エクスペンダブルズ3 ワールドミッション

使いづらい超大物俳優２名が加わって、どうこのコマを動かすのか？『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』を観てきました。
★★★★★

前々作と前作の記事を読まれてしまったのかと錯覚してしまうほど、弱点を全部埋めてきているところが好印象。
三作目にきてマンネリ化が進むかと思っていたところで、のっけからアクションシーンに手抜きなし、ストーリーの意外性にも手抜きなし、そして今回から参加した４人のスター達の魅せ方も手が込んでいて絶妙なバランス、今回こそ納得の映画に仕上がっています。

ブルース・ウィリスがとうとう戦線離脱して出演していないのが不満と言えば不満（ハリソン・フォードが「出演していない」と説明した時の英語セリフがオシャレだった気がする）なのと、一瞬でもチャック・ノリスが出てきてくれたら拍手が起きていたと思いますけれど。

今回参加した２大使いづらい大物役者（個人的印象）と言えば、昔から動けない割にアクション映画への出演が多くて作り手を悩ませるハリソンフォードと、牧師のクセに私生活が逝っちゃってて誰も使ってくれなくなったメル・ギブソン。

ハリソン・フォードは若いころから走るとよたよたしていたので、こんなに歳食ってさらに動けなくなってるはずなのにどうするんだろうと思っていたら、動いていなくても見せられる、手のかからない撮影のマジックで、よたよたするボロを見せずにしっかり活躍。
メル・ギブソンはナチュラルで纏っている狂気を増幅させたようなキャラで、往年の『リーサル・ウエポン』をも思いださえてくれ、役者としての健在ぶりを披露。

そして、この二人に見せ場を持っていかれるのを承知で参加したアントニオ・バンデラスと、ウェズリー・スナイプスの扱いも上手い。
アントニオ・バンデラスはかっこいいのとは対照的なキャラクターで自ら下げ気味でありつつも、ちゃんとアクションもするし、台詞が多いから存在感は誰よりも大きい。
ウェズリー・スナイプスは存在感ではアントニオ・バンデラスに負けるし、ナイフではジェイソン・ステイサムに負けるけど、冒頭で美味しい所持っていくからそれでいいでしょ的な扱い。


そうそう、女優じゃなくて格闘家だけど、遂にメンバーに女性が参加したってことで、これはもしかして布石なんじゃないかなと感じました。
次回辺りに、シガニー・ウィーバー、ミラ・ジョボビッチ、ミシェル・ロドリゲス、ヘレン・ミレン辺りが来るんじゃ？
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーがセットで出たら空前の話題になるけど、この二人は無いやろね。

１作目の時に予測した追加メンバーの内、ジャン＝クロード・ヴァン・ダムは前回、ウェズリー・スナイプスが今回参加したので、ロック、スティーブン・セガール、ジャッキー・チェンも夢じゃなさそう。
他は、トム・クルーズ、マット・デイモン、ジェレミー・レナーとか、最近アクション俳優に転身しようとしているかに感じるリーアム・ニーソンや、デンゼル・ワシントンがシレッと参加する日が来るかもね。

ネタバレ
最大の見せ場は、ラスト２５分の連続アクションシーン。
台詞で２５分のフラグが立ってるから、絶対にここから凄いってわかった上で観ていると、今回は全員に詰め詰めで見せ場を設けて魅せ付けまくってくれました。
特に今回は自分の映画の中で体術を見せる事のある役者には体術存分に取り入れ、各スター役者が別の場所で戦っているカットを連続で繋いで見せてくれる。
一人で出ていても豪華なスターのクライマックス映像を連続で見せられ、もうアドレナリンどばーって感じですよ。こう言うのが観たかった。

気になったのは、シュワちゃんが驚くほどポチャってしまっていて、政治家引退前後の精悍な印象も、役者に戻ってきてから一気にガッチリ作り上げた体つきも見る影がなくなってしまっていたところ。
ジェット・リーとラブラブな様子を見せ付けるオチは、次回作以降この二人が一緒に引退で消えてしまうなんてフラグに感じて気になります。

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