永い言い訳

妻に先立たれた浮気夫の話。
『永い言い訳』を観てきました。
★★★★

内容についてはネタバレ以降で。
本気で嫌な男を演じる元木雅彦と、純粋で単純な男を仏頂面と笑顔の２パターンだけで演じる竹原ピストルが良い味を出しているのと、子役たちの演技も深くて関心させられた。

ネタバレ
個人的な話から書くと、俺は結婚していないし、子供も居ない。結婚したいとも、子供が欲しいとも思わない。
でも、相方が居る時は浮気しないし、なんで結婚までして相手の人生に介入している人が浮気をするのかは全く理解が出来ない。
そんな目線での鑑賞です。

序盤は、主人公の浮気夫幸夫君の甘ったれた考えに虫唾が走る感覚。
長く一緒に居ると空気みたいに感じるようになることはあるけれど、愛情もリスペクトも忘れて空気のように扱っていた妻が死に、ショックは受けたものの泣くことは出来ず、妻の人間関係への配慮には考えも及ばず、ただ生活に不自由を感じていたところで久しぶりに会った愛人に強引に迫る姿。
そんな幸夫に対し、完全に引いた愛人の一言…。

寂しくてやや後悔しつつ、それなりの展開が有って、やっぱ空気みたいだったけどいろんな可能性は有ったのに、俺はなんてバカなんだろうと少し後悔…。
みたいな描かれ方になっておりますが、愛人が甘やかしていたら、この男は何も反省する事なく生きていたんでしょう。

幸夫君よりも、不器用だけど子供たちを愛していて、亡くなったけど奥さんに感謝していて、一生懸命な陽一君の方に関心しながら観ていました。

	永い言い訳 (文春文庫)
	西川 美和
	文藝春秋

	よー、そこの若いの
	竹原ピストル
	Speedstar