弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(商標・キャラクタ)】キャラクタ使用のロイヤリティで社会貢献

2021年06月09日 08時54分00秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
梅雨入りがスキップされ、すっかり夏空な@湘南地方です。
今日は真夏日予報らしいですね。皆さま熱中症にはくれぐれもご注意ください。

さて、今日はこんな記事

(ニュースイッチより引用)
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キャラクター使用を企業に許諾、地銀の知財生かした新たな社会貢献

西日本シティ銀行は、自行の知的財産と国連の持続可能な開発目標(SDGs)を組み合わせ、寄付型ビジネスモデルを構築した。グッズメーカーに自行キャラクターを意匠として使うことを許諾し、得た許諾料を全額寄付に回す。銀行法で事業分野に制約のある中、企業に対するSDGs浸透を図るとともに、新たな社会貢献の形をつくり出す狙いだ。(西部・三苫能徳)

(中略)

一役買うのは、プロジェクト名にもある同行イメージキャラクター「ワンク」だ。「無表情に見えるが不思議に愛嬌(あいきょう)のある」(谷川浩道頭取)3頭の犬の人気キャラで、2006年に誕生した。現在は親会社・西日本フィナンシャルホールディングス(FH)のPRツールにも登場する。

同プロジェクトではワンクの使用をグループ外企業に開放し、その対価として使用許諾料を得る。近年、日銀のマイナス金利政策による金融機関の経営環境悪化を受け、地銀の収益源の創出が注目されている。だが今回の事業は銀行の収益に直接結びつくものではない。むしろ銀行法の定めの下、「もうけてはいけない」(同)事業だ。

大国段ボール工業が製造販売する、段ボール製ワンクグッズ。西日本シティ銀行のキャラクター「ワンク」を活用。知財の使用許諾料は全額寄付に回される。
(以下略)
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銀行法上、「営むことができる」業務は限定されている(同法第10条、第11条、第12条)
ライセンスビジネスは営業可能な業務に含まれていないので、“懐に入る”かたちではできない。
そこで「全額寄付」というわけだ。

まあ正直、キャラクター使用のロイヤリティがそこまでの金額になるとは、少なくとも現時点では考えにくい。
とはいえ、適法な範囲内で自社の有する資産を有効活用し、社会貢献とイメージ向上を同時に図る、というのは
やり方としてスマートだと思う。同行の相談窓口の名称としても「ワンクCAFE」を採用しているようだし、
モチーフが犬でもあり、親しみやすさを掻き立てるには適している。

ちなみに対象となるイメージキャラクター「ワンク」に関する商標権はこちらこちら
キャラクターの図形単体では登録が見当たらない。
得られたロイヤリティで権利保護を図るべく出願する、というのは、やっぱり銀行法上NGなのかな?




コメント
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