讃岐の庄松(しょうま)さんは家が貧しく字も読めませんでした。
そんな庄松さんに、あるお同行が、
「庄松さん、あなたは、いつもお聖教をはなさず持っていらっしゃるが、
わしらのような者には、難しくてさっぱり読めない。
そこで、どう書いてあるか読んで聞かせてもらえないだろうか」
と聞きました。
庄松さんは、聖教を開いて
「ええか、ここには『庄松たすけるぞ』と書いてくださっとる」
次の頁も「ここにも『庄松たすけるぞ』と書いてある。
次の頁も『庄松たすけるぞ』と書いてある。
でも庄松さんの読んでいるお聖教は、さかさまに持って読んでいました。
庄松さんは、字を読んだのではなく、阿弥陀さまのお心を読んでいたのです。
有り難いこっちゃ…南無阿彌陀佛