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ある日どこかで

2009-01-16 | オススメ旧作映画
1972年ミルフィールド大学にて、脚本家リチャード・コリアーの処女作が上演された。
上演後、彼のもとに歩み寄ってきた見知らぬ老婆の手には懐中時計。
「帰ってきてね…」
懐中時計をリチャードに手渡す老婆の表情は、喜びに満ちている反面、悲しみを感じさせた。

8年後の1980年。
社会にもまれムシャクシャして気分転換の旅に出かけた彼が偶然立ち寄ったグランドホテル。
ホテルの歴史資料室で背中に感じた視線の先には、美しい女性のポートレートが有った。
一目で気に入ってしまったリチャードは、彼女について調べるうち驚くべき事に気付く。
彼女が1912年にこのホテルで上演された芝居に出ていた女優エリーズ・マッケナで、1972年に現れた老婆こそが彼女だったという事。
そして、あの晩彼女はこのホテルで息を引き取ったという。

彼女の持ち物だったオルゴールがリチャードの大好きなラフマニノフのラプソディーを奏でる事に気付き、彼女との運命を感じたリチャードは、彼女の愛読書だった『時の流れを超えて』の執筆者がまたリチャードの哲学の教師だったと知り、その彼と話すうち精神力によるタイムトラベルの可能性について考え始める。

エリーズの「帰ってきてね」と言う言葉の真意は…。


この映画を初めて観たのは1980年代後半、高校生の頃。深夜のテレビ放送で。
主人公のリチャードを演じるのは、俺の中ではスーパーマン役者と決め付けていたクリストファー・リーブ。
映画の内容については何も知らず、クリストファー・リーブが知らない映画に出ているのをチェックしようとだけ思って観ていました。

なので、冒頭から意味深な演出の連続にグイグイ引きこまれて観ているうちに、タイムトラベルモノだと知ったんですよね。

それまでタイムトラベルと言えば、当時全盛期だった『バック・トゥー・ザ・フューチャー』に代表されるメカニカルな装置を使ってするものだと思い込んでいたので、あまりにユニークな方法にすっかりハマッて観てしまいました。

この映画の優れているところは、そのファンタジックなタイムトラベルの方法を基にして、思いの強さを愛と結びつけてピュアなラブストーリーとして描いているところでしょうか。
タイムトラベルを活用した伏線の数々が見事なのに加え、語りすぎていないから観終わった後で想像力を膨らませてくれます。
最近でこそ凝ったシナリオ展開の映画が多いですが、1980年にしてこのクオリティー。

彼女に会いたいという強靭な精神力と体力、その両方を持ち合わせた演技も出来る俳優としてガタイの大きなクリストファー・リーブが演じているというのも納得が行きます。

強靭なはずのリチャードが…。
余りに不条理すぎる結末に、初めて観た時(夜中)は泣いて泣き疲れて寝ましたw

オススメ度:100%



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