昨年のザルツブルク復活祭音楽祭のティーレマン指揮、ヴェルディのオテロに出演したホセ・クーラ。舞台がDVD・ブルーレイになるということで予約注文していましたが、輸入版DVD(日本語字幕あり)が2017年4月19日に発売され、私の手元にも到着しました。その様子を紹介したいと思います。
このザルツブルク復活祭2016のオテロ、これまで、ネットの中継、Youtubeの録画、クラシカジャパンの放映と、何度か観賞してきました。クーラのオテロのDVDは、2006年のリセウのプロダクションのDVD以来、10年ぶりとなります。
なお日本語のパンフが付属する版は4月30日発売とのことです。
以前も紹介しましたが、DVDの紹介動画
Verdi: Otello from Osterfestspiele Salzburg
Christian Thielemann Conductor/Vincent Boussard Stage director
Vincent Lemaire Stage designer/Christian Lacroix Costume designer
Guido Levi Lighting designer/Isabel Robson Video designer
Jörn Hinnerk Andresen Chorus master/Stefan Ulrich Dramaturg
José Cura Otello/Dorothea Röschmann Desdemona/Carlos Álvarez Iago
Benjamin Bernheim Cassio/Christa Mayer Emilia/Georg Zeppenfeld Lodovico
Bror Magnus Tødenes Rodrigo/Csaba Szegedi Montano/Gordon Bintner Araldo
ホセ・クーラ(オテロ)、ドロテア・レシュマン(デズデモーナ)、カルロス・アルバレス(イアーゴ)、ベンジャミン・ベルンハイム(カッシオ)
クリスタ・マイヤー(エミーリア)、ゲオルク・ツェッペンフェルト(ロドヴィーコ)、ブルール・マグヌス・トーデネス(ロデリーゴ)、チャバ・ゼゲディ(モンターノ/バリトン)
演出=ヴァンサン・ブサール、舞台装置=ヴァンサン・ルメール、衣裳=クリスチャン・ラクロワ
指揮=クリスティアン・ティーレマン 演奏=シュターツカペレ・ドレスデン及び同合唱団、ザルツブル祝祭児童合唱団
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こちらは、我が家に到着したDVDパッケージの正面。
これはパッケージを開けたところです。
これは裏面と、パンフレットを開いた面。英語、ドイツ語、フランス語の解説があります。
こちらはDVDの画面。確かに日本語の字幕もありました。ただちょっと、妙な旧字があったり、部分的にヘンなところも。フォントもあまり美しくないので、以下では、オフにします(笑)。
これまでの投稿で、各シーンやレビューなどを紹介してきました。 (レビュー編) (放送編) (リハーサル編) (告知編)など
今回は、DVDの映像から、オテロの苦悩をリアルに描き出す、クーラの表情を中心に、いくつかのシーンを紹介したいと思います。
クーラのオテロは、決して美しい歌を歌わず、「オテロはベルカントではない。メロドラマ(人間ドラマの意味か)だ」というヴェルディの手紙を道しるべにして、スコアとテキストの深い分析と解釈をつづけ、心理的にリアルなオテロの創造をめざしています。そのため、歌唱スタイルなどについては、賛否が激しく、好みの分かれるところかもしれません。
しかし、現代のオペラ、今日にふさわしいオペラのあり方の探求のひとつとして、クーラは、重要な挑戦をつづけているアーティストであることは間違いないと思います。
●第1幕
冒頭、まっ暗い中で登場するオテロ
●第2幕
イアーゴの策略と挑発により、疑念と怒りを高めていくオテロ。すさまじい怒りの表情で、オテロとイアーゴの二重唱へ。
●第3幕
愛する妻、デズデモーナに対し、冷静に問いかけることもできないまま、疑惑を自らのなかで決定的なものにし、絶望、復讐を誓う。
本国への召喚命令、カッシオへの権限移譲の命を受け、ついに壊れ始めるオテロ。混乱と人格崩壊をなまなましく演じる。
●第4幕
不気味な静けさとともに、デズデモーナ殺害へつきすすむオテロ。
オテロの死