7月17日、ホセ・クーラは、ブルガリアの第2の都市プロヴディフの古代野外劇場で、プッチーニのオペラ「トスカ」に出演しました。主人公トスカの恋人役で、画家のカヴァラドッシ役です。
クーラがオペラに出演するのは、2020年3月にハンブルクでオテロを歌って以来1年4カ月ぶりです。コロナ禍で多くの公演がキャンセルになり、今年に入ってアルゼンチン歌曲のコンサート(無観客・ストリーミング)やアブダビフェスティバルへのビデオ出演、オペラの指揮(プロヴディフでのマノン・レスコー)などで再び舞台に立つことができたものの、オペラ歌手としては本当に久しぶりの出演でした。
幾度ものパンデミックの波によって、舞台公演は困難が続いていますが、今回は、野外劇場で観客数を減らしての上演が実現しました。早々にチケットはソールドアウトしたそうです。
公演の様子やリハーサル動画などを、プロヴディフ国立歌劇場や観客のSNSなどから紹介したいと思います。
International production of "Tosca" OPERA OPEN
Conductor - Jacopo Sipari Di Pescaseroli
Directed by Ursula Horner
Scenography - Maria Veteroska
Costume designer - Maria Ppuchevska
Conductor of choirs - Dragomir Yosifov
Lighting artist - Vasko Lisichov
Tosca - Tanya Ivanova
Kavaradosi - Jose Cura
Scarpia - Carlos Alamger
Andzheloti - Aleksandar Nosikov
Spoleto - Georgi Devedzhiev Boris Kuchkov
Klisar - Evgeny Arabadzhiev
Sharon - Nikolay Bachev
Tamnichar - Vasil Igov
Choir and Orchestra at the Opera Plovdiv
≪ プロヴィディフ野外劇場でのトスカーー舞台写真より ≫
●劇場のフェイスブックに掲載された舞台写真
とても美しい舞台、迫力ある写真がたくさん掲載されています。拷問を受けても屈せず立ち上がるクーラのカヴァラドッシ、迫真の表情をとらえた写真も。
こちらはドレスリハーサルの時の写真のようです。
≪ いくつかの場面の動画も ≫
ネット上にはいくつかの場面の動画がアップされていました。
●第1幕、トスカとカヴァラドッシのデュエット
Tanya Ivanova & Jose Cura ''Tosca'' Act,1
●第2幕、拷問にかけられるカヴァラドッシ、勝利の叫び
●第3幕、死を前にしたカヴァラドッシのアリア「星は光りぬ」
こちらは指揮者の方がアップしてくれました。感情をぶつける激しい歌唱です。
E lucevan le stelle (Tosca) - José Cura, Jacopo Sipari di Pescasseroli, State Opéra Plovdiv
≪ バックステージ写真 ≫
大きく成功した公演の後、リラックスした雰囲気で、同僚の皆さんたちと。
≪ リハーサルの様子、出演者インタビューを放映したニュース動画 ≫
クーラ久々の出演のオペラの舞台、プロヴディフのトスカは大盛況、大成功でした。コロナ禍によるブランクを感じさせない、それどころか、これまでのパワーを一気に解き放つかのような情熱的で激しい歌唱・演技だったようです。
観客の熱狂ぶりは、さまざまなSNS投稿からも伝わってきました。ある男性はFBに、「トスカは非常に特別だった…しかしそれだけでは十分とはいえない。妥協なく良質で影響力があった!場所、音、光、演奏、歌、指揮、演出、舞台美術、衣装デザイン、観客の面で妥協はなかった。プロブディフオペラの魔法のパフォーマンス……すでに翌日になったが、昨夜のことを考えるのをやめられない。それが私にどれほど深い影響を与えたかを示している。トスカは私がブルガリアと海外の両方で最も頻繁に見たオペラだが、昨夜は違っていた。よりダイナミックで、より情熱的だった」と興奮気味に書き、様々な写真や動画を公開でシェアしていました。
クーラについても、「情熱的、魅力的、カリスマ的で神のようなボーカル」と表現。そして私のコメントに対しても、「ホセ・クーラは素晴らしかった! 火山のようにエモーショナル、クリーンでパワフルな声、ステージ上でのパワフルな人間性と芸術的な存在感!」と返信してくれました。そういう素晴らしい舞台を見ることができたプロヴディフの観客がうらやましいです。
今後のスケジュールについては、前回の投稿で年内の新しいカレンダーを紹介していますが、パンデミックの動向によってどうなるかは予断を許さない状況が続きます。引き続き健康を維持し、作曲、指揮、歌…、この12月には50代最後の59歳を迎えるクーラの円熟の実りを存分に示してくれることを願っています。
*画像はプロヴディフ国立歌劇場のFBや報道、SNSなどからお借りしました。