ミシガン州のヒューロン湖に流れるサギノー川沿いに係留された
駆逐艦USS「エドソン」の艦内ツァーも終盤に差し掛かりました。
艦尾から艦首方向に進むと、数段階段を降りて次の区画に入ります。
この写真の右側にあるのが冒頭の艦内図です。
この写真の右側にあるのが冒頭の艦内図です。
バックアップジェネレーターとラダーコントロールは、
甲板階の二階下の艦尾にあります。
さらにそこから1階分下に降りてきました。
見学できる最下層階になります。
甲板階の二階下の艦尾にあります。
さらにそこから1階分下に降りてきました。
見学できる最下層階になります。
今いるところは×印の位置。
これから見ていくのは、#2エンジンルーム、第2機関室です。
ここに収められている機器についてざっと前もって挙げておくと、
2基のメイン エンジンのうち1基
各エンジンは 35,000 馬力、合計 70,000 馬力を生成
淡水蒸発器 2 台のうち 1 台
海水をボイラー給水と飲料水に変換する
メインコンデンサー
自動車のラジエーターのように機能し、蒸気を冷却して液体に戻し、
ボイラーで再利用したり、機械を冷却する
サービスジェネレーターの4基のうち2基
発電機で電力を供給する
ここに収められている機器についてざっと前もって挙げておくと、
2基のメイン エンジンのうち1基
各エンジンは 35,000 馬力、合計 70,000 馬力を生成
淡水蒸発器 2 台のうち 1 台
海水をボイラー給水と飲料水に変換する
メインコンデンサー
自動車のラジエーターのように機能し、蒸気を冷却して液体に戻し、
ボイラーで再利用したり、機械を冷却する
サービスジェネレーターの4基のうち2基
発電機で電力を供給する
■ Disalinator
海水淡水化装置とアメリカ海軍の取り組み
何か意味がありそうだけどただのポンプ。
艦内図によるとこの辺りにDesalinater(海水淡水化装置)があるのですが、
画面中央に大きなU字をひっくり返したようなパイプと、
その近くにあるものがそうではないかと思われます。
アメリカ海軍の船舶における海水淡水化の歴史は長く、記録によると、
第二次世界大戦中、USS「サバンナ」の乗組員に
真水を供給するために蒸留プラントを使用したのが最初です。
このプラントは海軍による設計・建設で、
1日あたり約4,000ガロンの淡水を生産することができました。
朝鮮戦争とベトナム戦争中も、艦船で淡水化装置を使用していました。
「エドソン」にあるのと同じタイプのものです。
1970年代初頭、初の逆浸透プラントがUSS「ニミッツ」に設置されました。
このプラントは1日当たり約20万ガロンの淡水を生産することができました。
もちろん現代の海軍艦船では多くの海水淡水化プラントが稼働しており、
これらは、船舶の乗組員や非常用に真水を供給し、
船舶の環境への影響を軽減するのに役立っています。
現代の世界でスタンダードとなる海水淡水化プラントは、
高濃度の溶液に高い圧力をかけることによって水だけが膜を通過し、
塩分が取り残されるという理論のものになっています。
画面中央に大きなU字をひっくり返したようなパイプと、
その近くにあるものがそうではないかと思われます。
アメリカ海軍の船舶における海水淡水化の歴史は長く、記録によると、
第二次世界大戦中、USS「サバンナ」の乗組員に
真水を供給するために蒸留プラントを使用したのが最初です。
このプラントは海軍による設計・建設で、
1日あたり約4,000ガロンの淡水を生産することができました。
朝鮮戦争とベトナム戦争中も、艦船で淡水化装置を使用していました。
「エドソン」にあるのと同じタイプのものです。
1970年代初頭、初の逆浸透プラントがUSS「ニミッツ」に設置されました。
このプラントは1日当たり約20万ガロンの淡水を生産することができました。
もちろん現代の海軍艦船では多くの海水淡水化プラントが稼働しており、
これらは、船舶の乗組員や非常用に真水を供給し、
船舶の環境への影響を軽減するのに役立っています。
現代の世界でスタンダードとなる海水淡水化プラントは、
高濃度の溶液に高い圧力をかけることによって水だけが膜を通過し、
塩分が取り残されるという理論のものになっています。
しかし、この逆浸透方式には長所と短所があります。
まず、対象となる艦船の目的(任務)によっては、
浄水システムをカスタマイズする能力が制限されること。
次に、季節により水を生成する能力が制限されること。
第三に、12,000ガロンの蒸留プラントが、
ROプラントで生成された水をすべて処理できなかった場合、
艦は最終的に廃水を海に排出しなければならないことです。
こうした欠陥を考慮して、海軍は現在、艦船群に
どのような水生産戦略を導入すべきかを決定するための調査を行っています。
そして導かれた一つの仮定が、
浄水プラントをモジュール化し、必要に応じて交換する
と言う戦略です。
これによって、資源をより無駄なくかつ効率的に利用できるようになり、
また必要に応じて水の生産量を増やすことも可能になるかもしれません。
と言う戦略です。
これによって、資源をより無駄なくかつ効率的に利用できるようになり、
また必要に応じて水の生産量を増やすことも可能になるかもしれません。
■ エレクトリック・ジェネレーター
GE ジェネラル・エレクトリック社製の500KW発電機です。
右舷側に2基、図のように並んで設置されています。
エドソンには 4基の発電機がありますが、
そのうち2基は前部 #1 エンジン ルームに、
2基はここ #2 エンジン ルームにあります。
1 キロワットは 10 ~ 100 ワットの電球に相当すると考えた場合、
「エドソン」には、2,000 キロワットを生産する力があるので、
100 ワットの電球を 20,000 個点灯することができるということになります。
キロワット時で測定すると、これは
アメリカの平均的な家庭 2 軒の 30 日間の電力使用量
に相当します。
■#2メインエンジン
エドソンには 4基の発電機がありますが、
そのうち2基は前部 #1 エンジン ルームに、
2基はここ #2 エンジン ルームにあります。
1 キロワットは 10 ~ 100 ワットの電球に相当すると考えた場合、
「エドソン」には、2,000 キロワットを生産する力があるので、
100 ワットの電球を 20,000 個点灯することができるということになります。
キロワット時で測定すると、これは
アメリカの平均的な家庭 2 軒の 30 日間の電力使用量
に相当します。
■#2メインエンジン
第2機関室のメインエンジンは2つのコンポーネントで構成されています。
高速回転する「蒸気タービン」と「減速機」のセットです。
「蒸気タービン」は 7,000 RPM で回転し、
「減速機」はこの速度を 1~250RPMの間で適宜減速します。
高速回転する「蒸気タービン」と「減速機」のセットです。
「蒸気タービン」は 7,000 RPM で回転し、
「減速機」はこの速度を 1~250RPMの間で適宜減速します。
プロペラが 250 RPM で回転すると「エドソン」は
32 ノット (36.6 MPH) を超える速度で巡航できます。
減速機
減速機のギアシステムは、歯車を介して主蒸気エンジン、
主蒸気タービン出力駆動軸を主軸に連結する働きをします。
このトランスミッションの主な目的は、
蒸気タービンの低トルク-高速の速度を、
艦の主駆動軸とプロペラ システムの高トルク-低速に減速することでした。
主蒸気タービン出力駆動軸を主軸に連結する働きをします。
このトランスミッションの主な目的は、
蒸気タービンの低トルク-高速の速度を、
艦の主駆動軸とプロペラ システムの高トルク-低速に減速することでした。
このステーションには、主蒸気システムやその他のサポートシステムの
圧力と温度を測定するためのさまざまなパネルとゲージがあります。
この中のスロットルバルブは、主エンジンからタービンに送られる
蒸気の量を変えることによってエンジンの速度を増減しました。
圧力と温度を測定するためのさまざまなパネルとゲージがあります。
この中のスロットルバルブは、主エンジンからタービンに送られる
蒸気の量を変えることによってエンジンの速度を増減しました。
ターボジェネレーターのスイッチパネル
高圧危険と至る所に書かれている
高圧危険と至る所に書かれている
「フラッシュ」エバポレーター
パイプには水が左から供給されて生成されたものが右から出るという
矢印が記されています。
矢印が記されています。
この装置は蒸気と真空を使用して塩水を飲料水、
またはボイラー給水に変換します。
2 台の蒸発器で 1 日あたり最大 16,000 ガロンの水を生成できます。
毎日の水使用量:
最大生産量: 16,000 ガロン
1.ボイラー用: 6,000 ガロン
2.乗組員用: 7,530 ガロン
(これには、料理、飲酒、入浴、洗濯、調理が含まれます)
3.予備: 2,470ガロン (船の洗浄やその他の淡水のニーズに使用されます)
2 台の蒸発器で 1 日あたり最大 16,000 ガロンの水を生成できます。
毎日の水使用量:
最大生産量: 16,000 ガロン
1.ボイラー用: 6,000 ガロン
2.乗組員用: 7,530 ガロン
(これには、料理、飲酒、入浴、洗濯、調理が含まれます)
3.予備: 2,470ガロン (船の洗浄やその他の淡水のニーズに使用されます)
■ スチーム タービン エンジン
ここからはさらに下層に向かって深く降りていく
垂直のラッタルを見下ろすことができます。
垂直のラッタルを見下ろすことができます。
緑色の(前進)舵輪の左上にはエンジン オーダー テレグラフがあります。
スピードチェンジのオーダーを艦橋から受けると、
エンジンルームはオーダー通りに表示します。
赤い舵輪は
スピードチェンジのオーダーを艦橋から受けると、
エンジンルームはオーダー通りに表示します。
赤い舵輪は
アスターン・スロットル バルブ Astern Throttle Valve
で、これで蒸気がプロペラを逆回転できるようにします。
で、これで蒸気がプロペラを逆回転できるようにします。
あたかも森のように直立するパイプとノズルの間の通路を進むと、
スチーム タービン エンジン
エンジンから生まれる蒸気の熱エネルギーを
出力ドライブシャフトを介して主減速機に届け、
出力ドライブシャフトを介して主減速機に届け、
シャフトとプロペラを駆動して船を推進させます。
蒸気熱エネルギーを機械エネルギーに効率的に変換する設計です。
蒸気熱エネルギーを機械エネルギーに効率的に変換する設計です。
2B2 メインフォースド ドラフトブロワー
強制通風機
ボイラーに空気を供給するために設置される強制通風送風機です。
ボイラーに空気を供給するために設置される強制通風送風機です。
足元の地下にも関係機器が見えます。
ボイラーデュープレックス 燃料フィルター
この装置の機能はボイラー燃料油の最終フィルターです。
ボイラーを停止せずにフィルターを交換することができます。
この装置の機能はボイラー燃料油の最終フィルターです。
ボイラーを停止せずにフィルターを交換することができます。
写真下にぶら下げられている赤い取手のついた黒い棒は、
ライト-オフ トーチ Light-Off Torch(松明)
ボイラー燃料油バーナーガン
ボイラー炉に「火をつける」ために使用されます。
ボイラー燃料油バーナーガン
ボイラー炉に「火をつける」ために使用されます。
燃料オイルは 1000 PSI でガンからポンプで送られます。
ガンの先端には「スプレープレート」が付いています。
これにより、燃料が非常に細かい「ミスト」として噴霧され、
「Billowing Fireball」が生成されます。
「エドソン」は 4 つのボイラーに一つづつバーナーガンを備えていました。
燃焼制御エアコンプレッサー
「Worthington」3 ステージエアコンプレッサーは、
100 PSI の圧縮空気を供給します。
この空気は「自動燃焼制御システム」の制御空気として使用されます。
このシステムは、ボイラー蒸気圧力、ボイラー再水流量、燃料流量、
ボイラーへの空気流量を自動的に調整します。
万が一システムに障害が発生した場合、
ファイアルームはバルブ、レバー、および乗組員一丸となっての
「チームワーク」システムで、全体を手動で操作することになっています。
100 PSI の圧縮空気を供給します。
この空気は「自動燃焼制御システム」の制御空気として使用されます。
このシステムは、ボイラー蒸気圧力、ボイラー再水流量、燃料流量、
ボイラーへの空気流量を自動的に調整します。
万が一システムに障害が発生した場合、
ファイアルームはバルブ、レバー、および乗組員一丸となっての
「チームワーク」システムで、全体を手動で操作することになっています。
ボイラールームの気温は華氏110度にまで上がりました。
これらのようなダクトは、ボイラールームで働く乗組員のために
ファイアルームの各所に設置されて、
外気(必ずここよりは涼しい)を送り込んでいました。
バーナーガンの横に何やら軍艦らしくない実験室のようなコーナーが。
詳しい説明はなかったのですが、これらはオイルのサンプルです。
下から「プリビアス(前回の)オイルサンプル」
「ベースライン オイルサンプル」
「ブルー」「ホワイト」「レッド」と記されています。
具体的にどういう状態のオイルで、なんのためにサンプルがあるのか、
全くわかりませんでした。
エアコンプレッサー (HPAC)
空気貯蔵フラスコに貯蔵される 3000 psi 以上の空気を生成します。
空気貯蔵フラスコに貯蔵される 3000 psi 以上の空気を生成します。
この空気は、魚雷発射システムに使用される蒸気減圧弁などの空気制御弁、
またその他限定されないさまざまな目的に使用されました。
またその他限定されないさまざまな目的に使用されました。
この圧力は、蒸気低減ステーションを通じて
90 ~ 125 ps の範囲内の圧力まで段階的に変化させることができます。
さらに通路を進んでいきます。
続く。
平たく言うと、普通のボイラーです。水を沸騰させて、蒸気を冷やすと蒸留水(真水)が出来ます。
>現代の世界でスタンダードとなる海水淡水化プラントは、高濃度の溶液に高い圧力をかけることによって水だけが膜を通過し、塩分が取り残されるという理論のものになっています。
逆浸透膜式は、加熱不要で省エネルギー。自衛隊では潜水艦のみに採用されています。
>毎日の水使用量:
>最大生産量: 16,000 ガロン
>1. ボイラー用: 6,000 ガロン
>2. 乗組員用: 7,530 ガロン
>3. 予備: 2,470ガロン (船の洗浄やその他の淡水のニーズに使用されます)
「エドソン」の一日の造水量は4,000ガロン(約15トン)とあるので、計算が合いません。ボイラー用は復水器(コンデンサー)で賄えますが、乗員用の7,530 ガロンでさえ賄えない計算になるので、シャワー許可を二日に一回にしたんでしょうね。
>ボイラールームの気温は華氏110度にまで上がりました。これらのようなダクトは、ボイラールームで働く乗組員のためにファイアルームの各所に設置されて、外気(必ずここよりは涼しい)を送り込んでいました。
ボイラーは放っておいても、燃焼中に空気を吸い込むので、通風装置を設けなくても、ダクトを通しておくだけで、勝手に外気を吸い込みます。当然ながら、吹き出し口にいると、メチャクチャ涼しいです。
>バーナーガンの横に何やら軍艦らしくない実験室のようなコーナーが。詳しい説明はなかったのですが、これらはオイルのサンプルです。
アメリカ国内で燃料搭載する時には、燃料の品質(純度)は保証されていますが、外国だとどんな燃料(どれだけ不純物が入っているかわからない)を持って来られるかわかりません。検査をすればいいのですが、時間が掛かる(自衛隊だと、燃料搭載の前日にサンプルを持って来させて、検査します)ので、手っ取り早くやるためのサンプルです。
燃料を透明な容器に入れて、太陽光にかざして見て、赤の容器に入っているように見えたら「使用不可」黄色の容器に入っているように見えたら「要注意」青の容器に入っているように見えたら「使用差し支えなし」という意味です。