そーれりぽーと

映画、旅行、植物など気の向くまま

新作映画の満足度は最高★5つで表示

イノセント・ガーデン

2013-06-04 | 劇場映画れびゅー
オールド・ボーイ』『乾き』と驚くほど凶暴で面白い映画を撮ってきた韓国映画界の鬼才、パク・チャヌク監督ハリウッド進出作『イノセント・ガーデン』を観てきました。
★★★★

驚異的な原作の映画化に当たって、ハリウッドが監督として白羽の矢を当てたのは“あの”パク・チャヌク監督。
そしてその彼が選んだのはなんとウェントワース・ミラーによる脚本。
え?ただの男前俳優じゃなかったの?脚本選びの時点で嫌な予感が…。

しかし、これがキャスティングの妙も合わさって成功しているんですよね。
話題性で集められたかのようなスタッフとキャストだけど、先入観が効果的に機能している。

何が凄いってニコール・キッドマンが完全に脇役に徹しているところ。
新進気鋭で期待されているとは言え、初めてのハリウッドというフィールドで映画を撮ったパク・チャヌク監督もよーやる。
こんな扱いでニコマンが収まってるところが驚異的。

主人公の少女を演じるミア・ワシコウスカもアリス役からの先入観で観ていると上手い展開に持ち込まれる役で、よりキャスティングに効果が感じられる。

夫の死で残された母子。
葬儀の日にそれまで会ったことも無かった夫の弟が現れ、平穏だった日常に歪が生まれ始める。
パク・チャヌク監督だから狂気と愛欲の展開に成るのは必須だろう、でもただそうなるだけでないのも解っている。
そういった先入観と期待感にしっかり答えて、その上を行く展開をしっかり齎してくれた。

一点惜しいのは、せっかくだから韓国映画らしいやり過ぎを超えた濃い演出をハリウッドに持ち込んで欲しかったところ。
あれが無いだけでパク・チャヌク色が一気に褪せてしまっているように感じてしまい、ならこれも韓国で撮ったほうが良かったんじゃ?と感じてしまった。



渇き [DVD]
クリエーター情報なし
角川映画

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« グランド・マスター | トップ | オブリビオン »