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『犬顔家の一族の陰謀 ~金田真一耕助之介の事件です。ノート』@シアターBRAVA!

2007-07-23 | ステージれびゅー
長いタイトルだけど、正確なタイトルは、『劇団☆新感線2007夏休みチャンピオン祭り「犬顔家の一族の陰謀」~金田真一耕助之介の事件です。ノート』と、さらに長いくてgooブログでは登録出来ませんw
新感線の“ネタもの”系舞台です。

パンフレットの言葉を借りると、新感線の舞台は“いのうえ歌舞伎”と、“音モノ”“ネタもの”の3つのジャンルに分けられるそうですが、たまたま7月の観劇に選んだのが“ネタもの”で良かった。
新感線の“音モノ”は、ヘビメタのコンサートライクなところもあるので、実は苦手だったんですよね(汗)

観劇素人なので、色々と手探りなんですが、劇団☆新感線“チャンピオン祭り”と銘打ったタイトルが“ネタもの”なのだそうで、次回からしっかりチェックしてチケットを買わなきゃです。
羽野晶紀が関西ローカルで活躍していた頃の“ネタもの”は、学生の頃テレビでいくつか観てた覚えがあるのですが、あの頃のベタベタなノリは今も健在で、大いに楽しんで来ました。

さてさて、中身について。

タイトルからも想像付くように、思いっきり映画『犬神家の一族』のパロディーなのですが、タイトルをよーく見ると、『柳生一族の陰謀』と、『DEATH NOTE』が隠れていますw
これらの映画だけではなく、最近の映画のパロディーがそこここに散りばめられていて、劇団☆新感線初心者な俺にも無茶苦茶楽しむ事が出来る映画好き向けの内容でした。
映画好きでホント良かったw

特にメインタイトルの『犬神家の一族』について、リメイク作の方のレビューではボロクソ書いたのですが、新旧両方に対して正確に再現している場面も多く、ネタ元を知ってるだけに余計楽しめた。
無駄な時間を過ごしたと思っていたリメイク版『犬神家の一族』が、こんなところで役に立つなんてw
やっぱり選り好みせずに片っ端から観ておくべきかもと、今後また映画を観る本数が伸びそうな考えが頭をよぎったりして。

スクリーンを兼ねた幕を使って、『犬神家の一族』風なタイトルロールの再現やら、セットの入れ替えやら、映画の中に入っていくような気持ちにさせる演出も見事。
(USJのターミネーター3D的?)

あ、もちろん映画だけじゃなく、童話ネタやらミュージカル(こないだ本物を観たばかりの『エリザベート』も!)やら、モノマネ、変装(というか『トランスフォーマー』)などなどてんこ盛り。
どこまでが芝居なのか、アドリブなのかわからない、体当たりのコメディーに良くある空気というのはテレビで観た事がありますが、今回初めて現場で感じる事が出来て幸せ。
全部計算なんでしょうね。

登場するゲスト役者たちはお得感たっぷり。
金田一耕介ならぬ、ヘチャい金田真一耕助之介がピッタリな宮藤官九郎。
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』でのゲイ役から色物に転進したのか勝地涼(わざわざ年の離れたオダジョーと同級生のゲイなんて役を選んだ意図がわからないw)。
ちょうどWOWOWで放送していた『橋を渡ったら泣け』での演技に唸らせてもらったばかりの小松和重。
ほか、最近テレビではあんまり見なくなった池田成志と、…誰だろう木野花って(汗)

彼らと、劇団☆新感線の“ネタもの”ノリ全快な劇団員達の、強烈なキャラクター達によるまさに笑いの競演が見事。
全員参加でみんなオイシイ。
セルフパロディーも満載だったらしく、ほとんど知らない俺的にはもったいないやら残念やら、もっと観なきゃだわ。
欲を言えば、全員参加なせいで、古株の人たちの見せ場が少ない。
橋本じゅんにもうちょっと引っ張ってもらいたかった。

あれだけみんな笑って、満足して、拍手が鳴り止まなくてもスタンディングオベーションにならないというのは、やっぱネタものの宿命なのでしょうか?
お約束でもあるのかな?

パンフレットは超豪華!というか、地味というかステキというか。
タイトルの入った茶封筒から中身を出してみると、金田真一のノート風に装丁したパンフ(これは確かにデスノートw)と、ブロマイド(謎)、そして文庫本。
パンフの中身は全員の犬にまつわるエピソードやら、全然関係ない人からのコメントやら、わけのわからんものやら、その他読み応えたっぷり。
文庫本は新感線文庫『金田真一耕助之介の冒険』と題して256ページもあるアンソロジーw
こんなに盛りだくさんで2800円。
これは…、なんというか、楽しんだ人にとってはお宝じゃないですかw

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