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ミッドナイト・ガイズ

2013-11-19 | 劇場映画れびゅー
またまたいぶし銀役者さん達の共演、『ミッドナイト・ガイズ』を観てきました。
★★★★★

最近、年配のスター俳優を再処理するような共演ものがジャンルとして確立されてきたような気がしないでも有りませんが、この手の映画って一般の若い観客の集客には繋がらなさそうで勿体無い結果が出てるんじゃないかと心配。
『RED』の続編なんて、欲を出したのかコンセプト狂ってなんか間違った方向に若い血吹き込んでるように感じるし…。

それはそうと、この映画。
いやーもうヤバいです。面白い。

アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケン、アラン・アーキンのすっかりお爺ちゃん俳優の仲間入りをした三人を中心に描かれている。
役者としては益々しぶみを増してまだまだ脂が乗ってしまいそうな良い芝居を見せてくれる方々ですが、お爺ちゃん三人が活躍する映画なんて若い人観るんだろうか?

むちゃくちゃ面白かったので、ぜひとも若い人にこそ食わず嫌いせず観て頂きたい。

三人の役どころは、一言で言うとワル。但しそれは28年前の話。
ヴァルは28年の刑期を終え、出てきたらもうすっかり老いちゃって体がついていかないし、どうやらマフィアに命を狙われている様子。
ドクは友と言えた奴との交流が無くなり、孤独な老後の生活を過ごしながらかつての友が刑期を終えて出てくるのを迎える。
ハーシュは人生の黄昏を越え、ホスピスで天寿を全うしようとしている。

出所を切欠に、ヴァルの奪われた28年を取り戻すべく、三人の元ワルのお爺ちゃんは夜通しバカを繰り返す…、その裏でそれぞれが抱える悩みなんて無かったものにするように。

この人生の先輩方が、葛藤を抱えながら話す台詞に一々重みの有る事。
たとえシモネタでも、これは人生重ねてきた人なのも有るけれど、覚悟が有る言えるようなカッコ良さ。
台詞の深さにも増して、三人のアカデミー賞俳優の役作りが素晴らしい。

ネタバレ
28年ぶりに会った友に殺されなければならない、28年ぶりに会った友を殺さねばならない、二人の葛藤。
殺されるのは仕方が無い、殺せるわけが無い、夜通し遊びながら二人の頭の中をずっと過ぎっていたであろう言葉が、人生最後の夜を謳歌する二人の様子を見ながらいろいろと想像している内、楽しい場面でも切なくなってくる。
ハーシュの突然の死。
彼も、もう自分が長くは無いことを悟った上で、最後の夜を人生で一番弾けて楽しんだ夜にしてから亡くなる。
三人のお爺ちゃんの覚悟の夜の様子だけを取っても心に染み入ってくるのに、家族も出してきて卑怯。号泣ですよ。



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