人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2022年 ホセ・クーラ、音楽監督としてペリェシャツ・フェスティバルをスタート

2022-09-24 | 音楽監督として

 

 

 

2022年6月20日、ホセ・クーラが総合芸術監督を務めるペリェシャツ・フェスティバル in オレビックが開幕しました。

3日間にわたるこのフェスティバル(プレ企画として18日にギター演奏会も開催)は、クロアチアのペリェシャツ半島にある町オレビックで開催されました。

クロアチアは、イタリアの東側に位置する、アドリア海に面した美しい国。オレビックはアドリア海に細長く伸びたペリェシャツ半島に位置する港町です。昨年9月にも1日だけコンサートが開催されましたが、今年からが、体制を新たに整えてのフェスティバル本格スタートのようです。今年は、とりわけ半島住民の念願であったクロアチア本土と半島をつなぐ橋が開通するということで、大きな盛り上がりをみせました。

クーラ自身が、地元自治体、関係する首長などとの交渉を重ねて開催の準備をすすめ、音楽監督として全体の企画を立案し、さらに出演者として、指揮し、歌も歌うという奮闘ぶりでした。音楽祭の様子をSNSなどから紹介したいと思います。

 

 


 

 

 

 

PROGRAM PELJEŠAC FESTIVAL OREBIĆ 2022

● 18, July 2022
Barbora Kubiková | Guitar Recital


 
● 20, July 2022 WEDNESDAY 21:00 h
José Cura & Friends

Bucharest Metropolitan Orchestra, the Children Choir of the Orebić Primary School, the Choir of artists of the Bucharest National Opera

Guest soloists =Teodora Tchoukourska (soprano), Ester Pavlu (mezzo-soprano), Boris Lukov (tenor), Emil Zhelev (bass), Barbora Kubiková (guitarist) 
conducted by Viliana Valtcheva and Daniel Jinga.

Eternal flame – SUSANNA HOFFS , Como yo te amé – ARMANDO MANZANERO , Cavatina – STANLEY MEYERS , Chiquilín de Bachín – ASTOR PIAZZOLA
Overture of Guglielmo Tell – GIOACCHINO ROSSINI , La calunnia – GIOACCHINO ROSSINI , Don Giovanni, duet La ci darei la mano – WOLFGANG MOZART , O mio babbino caro – GIACOMO PUCCINI , E lucevan le stelle – GIACOMO PUCCINI , Prelude of Carmen –GEORGES BIZET , Habanera – GEORGES BIZET , Seguidilla – GEORGES BIZET
Somewhere – LEONARD BERNSTEIN , Yesterday – PAUL MCCARTNEY , Imagine – JOHN LENNON 
Nessun dorma – GIACOMO PUCCINI 

9th symphony, 4th movement – BEETHOVEN

 

● 21, July 2022  THURSDAY  21:00 h

Rockappella / beautiful combination of songs from the World repertoire.
The Choir of artists of the Bucharest National Opera, with their conductor, Daniel Jinga.

Bohemian Rhapsody – FREDDIE MERCURY, ARR. MARK BRYMER /  Mamma Mia – BENNY ANDRESSON, STIG ANDERSON, BJÖRN ULVAEUS /  Proud Mary – JOHN FOGERTY, ARR. KIRBY SHAW / Java Jive – BEN OAKLAND, MILTON DRAKE, ARR. KIRBY SHAW /  The lion sleeps tonight – HUGO PERETTI, L. CREATORE, G. WEISS, ARR. ROGER EMERSON / La Bamba – RITCHIE VALENS / Les Champs Elysées – MIKE WILSH, MIKE DEIGHAN, ARR. CLAUDE POLETTI / Elijah Rock – SPIRITUAL, ARR. JESTER HAIRSTON /  Joshua fit the battle – SPIRITUAL, ARR. ANDERS ÖHRWALL / Chae shukarie – GIPSY TRAD., ARR. DRAGAN ŠUPLEVSKI  / Estrella e lua nova – TRAD. FROM BRAZIL, ARR. HEITOR VILLA-LOBOS /  The way we were – MARVIN HAMLISCH, ARR. CHUCK CASSEY / Chindia – ALEXANDRU PAȘCANU

Antonin Dvořák's  Symphony No 9 "New World" 
Metropolitan Orchestra conducted by José Cura

 

● 22, July 2022  FRIDAY 21:00 h

Giuseppe Verdi | Messa da Requiem

Guest soloists, the Choir of artists of the Bucharest National Opera and the Bucharest Metropolitan Orchestra, conducted by José Cura, will perform for the first time ever in the Pelješac peninsula this monumental piece of the repertoire, as a special tribute from the City of Orebić to all of those who have died in these last two difficult years for the World.

 

 

 

 

3日間(プレ企画含めると4日間)のフェスティバル、プログラムを見ていただいてわかるように、クラシックの枠や特定のジャンルにしばられることなく、誰もが音楽を楽しめる選曲、構成を心掛けているようです。出演者も、ルーマニアのオーケストラ、各国からのソリスト、そして現地の小学生の合唱団と、国際色豊かです。

1日目は、「ホセ・クーラと友人たち」と銘打っての、アルゼンチンの歌、ポップス、オペラアリア、そしてベートーヴェン「第9交響曲」第四楽章という多彩なプログラム。

2日目は、ロック、ポップスの名曲、民族音楽など、世界で愛されてきた曲の数々とドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」。

最終日の3日目は、クーラが指揮するヴェルディのレクイエムで、この半島地域で演奏されるのは初めてとのことです。世界にとって困難なこの時期に亡くなったすべての人々に捧げられました。

 

 

 

●コンサートの写真ーーオレビック観光局のFBより

 

≪初日≫

 

≪2日目≫

 

≪3日目≫

 

 

 

●初日の舞台の動画ダイジェスト

フェスティバル1日目の「ホセ・クーラと友人たち」の舞台よりのダイジェスト動画です。アカペラで歌いながらクーラが登場し、地元小学校の子どもたちの合唱、オケと一緒になって演奏が開始され、その後、クーラの故郷アルゼンチンの歌、ゲストアーティストとクーラによるオペラアリアやデュエット、ポップスのメドレー、クーラの「誰も寝てはならぬ」、最後はベートーヴェン「第9交響曲」第4楽章と、それぞれの場面を抜粋して収録しています。コンサートのリラックスして楽しい雰囲気が伝わる動画です。

 

PELJESAC FESTIVAL OREBIC 2022, José Cura & Friends (Opening Night, July 20th, 2022)

 

 

●初日の舞台より抜粋ーービゼーのカルメン、カルメンとドン・ホセ

 

 

 

●ホセ・クーラのFBよりーーリハーサルで弾き語り中

 

 

 

 

 


 

 

クーラにとって、ひとつの念願でもあった音楽総監督としての仕事が、クロアチアの風光明媚な半島で本格スタートしました。

プログラムや動画を見ると、日頃からクーラが語ってきた、音楽には垣根がない、ジャンル分けに意味はない、ということをそのまま実現したような内容だったと思います。誰もが知っているポップスやロックの曲があり、これも多くの人に親しまれているベートーヴェンの第九やドヴォルザークの新世界があり、有名なオペラアリアやデュエットもありと、年齢を問わず、誰でも気軽に音楽を楽しめるフェスティバルとして、第一歩をふみだしました。さらに最後は、コロナ禍と紛争、侵略戦争、貧困など、世界のさまざまな困難に苦しみ、犠牲になった人々への祈りとして、ヴェルディのレクイエムが演奏されています。

この多彩でユニーク、理想主義者で、音楽で世界の人々の架け橋をつくりたいと願うクーラらしさでいっぱいのこのフェスティバルが、今後もさまざまな困難はあるでしょうが、来年以降も続いて発展していくことを、そして私もペリェシャツ半島を訪れることができ、毎年クーラと世界のクーラファンと再会できる場となってくれることを心から願っています。

 

 

 

*画像等はクーラや観光局のFB、報道などからお借りしました。

 


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