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リリーのすべて

2016-03-30 | 劇場映画れびゅー
最初に性適合手術を受けた人のはなし。
リリーのすべて』を観てきました。
★★★★

前々から女装したらジュリア・ロバーツにそっくりになりそう、と書いてきたエディ・レッドメインが、実際に女装する映画を観る日が来るとは。
やっぱり似てます。そして、似すぎないようなメイクをしています。

やたらと演技に定評の有る彼ですが、個人的にはいつも物足りなさを感じて、本作でも役柄と、かなりの部分を演出に助けられている。
博士と彼女のセオリー』の時と同様、奥さん役で振り回されるヒロインを演じたアリシア・ヴィキャンデルの方が際立っていた。

現代においても難しいテーマを描いた本作ですが、主人公のリリー・エルベが残した日記と、彼(彼女)を精神的に支え続けた妻のゲルダのその後の活動から、最初の性適合手術を受けた人として注目を浴び、今に言うLGBTへの理解を啓蒙する走りとなった出来事を描いています。
と書けば聞こえは良いですが、きっと当時このニュースが世間にもたらしたのは、理解ではなくてキワモノとしての話題性だったのでしょう。
まさか85年経った未来に、自分らしくあることに全てを捧げた自身が世間から受け入れられる日が来るなんて思いもしなかっただろう。

ただし、個人的には妻の女性としての人生を狂わせる迷惑をかけながら、自分は責任を放棄して、本当の自分になる為だけに突き進んでしまう姿勢はよろしくないと感じながらの鑑賞でした。
いろんな脚色もあるのでしょうけれど。



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