USS「エドソン」艦内ツァー続きです。
このハッチは関係者以外使用禁止。
見学者は階段で移動します。
覗いてみると下は砲弾のラックが見えました。
ということは、ここは砲に砲弾を供給するシステムですね。
ということは、ここは砲に砲弾を供給するシステムですね。
降りてみるとそこは砲弾供給システム。
ここは甲板の主砲の真下にもうけられたハンドリングルームです。
この写真では何が何だかわからないので、
まず全体像の画像をご覧ください。
ここは甲板の主砲の真下にもうけられたハンドリングルームです。
この写真では何が何だかわからないので、
まず全体像の画像をご覧ください。
写真に写っている「L」は、この下部分装置左側の意味だと思われます。
ちなみにスプロケット(英: sprocket)とは、
軸の回転をローラーチェーンに伝達したり、
ローラーチェーンの回転を軸に伝達するための歯車のことでで、
チェーンホイールとも言います。
ちなみにスプロケット(英: sprocket)とは、
軸の回転をローラーチェーンに伝達したり、
ローラーチェーンの回転を軸に伝達するための歯車のことでで、
チェーンホイールとも言います。
写真の部分はローダー(装填)ドラムのホイストということになります。
図で水兵さんがバリバリの正装をして配置されていますが、
Projectile Hoist=弾頭上げのためのホイストです。
弾頭が装填されている状態。
ここから階上のマウントに直接送られそこで装填されます。
ここから階上のマウントに直接送られそこで装填されます。
もう一つついでに甲板の砲を上から見た図。
ファイルケースがたくさんあるこの部屋は、サプライオフィスです。
日本語で言うと需品科です。
サプライオフィスのデスクの上には監視カメラのモニターが・・。
自分が写っているのでつい撮ってしまいました。
自分が写っているのでつい撮ってしまいました。
■ 機械修理
Machinery Repair Shop
Machinery Repair Shop
左のハッチを進んでいきます。
出口に消火ホースがあるということは火災の起きやすい現場?
出口に消火ホースがあるということは火災の起きやすい現場?
マシナリー リペア ショップです。
重精密切削加工機と金属加工用機械を完備した機械修理工場には、
機械修理工(略称MR)が常駐していました。
重精密切削加工機と金属加工用機械を完備した機械修理工場には、
機械修理工(略称MR)が常駐していました。
海軍の機械修理工(MR)は、艦船を支援し、
割り当てられた機器の中間および組織的なメンテナンスを行います。
ボルトなどの機械用金属部品の製造、変形したねじ穴の締め直し、
機械の稼働による変形箇所の修復を専門とする配置で、
フライス盤、ボーリングミル、グラインダー、電動ハックソー、
旋盤、ドリルプレス、および船上の機械工場で見られる
精密測定機器の使用に熟練していなければなりません。
現在の海軍には2種類の機械修理工:
機械の稼働による変形箇所の修復を専門とする配置で、
フライス盤、ボーリングミル、グラインダー、電動ハックソー、
旋盤、ドリルプレス、および船上の機械工場で見られる
精密測定機器の使用に熟練していなければなりません。
現在の海軍には2種類の機械修理工:
Machinery Repair Maintainer
機械修理整備士
機械修理整備士
Machinery Repair Technician
機械修理技師
がいます。
機械修理工は1948年に創設された配置で、
機械工航海士(Machinists Mate)の外部機械工(Outside Machinist)と、
工場機械工(Shop Machinist)の2つが統合されたものです。
機械修理技師
がいます。
機械修理工は1948年に創設された配置で、
機械工航海士(Machinists Mate)の外部機械工(Outside Machinist)と、
工場機械工(Shop Machinist)の2つが統合されたものです。
彼らは重金属の切断の専門家だったので、
艦内でengraving(彫刻)の必要があると行っていました。
まさか氷やスイカの彫刻はしないと思いますが、彼らは作業場にとどまらず、
必要があれば艦上のあらゆる場所で金属の溶接、
切断、研磨までやってのける「何でも屋さん」でもあります。
写真手前の機器は研磨機械、向こうにあるのは旋盤機械だと思います。
修理ショップのデスクとファイルキャビネット。
当時から使われていたものかどうかわかりませんが、
「道具を使ったら必ず元に戻してください」
当時から使われていたものかどうかわかりませんが、
「道具を使ったら必ず元に戻してください」
という注意書きがあり。
各種修理が行われた作業台と、部品収納棚、ツールと木材置き場。
残されたカッターのメーカーは「クラフツマン」。
CRAFTSMANイケイケHP
アメリカ人にとってガレージは家庭の「マシナリーショップ」でもあります。
そのガレージでゴキゲンの「ガレージバンド」。
ヒューレット・パッカードが最初に何やらを作った家が、
現在「ヒューレットパッカードガレージ」という名称であることは、
この国における「ガレージ」という言葉の広い意味を象徴しています。
残されたカッターのメーカーは「クラフツマン」。
CRAFTSMANイケイケHP
アメリカ人にとってガレージは家庭の「マシナリーショップ」でもあります。
そのガレージでゴキゲンの「ガレージバンド」。
ヒューレット・パッカードが最初に何やらを作った家が、
現在「ヒューレットパッカードガレージ」という名称であることは、
この国における「ガレージ」という言葉の広い意味を象徴しています。
■ No.2 非常用ディーゼル ジェネレーター ルーム
非常用ディーゼル発電機が置かれたコンパートメントです。
これは船舶用蒸気発生器が停止した場合に使用されるバックアップ発電機で、
定格 240 馬力の
これは船舶用蒸気発生器が停止した場合に使用されるバックアップ発電機で、
定格 240 馬力の
6-71 シリーズ カミンズ ディーゼル
Cummins Diesel
Cummins Diesel
でした。
Cummins Inc. エンジン部門
このシリーズのエンジンは非常に信頼性が高く、
現在でも海軍でさまざまな構成でこれらのエンジンが使用されています。
「Aギャング」=補助部門は、「EN」またはエンジンマンで構成され、
発電機のエンジン部分を保守しました。
発電機はフライホイールから直接駆動されました。
Cummins Inc. エンジン部門
このシリーズのエンジンは非常に信頼性が高く、
現在でも海軍でさまざまな構成でこれらのエンジンが使用されています。
「Aギャング」=補助部門は、「EN」またはエンジンマンで構成され、
発電機のエンジン部分を保守しました。
発電機はフライホイールから直接駆動されました。
「EN」とは米海軍機関士のことで、海軍の艦船や小型船で
内燃機関を操作、修理、整備する下士官水兵です。
通常、これらのエンジンはディーゼルエンジンを指します。
ENはまた、全艦艇に搭載されている空調・冷凍システム、脱塩プラント、
エアコンプレッサー、小型補助ボイラーの保守・操作も行います。
内燃機関を操作、修理、整備する下士官水兵です。
通常、これらのエンジンはディーゼルエンジンを指します。
ENはまた、全艦艇に搭載されている空調・冷凍システム、脱塩プラント、
エアコンプレッサー、小型補助ボイラーの保守・操作も行います。
そして微妙に気になる「A GANG」ですが、海軍のスラングで、
船舶や潜水艦の補助部門を指す言葉です。
衛生、暖房/空調、非常用ディーゼル、油圧、高圧空気、低圧空気、
酸素発生装置、飲料水、ハッチのメンテナンス、各種システムを担当します。
船舶や潜水艦の補助部門を指す言葉です。
衛生、暖房/空調、非常用ディーゼル、油圧、高圧空気、低圧空気、
酸素発生装置、飲料水、ハッチのメンテナンス、各種システムを担当します。
発電機はフライホイール(Flywheel、回転系の慣性モーメントを利用した
機構に用いられる機械要素のひとつ。弾み車、勢車)で直接駆動されました。
発電機の定格は 100kw、450 ボルト (交流)、60 ヘルツ、160 アンペア。
艦内の発電および配電システムはを保守していたのはEM、
または電気技師の同僚で構成される電気部門の乗組員たちです。
非常用電力は、同じくこのスペースにある非常配電盤を通じて
重要な電気回路に配電され、
たとえ死傷者が発生した場合でも艦が戦えるようにすること
を想定していました。
たとえば、配電システムが損傷した場合でも、非常用電源ケーブル、
非常用電源ボックスを使用して非常用電源を使うことができます。
■ アフターステアリング
機構に用いられる機械要素のひとつ。弾み車、勢車)で直接駆動されました。
発電機の定格は 100kw、450 ボルト (交流)、60 ヘルツ、160 アンペア。
艦内の発電および配電システムはを保守していたのはEM、
または電気技師の同僚で構成される電気部門の乗組員たちです。
非常用電力は、同じくこのスペースにある非常配電盤を通じて
重要な電気回路に配電され、
たとえ死傷者が発生した場合でも艦が戦えるようにすること
を想定していました。
たとえば、配電システムが損傷した場合でも、非常用電源ケーブル、
非常用電源ボックスを使用して非常用電源を使うことができます。
■ アフターステアリング
このコンパートメントの奥がアフトステアリングです。
アフター・ステアリング・コンパートメントは、
船の最後尾のコンパートメントにあり、
メインステアリングギアが配置されていた場所でした。
メインステアリングギアが配置されていた場所でした。
駆逐艦の護衛艦には、電気モーターで油圧ポンプを駆動し、
油圧ラムを動かして舵を切る電気油圧式操舵装置がありました。
油圧ラムを動かして舵を切る電気油圧式操舵装置がありました。
これはわたしが昔見学した、ハドソン川沿いに係留されている
駆逐艦USS「スレーター」のアフトステアリングです。
駆逐艦USS「スレーター」のアフトステアリングです。
ブリッジでは、操舵手が船のハンドルを回すと、
電気信号が舵からステアリングギアに送信されます。
信号はアフトステアリングで処理され、
ステアリング ギアに舵角の指示を示します。
油圧は電気制御バルブを介してステアリング 油圧ラムに送られ、
ラムと舵(後部ステアリングの下に位置)を動かすのです。
また油圧ポンプのクランクを手動で回すスタンバイ操舵方法もありますが、
もちろんこれは困難で疲れる作業でした。
電気信号が舵からステアリングギアに送信されます。
信号はアフトステアリングで処理され、
ステアリング ギアに舵角の指示を示します。
油圧は電気制御バルブを介してステアリング 油圧ラムに送られ、
ラムと舵(後部ステアリングの下に位置)を動かすのです。
また油圧ポンプのクランクを手動で回すスタンバイ操舵方法もありますが、
もちろんこれは困難で疲れる作業でした。
最後に、このコンパートメントの壁にあった絵をご紹介します。
「アンダーウェイ リプレニッシュメント」
(海上補給)
と題されたこの水彩画のポスターは、USS「インディペンデンス」が
1965年10月、USS「マウントカトマイ」(Mt. Katomai)から
補給を受けている南シナ海でのシーンを描いたものです。
USS「インディペンデンス」CV-62は、1965年5月10日、
初の太平洋艦隊での任務でベトナム沖の南シナ海に展開しました。
100日間にわたる作戦行動に参加しましたが、これは
ベトナムに展開した五番目のアメリカ軍空母となります。
「インディペンデンス」と第7航空団は、
1965年6月5日から11月21日までの活動で
北ベトナムのハノイ - ハイフォン間の輸送路に対する
最初の大規模攻撃を行い、航空史上初の空対地ミサイル攻撃を行いました。
この給油が行われたのは、そんな戦闘のさなかだったことになります。
このとき空母は北ベトナムの軍事補給目標に対し、
昼夜を問わない定期的な攻撃を継続し、7,000回に及ぶ出撃を行いました。
一方の「マウントカトマイ」は、1965年2月26日、
第7艦隊の艦船に補給するため、サンフランシスコを出港し、
真珠湾経由で5月15日にスービック湾に到着。
数日のうちに、南シナ海での再武装作戦のために出港し、
ベトナム沖の空母打撃群と戦闘艦にサービスを提供する任務を
11月下旬まで行っていました。
続く。
「アンダーウェイ リプレニッシュメント」
(海上補給)
と題されたこの水彩画のポスターは、USS「インディペンデンス」が
1965年10月、USS「マウントカトマイ」(Mt. Katomai)から
補給を受けている南シナ海でのシーンを描いたものです。
USS「インディペンデンス」CV-62は、1965年5月10日、
初の太平洋艦隊での任務でベトナム沖の南シナ海に展開しました。
100日間にわたる作戦行動に参加しましたが、これは
ベトナムに展開した五番目のアメリカ軍空母となります。
「インディペンデンス」と第7航空団は、
1965年6月5日から11月21日までの活動で
北ベトナムのハノイ - ハイフォン間の輸送路に対する
最初の大規模攻撃を行い、航空史上初の空対地ミサイル攻撃を行いました。
この給油が行われたのは、そんな戦闘のさなかだったことになります。
このとき空母は北ベトナムの軍事補給目標に対し、
昼夜を問わない定期的な攻撃を継続し、7,000回に及ぶ出撃を行いました。
一方の「マウントカトマイ」は、1965年2月26日、
第7艦隊の艦船に補給するため、サンフランシスコを出港し、
真珠湾経由で5月15日にスービック湾に到着。
数日のうちに、南シナ海での再武装作戦のために出港し、
ベトナム沖の空母打撃群と戦闘艦にサービスを提供する任務を
11月下旬まで行っていました。
続く。
手前は研磨を行うグラインダー、向こうは穴を開けたりするボール盤です。
なお工作室に入って最初と2枚目の写真に写っている横長の機械が旋盤です。
カッターの手前に写っているのは万力です。
その他溶接機等が装備されていると思います。
非常発電機ですが、駆逐艦級以上の艦船では主発電機は被害で電源全損失とならないように各機械室や補機室に分散配置されていますが、その上に主発電機が故障か戦闘被害で運転不能となった場合のため、機械室から離した区画に電源確保用として非常用発電機と非常用配電盤を搭載します。
通常舵取機室に近接させ配置される例が多いですが本艦もそのようですね。
参照海人社岡田幸和著「艦艇工学入門」
船ではあまり「Left」とは言いません。「Port」(左舷)「Starboard」(右舷)が普通なので、下部を示す「Lower」(Lower Sprocket)の「L」だろうと思います。
>図で水兵さんがバリバリの正装をして配置されていますが、Projectile Hoist=弾頭上げのためのホイストです。
このイラストはMk-12緩射砲で「エドソン」のMk-42速射砲の二世代前のものになります。Mk-12の場合、給弾室は一層ですが、Mk-42は二層で、Lower Sprocketに装薬、Upper Sprocketに砲弾が入っています。
Mk-42はLower Sprocket(装てん機構)が二つあるので、一つしかないMk-12に比べて早く撃て(単純計算で二倍)Mk-12は緩射砲(Slow Fire)Mk-42は速射砲(Rapid Fire)と呼ばれていました。
Mk-42は早く撃てる分、構造が複雑で、不器用なアメリカ人には不人気で、その次のMk-45は、装てん機構が一つのMk-12と同じ方式に先祖返りしました。当然、発射速度も「緩射」です。
器用な日本人は今に至るも「はたかぜ」型でMk-42を使い続けていますが、米海軍は1980年代に建造されたスプルーアンス級からMk-45になりました。日本では、Mk-42の後、発射速度の速いイタリア製の127mm砲を使っていましたが、今はアメリカと横並びのMk-45を使っています。
>出口に消火ホースがあるということは火災の起きやすい現場?
応急工作室は溶接で火を使うので「火災が起きやすい現場」であることは確かですが、天井に消防主管(いわゆる消火栓)が見えるので、ここにホースを繋ぎます。自衛隊は、いろいろな仕組みを米軍から取り入れたので、米軍でも同じだと思いますが、ここで勤務する応急工作員は、火災や浸水に対応する初動要員を兼務しています。
>No.2 非常用ディーゼル ジェネレーター ルーム
これ「No.2」(非常発電機が二式ある)というのが凄いですが、想像ですが、停泊中の発電機を兼ねているのではないかと思います。
>非常用電力は、同じくこのスペースにある非常配電盤を通じて重要な電気回路に配電され、たとえ死傷者が発生した場合でも艦が戦えるようにすることを想定していました。
この文章は立て看板の和訳だと思いますが、ここで言う「Casualty」は「死傷者」ではなく「戦闘被害」で、要するに船に対するダメージのことを言っています。
>アフターステアリング
自衛隊では「舵機室」と呼んでいます。実際に舵を動かす油圧シリンダーがあるからですが、舵故障の際(応急操舵)には、ここに航海科員が入って、舵を取ります。
>油圧は電気制御バルブを介してステアリング 油圧ラムに送られ、ラムと舵(後部ステアリングの下に位置)を動かすのです。また油圧ポンプのクランクを手動で回すスタンバイ操舵方法もありますが、もちろんこれは困難で疲れる作業でした。
これがまさに「応急操舵」です。普段は艦橋の舵輪で取りますが、途中の電路が戦闘被害等で切断されたら、まず、この舵機室の舵で取りますが、ラムシリンダーが損傷した時の最終手段は「油圧ポンプのクランクを手動で回すスタンバイ操舵方法」で、自衛隊ではずばり「人力操舵」と呼んでいます。「スタンバイ操舵」では、あのきつさは伝わりません。言い得て妙です(笑)