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ハンニバル・ライジング

2007-04-21 | 劇場映画れびゅー
記憶に残るトマス・ハリスのサイコサスペンス小説“ハンニバル・レクター三部作”と言えば、『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』。
小説は最高に面白かったし、映画の方も2作目『羊達の沈黙』のヒットからブームが起きた誰もが知る名シリーズ。
その前日談『ハンニバル・ライジング』がトマス・ハリス自身によって執筆され、彼自身の手で初めて脚本まで書かれたとあっては必見!ということで早速観てきました。
★★

以前の三作については原作を先に読んでいたのですが、どれも映画よりも小説の方が面白かった。
映画は映画でクオリティー高かったんですけどね。

という事で、今回はあえて原作は読まずに映画を先に観たのですが…。
期待していたものとは違った。

三部作で終わらせておけば良かったのに、大いなる蛇足という印象。
それがトマス・ハリス自身の手で生み出されたとあっては、いちファンとして悲しくなってしまう。

今までのシリーズで何度か語られてきた妹ミーシャのエピソードから始まり、ハンニバル・レクターが狂気に目覚めて行く様子が描かれた本作。
リアルな思考描写に固執する余り、ハンニバルの超人的知性が感じられなかった。

若いから、経験が少ないから、と言われればそれまでなんだけど、“天才で完璧だけど異常”というのが小説を読んでいて魅力的(面白いキャラクターという意味で)だった人物なのに、この映画では不意も打たれるし失敗もする。
復讐から狂気に目覚めはするけど、「レクター博士ならもっと、こう…」と多くの場面で物足りなさを感じ、天才の片鱗も見せないまま、消化不良に終わってしまった。

ホラー色が段階的に強くなった三部作に比べると、サスペンスの域止まりなところにも物足りなさを感じる。
映像、演出的にグロいだけで、恐怖は無かった。

また、最近のハリウッドの流行りとして、日本市場への媚びを連想してしまうレディ・ムラサキの存在も、演じるのは中国系のコン・リーだったり、今更な“オカシナ日本像”が逆にガッカリ感を誘った。

ハンニバル・レクターを演じるギャスパー・ウリエルは良かったんだけど、左頬の皺が気になって、ほとんど左頬ばっか見てた気がするんですけどw

ネタバレ
おおお!と思ったのは、冒頭のレクター城でハンニバルが鎌をかまえる場面。
若さと危なっかしさ、知的な顔にその続きのストーリーが期待出来るワンシーンだったけど、フランスに出てからがどうも…。
日本刀じゃ、あの雰囲気出ないやねぇ。



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2 コメント

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なんと (そーれ)
2007-04-21 22:47:17
>ぷちてんさん
そうでしたか。
顔の表情が無い時は消えるのでエクボとか笑い皺みたいなものかなぁと思ってたのですが。
ドーベルマンに顔噛まれるなんて((((゜Д゜;))))

私も別ものだと思いたいというか、シリーズ像が崩れたので忘れたいです(笑)
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頬の傷 (ぷちてん)
2007-04-21 21:34:17
私も気になって、撮り方もそちらからの絵が多かったですもんね。
今、彼のことを調べていたら子供の頃ドーベルマンに噛まれた傷痕なのだそうですよ~。
ドーベルマンには、噛まれたくないですよね(T-T)

私は、この作品シリーズとは別物みたいに感じました。
主役が美形だからちょっと点数も上がりますけど、美形じゃなかったら・・どうだろ?(笑)
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