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息もできない

2010-04-14 | 劇場映画れびゅー
父親の暴力で家族が崩壊した境遇の二人、チンピラと女子高生が出会い、二人で泣いている。
とんでもなさそうな展開を予感させる予告編に目を付けていた『息もできない』を観てきました。
★★★★

悲しすぎる運命に縛られ、息をする事も辛く苦しい世の中が展開していく。

ガキの頃に絶望のどん底に突き落とされ、憎しみに任せて自ら落ちていく不器用なチンピラと、地獄のような家庭から抜け出せないのに、誰にも助けを求めようとしない女子高生がひょんな事で出会い、お互いの本当の境遇は話さずとも心が通じ合っていく。
愛に飢えてるはずなのに、お互いにそれを求めているのかどうかは明示されない。

この映画も凄すぎる。
ガツンと来ます。

ほんま、韓国映画はどうなっているのか。
邦画に欠けるパッションと、社会的背景やメッセージをストーリーに織り込む能力を感じる度に悲しくなってしまう。

さらに酷い事が想像される要素を散りばめておいて、敢えて語らないところが緊張感を保つ要因になっててイイ。

チンピラが横顔で語る純粋過ぎる表情、絡む時の睨み付ける表情に引き込まれまくります。
またスゲー俳優が現れたと思ったら、このヤン・イクチュンって主演俳優さん、この映画の監督もしてるのだそうで驚きました。
次回作も絶対に観なきゃ。

劇中でも語られてますが、韓国にはこういう歪な家庭が多いとか。
ほんとかなぁ…?

ネタバレ
出会いの場面からパンチが有りすぎ、女の子しばいて気を失わせた挙句そのままデートとか有り得んし。
でも、このふたりの生い立ちを知るにつれおかしくない、というか同情しまくって感情移入どころじゃなくなっていく。

憎しみの塊のようなチンピラに訪れた女子高生と甥っ子という二つの安らぎ。
でもその裏側では女子高生も抱えきれないような問題を抱えていて、現況はもしかしたらそのチンピラ自信かもしれない。
しかも、その問題は現在進行形で悪化の一途を辿っている。
気付かぬうちに女子高生の兄をチンピラに育て上げ、その手で殺害されてしまうなんて。
それも、やっと憎しみと暴力の呪縛から開放されようとしていた矢先に。

因果応報という言葉じゃ語りきれない。
かわいそうでたまらん。



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2 コメント

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全くです (KLY)
2010-04-14 00:54:06
一つには役者の問題もあると思うんですよね。なにかというとタレントを起用するのを先ず止めた方がいいです。私はタレントは俳優だと思ってないので…。
そして、これはハリウッドにも言えますけど、原作もの、テレビドラマものに頼りすぎでオリジナル脚本が少なすぎるんです。

それにしても次から次へと凄い作品を生みだしてきますよね。日本人の才能だって決して負けてはいないのですから、頑張って欲しいですよ。

って、映画の内容に何もふれてないや。(笑)
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>KLYさん (そーれ)
2010-04-15 12:57:08
どうもです!
ですよねぇ、日本には随分前から“映画俳優”って職業が無いに等しい状況ですよね。
若年層には皆無…。
テレビでちょっと人気が出ればすぐに映画に主役級で出して集客に使い、ちょっと経てばポイ捨て、ベテラン層は舞台役者さん頼り。
はぁ…。

日本は、物語を紡ぎ出す力に関しては漫画や小説でもずば抜けてると思うのに、こと映画に関してはなんでこんなに遅れてしまってるのか、ほんと頑張って欲しいです。

良い映画でしたねー^^
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