ヒューロン湖沿いのベイシティに展示されている
「ザ・デストロイヤー」ことUSS「エドソン」艦内探訪、
ブリッジから一階下のコンパートメントにやってきました。
■ エグゼクティブ オフィサー ルーム
艦長室ほどではありませんが、広い個室です。
このベッドは平常はソファとして使われているような作りです。
ある艦では艦隊司令などが乗艦してきたときには、
司令官は艦長室を使い、艦長は副長の部屋に移動し、
副長はさらに下のベッドに移動ということになっていました。
自衛隊ではどうかわかりませんが、アメリカ海軍の艦船では
そうなったとき階級に従い、ベッドを「降格」させることもあります。
このベッドは平常はソファとして使われているような作りです。
ある艦では艦隊司令などが乗艦してきたときには、
司令官は艦長室を使い、艦長は副長の部屋に移動し、
副長はさらに下のベッドに移動ということになっていました。
自衛隊ではどうかわかりませんが、アメリカ海軍の艦船では
そうなったとき階級に従い、ベッドを「降格」させることもあります。
しかし、居室としての設備は艦長室並み。
個室に専用トイレ付き。
艦内表示には「COMM HEAD」(司令官トイレ)とあります。
やはりここはエグゼクティブ・オフィサー専用室のようですね。
■ レイディオ・ルーム
無線室、レイディオ・ルームにやってきました。
歴史的展示艦艇であっても、ここまできちんと
現役の時の姿通りに無線室を保存しているところはそうありません。
たまにあっても、ほとんどはフレキシガラスで覆われて、
ガラス越しに中をのぞけるようになっているものです。
「エドソン」で感心したのは、その気になれば
すぐ近くに立って機器の全てを見ることができることでした。
ここから、かつて関係者以外立ち入り禁止だったようです。
一体ここにどのような機密があったのでしょうか。
ここにはトランスミッター、パワーサプライ、アンプなどの機器が
整然と積み重なっています><
うーん・・・まだこれくらいでは「機密」とはいえないよね。
説明によると、ここには「ファイアー アックス」消防斧があったようです。
ここから先はコミュニケーションスペースなのですが、
ここへの出入り口が一つしかないため、緊急の場合に
出入りを確保するために、ドアに備え付けてあったのだとか。
ということは、ここから先が「機密」なんでしょうか。
■ メッセージ解読室
こちらにはタイプ、椅子の向こうにある機器はなんぞや。
こちらにはタイプ、椅子の向こうにある機器はなんぞや。
大きなゲーム機にキーボードをつけたような・・・。
これはデコーディング エネミー メッセージの機器、
つまりここで敵の通信を傍受&解読していたのです。
これはデコーディング エネミー メッセージの機器、
つまりここで敵の通信を傍受&解読していたのです。
なるほど、これで「関係者以外立ち入り禁止」のわけも、
入り口に斧があったわけもわかりましたね。
機器の上に置いてある分厚い書類は使マニュアルです。
この部屋では2人の係がメッセージの解読を行なっていました。
ベトナムの洋上でこの狭い部屋に詰めっぱなしはさぞきつかったでしょう。
部屋は一応空調はされていたそうですが、艦艇がが攻撃されると
部屋は密閉され、あるいは永久にそこから出られません。
なぜならここにある機器そのものが「機密」だから。
艦が危機に陥ると、自動的にここは破壊される仕組み
艦が危機に陥ると、自動的にここは破壊される仕組み
だったそうです。
(どのようにして破壊するかまではわかりませんでした。
自爆装置がどこかに仕掛けてあったのかもしれません)
そうなったとき、この部屋の傍受係は、自力で
閉じ込められる前にここから脱出しなければなりません。
どこから脱出するかって?
(どのようにして破壊するかまではわかりませんでした。
自爆装置がどこかに仕掛けてあったのかもしれません)
そうなったとき、この部屋の傍受係は、自力で
閉じ込められる前にここから脱出しなければなりません。
どこから脱出するかって?
はい、この小さな丸いハッチからです。
ハッチの上には赤い字で
「脱出用スカットル 前にものを置くこと禁止」
と書いてあります。
非常時を知らされてから、乗員がこの窓から外に出て
梯子を降りて脱出するのに与えられた余裕はわずか数秒だったそうです。
ハッチの上には赤い字で
「脱出用スカットル 前にものを置くこと禁止」
と書いてあります。
非常時を知らされてから、乗員がこの窓から外に出て
梯子を降りて脱出するのに与えられた余裕はわずか数秒だったそうです。
なんかハッチを開けるだけで数秒くらいかかってしまいそうなんですが・・。
よく見るとハッチの上に非常用のライトもありますが、
そんなもの持って出る余裕なんかなさそうですし。
よく見るとハッチの上に非常用のライトもありますが、
そんなもの持って出る余裕なんかなさそうですし。
ここで勤務していた二人は、間違いなく、海軍内でも
最も戦闘の極限状態にさらされていたと言えるかもしれません。
ちなみに「ここで働いていました」という人が戦後も現れないのは、
その存在そのものが「機密扱い」だったからです。
最も戦闘の極限状態にさらされていたと言えるかもしれません。
ちなみに「ここで働いていました」という人が戦後も現れないのは、
その存在そのものが「機密扱い」だったからです。
彼らの存在に限らず、「エドソン」には戦後秘匿され、
現在でも明らかにされていない機密部分があるとされます。
それを踏まえた上で、この部屋(防音設備になっている壁)に貼られた
張り紙に書かれたことを見ていきます。
現在でも明らかにされていない機密部分があるとされます。
それを踏まえた上で、この部屋(防音設備になっている壁)に貼られた
張り紙に書かれたことを見ていきます。
毎日所定の時刻に暗号化された電子キーが変更されます。
その場合、通信者は他のセキュア通信機器と通信しません。
変更が行われているときは、通常、
許可された乗組員 2 名のみがここに入ることができます。
ドアはボルトで閉められ、カーテンが引かれ、
これらの 2 つの看板がドアの外に吊り下げられ外部をシャットアウトします。
ここからは秘密保持の観点からの法的解釈などの通知。
トップシークレット
「機密扱いは、国家安全保障に損害を与えるなど、
極めて重大な事態を引き起こすことが合理的に予想される
情報または資料の不正開示に適用されます」
その場合、通信者は他のセキュア通信機器と通信しません。
変更が行われているときは、通常、
許可された乗組員 2 名のみがここに入ることができます。
ドアはボルトで閉められ、カーテンが引かれ、
これらの 2 つの看板がドアの外に吊り下げられ外部をシャットアウトします。
ここからは秘密保持の観点からの法的解釈などの通知。
トップシークレット
「機密扱いは、国家安全保障に損害を与えるなど、
極めて重大な事態を引き起こすことが合理的に予想される
情報または資料の不正開示に適用されます」
シークレット
「国家安全保障に重大な損害を引き起こすことが合理的に予想される資料
または情報の不正開示に適用される機密扱い」
コンフィデンシャル
「国家安全保障に重大な損害を引き起こすことが合理的に予想される資料
または情報の不正開示に適用される機密扱い」
コンフィデンシャル
「国家安全保障に損害を与えることが合理的に予想される資料
または情報の不正開示に適用される機密扱い」
または情報の不正開示に適用される機密扱い」
アンクラシファイド
「公式使用のみ」の一般情報が含まれる場合
なおその詳細について。
機密扱いの資料のすべてのページには、
各ページの上下に適切な機密扱いのマークが付けられます。
すべての文書のすべての段落には、段落の冒頭に適切な分類
(T/S、(S)、(C)、(U)) が付けられるものとします。
最高機密とマークされた文書には、各ページに
ページ数が記載されたページ (LE 1/5) が付けられます。
すべての機密文書は、厳格なガイドラインに従ってのみ格下げされます。
各ページの上下に適切な機密扱いのマークが付けられます。
すべての文書のすべての段落には、段落の冒頭に適切な分類
(T/S、(S)、(C)、(U)) が付けられるものとします。
最高機密とマークされた文書には、各ページに
ページ数が記載されたページ (LE 1/5) が付けられます。
すべての機密文書は、厳格なガイドラインに従ってのみ格下げされます。
(格下げについて:必要な発行元政府機関の指示は、
発行元機関との協議後にのみ格下げされ、いかなる機関も個人も、
他の機関から作成された文書を格下げしてはなりません。
州長官またはその職員であっても文書を格下げすることはできません)
CIA、DIAからの発信、FBI、VISE VERSA!
多くの場合、文書には「複数の情報源」とマークが付けられており、
この場合、提供元の各機関に個別に連絡する必要があります。
発行元機関との協議後にのみ格下げされ、いかなる機関も個人も、
他の機関から作成された文書を格下げしてはなりません。
州長官またはその職員であっても文書を格下げすることはできません)
CIA、DIAからの発信、FBI、VISE VERSA!
多くの場合、文書には「複数の情報源」とマークが付けられており、
この場合、提供元の各機関に個別に連絡する必要があります。
機密文書は、適切なレベルの分類 LE に対して事前に承認された機器、
および回路でのみ送信できます。
および回路でのみ送信できます。
機密情報のみがクリアされたシステムでは
極秘情報を送信することはできません 。
極秘情報を送信することはできません 。
機密文書は、その適切な分類レベルについて
事前に承認された機器および回線でのみ伝送できます。
すなわち、極秘情報は、極秘扱いしか許可されていないシステムでは
送信することはできません。
機密文書は、適切なレベルでクリアされたコンテナ、
または電子機器にのみ保管されます。
誤った取り扱いは、偶発的または意図的であっても重罪となり、
罰金あるいは収監によって処罰される可能性があります。
事前に承認された機器および回線でのみ伝送できます。
すなわち、極秘情報は、極秘扱いしか許可されていないシステムでは
送信することはできません。
機密文書は、適切なレベルでクリアされたコンテナ、
または電子機器にのみ保管されます。
誤った取り扱いは、偶発的または意図的であっても重罪となり、
罰金あるいは収監によって処罰される可能性があります。
クラシファイドマテリアル金庫
この部屋とこの特別ファイルキャビネットは、
トップシークレットの機密資料を保管するために使用されていました。
組み合わせは 3 か月ごとか、あるいは
担当者の移動があった場合に変更されました。
別の大きなCMS金庫がコーヒー瓶(写っていない)の後ろの
整理デッキにあり、その下には機密文書
(例えば機器の技術マニュアルなど)が保管されていました。
この部屋とこの特別ファイルキャビネットは、
トップシークレットの機密資料を保管するために使用されていました。
組み合わせは 3 か月ごとか、あるいは
担当者の移動があった場合に変更されました。
別の大きなCMS金庫がコーヒー瓶(写っていない)の後ろの
整理デッキにあり、その下には機密文書
(例えば機器の技術マニュアルなど)が保管されていました。
ここにはかつて下の写真の機器がインストールされていました。
展示にあたって復刻することができなかったらしく、苦渋の判断で写真のみ。
本棚の上には1976年から1991年までのジェーン年鑑が揃っています。
Jane's Yearbook は昔は軍艦だけの年鑑でしたが、現在は範囲を広げ、
兵器だけでなく、商船や鉄道、都市交通システムなども扱っています。
ここにあるのは「兵器システム」「水面下兵器システム」
「ファイティングシップ」「ミリタリーコミュニケーション」「水上艦」。
しかしいずれも「エドソン」の活動時期とは異なっています。
そのほかには
「世界の戦闘艦隊(コンバットフリート)」
「ソ連海軍ガイド」
などが並んでいます。
「RECCE BOOK」のRecceの意味がわからないのですが、
要するにベトナム戦争時、周辺に投入されていた
ソ連海軍艦艇の艦影早見表です。
単語帳のようなリングに通した見やすい仕様となっています。
ここで階段が現れたので降りていきますと、
階段の下には「ツアーガイド順路」として上を指し示していました。
わたしはどういうわけか見学路を逆行してきたようです。
でも今更やり直すわけにもいきません。
仕方がないのでこのまま逆行を続けます。
説明がないのでわかりませんが、こちらが洗い場のような感じで、
右手の小さな窓から食器が運ばれてくる感じでしょうか。
さて、わたしは一体どこにやってきたのでしょうか。
続く。
あと、ハッチの左下にセンサーみたいな箱がついてますから、開けた時にはどこかにアラームが鳴る仕組みかもしれませんね。
出入り口は離れた位置に2か所設けることとなっていますが1か所しか設置できない区画は脱出ハッチを設けることとなっています。
区画区分番号で01となっており、戦闘区画は艦橋構造物内の01甲板上であり、この脱出ハッチで出れば上甲板外部へ1甲板分で降りられます。決して困難ではないものと思います。ただそのまま外部ではなく、戦闘区画は弾片防御上その外部に一区画あると思いますのでその区画を通って外部に脱出となるかもしれません。
そのまま外部となる艦艇もあり、その場合の弾片防御は高張力鋼使用としていました。
参照海人社岡田幸和著「艦艇工学入門」
これは思うに、建造時の計画上は「司令室」「艦長室」となっているところ、司令が乗っていない時には「司令室」(あるいは「艦長室」)を副長が使っているのではないかと思います。
自衛隊だと隊は多くて4隻編成なので、司令が乗って来る確率は高いですが、米海軍の駆逐隊は、自衛隊の護衛隊群(8隻)より多い(10隻前後)なので、司令が乗って来る確率は低いです。ずっと空き部屋にしておくなら、副長が使っちゃえ!ということじゃないかと思います。
電信室に無線機?と思しき機材が残っているのは、ビックリです。普通、船を除籍にする際には、再利用可能な機器はすべて陸揚げして、再利用します。この船(博物館?)の運営者が買い取って載せたんじゃないかと思います。お金あるんですねー。
電信室が「関係者以外立入禁止」になっているのは、秘密の機材があるためというより、発信、受信する電報の内容が「関係者以外閲覧禁止」だからです。
昨今、我が国でも「セキュリティクリアランス」(特定の情報に接することが出来る人を資格付けする制度)が議論されていますが、送信する、あるいは受信した電報は内容を見て「艦長のみ」とか「運用幹部のみ」等のように、誰が見ていいか、決められています。電信室で勤務する隊員は、翻訳する際に見てしまいますが、口外は無用で、違反した場合には、それなりの罰則があります。
防火斧は、拿捕された場合や、戦没のような場合に、暗号器を破壊するのに使用します。ドアが一つしかない、その先の区画は暗号室(実際に翻訳を行う場所)です。ここは、翻訳するための暗号規約(暗号鍵)があるので「機密」区画です。
「デコーディング エネミー メッセージ」と書かれている部屋は、通信傍受ではなく、味方の暗号電報を翻訳する暗号室に見えます。
「RECCE」は「Reconnaissance」(偵察)です。
最後は士官食器室(士官室に配膳をする部屋)に見えます。