ピアノの森

きっと原作通りな展開で、「なら原作読んでりゃ良いやん」なんてレビューを書く結果になるんだろうなぁと思いつつ。
でも昨年夏にスマッシュヒットを飛ばした『時かけ』のマッドハウスが、この夏を意識してぶつけてきた映画なんだし、漫画読んでるだけじゃどんな曲なのかわからない楽曲が聞こえてきたら、また違うんじゃないかな？
なんて、映画館で観ようか散々迷った挙句、今晩の予定が空いたので、結局『ピアノの森』を観てきました。
★★★★

やっぱり原作通りでした。
“茶色の小瓶”のエピソードは無かったけど。

コンクールの臨場感には、目を見張るものがある。

物語の導入部に当たる小学生時代のエピソードの途中までが丁寧に描かれていて、原作漫画を読んだことの無い人を惹きつけそう。
原作ファンには、今まで想像するしか無かった素晴らしいピアノの音色と、見事な指裁きを実際に感じる事ができて、益々はまるに違いない。

でもね、なんで上戸彩がカイの声をやってるんだろう。
声変わりした神木君が小５の修平の声をやってるのもどこか微妙なのだけれど、思いっきり女声のカイに慣れるのには少し時間がかかってしまった。
今後も続けてアニメ化していく事を前提に、あえて女声にしたのかな？それにしても…。

雨上がりの宮迫がやる阿字野の声には少し不安が有った分、あまりにハマッていたので驚いた。

『のだめカンタービレ』と『ピアノの森』
幼少の頃の体験で、全く違う成長をしていく主人公達ですが、改めて見ると途中のプロットがとても似てるんですよねぇ。

ネタバレ
原作ファンで、声を気にしない人にとっては、至高の時間が過ごせたに違いない。

『神童』のリアル神童による吹替え演奏も良かったけれど、“聴かせる”“魅せる”演出は『ピアノの森』の方に完全に軍配が上がった。
観る前は、ピアノを演奏する姿もアニメだから吹替えなしで出来るし、ジャパニメーションは口の動きと声も合ってなくても許される位だから、指裁きなんてどうせ適当だろう。
なんて思っていたけど、アニメなのに、アニメでピアノの演奏、流れるような指の動きを完全に再現している！それだけでも驚きなんだけど。
もうね、ピアノが良いの何の。

いや、ピアノの良し悪しなんて語れるボキャブラリーは無いですよ。
でも、良い演奏を聞いたら感動はします。
なんだか知りませんが、凄い人が実際に弾いてたらしくて、映画館の音響で聞く臨場感はたまりませんでした。
それは、コンクール会場の再現度の高さのせいでもある。
まるで映画館がコンクール会場と化したかのような音響効果に、一緒になってスタンディングオベーションをしそうになってしまったｗ
まさか、周りの席の人で本当に声援飛ばしていた人居ないよね？

もう一つ。
原作の現在の展開を思いながら、この頃の修平を観ていると可愛そうで悲しくて。
なんだかんだ言いながら、実はムチャクチャ感情移入して観てしまいました。
良かれと思ってした事や、何気ない阿字野の言葉を今も引きずって…。

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