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危険なプロット

2013-10-22 | 劇場映画れびゅー
天才フランソワ・オゾン監督の映画、『危険なプロット』を期待して観てきました。
★★★★

うん、今回も当たり!
幸せの雨傘』から2本続けて面白い映画を撮ってくれてありがとう。
意欲的に毎回全くテイストの違う映画を撮る監督だから、数年微妙な映画が続いた時はちょっと心配してました。

ネタバレ
老いた文学教師の男と、その生徒の少年。
課題で書かせた作文の文学的能力に魅せられた教師は、少年を指導してその能力を伸ばしてやろうとするのだけれど、少年の書く内容は自分目線のドキュメントタッチで、次第に他人の家庭を蹂躙するような内容にエスカレートしていく。
度を越した表現が倫理的に問題が有ることを指摘しながらも、彼の書く文章の続きが気になって指導することより書かせる事を優先させ…。

少年の書く作文の内容がどこまで本当なのか、もしかして殆どフィクションなのかというところが最後までぼかされていて、教師自身もその事に確信を持てないまま全部フィクションだという前提で少年と接する。
少年の方は教師の指導には従順な態度で書き進めるものの、時折見透かしたような不思議な表情を垣間見せ、指導を受けて書いているのか教師の読書欲を弄んでいるのかといった心理戦の様相をみせる。
意外で見事な結末の演出に、久しぶりにフランソワ・オゾン監督作で拍手送りたくなった。

作文を読み始めると怪しい劇中劇が始まり、現実との境界が曖昧になって行く辺りの演出がムチャクチャ面白い。
まさにタイトル通り『危険なプロット』、読めない魅力的なプロットに教師同様魅せられてしまいます。

原作はスペイン戯曲だそうで、意識したのか『8人の女たち』を彷彿とする舞台っぽい演出が観られる。

少年役のエルンスト・ウンハウアーの表情が凄く良い、フランソワ・オゾンの事だから別の映画でも使うかな?
クリスティン・スコット・トーマスがどうでも良い役を熱演してると思ったら、どんどん存在感増して重要な役だったってオチにやられます。



8人の女たち [Blu-ray]
カトリーヌ・ドヌーヴ,エマニュエル・ベアール,イザベル・ユペール,ファニー・アルダン,ダニエル・ダリュー
ギャガ・コミュニケーションズ

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