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悼む人

2015-02-19 | 劇場映画れびゅー
赤の他人の死を悼んで全国を廻る不思議な予告編が気になっていた『悼む人』を観てきました。
★★★

人の死と、死んだ人を想う気持ちを凄く斜め方向から切り込んだ怪作。

いつまでも、いつでも心に残しておく事が大切なのはわかるけど、対象が赤の他人である事と、過去に囚われたまま前に進まない主人公を良いと見るか、奇人と取るかで映画の印象はがらりと変わる。
一応、予告編を観て映画のテーマをわかった上での鑑賞でしたが、どうしてそんな理由でそんな奇行に走るのか主人公への感情移入は出来ないまま。俺だって死を引きずって思い出す度にドーンと思い気持ちが溢れてくる事は有るけど、どうしてこの主人公はこうなるかな。

それに引き換え、一つ一つの死にまつわる描写が凄く心に刺さってくるよう描かれていて、死のオムニバス映画のような印象。
主人公を理解は出来ないけど、演じてる人達が全員凄いところは見所。

ネタバレ
特に、どう考えても母親の死に目に会えてなさそうなところは全く理解出来ない。
身内を亡くして変な子になってしまったのに、赤の他人の死を聞いてまわって自己満に浸ってる間に母親亡くすなんて。
しかも、母親の異変には気付いてるのに、悠長に道々悼みながら帰宅してる間に亡くしてたなんて知ったら精神崩壊するんちゃうか。

だいたい、資金尽きたらどうする気なんやろ。



悼む人〈上〉 (文春文庫)
天童 荒太
文藝春秋
悼む人〈下〉 (文春文庫)
天童 荒太
文藝春秋

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