今年のアカデミー賞中継を見ていて、ひときわ目を引いたのが、この『パンズ・ラビリンス』。
何が面白そうって、独特な造形が目立つファンタジーの世界。
鬼才ギレルモ・デル・トロ監督作なんて代名詞が付くこの映画、この監督に鬼才なんていつから付いたんだろう?
半年経ってようやく公開されたので、早速観てきました。
★★★★★
内戦終結直後のスペインを舞台に、余りに過酷で狂気に満ちた現実世界と、少女にしか見えないファンタジーの世界が、彼女の目を通して交錯していく。
三つの試練に対し、命を賭して二つの世界を冒険する姿は、決して微笑ましいものではなく、その背景にあるものから全てが痛々しい。
『ローズ・イン・タイドランド』と同じく、完全に大人向けのファンタジー。
不思議の国のアリスをリスペクトしているところも同じですが、事の善悪や、酸いも甘いも理解してないとオカシナ思想を生む元になりうる、こんなもの子供にゃ観せられません。
が、大人が観るには面白い。
何が面白いって、血にまみれた現実と、独創的な造形美で魅せるファンタジーの世界のコントラスト。
細部までこだわった、登場人物たちの心理描写。
特に、徹底的にヒールなビダル大尉の描写は見事。
彼を中心に描く時にはまるで主人公のように丁寧、かつ象徴的な部分でポイントを押さえていた。
若干、いや、かなりホラーテイストも有るので、怖いのが嫌いな方にはお勧めしません。
内戦の悲劇を描いた映画と言えば、『麦の穂をゆらす風』が記憶に新しいが、こんな映画でも観ていない限り、内戦の実態を知らない日本人にはこの映画の根底にある悲しみは伝わって来ないよね。
なんて、いろいろ観ておいて尚楽しめた気がした。
ネタバレ
観終わって、喜びと悲しみに葛藤する自分がいた。
オフェリアは本当に無事地下世界に帰れたんだろうか、それとも全て彼女の妄想だったのだろうか。
素直に信じたい、信じたいけれど、地上には悲しみに満ちた現実が。
捕らえようによってはどちらにも思えてしまい、帰り道ずっと悶々と。
何が面白そうって、独特な造形が目立つファンタジーの世界。
鬼才ギレルモ・デル・トロ監督作なんて代名詞が付くこの映画、この監督に鬼才なんていつから付いたんだろう?
半年経ってようやく公開されたので、早速観てきました。
★★★★★
内戦終結直後のスペインを舞台に、余りに過酷で狂気に満ちた現実世界と、少女にしか見えないファンタジーの世界が、彼女の目を通して交錯していく。
三つの試練に対し、命を賭して二つの世界を冒険する姿は、決して微笑ましいものではなく、その背景にあるものから全てが痛々しい。
『ローズ・イン・タイドランド』と同じく、完全に大人向けのファンタジー。
不思議の国のアリスをリスペクトしているところも同じですが、事の善悪や、酸いも甘いも理解してないとオカシナ思想を生む元になりうる、こんなもの子供にゃ観せられません。
が、大人が観るには面白い。
何が面白いって、血にまみれた現実と、独創的な造形美で魅せるファンタジーの世界のコントラスト。
細部までこだわった、登場人物たちの心理描写。
特に、徹底的にヒールなビダル大尉の描写は見事。
彼を中心に描く時にはまるで主人公のように丁寧、かつ象徴的な部分でポイントを押さえていた。
若干、いや、かなりホラーテイストも有るので、怖いのが嫌いな方にはお勧めしません。
内戦の悲劇を描いた映画と言えば、『麦の穂をゆらす風』が記憶に新しいが、こんな映画でも観ていない限り、内戦の実態を知らない日本人にはこの映画の根底にある悲しみは伝わって来ないよね。
なんて、いろいろ観ておいて尚楽しめた気がした。
ネタバレ
観終わって、喜びと悲しみに葛藤する自分がいた。
オフェリアは本当に無事地下世界に帰れたんだろうか、それとも全て彼女の妄想だったのだろうか。
素直に信じたい、信じたいけれど、地上には悲しみに満ちた現実が。
捕らえようによってはどちらにも思えてしまい、帰り道ずっと悶々と。
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ラストは悲しい雰囲気ですが、ハッピーエンドですよね。多分間違いないです。
もうちょっとPOPなティム・バートンや、ジャン=ピエール・ジュネの大ファンなので、こういうのはかなりツボです。
ハッピーエンドと言えばハッピーエンドなんですが、現実世界では彼女は亡くなってしまっている訳で、残された人達には悲しみと復讐の感情が…(涙)
ファンタジーというには、重く悲しいお話でしたよね。確かに大人向けのファンタジーでした。
観る人によってかなり意見が異なるような作品だと思いますが、僕の感性にはピッタリの素晴らしい映画でした。ファンタジー部分はオフェリアの願望と妄想だと思いましたが、どう感じましたか?
狂気と妄想が迫ってくるような映画でしたよね。
私もかなり楽しんで観ることができました。
オフェリアの願望と妄想のようでもありましたが、あまりの事に現実であってほしいと願いながら観ていました。
答えはきっと用意されてないんでしょうねぇ。