菊地凛子?誰よそれ。
一年前はそんな風に思っていたのに、ゴールデングローブ賞やオスカーにもノミネートされ、実体は見えないまま期待は膨らむばかり。
スズキシンジのブログと、劇場予告編以外の予備知識は排除して『バベル』を観てきました。
★★★★★
これが映画。
日本、アメリカ、モロッコ、メキシコを舞台に、四つの言語と手話が飛び交う。
場所によって複雑に前後する時系列や言語のちゃんぽんなところが面白く、のっけから心を持っていかれた。
何気ない日常の中、ちょっとした表現不足や虚栄で関わってしまう闇の面。
快楽、性欲、絶望、悲しみ、愛…そういった人間の感情の全てが怒涛の波のように押し寄せ、劇中の人物達の感情が、観てる自分自身の中から沸き出てくる感覚にとらわれた。
同じ言語を使っていても思っている事を100%伝えるのは難しい。
言語が違えばそれはなおさら。
文化が変われば都合も変わる。
しかし、そんな中にも光を見出そうとする人々の姿に感動する。
こんなにもリアルな日本、リアルな東京の若者を描いたハリウッド映画は今までに無いんじゃないだろうか。
他の国も同様なんだろうと思うと、余計に感情移入できた。
ネタバレ
はじめはみんないつも通りの日常を過ごしているが、望まない闇に飲まれ行く。
モロッコの、多感な時期の少年の暴走。
その兄のドス黒い本音。
優しい父の自戒の念。
銃を売ったハッサンの後悔。
ハッサンに銃を渡した日本人男性の無念と、娘への愛。
愛情に飢えた娘の負の感情と性欲。
彼女の友人の裏切り。
事実確認に来た刑事の戸惑い。
少年に撃たれたアメリカ人ツーリスト妻の恐怖。
必死で妻を救おうと半狂乱になる夫。
不安に苛まれる他のツーリスト達。
その夫婦の留守を見るメキシコ人ベビーシッターの失敗と覚悟。
叔母と大切な子供達を置き去りにする追い詰められた不器用な男。
砂漠に置き去りにされた子供達の絶望。
ベビーシッターの母親と悲しい再開を果たす息子夫婦。
エンドロールで“闇の中に光”というような言葉が有った通り、絶望の中にも光を見出そうとする人々の姿に涙。
★5つにしようと思ったのは、チエコが公園でトランス状態になってから、クラブで友人に裏切られて絶望するまでのくだり。
(スズキシンジ、こんな美味しい場面に出てたのか)
ビデオドラッグでも観ているかのように、同じようにクラブで弾けている気分になっている自分に気づいた。
その後も、ずっと前のめりになって、自分自身の感情に問いかけながら見ていました。
一年前はそんな風に思っていたのに、ゴールデングローブ賞やオスカーにもノミネートされ、実体は見えないまま期待は膨らむばかり。
スズキシンジのブログと、劇場予告編以外の予備知識は排除して『バベル』を観てきました。
★★★★★
これが映画。
日本、アメリカ、モロッコ、メキシコを舞台に、四つの言語と手話が飛び交う。
場所によって複雑に前後する時系列や言語のちゃんぽんなところが面白く、のっけから心を持っていかれた。
何気ない日常の中、ちょっとした表現不足や虚栄で関わってしまう闇の面。
快楽、性欲、絶望、悲しみ、愛…そういった人間の感情の全てが怒涛の波のように押し寄せ、劇中の人物達の感情が、観てる自分自身の中から沸き出てくる感覚にとらわれた。
同じ言語を使っていても思っている事を100%伝えるのは難しい。
言語が違えばそれはなおさら。
文化が変われば都合も変わる。
しかし、そんな中にも光を見出そうとする人々の姿に感動する。
こんなにもリアルな日本、リアルな東京の若者を描いたハリウッド映画は今までに無いんじゃないだろうか。
他の国も同様なんだろうと思うと、余計に感情移入できた。
ネタバレ
はじめはみんないつも通りの日常を過ごしているが、望まない闇に飲まれ行く。
モロッコの、多感な時期の少年の暴走。
その兄のドス黒い本音。
優しい父の自戒の念。
銃を売ったハッサンの後悔。
ハッサンに銃を渡した日本人男性の無念と、娘への愛。
愛情に飢えた娘の負の感情と性欲。
彼女の友人の裏切り。
事実確認に来た刑事の戸惑い。
少年に撃たれたアメリカ人ツーリスト妻の恐怖。
必死で妻を救おうと半狂乱になる夫。
不安に苛まれる他のツーリスト達。
その夫婦の留守を見るメキシコ人ベビーシッターの失敗と覚悟。
叔母と大切な子供達を置き去りにする追い詰められた不器用な男。
砂漠に置き去りにされた子供達の絶望。
ベビーシッターの母親と悲しい再開を果たす息子夫婦。
エンドロールで“闇の中に光”というような言葉が有った通り、絶望の中にも光を見出そうとする人々の姿に涙。
★5つにしようと思ったのは、チエコが公園でトランス状態になってから、クラブで友人に裏切られて絶望するまでのくだり。
(スズキシンジ、こんな美味しい場面に出てたのか)
ビデオドラッグでも観ているかのように、同じようにクラブで弾けている気分になっている自分に気づいた。
その後も、ずっと前のめりになって、自分自身の感情に問いかけながら見ていました。
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TBありがとうございました。
予告編で抱いていた内容を予想外に
裏切る素晴らしい映画でした☆
誰かに想いを伝えるのは本当に難しいです。
監督の想いもなかなか伝わらないのか
評価もわかれているようですね。
この監督の作品は初めてなのですが
他のもみてみたいって思いました。
それにしても手紙の内容。。。
あの家の秘密が書かれてる気がして気になります。
開放感みたいなものですよね~。
でも、それが、薬に頼った開放感なんだなあと思ったり、明るさが逆に孤独感を見せていたようにも思います。
ラストカットはまさに現代のバベルの塔でした。
少々ロジックに凝りすぎた感もありますが、力作でした。
私も満点なので、高評価のそーれさんをみつけ嬉しくなっちゃいました。
あのシーン、私も好きです。
どのシーンも好きですが^^
モロッコの兄と弟の会話だったり、じわじわと迫る不安で怒りだすブラピだったり・・・。
何故、チエコが裸のままでベランダにいたのかは、わかりません・・・父親が泣くよ。。。です^^
あの刑事とは何もないですよね?
何もないと私は思ってるのですが・・・^^;
ほんと難しい、ブログの記事も、思ってる事の5%くらいしか書けていません。
ほんと、書いた後で他の方のところを回って、「ああ、こういう書き方があったのか」みたいな。
でも次に生かせないもどかしさ。
そんな事も頭にチラッと有りながら、監督の言いたいことだけはしっかりと私には伝わってきたこの映画に感動しました。
文字でびっしり埋まった手紙は…答えを見せないだけに想像が膨らむばかりですね。
>ぷちてんさん
トんじゃった事で負の感情から開放された末に待っていたのは友達の裏切りだなんて、酷い話でしたねぇ。
でも、あの映像と音の作りには私自身もトリップした気分になりましたよ。
もうクラブでアースの“September”が大音量で流れたとたん体が動きそうでした(汗)
そうですね、東京の摩天楼の最上階の部屋で、ベランダでハグする二人の思いは伝わってたんでしょうか。
あの手紙の内容が謎なだけにいろんな思いが交錯する場面でした。
>とんちゃんさん
いい映画でしたよね!
私もどのシーンも好きで、きっとDVDを購入したら何度もいろんな場面を見直してしまいそうです。
朝の電話で「ヤドカリ触ったよ!」なんて父親に報告していた生活水準の高い家庭の子供が、その日のうちにメキシコに連れて行かれ鶏が絞められる所を目の当たりにするなんて過程も面白いし、じっくりと観ればこんな風に一つ一つの物語についてどこまでも深く観ることが出来そうですよね。
モロッコの兄弟、弟の名演技に霞みますが、兄の方が発言内容でどんどん状況を悪化させていくところをもう一度チェックしてみたいです。
ブラピの話も彼が危機感で壊れていく一方、冷静な村人達や自己保存に走るツーリスト達。ストーリーが移る度に客観的に観直せるので全員の立場で物事が考えれて面白かったです。
チエコは…謎は謎のままという、手紙の内容を見せないから監督の正確な意図は伝わらないという事で良いんじゃないでしょうか。
少なくとも刑事とは何も無いはずですよね。
昼間友人に裏切られて夜は刑事にフラレて自殺しようとしていたとか。
上手くいかないのは聾唖のせいだと自分を責めていたとか。
深読みしすぎれば、父親に性的虐待されていてそれを知った母が自殺したとか。
母親に虐待されていて誰にも言えず殺したとか。
単に母が死んで留守がちな父の愛に飢えていたとか。
いくらでも考えてしまうけど答えは闇の中(笑)
でも、父の登場はエンドロールにあるように光の登場ですよね、きっと。
いい映画でした。私の中で早くも今年1番の作品になってしまいそうな気がしてます。(少なくともベスト3には入るなぁ~)
なんだか、クラブのシーンで気分が悪くなる方がいらっしゃったそうで、ちょっと問題になってますね。
でもあのシーンは、レビューで書かれているようにとっても重要なシーンなのでカットせずにいて欲しいと切に願ってしまいます。
届け、心
いいコピーです。観終わった後も今も心の底に染み渡っている感じです。上映期間中また観に行ってしまうかもしれません。ではでは。
ほんと、良い映画でした。
ブログを始めてからの★5つ作品の中でもトップクラスと思っていますよ。
クラブのシーンは仕方がないですね。
映画やライブにはそういう場面が付き物ですし、元々フラッシュ障害の方は映画館では余り映画を観ないようにしているはずなのでは?と報道を見ていて感じました。
(もし、そうでなければ私の認識不足なので、これを読んで心象を悪くなされた方がおられたら申し訳ありません)
あれは素晴らしいコピーですね。
観終わった後だからこそ意味のわかる、全てを語るに足りる言葉だと思います。
言いたいことは、なんとなくわかるんですけど、設定に無理があるかなぁ、と。いくら子どもでも、バスを狙うなんて、考え難いし、だいたい国外へライフルを持ち出し、持ち込むことなんて無理じゃないか、とか、お礼にってライフルを国外に置いてきて(それが可能なことなのかも怪しい)、申告してないことも変だし。どうしても、日本に結びつけたくて、こねくり回したような印象でした。
あのメモについては、読みながら微笑していた刑事でしたから、ああいった行動をした「原因と経過と、お詫びと今後について」、読んだ人が、少し安心するような内容だったんじゃないかなって思いました。
うーん。
私はそれらもひっくるめて気に入ってしまったんですよねぇ、各登場人物に異様なまでに感情移入してしまって(笑)
微妙なところで個人によって受け取り方が大きく左右される映画なのかもしれませんね。
こんなに人によって極端に評価の分かれた映画も、ブログを始めてから数えるくらいしかなかったかも。
手紙は、あれは手紙と言うよりもいつも使っているメモ帳のページをその場でちぎって渡していたので、きっと元々彼に渡す予定で書いたものではないと思うんですよね。
文字でびっしり埋まっていたから、きっと彼女が普段考えていたことなんかを書き綴ったページなのじゃないかと勝手に思っています(笑)