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『オールド』を観てきました。
★★★★
『ヴィジット』でスランプから脱出したシャマラン監督の最新作は、そこに居るだけで急激に老化が進むビーチを舞台にしたスリラー。
リゾートホテルに旅行に行った家族が断崖絶壁に囲まれたこのビーチに閉じ込められ、気づいたら子供が成長してるやんって…。
細かい事を言い始めたら穴だらけの設定で、ご都合主義で組み立てられた話では有りますが、その辺りに目をつぶってシャマラン節による次々に起きるアクシデントに身を任せましょう。
都合の良いところだけ「なるほどそう来るか」と肯定しながら観れば、きっとラストも納得出来るはず。
ネタバレ
死体の細胞の劣化は激しいのに食料品は風化しないのかとか、子供が成長するのに栄養は足りているのかなんて考え始めると面白く無いので、途中から疑問に思う事を放棄することでむちゃくちゃ楽しめました。
切った先から傷口が回復して消えるだとか、折れた骨が瞬時にくっつくなんてことを利用して恐怖の演出に繋げたり、一気に思春期にまで成長した幼児達が子供を作ってしまうなんておぞましいシークエンスから、生まれたばかりの赤ん坊の餓死という絶望感。
老いを恐怖に感じる者の壮絶な最後や、老いて人生を美しく感じる者の対比も、やっぱシャマランは凄い。