わが孫育て 佐藤 愛子 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る |
私には1歳になる孫がいる。
タイトルに惹かれて読んでみたが、ちょっと肩すかし。
佐藤愛子なるもの、どのようなステイタスで孫を育てているのだろうと興味があったが、
結論から言うと、どのようにして孫育てしているかなんて書かれていない。
孫とどのように係わりあってるかほんのちょっと書いてるだけ。
しかし、自分の孫を
「変に屁理屈をいう無愛想な子どもになりつつある」
「「何事も一生懸命にやらない孫は、したがって成績がよくない」
と言ってしまう辺り、やはり佐藤愛子である。
最後の章の「国を愛してどこが悪い」
は、わが意を得たり・・と共感できた。
筆者は私の母の世帯よりもっと上の世代だが、
今の日本を憂れている。
>その頃は他人の家庭のあり方に論評を加える事を職業にしている人はいなかった。
「悪いものは悪い」
「いいものはいい」
単純素朴で、それゆえに明快な世の中だった。
そう、今の世の中、なんだかんだ理由を付けたがる。人のせいにする。
人のせいにする人ばっかりだから「自己責任」なんていう言葉が出来たのか。
報道では、秋葉原の事件を解析しようと躍起だが、
歯に衣着せぬ愛子節で一刀両断してもらいたい。