リンカーン

バンパイアハンターじゃない方の『リンカーン』を観てきました。
★★★★

教科書で知ってたリンカーンは、有名なスピーチ「人民の人民による…」と訴えて奴隷解放をした事と、南北戦争当時の大統領で最後は暗殺されたって辺り。
米国人だと思い入れが半端ないので、もっと詳しく知ってた上での映画だったのでしょうけれど、その程度しか知らない俺からして観ても、ドンピシャその辺りの時代を中心にもっと深く掘り下げ、彼が米国と現代世界に何をもたらしたかって辺りを政治の裏側を中心に描いているから、とても楽しめる映画でした。

てっきり南北戦争の勝利後に大統領権限で例のスピーチをし、即刻開放しちゃったんだとこれまで思い込んでたのがそうではなかったんですね。
戦争の引き金になったのはリンカーンの思想がそもそも根底にあり、内戦の最中に奴隷解放を成し遂げる為に様々な思惑を持つ国会議員に働きかけて政治家として結果を出すまでの工作劇、信念やら企みやら思惑が交錯してハラハラさせられむちゃくちゃ面白い。

恥よりも信念を持って党を超えた動きが出来るだけの政治が今の日本の政治にも有って然るべきだと、本当に成し遂げたい志のある人は政治家生命かけてやるべきだと感じさせられる面も。

そんな政治家たちのヒューマンドラマの頂点に居るリンカーンを演じるダニエル・デイ=ルイスと、妻を演じるサリー・フィールド。
そして曲者政治家ダグラス・スティーブンスを演じるトミー・リー・ジョーンズの名演が、このヒューマンドラマの面白さを際立たせる。
個人的にはアカデミー賞主演男優賞のダニエル・デイ=ルイスよりも、トミー・リー・ジョーンズの方がこの映画に関しては演技上に感じた。
ダニエル・デイ=ルイスは、なりきりっぷりが凄かったけどね。

それにしても、米国史上最初に暗殺された大統領。
本当にあんなに無防備な移動方法取ってたのかな。
結局暗殺成功されてしまったのって、最初の暗殺が失敗してシークレットサービスが出来た後だったと思うんだけど、それよりも前ならいつでも殺されてしまうタイミング有ったよね。

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