大がっかり」について解説してやりました。

ただ、はりまや橋、時計台に続く3番目のがっかりがどうしても思い出せませんでした。

ちなみに世界三大がっかりといわれているのはマーライオン、ブリュッセルの小便小僧、
シドニーのオペラハウスですが、いろいろバリエーションはあってもとりあえず
ナイアガラフォールズはがっかりからは外されているようです。

クリスマスシーズンにしてはこの人の少なさは特殊でしょう。
ナイアガラの滝を何度も見にくる人はまずいませんが、それでも世界中から
毎日のように初めての人が詰めかける場所だからです。

今回は今までどこにでもいた中国人観光客の姿を1組も見ませんでした。

周辺のレストランはほとんどが営業を停止していたようです。

ビジターセンター前でガチョウの群れを追いかける女の子。

アメリカ人にとってガチョウなど珍しくもないと思いますが。

このあたりのリスは異様なくらい皆太っています。
日頃から観光客の捨てたゴミ捨て場の食べ物などを漁っているので、
冬眠の必要は全くないのだと思われます。

今年の夏はカリフォルニアに行けなかったのでリススレをあげられず、
大変残念に思っていたわたしとしては目の色を変えて彼らを追い回しました。

ガチョウもそうですが、ここのリスどもはとても人慣れしています。

人によりますが、ときどきスナックなどを撒いてくれるからですね。
バターとか塩味たっぷりのスナックは小動物の体にはよくないと思うのですが。

モルジブのホテルでロシア人が猿にチキンを与えている姿、
奈良の鹿がフライドチキンを食べているのを見たことがありますし、
ディズニーシーのカモはポップコーンを啄んでいました。
自分の食べているものを何も考えないで動物にやるという行為は、
観光地の動物たちにとって「優しい虐待」以外の何物でもありません。

それに比べてカモメたちの雄々しく勇ましいことよ。
激しい川の流れの上を、その流れの中に獲物を求めて飛びます。

そして何かを見つけると流れに飛び込み、一瞬で離脱したときには獲物を捕らえているのです。
もちろんそれが成功するのは一日何百回ものうちの数度にすぎません。

わたしたちも展望台に上がればここでの用事は終了です。

元来た遊歩道を歩いて車に戻りました。
大した距離とは思いませんでしたが、観光客はほとんど歩いていません。

パーキングの横にナイアガラ手前のリバーサイドのちょっとした歴史がありました。
ナイアガラ観光のために公園として整備される前、1887頃の写真です。

上は1910年頃リバーサイド。
下は1963年の写真だそうです。

空いているレストランを探すのは至難の技なので、ホールフーズで材料を買って
副菜を調理し、メインにバッファローウィングをデリバリーしました。

何しろここはバッファロー。
バッファローウィングの発祥の地ですから。

お店はたくさんあった様ですが、ネットの評価が高かったお店で
とりあえず20ピース注文してみました。

バッファローウィング(英:Buffalo wing)は、鶏肉の手羽を素揚げにし、
辛味の強いソースをまぶしたものです。
地元の人には「チキンウィング」や「ウィング」で通じます。

カイエンペッパーと酢を利かせた辛味と酸味の強いソースが特徴で、
大体のお店では辛さのレベルをチョイスすることができます。

わたしは辛いものが苦手なので、マイルドを注文しました。

セロリスティックとブルーチーズドレッシングがオプションでつけられます。
ブルーチーズドレッシングは辛いチキンにちょっと付けるのもよし、
チキンの合間にパリパリと食べるセロリに付けるのもよし。

時間を指定して持ってきてもらい、出来立てにかじりつきました。

「美味し〜い!♡」

ほとんど人に会わず、人混みに出ないで車で往復し、
食事はすべてホテルで自炊するという旅行ではありましたが、
それなりのイベント(ナイアガラ詣で)グルメ(デリバリーのチキン)
と十分に楽しむことができて大満足の旅でした。

しかも!

みなさまにぜひお伝えしたいのは、当ブログ的に思わぬ収穫があったことです。
海のないこの地域で全く期待していなかった「軍艦見学」ができたのです!

 

続く。