人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(舞台写真編)2021年 ホセ・クーラ、エストニアでコンサートーー歌、作曲、指揮

2021-12-04 | コンサート ②

 

 

前回の記事に続いて、ホセ・クーラがエストニアで出演した2021年11月18、19日のコンサートから、舞台写真を中心に紹介したいと思います。

もともと今回のコンサートは5月に予定されていたのですが、コロナ禍のため延期になり、11月にスケジュールを組みなおしたものです。幸い、無事に開催され、ラジオ放送で聞くこともできました。

冒頭からクーラのトークが始まります。コロナ禍で久しぶりの満員のホールで歌える喜び、また恒例となった携帯電話のチェックのお願い(苦笑)など、相変わらず率直で、ユーモアたっぷりです。

12月4日現在、まだ聞くことはできますので、ぜひ以下の画像に張ったリンクからどうぞ!

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

Performers:
José Cura (tenor)
Monika-Evelin Liiv (mezzo soprano)
Rovshan Mamedkuliyev (guitar, Russia)
Estonian National Symphony Orchestra
Conductors José Cura and Mario De Rose

 

今回のコンサートは前半、後半に分かれていました。ラジオだけでは、舞台がどんな配置、雰囲気だったかわかりにくいと思いますので、主催者のFBから画像をいくつかお借りして紹介したいと思います。

 

 

≪ 前半① ―― アルゼンチン歌曲 ≫

 

 

 

前半のアルゼンチン歌曲では、室内楽編成のオケとソロのギターとピアノを配置し、その中央付近にクーラが座って、最小限の動作で指揮をしながら歌っています。これはこの間の、アルゼンチン歌曲コンサートで共通しているようです。

そしてクーラは、オケやギタリスト、ピアニストと対話をしているような親密な雰囲気で歌い、また曲の間には、ユーモアたっぷりのトークで客席を和ませていました。

 

 

 

 

≪ 前半② ――クーラ作曲のギター交響曲 ≫

 

前半の2つめの部分は、クーラがパンデミック中に作曲した、オーケストラとギターのための協奏曲「復活ための協奏曲」です。

少年のころからギターを習ってきたクーラは、長年、ギター協奏曲を作曲したいと思っていたけれども、舞台のスケジュールが多忙すぎて、なかなか着手できなかったそうです。そして昨年来のパンデミックに直面、突然のステイホームによってできた時間を、作曲に注ぎ込んで完成したのがこの曲とのことでした。表題にはパンデミック後への希望を込め、「復活」という言葉が入っています。

ラジオの音だけでは誰が指揮をしているのかわかりませんでしたが、写真を見るとやはり作曲者のクーラが指揮をしていました。ギタリストにロシアのロブシャンマメドクリエフ氏を迎えています。このギター協奏曲は、今年9月にドイツのザールブリュッケンで世界初演され、今回が2回目、そして初めて録音されラジオで公開されました。

 

 

 

 

 

≪ 後半 ーー オペラのアリアとデュエット ≫

 

後半、クーラは歌手として、オペラのアリアをやゲストのメゾソプラノのモニカさんとデュエットをしました。指揮は同郷で友人のマリオ・デ・ローズ。

クーラが歌ったのは、レオンカヴァッロのオペラ「道化師」から、通常バリトンが歌う「プロローグ」、続いて主人公カニオの「衣装をつけろ」、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」からトゥリッドゥとサントゥッツァの二重唱。

 

 

そしてアンコールと思われるのが、プッチーニの「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」、最後は、クーラのイエスタディの弾き語りでした。

 

 

 

 

 


 

 

●コンサート主催者のFBに掲載された70枚近い舞台写真

 

こちらに、紹介した写真以外にもたくさんの写真がありますので、ぜひご覧になってください。アルバム名をクリックすると見られます。

 

 

 

●共演したギタリスト・マメドクリエフ氏のインスタより

 

 

●オケのメンバーのインスタより

 

 

 

●リハーサルの様子とクーラのインタビュー動画

 

クーラがアルゼンチン歌曲の指揮をしているリハーサルの様子が収録されています。また、クーラのインタビュー動画、リトアニアとの出会い、西部の娘を演出・指揮したこと、様々な活動をすること、才能という種を伸ばす努力について、エストニア初演のギター協奏曲について等々……を英語で語っています。

 

 

 

●クーラが作曲したギター協奏曲のスコアの写真とラジオ生中継の告知ーークーラのFBより

 

” 金曜日のエストニア時間19:00(18:00中央ヨーロッパ)、タリンでの私のコンサートの生放送を聴いてほしい。素晴らしいプログラムのなかでも、エストニア初演の私のギター協奏曲「Concierto paraunResurgir」が、ロブシャン・マメドクリエフ氏のギター演奏で、初めて放送される。 お見逃しなく! ”

 

 

 

●主催者のFBに掲載されたコンサートの告知動画

 

 

 

 

●コンサート告知でのクーラ紹介記事

 

 

(抜粋)

 ……

アルゼンチン出身のオペラテノール、ホセ・クーラが、エストニア国立歌劇場(Rahvusooper)、メゾソプラノのモニカ=エブリン・リーヴ、エストニア国立交響楽団(ERSO)とともに、金曜日の夜にタリンで公演を行う。

クーラは、指揮者、作曲家、そして歌手という実質的に3つの異なる役割を担い、レオンカバッロのオペラ「道化師」、マスカーニのオペラ「カヴァレリア・スルティカーナ」…のアリアを演奏する。

「地球の反対側に旅して、自分で作曲した歌とともに演奏するというのは、最高に素晴らしく、言いようのない気分。一緒に育ってきた作品たちだ」とクーラは語った。

エストニアでは、クーラ自身が作曲したギター協奏曲「Concierto para un Resurgir(「復活のための協奏曲」)」も初演される。この曲は、コロナウイルスのパンデミックの際に制作されたもので、ライブ音楽が苦しめられている静寂の日々が早く終わるようにという願いが込められている。「創作の着想は、混乱した時代に誠実さと真摯さを示した人々への賛辞でありたいということ」とクーラは語っている。

ホセ・クーラが1990年代の後半に、世界的に有名になった。そのパワフルなテノールの声は、世界のトップオペラハウスの舞台で披露され、2011年のサーレマ・オペラ・デイズで初めてエストニアの観客の前に姿を現し、厳しい批評家たちをも魅了した。

エストニア国立オペラが新シーズンのフェアを開催
2018年9月には、エストニア国立オペラでプッチーニの「西部の娘」で、演出家、指揮者、舞台・照明家を務めた。

 …

 

 

●エストニア国立交響楽団のシーズンパンフレットより

 

 

*画像は主催者、オーケストラのSNS,HPからお借りしました。

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2021年 ホセ・クーラ、自作曲「この人を見よ」がリュブリャナ・フェスティバルで生中継

2021-08-29 | コンサート ②

 

 

ホセ・クーラは、2021年8月25日(現地時間)、スロベニアの首都リュブリャナで開催されているリュブリャナ・フェスティバルに出演しました。幸いにして、ネットで生中継され、8月29日現在、まだフェスティバルのフェイスブックで公開中です。録画リンクなどをご紹介します。

スロベニアは、西がイタリア、北にオーストリアに接し、アドリア海にも面している中央ヨーロッパの国です。リュブリャナ・フェスティバルは、クーラもこれまで何回か出演したことがあり、今年は69回を迎える伝統あるフェスティバルです。

今回のプログラムは、宗教に関する音楽で組まれていて、通常の夏のフェスティバルであるようなオペラアリア・コンサートとはまた違った趣の企画となっていたようです。メインは、クーラ自身が作曲したオラトリオ「この人を見よ」。クーラが歌手として参加しています。リンクを紹介していますので、興味のある方は、ぜひご覧になってみてください。

 

 

 


 

 

 

Highlights of the 69th Ljubljana Festival

August 25, 2021   20.30   Congress Square

José Cura, tenor and composer
Elisa Balbo, soprano
Nuška Drašček, mezzo-soprano
Pétér Balczó, tenor
Marcell Bakonyi, bass
RTV Slovenia Symphony Orchestra and Youth Choir
Slovenian Philharmonic Choir
Mario De Rose, conductor


Program:
G. Verdi: Overture to the opera La Forza del Destino
G. Verdi: “La Vergine degli angeli” from the opera La Forza del Destino
P. Mascagni: Intermezzo from the opera Cavalleria Rusticana
P. Mascagni: “Inneggiamo Signor” from the opera Cavalleria Rusticana
C. Saint-Saëns: "Vois ma misère, hélas!" Samson's monologue from the opera Samson et Dalila
***
J. Cura: Oratorio Ecce Homo

 

 

≪ プログラム ≫

ヴェルディ「運命の力」序曲
ヴェルディ「運命の力」第2幕 レオノーラ・合唱「天使の聖母様が」
マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より、サントゥッツァ・合唱 復活祭の讃美歌「賛美歌を歌おう、主は死なれてはいない」
サン=サーンス「サムソンとデリラ」第3幕、サムソン「ごらん下さい この惨めさ、この苦しさ」

ホセ・クーラ オラトリオ「この人を見よ」

 

 

≪ 動画リンク ≫

フェスティバルのフェイスブックに動画がアップされています。8/29現在、まだ視聴可能ですが、いつまで可能かわかりません。

動画にリンクをはっていますので、以下の画像をクリックしてご覧ください。前後半合わせて約1時間30分です。

 

 

 

 

 

 

≪ プログラムの内容について ≫

 

フェスティバル公式サイトの解説によると、今回のプログラムでは、何らかの形で宗教に関連した音楽で構成したそうです。オペラからの曲は、主人公たちが神に祈りを捧げる瞬間に光を当てたということです。

 

●ヴェルディ「運命の力」より、レオノーラの祈り

ヴェルディのオペラ「運命の力」からは、序曲とともに、主人公のひとりレオノーラの「天使の聖母様が」が歌われます。レオノーラは、結婚を約束した恋人アルヴァーロが不慮の事故で父を殺害してしまい、実の兄が復讐を誓ってアルヴァーロを探す旅に出るという過酷な運命のもと、アルヴァーロに捨てられたと思い込んでしまいます。そして男装して修道院に隠遁生活をさせてほしいと頼み込みます。その場面のレオノーラと修道士たちの歌です。「天使の聖母様、そのマントで私を包み下さい。そしてお護り下さい。神の聖なる天使さま」と歌っています。

 

●マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より、サントゥッツァの祈り

マスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」からは、美しい間奏曲と、サントゥッツァが教会に集まった人々と共に歌う「賛美歌を歌おう、主は死なれてはいない」です。愛するトゥリッドゥが、元恋人で出征中に他の人と結婚してしまったローラを忘れることができず、逢瀬を重ねていることに苦しみ、さらに自分自身も結婚前であるにもかかわらずトゥリッドゥの子どもを妊娠しているという、辛く切ない状況にあります。その結果、復活祭の日に起こる悲劇の前に歌われます。

 

●サン=サーンス「サムソンとデリラ」よりサムソンの悔恨の祈り

サン=サーンスの「サムソムとデリラ」からは、人間離れした力をもつサムソンが他民族に支配された民衆を救うために立ち上がったけれど、敵から派遣されたデリラの誘惑に負け、捕まり、力の源泉であった長い髪を切られてしまい、目を潰され、鎖につながれて石臼を回しながら、自分の行いを悔い、神に慈悲を請うというアリアです。

 

●ホセ・クーラ「この人を見よ」 イエスの最後と母の祈り

そして後半の、クーラ作曲のオラトリオ「この人を見よ」は、イエスキリストの最後の瞬間をめぐる物語にもとづき、嘲笑、裏切り、十字架への道、はりつけの場面などが描かれているようです。

マニフィカト、ゴルゴダ、スターバト・マーテルの3曲から構成されています。マニフィカトは「聖母マリアの祈り」をテキストにしたキリスト教の聖歌で、ゴルゴダは十字架にかけられたゴルゴダの丘のこと、スターバト・マーテルは、磔になる十字架の傍らに立ち悲しみに暮れる母マリアを思う内容とのことです。

 

 

 

 

 

 

≪ なぜ作曲するのか、なぜ「この人を見よ」なのか ≫

 

テノールのホセ・クーラがなぜ作曲するのか、なぜ今キリストをめぐる物語なのか、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。私自身も、なぜ今、夏のフェスティバルで宗教の曲をやるのか、少し不思議な思いがありました。

クーラがなぜ作曲するのかについては、以前の記事で、クーラのインタビューからまとめたことがありました。クーラの発言から、いくつか抜粋してここでも紹介します。

 → 「ホセ・クーラ、作曲は、やむにやまれぬもの」

 

●初めて15歳で指揮者デビューした。もともと作曲と指揮が専門だったが、27歳の時に歌手としてのキャリアを始めた。その時は、1999年まで、指揮台に復帰する計画はなかった。当時のアルゼンチンは、ちょうど軍事独裁政権の恐怖から回復し始めていて、若い民主主義の時代だった。その頃の困難な経済状況では、指揮者や作曲家としての仕事を見つけることはほぼ絶望的だった。作曲と指揮をわきに置いて、私は仕事をしなければならなかった。

●創造的な仕事ほど、人の内面と深く結びついたものはない。絵画、音楽、詩、小説、数学の定理‥どれも比類のない人間の知的成果の典型だ。真のクリエーターは、商業的なものを除いて、常にやむにやまれぬ、強迫的なものとして、それを書く。商業的成功は、また別のステップだ。

●作曲と指揮は私のバックグラウンド。歌のキャリアはそれへのアプローチを豊かにした。数十年前夢見たフルタイムの指揮者としてキャリアを終わること以上に私にとって自然な事はない。

 

また「この人を見よ」についても、以前、プラハで初演の祭のインタビューで、作曲者としてのクーラの発言をまとめています。作品解釈のひとつの参考になればと思い紹介します。

 → 「(インタビューとレビュー編) ホセ・クーラ 自作オラトリオ『この人を見よ』を世界初演」

 

この中でクーラは、「この人を見よ」は、「子どもの痛み、母の痛みを描いた」と述べていて、題材を聖書にとっているが、現代に生きる自分たちに惹きつけて解釈し、人間の普遍的で変わらぬ痛みと苦しみ、願いと祈りを描いているようです。

またマニフィカトについて、2014年のインタビューで、「テキストは、十字架の下、愛する息子が死んだ母親についての物語。今でも、世界中で、紛争や、エボラ等の感染症、犯罪など、死んでしまった我が子を胸に抱く多くの母親たちがいる。私たちは、そういうすべての人々のために、この歌を歌う。」と語っていました。

クーラの思いは、聖書の世界を描くということではなく、現代の世界の人々の苦しみや苦難に思いをはせ、それを克服するために立ちあがる人、その人の受ける困難とそれを乗り越えようとする人間の姿への共感が込められているように思います。

人種差別、ジェンダーにもとづく差別や性暴力、各地の紛争や戦争、難民、格差と貧困の拡大、地球温暖化と気候変動、そして新しい感染症の発生とパンデミック……。現代の私たちが著面する様々な課題、困難、理不尽、不合理なことへ抵抗と抗議の行動、改革を求める人々の声がうねりとなっている今、それらに思いをはせ、連帯し、祈りを捧げる――夏のフェスティバルでの宗教曲という意表を突くプログラムには、深い意図があったのだと気づかされました。

 

 

 

 

 

 

≪ 終演後、クーラのFBより ≫ 

 

 

クーラ自身、コンサートが成功し、とりわけ作曲家として喝采を浴びたことがとても嬉しかったようです。オーケストラ、合唱団、共演者への感謝を述べています。

 

 

 

 

*画像は、フェスティバルのFBや動画などから利用させていただきました。

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2021年 ホセ・クーラ、アブダビフェスティバルにオンライン出演

2021-07-02 | コンサート ②

 

 

 

この間、コロナ禍によってアーテイストの活動は大きな制限が課せられてきました。ホセ・クーラも、2020年春以来、多くの予定がキャンセルされる厳しい状況が続き、今年はいくつかの公演が実現したものの、今後のスケジュールもまだまだ不透明な要素があります。

パンデミックはまだまだ続いていますが、そのもとでの探求として、オンライン形式の公演も様々に行われています。その中の一つ、中東のアラブ首長国連邦のアブダビ・フェスティバルがオンラインで開催され、クーラは歌手として出演しました。今回はその時の様子を紹介したいと思います。

*7/3動画リンクを追加しました。

 

 

 


 

 

≪ アブダビフェスティバル ≫

 

 

 

アブダビフェスティバルは、中東・アラブ首長国連邦の首都アブダビのアブダビ音楽芸術財団が主催するフェスティバルで、2004年に創設、今年2021年が18回目だそうです。

「国際的な文化の交差点としてのUAE(アラブ首長国連邦)の首都」というビジョンを背景に、世界各地の文化・芸術の交流をめざし、「寛容、尊敬、啓蒙」「芸術を通じた創造性と革新」などをかかげています。(フェスティバルのウェブサイトより)

今回はコロナ禍という条件下、最新の技術を使いながらの大規模なオンライン開催となりました。プログラムはウェブページに掲載されているだけで27種類、演劇、映画、音楽、オペラ(今回はなし)、バレエ、展示・視覚芸術、ワークショップなど、多彩な内容で、アーティストも中東やUAEだけでなく、世界中から参加しています。国や地域を超えたコラボレーションが行われ、ユニークで新しい取り組みがほぼ1年を通して開催されるようです。

 

 

 

≪ ホセ・クーラが参加した作曲家イハブ・ダルウィッシュの作品  ”Hekayat: Symphonic Tales” ≫

 

 

 

 

Hekayat: Symphonic Tales
•Music by Ihab Darwish
•Commissioned and produced by Abu Dhabi Festival
•Released by Universal Music MENA

•Virtual Stage: Emirates Palace

Orkiestra Akademii Beethovenowskiej
Tomasz Tokarczyk - Conductor

 

ホセ・クーラが出演したのは、UAEの作曲家であるイハブ・ダルウィッシュ氏が新たに作曲した「Hekayat: Symphonic Tales」という組曲のなかの1つです。

13曲から構成され、すべての大陸における音楽の伝統と文化をとらえるというねらいにもとづき、それぞれ、様々な曲調、クラシック、ジャズ、ポップス、ラップ…、ピアノ、オーケストラ、日本から出演した鼓童の和太鼓…、そしてコーラスや男女のデュエット、ソロ等々、趣向を変えた演奏となっています。愛と苦しみ、人生、情熱、挑戦、勝利、未来、世界と平和などのテーマが各曲に込められているようです。楽曲、演奏者について詳しい紹介がフェスティバルのサイトにありますのでごらんください。

2021年3月30日に公開され、10日間ほど、オンラインで視聴することができました。残念ながら、現在は本編の動画は見ることができません。紹介動画は以下でリンクをはっています。

→ 7/3訂正  公式に全編動画がアップされました!

指揮はトマシュ・トカルチク、オケはポーランド・クラクフのベートーベン・アカデミー・オーケストラ。演奏には、20の国から128人のアーティストが参加していますが、実は、演奏会場のホールには、オーケストラと指揮者だけがいて、それ以外は、それぞれの国で別々に録画、録音し、その映像を構成してひとつの動画にまとめ、ひとつのコンサートとして公開するという、大変に壮大で手のかかるやり方で行われたそうです。

そのため、このプロダクションの計画と制作には、675回のズームによる打ち合わせ、総計すると8万6千時間(時間/人)を費やしたということですから、本当に最新の技術を駆使しての壮大な取り組みだったと思います。

2021年4月に「Hekayat: Symphonic Tales」は録音が正式にリリース(音声のみ)され、現在は、様々なプラットホームで聞くことができるようになっています。動画が見られないのは残念ですが、いずれまた動画もリリースされることを願っています。

クーラが出演したのはその8曲目、「Gazelle Eyes」という曲です。とてもドラマティックで力強い歌唱です。

 

以下、フェスティバルや作曲者のイハブ・ダルウィッシュ氏のSNSに投稿された紹介動画、正式にリリースされた楽曲(音声のみと動画)のリンクなどを紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

●告知用のダイジェスト動画

 

 

 

 

●6月末にアップされた全編の動画

 

Ihab Darwish - Hekayat: Symphonic Tales - Virtual Concert - Abu Dhabi Festival 2021

 

クーラの出演した8曲目「Gazelle Eyes」動画の部分へのリンク

 

 

 

 

●各種音楽配信プラットホームから視聴可能(画像にリンクあり)

 

 

 

●ホセ・クーラが出演した8曲目「Gazelle Eyes」(音声のみ)

 

 

 

●YouTubeでの全曲13曲の再生リスト 

 

 

 

●録音の正式リリースを伝える作曲家イハブ・ダルウィッシュ氏のFB記事

 

 

 

●イハブ・ダルウィッシュ氏が投稿したメイキング動画

 

 

 

●出演前のプロモーションビデオ クーラのインタビュー

 

 

 

 

 

 

 

 

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2019年 ホセ・クーラ、アテネとモスクワでコンサート

2020-01-23 | コンサート ②

 

 

今回は、昨年2019年末のホセ・クーラのコンサートについて紹介したいと思います。

11月のアテネでのオペラ・アリアコンサートと、12月31日大晦日に開かれたモスクワのコンサートです。会場の規模や内容も違っていますが、それぞれクーラのユニークな個性と魅力が発揮された公演だったようです。SNS上で、感動や感嘆のコメントもたくさんアップされていました。

今年2020年11月に、びわ湖ホールでアイーダに出演することが劇場によって告知(紹介した記事のまとめはこちら)されていますが、もし本当に来日が実現するのであれば、ぜひ、クーラの現在の多面的な魅力が味わえるコンサートも企画していただきたいと願っています。

  

  


 

  

≪11/22 ギリシャ・アテネーークリスマスシアターでオペラアリア・コンサート≫

 

 

 

JOSE CURA in Concert

Tchaikovsky Symphony Orchestra
Directed by Davide Dellisanti (David Delisadi)
mezzo-soprano Eleni Voudourakis
soprano Eleni Koutsoubi

FRIDAY 22 NOVEMBER 2019
CHRISTMAS THEATER
CLOSED OLYMPIC GALATSIA STAGE (VEIKOS)


ホセ・クーラ コンサート クリスマスシアター

2019年11月22日

 

2019年11月22日、ギリシャの首都アテネで、アテネ・オリンピックの競技会場だった巨大アリーナを改装したホールでのコンサートです。客席数も大規模ですが、完売したとのことです。

オペラ・アリアコンサートで、クーラは歌と指揮。レオンカヴァッロの道化師のアリア、プッチーニのトスカ「星は光りぬ」をはじめ、今回はメゾとソプラノの2人の女性歌手がゲストということもあり、カヴァレリア・ルスティカーナ、蝶々夫人、カルメン、サムソンからのデュエットが歌われました。巨大な会場のため、マイクを使用していましたが、ネットにアップされた録音、録画では、クーラはとても好調で、高音も軽々と歌っていました。観客も大喝采、熱狂的だったようです。

コンサートの正規の録画・録音はありませんが、関係者がSNSにアップしてくれた画像を中心に、コンサートの様子を紹介します。 

 

 

 

ーー指揮者デリサンティさんのFBより


●クーラの歌声 トスカのアリア「星は光りぬ」(部分)

まずは、ひとつだけですが、クーラの歌声を。コンサートの定番、プッチーニのトスカからアリア「星は光りぬ」を。指揮者のデリサンティさんがFBにアップしてくれたものです。(アリアの後半のみ)

 

 

●カーテンコール?

こちらは全員で喝采を受けている様子でしょうか。

 

 

●コンサートの前に

リラックスしているので終演後かと思いましたが、コンサート前と書いてありました。

 

●デリサンティさんのインタビューより 

コンサートの少し前、現地でオケとリハーサル中に受けたインタビューで、クーラについて語った部分を紹介します。

 

「ホセ・クーラはいつも私のアイドルの1人であり、一緒に音楽を作ることができるのは待ち遠しい。」

「有名なヴィットリオ・テッラノーヴァ国際大会(クーラのイタリアでの声楽の先生の名を冠した大会、東京で本選)の予選で、ミラノでホセ・クーラと出会った。そしてそこから、この偉大なアーティストとの美しい友情が生まれた。今、私たちはついに、信じられないような場所で、そして世界で最高のオーケストラの1つと一緒に音楽を作る機会を持つことになる。」

(「youreporter.it」)

 
 

ーー共演のメゾソプラノ、エレニさんのFBより


●エリニさんとクーラとの舞台写真

”私のホセ・クーラ! 魔法の夜!この素晴らしい、そしてカリスマ的な人と一緒に歌うのは、名誉であり、真の喜びだった。彼はポジティブで創造的なエネルギーの源であり、黄金の心、輝く魂、驚異的な声、真の芸術家。” (写真はサムソン&ダリラのデュエットから)

 

 

●ポスター ちょっとレトロな感じがまたよい雰囲気



ーーカメラマンのマノス・マニオスさんのFBより


●素敵な舞台写真がたくさん

右上のFBをクリックしてご覧ください。

”素晴らしくて非常にヒューマンなホセ・クーラと!!”

 

●「誰も寝てはならぬ」

こちらはアンコールの「誰も寝てはならぬ」をクーラが歌っているところのようです。歌詞がつけてあります。

 

 

ーークーラのFBより 


●コンサートでのちょっとした楽しいエピソード 

”このかわいい女の子は、金曜日のアテネの夜、劇場の最初の列に母親と一緒に座っていた。 ステージの上で私についてくるように招いたとき、彼女は一瞬もためらわなかった。 私は彼女のために道化師のプロローグを歌った。この写真で、私は彼女に道化師の涙を見せていた。”

 

とても子ども好きなクーラ。コンサートで小さな子の姿を見かけると、舞台にあげることもよくあります。クーラと”共演”したことがよほど楽しかったらしく、彼女は終演後、再びクーラに会って、抱っこしてもらったようです。また彼女の家族はクーラのFBに、「彼女はあの夜以来、あなたを探し続けていました!素晴らしい夜、素晴らしいエネルギー、あなたがくれた人生のインスピレーションをありがとう!私たちにとってこれまでの人生で最高の出来事でした!!!!」とコメントをしていました。

 

 

●コンサートの翌朝? ホテルの部屋から

丘の上に見えるのはパルテノン神殿でしょうか。

 

 

ーーリハーサルの様子


●アテネでのリハーサル風景 オーケストラ関係者のFBより

右上のFBをクリックして元のページから、リハーサルの動画を見ることができます。

 

 

ーーレビューより 

 

「クーラは解釈的なアプローチで聴衆を感動させた。彼はオペラアリアを現代的なアプローチで再定義し、それを人々にもたらした。」

「自分の目と耳で、彼がプロフィールに書いていることが真実であることを見つけた。クーラは、彼がオペラ・スター以上であることをステージで証明する。彼は作曲家および指揮者、オペラ演出家、ステージデザイナーであり、素晴らしいパフォーマー、自然なショーマンだ。彼は最高の音楽を選択し、楽しみ、訓練をすることを決意した。」

 

 

ーー告知記事より

 

 

 

 


 

 

 

 ≪ロシア・モスクワーーモスクワ音楽院で指揮とアリア、アルゼンチン音楽≫



 

 

 

Jose Cura
31 December 2019

Orchestra of the Moscow Academic Musical Theater. K. S. Stanislavsky and Vl. I. Nemirovich-Danchenko
Conductor — Felix Korobov
Polina Shamaeva (soprano)

≪Program≫
H. Herrera "Desde el fondo de ti"
C. Guastavino ”Sonnet 4” ”Anhelo” "Las ninas" "El albeador" "Campanilla" ”Cuando acaba de llover”
C. Saint-Saens ”Bacchanalia (from the opera Samson and Delilah)” Aria “Mon Coeur” (from the opera “Samson and Delilah”)
A. Hinaster "Los trabajadores agricolas" ("Peasants"), dancing from the ballet   "Estancia"
N. Rimsky - Korsakov "Flight of the Bumblebee"
A. Manzanero ”Somos Novios” "Esta Tarde Vi Llover"
A. Piazzolla "Tangazo" "Chiquilin De Bachin"
I. Strauss Polka "Thunder and Lightning"
F. Lehar “Lippen Schweigen” from the operetta “The Merry Widow”

Puccini "Nessun dorma"

 

2019年12月31日 モスクワ音楽院大ホール 

ホセ・クーラ

フェリックス・コロボフ=指揮

ポリナ・シャマエバ=ソプラノ

 

12月31日、2019年の大晦日。伝統あるモスクワ音楽音大ホールのコンサートは、アテネのコンサートとはまた趣向を変えて、アルゼンチンの曲、南米の作曲家の曲がメインだったようです。プログラムにあるように、 グアスタビーノ、マンサネーロ、ピアソラなどの歌や曲を歌ったり、指揮したりしました。ロシアの観客になじみのない曲であるため、クーラが英語で説明しながら進行したようです。

またオペラアリアを期待してくる観客にこたえるためか、サムソンとデリラからのデュエット、レハールの「唇は語らずとも」、そしてアンコールには定番中の定番「誰も寝てはならぬ」を歌いました。またプログラムにはありませんが、カルメンからのデュエットも歌ったようです。

 

 

ーークーラの指揮と歌声


●サムソンとデリラ「「あなたの声に私の心は開く」

共演のポリナさんがアップしてくれたもので、クーラは指揮をしながらの二重唱です。

Polina Shamaeva and Jose Cura. "Mon coeur s'ouvre a ta voix" from "Samson et Dalila" C. Saint-Saëns

 

 

ーーソプラノのポリーナさんのFBより

 

●サムソンとデリラの二重唱の写真

 

●終演後、笑顔で

”2019年、音楽院の大ホールでホセ・クーラと共演した。ここでは言葉は不必要だーーあらゆる幸福が彼らの顔にある!このようなパートナーと一緒にステージをつくることは、まさに夢だ!みなさん明けましておめでとう!!!”

 

 

ーーFBの投稿より


●舞台の様子をいくつかの写真から

ギターを手にしているのは、イエスタディの弾き語りをしたからです。また左下の少年は、やはり客席最前列に座っていたところをクーラに招かれて壇上にあがり、リムスキー=コルサコフの「くまんばちの飛行」を見事に指揮したのでした。もちろんクーラがリハーサルしているとはいえ、少年はあらかじめ準備されていたのか?それとも全くの当日のハプニングなのか?いずれにせよ観客とともにクーラも楽しんだようでした。

 

 

ーー リハーサル風景

 

●ポリナさんがアップしたリハーサル風景

 

●リハーサルでダンスを踊る2人

「唇は語らずとも」の伴奏中にダンスを踊ったようです。チェロは指揮者のコロボフさん。日頃ダンスは苦手と言っていたクーラ、本番はうまくいったのでしょうか。

 

●指揮者のインスタより

 

 

 

 

 

 

 

 


 

  

この秋から年末にかけて、クーラは、ハンガリーでのヴェルディのレクイエムの指揮や、自作のオラトリオの録音、そして今年2020年1月29日に初演を迎えるクーラ脚本・作曲の新作オペラの準備やリハーサルなどで、きわめて多忙だったと思います。 その合間をぬってのコンサート、それぞれ趣向を変えながら、魅力的な内容のコンサートだったようです。

作曲・指揮の活動紹介が続きましたが、まだまだ現役の歌手として、素晴らしい声とカリスマ的パフォーマーであるクーラ。なかなか現地にいくことができないのが残念ですが、コンサートの録音や録画の断片をネットで見聞きでき、クーラの今の声を味わえるのも、現代ならではのことです。

 いよいよクーラの新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」初演も近づいてきました。準備も大詰めになっていることと思います。クーラやハンガリー放送協会の解説記事も楽しみです。無事に成功することを心から願っています。

 

 

*画像は、出演者、関係者のFBなどよりお借りしました。

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(旅行編)2019年 ホセ・クーラ、上海でオペラアリア・コンサート

2019-11-06 | コンサート ②

 

 

ホセ・クーラの10月20日上海でのオペラアリアコンサート、これまで(告知編)、(当日編)、(インタビュー編)でご紹介してきました。

今回は、クーラのコンサートを主目的に、わずか2泊3日の旅でしたが、上海へ行ってきた様子をまとめてみました。期間が短すぎて、旅行記とはとてもいえないものですが、はじめての中国・上海、その一端を駆け足で見た印象を書いてみたいと思います。 

 

 

 

東シナ海に面する中国沿岸の都市、上海は、居住人口が2400万人ともいわれる巨大都市。羽田から約3時間、時差1時間という近さですが、この地図を改めて見てみると、日本の九州からは、単に距離的な面では、東京に行くよりも近い位置にあるのですね。

今回、クーラのコンサートが最優先だったので、チケットが入手できるかどうかが、まず一番の課題でした。実はここが、今回の旅行で苦労した点でした。

航空券、ホテルの手配も、チケットが確保できてからと考えていました。ところが、10月20日のコンサートで、会場の上海東方芸術中心のHPや、中国上海芸術祭のHPには告知が出ているのに、チケットの売り出しは、8月後半に入っても始まりません。中国の場合、販売開始が遅めというのは情報として耳に入っていましたが、同じ会場の10月27日のウィーンフィルのコンサートのチケット販売が始まっても、まだクーラのコンサートは販売されません。ようやく9月に入ってからだったと思いますが、発売が開始され、大喜びしたのも束の間。(告知編)(当日編)でも書きましたが、結局、中国の銀行口座を持ち、中国の携帯電話がないと、公式HPでも、プレイガイドでも、直接ネットで購入することができないことがわかりました。

結局諦めて、ネットで見つけたチケット仲介業者に問い合わせたものの、返事が来ない・・。別の業者に連絡して、チケット手配が完了したのは、9月半ばを過ぎていました。手数料はかかりましたが、幸い、希望の席を取ってもらうことができたのはうれしかったです。それからあわてて航空券とホテルを確保。中国の場合、短期の観光の場合はビザが必要なく、助かりました。

 

 

 ≪羽田~上海≫

出発の前の週は台風19号の影響で各地で大災害がひろがり、出発当日も、東京は大雨。不安でいっぱいでしたが、幸い、今回の旅行に直接の影響はありませんでした。台風15号による千葉県の被害をはじめ台風・大雨災害で被害に遭われた方々には、心からお見舞い申しあげるとともに、一日も早く日常生活が取り戻せるように願っています。


●雨の羽田空港

 

●到着した上海

羽田からの直行便は、行きは、上海市の中心部に近い、市西部にある虹橋空港に到着。第一ターミナルです。入国審査では、電子化したシステムで手の指のすべての指紋が採取されます。とはいえ意外とスムーズにすすみました。 

 

上海は快晴、3日間とも雨はなく、晴れと曇りで助かりました。気温は日本とほぼ同じくらいということでしたが、雨続きの天候不順の日本から行った私にとっては、日中、暑いくらいでした。空港から地下鉄の入口に向かう通路で、金木犀のとてもよい香りが漂ってきました。上海市内のあちこちで香っていて、調べたら、中国が原産地で、日本には江戸時代に渡来したとのこと。どうりで上海に巨木が多いわけです。 

 

≪両替と支払い方法≫

到着後、まずは両替です。今回、出国時に持って出たのは日本円だけ。虹橋空港で手続きを終えて出たところの右側にある両替所で、とりあえず最低限の両替をしました。1元は約16円くらいということですが、手数料もかかるので、実際は?? 

事前に読んだ情報では、中国では、現金の支払いは非常に少なくなり、ほとんどがスマホによる決済になっているということで、クレジットカードも日本で通常使うようなブランドは使えないこともあると書かれていました。現金もカードも使えなかったらどうしようと、このことも悩んだ点でした。事前に、中国で使えるという銀聯カードも準備しました。クレジットカードも数種類、持っていきました。

結局は、コンビニ、スーパー、土産物店、レストランなど、だいたい、そのうちのどれかで支払いができました。地下鉄構内にコンビニのファミリーマートが設置されていて、そこでの買い物も、現金、カードとも大丈夫でした。

実は一番苦戦したのが、自動販売機。お金の支払い方、入れ口が分からなかったり、タッチの仕方が悪いのか動作しなかったりと、最新の機械なのですが、結局、一度も買うことができませんでした。

 

 

  

≪便利な上海地鉄(地下鉄)≫

 

上海市内には地下鉄の路線網が張り巡らされていて、どこに行くにも便利です。事前の情報で、毎回支払う他に、プリペイドカード、1日券、3日券などがあるということでしたので、3日券を購入することにしました。係員のいる窓口、改札横のボックスのようなところで購入できます。虹橋空港第一ターミナルの地下鉄10号線入口で買うことができました。3日乗り降り自由で45元。

改札でタッチするだけでとても便利なのですが、タッチしたあと、バーを回転させて入場する仕組みで、大きい荷物を持ってもたもたしていると、うまく通れないことがありました。それで何度もタッチしたためかエラーマークが出て、大慌て。親切な若い女性が、助けようと英語で話しかけてくれ、こちらは英語も十分理解できないのですが、何とか通ることができました。

各路線は複雑に交差していて、それぞれ乗り換えでき、また表示も分かりやすいので、迷うことはありませんでした。

 

●上海市内の地下鉄路線図 (上海地鉄HPより 画像をクリックすると公式HPにリンクしています)

 

 

 

●立派な駅構内

上海の地下鉄は、利用したどの駅もホームドア完備、到着までの残り時間を秒単位で知らせるパネルも設置されていました。

駅の設備は清潔できれいに整備されているのですが、日本と大きく違うのは、改札の前に必ず手荷物検査があることです。小さなバッグ類は免除のようですが、リュックや買い物袋、トランクなどを毎回持ち上げて金属探知機を通すのは、ちょっと大変でした。

また一番困ったのは、駅のトイレ。どこもちゃんと整備されていて、自動洗浄機能や手洗いも自動水栓だったりと現代的な設備なのですが、なぜかペーパーはなし。日本でもしばらく前は、駅や公衆トイレにはペーパーがなかったのを思い出しました。ガイドブックなどにはその情報が見当たらなかったため、ポケットティシュ数個しか持って行きませんでした。その紙を買ったり、水や食品を買ったりと、駅構内のコンビニにはお世話になりました。

不思議だったのは、車両内の座席が、日本のようなクッションではなく、プラスティック系のベンチのような固いものだったこと。でも車内の雰囲気は日本と変わらず、スマートフォンを見ている人が多く、若い人たちは皆、おしゃれな印象でした。

 

●地下鉄の乗車券の各種販売機 3日券を買ったので、結局使わず

●地下鉄車内の行き先掲示板

 

 

≪上海動物園≫

 

上海虹橋空港から地下鉄10号線でひと駅と、とても近い上海動物園。上海動物園駅の出口すぐに、動物園の入口があります。

当初、行くつもりはなかったのですが、ガイドブックなどで、金魚の展示コーナーがあることを知り、鯉、金魚などに子どもの頃から親しんできた私としては、これは是非とも見ておかなければと(笑)。パンダもいますし。

地下鉄駅から上がってすぐ先に、チケット販売コーナーがあります。大人1人40元、意外にそれなりの金額です。

空港から大きな荷物を持ったまま行っても大丈夫。正面入り口を入ってすぐ右奥のツーリストサービスセンター(下の写真右の建物)の中に荷物預かり所がありました。ただし外部から入れるこのセンターの表入口ではなくて、動物園の入場門を入ってから、同じ建物の裏手に回る形です。1個あたり2元とか3元くらいだったかと思います。夕方4時半までと言われました。

 

 

 

●広大な園内

とにかく広大な敷地、動物の種類の多さを誇る上海動物園。面積は、日本の多摩動物公園の約1・5倍の70㌶超、飼育動物も約620種、7,000頭を飼育しているそうです。上野動物園が約350種、2,500頭だそうですので、上野と比べても、さらに多種多様です。 

 

●金魚のコーナー 金魚楼

金魚は中国原産とのことで、いろんな種類が、野外の池や水槽、屋根付きの半分屋内におかれた水槽の中に多数展示されています。

野外におかれた沢山の巨大水柱には驚きました。ここに紹介した写真はそのごく一部です。日の光を浴びて、きらきら光る多数の水槽が置かれ、そのなかで巨大でカラフルな金魚が泳ぐ様子は、空中浮遊のようで、不思議な印象でした。 

こういうオブジェのような水槽が10個?ほど、野外に

ユニークな水泡眼

 

●自然豊かな園内

広すぎて、駆け足でざっくり回っただけなのが残念ですが、井の頭公園のような大きな水鳥のいる池や、代々木公園のような広場など、緑が沢山の自然豊かな園内です。ミニ遊園地もあって、子どもたちが遊んでいました。各所に売店があり、中国風のおでんやフランクフルト、トウモロコシ、アイスクリームなどを売っています。カップ麺を食べている人も多く見かけました。

 パンダは中国でも人気で、人だかりができていました。ただし、なかなかこちらを向いてくれず、かわいいおしりを見ました。

その他、とにかく広大な敷地に、沢山の動物、鳥類、爬虫類・・とても回り切れません。そのため園内を走る乗合バスのような乗り物も人気でした。とにかく体力を使い果たすわけにはいかないので、全部回るのはあきらめて、早々に引き上げました。

 

≪上海の普通の街並み≫

市の中心部から少し離れた、宿泊したホテル最寄りの地下鉄駅周辺の様子です。比較的古い街並みと、高層の新しいビルが混在しています。道路は車の交通量も多いうえに、車線の両脇は、大量の自転車とオートバイが混在して走っています。面白いと思ったのは、ほぼすべてのバイクが電気のモーターで走っているようで、走行音がほとんどしないこと。排出ガス規制のために電動化をすすめているのでしょうか。なぜ日本では電気バイクが普及していないのか不思議です。そのバイクと自転車が競うように走っている様子、また交差点ではそれらが入り乱れるのを見て、とても私には、恐ろしくて上海で運転はできないと思いました。

 

何気なく彫刻やオブジェのようなものが、街角に。

雰囲気のある路地

夜の住宅街。高層アパートの前にはびっしりと路上駐車。車を見てみると、ベンツ、BMW、Audiなど、欧州の高級車が並んでいます。日本車は、私が見た限りでは少数でした。

駅前をはじめ、あちこちにショッピングモールのようなビルが。日本のユニクロや無印などのお店が入っているところも。買い物したスーパーには、日本のお菓子が沢山売られていて驚きました。

 

 

≪豫園=よえん≫

上海の伝統的な中国庭園として有名な豫園。ところが残念なことに10月いっぱいは閉園でした。そのため、周囲の商店街でお土産を買ったり、昼食をとったりして終わりました。

豫園の地下鉄駅を降りると、中国風の建物と現代的な高層ビル、工事中の建物などが混在しています。日曜日ということで、非常に大勢の人が豫園の方向に流れていきます。豫園の庭園を取り巻くように作られている豫園商城と呼ばれる大きな商店街がお目当てなのでしょうか。

豫園商城の入場門。内部は、小さな路地が迷路のように広がり、ところどころに広場があって、どこを歩いているのかわからなくなります。ぐるぐる同じところを回って、また同じ広場に出てきたりと、何度もうろうろしてしまいました。

とにかく人でいっぱいです。有名な行列の絶えない小籠包のお店の前も通りましたが、結局、並ぶのはやめてしまいました。お土産を少し買いました。

お昼は、3階建てのすべてのフロアーが食堂になっている、カフェテリア形式のお店で。とにかく色とりどり、各種、沢山の料理が並び、そこから好きなものをトレイにとり、最後にまとめて会計をする仕組みでした。美味しそうなものがお手頃の価格で表示されていて、どれも食べてみたいのですが、意外に一皿の量が多く、結局、ほんの数皿だけ、ようやく食べきりました。周りを見渡すと、中国の人らしき家族やカップルが、大量の料理を運んできて食べています。後から、あれも食べてみたかった、これも・・と思い出してしまいましたが、大勢でいかない限り、とても無理でしょうね。

 

≪南京東路~外灘≫

上海でいちばんの繁華街、まるで巨大な銀座のような南京路。南京東路の地下鉄駅を出て、500メートルほど歩いて、かつてイギリスの租界時代の建物が並ぶ外灘地区をめざします。

 


通りの向こうに見える、高層ビル群

外灘の洋風近代建築群

 

外灘の黄浦江の河畔は、土手の上が広い遊歩道のように整備されていて、外灘地区と対岸の高層ビル群が立ち並ぶ浦東地区を見渡すことができます。大勢の観光客が来ていました。旅行者向けの案内所や公衆トイレも整備されています。飲み物の屋台もありますが、冷やさないのが中国風らしいです。

黄浦江の沿岸に並ぶ高層ビル群

 

≪上海~羽田≫

帰りは、虹橋ではなく、上海市東部の新しい浦東空港からでした。地下鉄の3日券を買っていたので、2号線に乗って1本で行けると思い、のんびり地下鉄で向かいました。ところが下調べが不十分で、思った以上に遠かった・・。だんだんと駅間が長くなり、地上に出て、その風景も田園風景に。途中から浦東までリニアモーターカーが走っていますが、そちらに乗り換えれば、かなり早いようです。時間がだんだんおしてきて、かなり焦りながら、到着。第1ターミナルビルからです。

空港で、最後の残った中国元を使ってお土産を買い、羽田行きに乗り込みました。

地下鉄車内から、浦東空港のビルを眺める

 

 


 

 

クーラのコンサート目的の上海旅行、無事に行って来れて、何よりも、素晴らしいコンサートを鑑賞できて、大満足です。

また短い期間でしたが、発展する中国・上海のごく一部ですが、見ることができました。古い伝統と新しいものが混在しながらも、全体として大きく経済発展がすすんでいることが実感できました。

一方、私たちが日常使っているインターネットのSNSが全くつながらないことには困りました。ホテルなどではWi-Fiが使えるのですが、グーグルの検索もできないし、フェイスブック、ツイッター、LINEなども使えず、家族に「無事着いた」のメッセージも送れませんでした。中国には独自のSNSがあるそうです。またグーグルなどを使えるようにする方法もあるらしいですが、今回は2泊3日という短期間のため、あきらめました。ネットでチケットが買えないこと、インターネットが規制されていることについては、距離的には近いお隣の国でありながら、壁を感じた一面でした。

歴史問題、経済関係、領土問題、人権問題・・日中の間には様々な課題を抱えています。香港での報道にあるように、中国政府が、国民の人権抑圧、管理統制をつよめていることには大きな懸念があります。これらの課題をふくめ、諸問題の平和的で民主的な解決の方向で、両国が今後、文化的にも、政治的にも、経済的にも、平和な友好関係を築いていけることを願っています。

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(インタビュー編)2019年 ホセ・クーラ、上海でオペラアリア・コンサート

2019-11-02 | コンサート ②

 

 

2019年10月20日に上海で行われた、ホセ・クーラのオペラアリアコンサート。無事に大成功しました。

今回のクーラの上海滞在はとても短い期間でしたが、クーラの到着やリハーサルの様子、インタビューなどが、写真や動画で現地メディアに掲載されましたので、そこからいくつか、抜粋して紹介したいと思います。

 → なお、コンサートの内容は(当日編)(告知編)をご覧ください。

 いつものように、誤訳直訳、ご容赦ください。文末や画像に元記事のリンクがありますので、そちらからご覧ください。

 


 

≪上海に到着≫ 

現地のネットニュースに掲載された写真です。1人で、カジュアルすぎる姿で、上海の空港に到着、花束で迎えられたクーラ。マドリードから上海まで、十数時間、いつにも増して飾らず、リラックスして、ちょっとそこまで散歩・・という雰囲気(笑)ですが、今回は中国上海国際芸術祭の招聘であり、もちろんVIPとして歓迎されたようです。


●空港で

 

●送迎の車の中

 

 

≪報道より≫

ーーホセ・クーラ、上海の眠れない夜

 

光に満ちた夜の外灘を背に、手すりに寄り掛かったアルゼンチンの有名なテノール歌手、ホセ・クーラ。彼の顔はまだ、10時間以上の長距離飛行と数杯の赤ワインでも色あせることなく、このなじみのない街の素晴らしい夜景を大変興味深く楽しんだ。

旅の初日は1日中、上海フィルハーモニー管弦楽団のリハーサル室でのリハーサル。翌日の夜は、ホセ・クーラのコンサート「誰も寝てはならぬ」の公演。その翌日に帰国するクーラは、昨夜が外灘の美しさに会う唯一のチャンスだったかもしれない。夕食会後、クーラはサラ・ブライトマンの歌「Time To Say Goodbye」を歌った。彼がまた来たいと願っている上海のために。

マドリードから上海に到着した航空機は、予想より1時間早く到着した。昨夜6時、クーラはカジュアルなTシャツとスウェットパンツで、1人で浦東空港を出て、笑顔で歓迎の花束を取った。迎えのバスに乗るとすぐに、クーラはチケット販売のことを気にして、宣伝に協力する必要があるかどうか尋ねた。ブローカー(仲介者?)について、クーラは、ブローカーはおらず、適切なプロジェクトに応じた契約のみを持っていると述べた。彼は寛大に自分のメールアドレスを渡し、微笑んで言ったーー「次回は直接連絡ができ、仲介が違いを生むことはない」。


オールラウンドなミュージシャン、非常に包括的な音楽的才能

彼の声のパフォーマンスは、非常に包括的だ。指揮し、プロの作曲家をめざして学び、舞台デザイン、演出をした。彼が指揮をしたオーケストラのリストには、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団とロンドン交響楽団も含まれている。

明日の夜のロマンチックなオペラの夕べは、いくつかの古典的な西洋オペラからの抜粋で構成されている。クーラは、トゥーランドットやオテロなどの古典的なオペラの有名なアリアを歌うだけでなく、ヴェルディの「ナブッコ」から刺激的なオーケストラ序曲と、「イタリアの第2国歌」として知られている有名な合唱曲「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って(Va, pensiero)」を指揮する。クーラは、コンサートがカラフルであることを望んでいる。彼が指揮することは、間違いなく多くの可視性をもたらす。


良き家庭人として

かつてハンサムで、現在もハンサムなアルゼンチン人は、今日では「幸せな脂肪」をもっている。送迎のための広々としたメルセデス・ベンツのビジネスカーに座って、ゆっくりとリラックスして、2つの席を占有して寄りかかった。彼は、この車は家族と一緒に休暇を過ごしたり、フルーツやステーキのグリルでピクニックに行ったりするのに本当に適していると感じたようだ。

毎日自宅で料理をしているトップレベルのテノール歌手?これは事実だ。クーラは料理が好きなだけでなく、ガーデニングも大好きだという。毎朝、家族のためにパンを焼き、夕食にサラダを作ったり、家族とバーベキューに出かけたりする。


中国のクラシック音楽の未来

ホセ・クーラは何度か上海に来た。夕食の席で、彼は箸を巧みに使い、「美味しい」と「乾杯」と言うことを学んだ。次の機会に、彼は公演で中国の歌を歌いたいと言った。上海訪問の際、いつも急ぎの旅で、上海の街を訪れる時間がない。 機会があれば、彼は本当に上海に1か月住んで、もっとパフォーマンスをし、いくつかのマスタークラスを行い、若い人たちと音楽を演奏し、楽しくて面白い作品をやりたいと思っている。

また、クーラは記者に、中国人に対する観察を明らかにした。生活のなかで中国人は、しばしば真面目で恥ずかしがり屋に見えるが、コンサートホールに入ると、コントラストが現れる。津波のような拍手と「ブラボー」は、彼に中国のファンの激しい熱気を感じさせた。いわゆる内気さは、彼らの保護色にすぎない。今日、中国は、さらなる研究のために、ますます多くの才能をヨーロッパと米国に派遣している。しかし、西洋の音楽産業による中国の理解は、中国の西洋に対する理解ほど深くはない。クーラは次のように述べたーー「文化の発展は1、2年では成功しないが、50年、100年...最終的な勝者は中国になるだろう」。

 

●簡単なQ&A 


Q、24時間はどのように調整される?

A(クーラ)、仕事でいっぱい

Q、好きな中華料理は?

A、ローストダック

Q、上海の印象は?

A、整然として、近代性に満ちている

Q、このパフォーマンスに期待することは何?

A、上海フィルハーモニー管弦楽団の専門レベルも非常に高い。私たちは良好な協力関係を持ち、2人の中国の歌手と協力し、新しい火花を放つと信じている。

Q、ファンに一言!

A、Carpe diem!(ラテン語:今を楽しめ)

(「new.qq.com」)

 

●上海の高層ビル群と、対岸の外灘のイギリス租界時代の歴史的建造物を背景に。上海には実質2日ほどの滞在のみ

 

●画質が良くないですが、こちらは動画。空港到着から、若手バリトン歌手の共演者とバスの中で語っている様子などがあります。

 

  

 

 

テノール、ホセ・クーラが上海を再訪ーー今夜は誰も眠らない...

 

「ただ歌手としてだけでなく、歌える俳優」ーー-批評家は、アルゼンチンの有名なテノール歌手、ホセ・クーラについてこう説明する。 いつでもどこでも、魅力的な容姿、背が高く、力強い声のこの歌手は、容易に注目の的となる。

18日の夕方6時に浦東国際空港に到着、20日夕方の上海オリエンタルアートセンターで「誰も寝てはならぬ」と題したクラシックオペラコンサートを行うため、ホセ・クーラは上海国際芸術祭を訪れた。旅行は大急ぎで、上海に滞在した時間はわずか2日だった。

「初めて上海に来たのは10年以上前。当時の上海は非常に騒がしく、スピード違反のバイクが飛び回る蚊のようだった。しかし今ではまったく違う」
上海シンフォニー交響楽団のリハーサルホールで、上海のメディアからインタビューを受けたとき、ホセ・クーラは窓を指し、「非常に静かで、人々に非常に良い体験を与える。上海の都市オペレーティングシステムは大きな変化を遂げている」と語った。この2日間、彼は「空港、ホテル、コンサートホール」のほぼ3点のライン上にいたが、上海の街を垣間見ることは彼に深い印象を残した。

多くの視聴者は、12年前のクーラのパフォーマンスを覚えている。2007年、彼は上海大劇院のプッチーニのオペラ「トゥーランドット」に出演し、「誰も寝てはならぬ」を歌った。12年後、再び訪れたホセ・クーラは、コンサートを「誰も寝てはならぬ」と名付け、プログラムには、「道化師」、「ナブッコ」、「オテロ」、「サムソンとダリラ」などのオペラの古典的な曲からの抜粋を含んでいる。「世界の各地で、『誰も寝てはならぬ』を歌った。プッチーニの音楽を愛さない人はいない」とクーラ。

 

 

コンサートの準備のため、クーラは、彼の古いパートナーである指揮者マリオ・デ・ローズに、上海フィルハーモニー管弦楽団と上海フィルハーモニー合唱団とのコンサートを一緒に行うよう招待した。マリオ・デ・ローズは、アルゼンチンの多くの主要なオーケストラ、室内楽オーケストラなどと取り組んでおり、アルゼンチンのラプラタのオペラ劇場の監督を務めた。2005年以来、この2人はイタリア、スペイン、ドイツ、チェコ、ロシアなどのヨーロッパ諸国で連続して公演している。「彼は常に私の最も信頼できる指揮者だ。今回の上海のようなコンサートでは、私たちに許されたリハーサル時間は非常に限られており、私はよく彼を招待する。彼は誰もが必要とするものを知っているからだ」とクーラは語った。

バリトン歌手の洪之光と上海大劇院のソプラノである徐小英もコンサートに参加し、クーラと同じステージに立った。「未来は私のものではなく、若い歌手のものだ」ーーホセ・クーラはインタビューで、才能のある若い歌手を常にサポートしたいと述べた。「上海シンフォニー管弦楽団の90%以上が若いことをとてもうれしく思う。彼らは非常に専門的で、高いレベルの音楽を持っている」と。

 

●リハーサル中

 

実際、優れたオペラスターであることに加えて、彼はよく訓練された作曲家、指揮者、オペラ監督、舞台デザイナーでもある。

クーラは、彼の芸術的経歴の思い出をこう語った。彼が7歳か8歳だったとき、彼の父親は彼にピアノを習うように言ったが、2か月後、教師はホセがピアノに興味がないと感じたため、彼は家に帰るように言われた。

「12、3歳のときに音楽に戻った。今回はギターを学んだ」、その後、彼は音と歌の才能を発見し、作曲と指揮を学び始めた。「幅広い芸術的背景は、私の歌手としてのキャリアを大きく助けてくれた。今まで、作曲の趣味をやめていない」。

その夜、「誰も寝てはならぬ」という最後の高音で、クーラは聴衆を魅了した。

「私は今年57歳だ。まだ年老いてはいないが、若いわけではない。若いとき、私たちはいつも、明日、明後日、そして来週を考える。今、私は、人生が非常に短いことを知り、すべてが『今日』始まることがわかっている。 」

(「jfdaily.com」)

  

 ●会場となった上海東方芸術中心のコンサートより

 

 

 

●動画 オケ、合唱団とともにリハーサル中のクーラ

 

 

 


 

クーラの人柄やライフスタイルも伝わってくるインタビュー記事でした。本当に、上海での長期滞在が実現し、マスタークラスや連続公演が可能になったら素晴らしいですね。

経済的に大きく発展し、変貌を続ける中国・上海。今回、クーラのコンサートを含む1か月間、開催される上海国際芸術祭の規模や内容を見ても、そのスケールの大きさ、招聘アーティストの国際的な水準の高さ、バラエティとも素晴らしいものです。数多くの才能が存在し、世界各地で活躍しつつあります。クーラの言うように、今後の世界を考えると、中国の文化的な地位と役割は、クラシック音楽の分野でもますます大きくなることと思われます。

長い歴史と豊かな文化とともに、急激な変貌と発展は刺激的であり、とても魅力的です。今後、さらなる経済的社会的な発展とともに、文化・芸術の発展とは切り離せない課題である、人権、民主主義や自由の問題をどう解決していくのか、それらを含め、私も中国への関心が深まりました。また機会があればぜひ訪問してみたいです。

 

*画像は、報道や劇場サイトなどからお借りしました。 

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(当日編)2019年 ホセ・クーラ、上海でオペラアリア・コンサート

2019-10-29 | コンサート ②

 

 

2019年10月20日、中国・上海の東方芸術中心(Shanghai Oriental Art Center)で、ホセ・クーラのオペラアリアコンサートが開催されました。クーラは歌手、指揮者として、2人の中国人歌手、上海フィルハーモニー管弦楽団、上海フィルハーモニー合唱団と共演しました。

(告知編)で紹介したように、第21回中国上海国際芸術祭の一環のコンサートで、クーラが上海で歌うのは、2007年プッチーニのトゥーランドットのオペラ公演以来、12年ぶりだそうです。クーラは、上海だけでなく、北京(2015年)や韓国・ソウル(2010年)など、東アジアまで時折、来ていますが、残念ながら、日本には2006年以来、来ていません。

今回は、羽田から3時間、時差1時間という近距離なので、思い切って上海まで行ってきました。


 

 

 

 

会場となった上海東方芸術中心(上海オリエンタル芸術センター)は、上海市内に張り巡らされている地下鉄の2号線・上海科技館駅から歩いて数分のところにあります。まわりは巨大な公園、公共施設などがあるようで、とても美しく整備されたエリアです。

 

 

 

 

チケットは、センターのHPで売り出され、座席指定もできるのですが、(告知編)でも書いたように、残念ながら、中国の銀行口座をもち、中国国内の携帯電話の番号を持っていないと購入できないようになっているようです。また外部のチケット販売サイトもあるのですが、そこも同様でした。そのためあれこれ模索してうまくいかず、困り果てた結果、手数料がかかりましたが、中国旅行のオプションなどを手配している業者に購入代行を依頼しました。メールで簡単なやり取りをして、希望の席を予約してもらうことができました。当日は、少し早めに行き、東方芸術中心の正面玄関を入って階段を上がった2階右手にある自動発券機でチケットを入手しました。発券機に2種類の番号を入力するのですが、入力の際、センターの係員の方が親切にあれこれ教えてくれて、実は中国語でよくわからなかったのですが、なんとか無事に発券できました。

 

右が当日購入したパンフレット、左は劇場にあったチラシ、下が当日発券したチケットです。 

 

 

クーラのコンサート会場は、オペラ劇場なども完備するセンターの複数の施設のうちの、一番大きい2000人規模のコンサートホールです。2005年に開場した新しい施設で、とりわけ素晴らしいと思ったのは、この写真でもわかるように、ステージの低さと近さです。50センチほどの高さしかなく、アーティストが、すぐ手の届く距離に立っています。また客席がゆったりとしていて、前席との間も広く、内側の席の人を通す時に立ち上がらなくても通れる余裕がありました。そしてトイレの数が多いというのも安心で、とても居心地の良い、ストレスのない施設だと思います。 

 

 

 

≪出演者とプログラム≫

 

Jose Cura   何塞·库拉 男高音,指挥

Mario de Rose  马里奥·德·罗斯  指挥

Guest

Hong Zhiguang Baritone, Ph.D., Yale University Opera  洪之光 

Xu Xiaoying Soprano, Chief of Shanghai Opera House  徐晓英

Shanghai Philharmonic Orchestra  上海爱乐乐团

Shanghai Philharmonic Chorus  上海爱乐交响合唱团

 

ーPROGRAMー

●Opera Pagliacci

1. Prologue Tonio "Si può?... Si può?..." (クーラ 歌)
2. Nedda's aria
3. Intermezzo
4. Canio's aria (クーラ 歌)

●Opera Nabucco

1. Sinfonia  (クーラ 指揮)
2. Va pensiero  (クーラ 指揮)

●Opera Cavalleria Rusticana

1. Intermezzo  (クーラ 指揮)

●Opera Otello

1. Credo – Iago
2. Ave Maria - Desdemona
3. Dead of Otello  (クーラ 歌)

●Opera Samson et Dalila

1. Samson aria (3 act)  (クーラ 歌)
2. Baccanale  (クーラ 指揮)

●Opera Carmen 

1.Je suis Escamillo - Don Jose / Escamillo  (クーラ 二重唱)

●Opera Butterfly

1.Un bel di vedremo
2.Coro a bocca chiusa

●Encore

1.Tosca  E lucevan le stelle  (クーラ 歌)
2.La Boheme  O soave fanciulla  (クーラ 二重唱)
3.Turandot  Nessun dorma  (クーラ 歌)

 

告知編で紹介した事前のプログラムから、若干の変更がありました。

 

(前半)

まずコンサートのスタートは、道化師のプロローグ。舞台に向かって左側の客席脇から入場したクーラが、客席内の通路を歩きながら、バリトンのトニオのプロローグを歌って、観客に向かってお辞儀したり、握手したり、観客にタッチしたりと、演技し、観客とコミュニケーションしながら、オペラの導入の雰囲気を盛りあげていきました。実は、私のすぐ横も通ったので、もうドキドキ、早くも大興奮でした。

そのあと、ゲストのソプラノ徐晓英さんの歌や、クーラが指揮するナブッコの序曲、合唱などをはさみ、クーラは、カニオの「衣装を着けろ」や、オテロのラストシーンなどを歌いました。オテロのクレドは、クーラの初挑戦かと少し期待しましたが、やはりそれはなく、若いバリトンの洪之光さん。なかなかの美声でした。

クーラのカニオとオテロは、はやり圧巻でした。思った以上に甘く、柔らかな響きがあり、そして感情が激した時のつよく爆発的な声は、会場中と私たちの全身がビリビリするほどでした。前のほうの席だったため、力を込める時、さっと顔に赤みがさすところや、役柄になりきった細かい表情までよく見て取れました。完璧に演技をしながらの歌で、もちろんすべてマイクはありません。圧巻の音量、音圧、音の勢いと、情熱的な表現に圧倒されました。

前半の途中で、ひとつハプニングが。クーラがカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲を指揮しようとした時に、客席内で携帯電話が鳴ってしまいました。クーラは、「私あての電話だ。彼に、今忙しいから、後で返事するって言って」とユーモラスに言い、全体にむけて「携帯電話を切って」と呼びかけ。そして2007年に初めて上海で公演した時のことを話し出しました。英語のできる観客に通訳も頼んで、「12年前、初めて上海に来た時、街は車のクラクションとバイクの音でとても騒がしかった。でも今は、クラクションはなく、バイクも少なくなり、街はとても静かで、美しく見える。信じられないほど違って、大きなアドバンテージだ。おめでとう!」と上海の変化を称賛しつつ、「しかし、ひとつだけまだやるべきことが残っている」、「Phone!!」(笑)。この携帯電話のトラブルは、どこでも起こっていて、かなり深刻な問題ですが、コミカルに、ユーモラスに語りながら、言うべきことを言い、そして観客とのコミュニケーションを深めているのがクーラらしいです。客席が落ち着いた後、クーラが美しく切なくカヴァレリアの間奏曲を指揮しました。

(後半)

休憩後は、サムソンの石臼のアリアから。昨年、サンクトペテルブルクでも聞くことができたこのアリアですが、今回は、舞台がさらに近かったこともあり、クーラの声の美しく繊細な響きを、サムソンの悲嘆と怒りを表現する力強さと迫力のなかに感じることができました。

とても珍しく楽しかったのは、バリトンの洪之光さんと歌った、カルメンの第3幕、ドン・ホセとエスカミーリョとの掛け合いの場面です。最後の決闘のシーンを、2人でカンフーのスタイルで演じたのでした。クーラが若いころにカンフーで黒帯だったのは有名な話ですが、56歳の今も、体の芯がいっさいブレないのには感心しました。また洪之光さんもクーラに負けじとやりあっていて、なかなかの芸達者でした。動画がないのが残念ですが、洪之光さんのインスタの画像を。



蝶々夫人からは、ソプラノのアリア「ある晴れた日に」と合唱。これで本プログラムは終わりのようで、続けてアンコール曲は、クーラのカヴァラドッシ「星は光りぬ」、ラ・ボエームのロドルフォとミミの二重唱「愛らしい乙女よ」。甘く美しく激しいクーラの「星は光りぬ」が生で聞けて、本当にうれしかったです。またボエームの二重唱の前に、クーラが徐晓英さんの耳元に「Beautiful!」とささやくのが聞こえました。クーラが彼女の緊張をほぐし、気持ちを近づけようとしているのがわかりました。

そして最後は、お待ちかねの「誰も寝てはならぬ」。会場から何度も大声で「Nessun dorma!!」の声がかかり、「O,K、ちょっと待って」と暑そうに上着の一番上のボタンを外して、合唱団にも参加をお願いして、歌いはじめました。

 

こちらはスペイン語のニュースサイトがアップした動画。クーラがカニオのアリアの歌う様子、指揮、リハーサル風景、インタビューなど、そして最後は、誰も寝てはならぬのラストが収められています。観客の熱狂ぶりが伝わるかと思います。ただし、この動画の声は、実際に聞いたクーラの声よりも、さらに重く暗く感じます。

 

 

そして帰国後クーラがSNSにアップした上海の写真。殺人的4日間だったが、コンサートは素晴らしく、若い才能あるミュージシャンが沢山のとても良いオケ、上海フィルを発見した、とコメント。

 

最後に、洪之光さんがインスタにアップしたクーラとのツーショット写真を。


 
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It was a great honor to be invited as guest artist for José Cura’s concert in Shanghai the other day. Guess which duet we were singing on the stage?? 😊😊#sing #singer #singerslife #baritone #zhiguanghong #tenor #josecura #concert #shanghai #shanghaiphilharmonicorchestra #musician #opera #ilovemyjob #follow #followers #instadaily #instaportraits #instamusic

洪之光 (Zhiguang Hong) • Giuliano(@zhiguanghong)がシェアした投稿 - <time style=" font-size:14px; line-height:17px;" datetime="2019-10-25T03:49:30+00:00">2019年10月月24日午後8時49分PDT</time>

 

 


 

今回のコンサート、あらためてクーラの、観客を楽しませるエンターテイナーぶり、圧倒的な存在感、声の美しさと豊かさ、強さ、ドラマティックな表現力と迫力、観客とのコミュニケーションを大切にすること、ユニークな個性と人間的魅力を確認することができました。

この12月で57歳になるクーラ。すでに髪も髭も真っ白になりつつありますが、間近で見た顔にはしわひとつなく、彫りが深く、目鼻立ちがはっきりした大きな顔は、生きたギリシャ・ローマ彫刻のようでした。それがいつも生き生きして、表情が演技でさまざまに変わっていく様子をみて、つくづく、舞台に立つために生まれてきた人だと感じました。

今後、ますます歌を減らし、指揮や作曲、演出などの活動の比重を増やしていくことと思います。すでに上海の疲れもみせずに、現在、ハンガリー入りして、11月のヴェルディのレクイエムを指揮するコンサートや、クーラ作曲のオラトリオ「あの人を見よ」のレコーディングの準備に取り掛かっています。新たなチャレンジであり、クーラの大きな夢がかないつつあります。

とはいえ、オペラ歌手、ヴォーカリストとしてのクーラの魅力は、現在でも衰えることなく、円熟の魅力を増しています。高音も力強く輝いています。もちろん30代など若い頃の声からは変化していますし、声はますます重くなっています。本人も、もうフレッシュな声を持っているとはいえない、とたびたび語っています。しかし、1曲のアリアであってもドラマを描き出す、オペラの解釈に支えられた表現力、甘さ、渋さ、激しさ、つよさを兼ね備えた独特の深みのある声、つねに自然体でリラックスした大人の余裕と自信に満ちた舞台上の存在感、美しい立ち姿・・。そして好みの分かれるところだと思いますが、過度な装飾的な表現のない自然な、まるで語っているかのような歌唱スタイルは、わざとらしさがなく、私にとっては本当に素晴らしいと感じられます。

指揮や作曲などの領域で活動をひろげつつも長く歌い続けてほしい、このユニークなヴォーカリストの歌をできるだけ長く聞き続けたい、そうつよく思いました。

コンサートの余韻にひたり、興奮して感情的な文章になっていることをおわびいたします。 読んでいただき、ありがとうございました。

 

*画像は、劇場や出演者等のSNSからお借りしました。

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(告知編) 2019年ホセ・クーラ 上海でオペラアリア・コンサート

2019-09-17 | コンサート ②

   (*上写真は2019年2月、リュブリャナでのコンサートより)

 

 

ホセ・クーラは、2019/20年シーズンのスタートを中東のオマーンで迎えました。オマーンの王立歌劇場マスカットのシーズン開幕公演のカルメン3公演に出演、さらにその合間に、ベートーヴェンの第9の指揮も行いました。いずれも大成功で、いずれまた紹介したいと思っています。

 → 公演の概要は以前の記事で紹介しています。 「(告知編) 2019年ホセ・クーラ、オマーン王立歌劇場のシーズン開幕公演カルメンに出演

 

そしてクーラの次の公演は、中国・上海でのオペラアリア・コンサートです。

実は、昨年からクーラの公式カレンダーには、上海のコンサートが掲載されていたのですが、なぜか、「上海、10月、歌手、オペラアリアとデュエット」とだけあり、9月半ばの現在も、日程と場所が記載されていません。

そのため調べてみたところ、日時は10月20日、午後7時半~、会場は、上海東方芸術中心(上海オリエンタルアートセンター)のようです。もちろん、会場の公式サイトをはじめ、現地のプレイガイドでチケットもすでに販売されていますし、中国のメディアでたびたび報道もされています。

公式カレンダーに日時・場所が記載されるのを待ってからと考え、今までブログでの紹介は控えてきたのですが、コンサート開催1か月前が迫ってきたので、紹介に踏み切りました。少々不安ですが、しかしこの公演は、第21回上海国際芸術フェスティバルの企画のひとつとして正式招待されたもののようですので、まさか間違いやキャンセルということはないと思いたいです・・。

日本と上海は、飛行機で約2時間、時差も1時間、とても近いですので、現在のところ来日の予定がないクーラを聞きに行くには、なかなか良いチャンスではないでしょうか。無事開催されることを願いつつ、以下、コンサートの概要を紹介します。

 

 


 

 

≪第21回中国上海国際芸術祭のHPより≫

 

上海国際芸術祭は、中国文化観光省が主催し、上海市の政府が組織する芸術祭で、1999年から取り組まれているようです。非常に大規模で多彩なプログラムが組まれており、中国の国内外の音楽、演劇、京劇、オペラ、バレエ、伝統舞踊、美術展、展示会、芸術教育プログラム、フォーラム等々、豊富な内容で、今年は10月18日から11月17日までの1か月間、続くのだそうです。

内容も、中国の伝統的芸術とともに、クラシック音楽、現代芸術など幅広く、出演者も国際的です。国外から、クーラの他にも、ティーレマン率いるウィーンフィルをはじめ、ソプラノのルネ・フレミング、ミラノスカラ座のオペラ、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、ピアニストのシフ・アンドラーシュなどなど、多くのアーティスト、オケが招待されています。

*すでに完売している公演もあるようです。

日本の東京交響楽団のコンサートも掲載されています。でもなぜか、東京交響楽団のHP他には情報が見当たらないのですが・・。

 

 

●第21回中国上海国際芸術祭の公式サイトのクーラのコンサート紹介ページ

「誰も寝てはならぬ」がコンサート表題になっていますね。

 

 

  

●芸術祭の音楽の企画一覧から、公演ページへの入口

ぜひフェスティバルの多彩な企画の数々をご覧ください。

  

 

 

 

≪会場の上海東方芸術中心のHPより≫

 

クーラのコンサートの会場は、上海東方芸術センター。2004年末に正式開業、こけら落とし公演はベルリンフィルだったそうです。

クーラの公演は、約2000席のメインのコンサートホールです。そのほかに、オペラホール、300席のコンサートホール、リハ室、展示ホールなどを備えた巨大な施設で、規模、内容ともに、上海の芸術の拠点となっているようです。素晴らしいロケーション、美しい施設です。

 

●会場の外観

 

●クーラのコンサートが行われるメインホール

 

 

●会場HP クーラのコンサートのページ ーー しかしチケットのオンライン購入には、大きな”壁”が・・

 

 

 

1元は、日本円で約15円ちょっと。80元から設定されていましたが、すでに安価な席は完売しているようです。平土間では、前方の約1万6千円~2万円の席か、後方の約9千円~1万3千円の席はまだあります。また2階席の両サイドと最後方の約7千~9千円の席は、今のところまだ余裕があるようです。(9月17日現在)

この公式サイトから、チケットのオンライン購入ができる仕組みですが、実はいろいろと調べた結果、ここで重大な問題があることがわかりました。中国でコンサートに行かれた経験のある方には常識かもしれませんが、結局のところ、日本からは購入ができないようです。せっかくオンライン・システムがあるのですが、チケットの購入には、中国の携帯電話の番号を登録する必要があり、また決済にも中国国内の決済手段が必要だからです。日本で通常使われているクレジットカードは利用できません。

大麦という中国のチケットサイトでも販売していますが、問い合わせたところ、やはり同様に、中国の携帯電話番号が必要で、日本では購入できないとの回答がありました。

結局のところ、中国在住の知り合いがいる人以外は、チケット購入代行の業者に依頼するしか、方法はなさそうです。もし良い方法をご存知の方は、ぜひお知恵をお貸しください。

 

 

●上海東方芸術中心の2019/20年シーズンパンフレットより


センターのシーズンパンフレットにも、クーラのコンサートは掲載されています。

 

 

 ≪予定されているプログラム≫

 

当日変更があるかもしれませんが、現在、発表されているプログラムです。

 

●歌剧《丑角》ーーレオンカヴァッロ 「道化師」
Opera Pagliacci
1.序曲 rologue
2.第一幕 咚叮 咚叮 Act I Don Din Don Din
3.内达咏叹调 Nedda’s aria
4.间奏曲 Intermezzo
5.卡尼奥的咏叹调 Canio’s aria (カニオのアリア「衣装をつけろ」)
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯 演奏:上海爱乐乐团
合唱:上海爱乐交响合唱团

●歌剧《纳布科》ーーヴェルディ 「ナブッコ」
Opera Nabucco
1.交响序曲 Sinfonia
2.飞翔吧!思想,乘着金色的翅膀 Va pensiero (合唱「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」)
指挥:Jose Cura 
演奏:上海爱乐乐团 合唱:上海爱乐交响合唱团
 
●歌剧《奥赛罗》ーーヴェルディ 「オテロ」
Opera Otello
1.二重唱第一幕,苔丝狄蒙娜·奥赛罗 Duet first act, Desdemona-Otello
2.信条-伊阿古 Credo – Iago  (イアーゴのクレド「俺は残忍な神を信じる」)
3.圣母颂-苔丝狄蒙娜 Ave Maria - Desdemona
4.奥赛罗之死 The death of Otello
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团

●歌剧《参孙与达丽拉》ーーサン=サーンス 「サムソンとデリラ」
Opera Samson et Dalila
1.参孙咏叹调(第3幕) Samson aria (3 act)  (サムソンのアリア)
2.酒神之舞 Baccanale
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团 合唱:上海爱乐交响合唱团
 
●普契尼选段ーープッチーニ・セクション
Puccini section
1.今夜无人入眠 Nessun dorma (「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」)
2.多么可爱的姑娘 O Soave fanciulla (「ラ・ボエーム」より「愛らしい乙女よ」)
独唱: Jose Cura
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团
*实际演出曲目以现场演出为准
 
上海フィルハーモニー管弦楽団コーラス、上海フィルハーモニー管弦楽団
指揮 マリオ・デ・ローズ
 
 
 
●ポスター
 
 
 
 
 

 
 
 
クーラの魅力満載のプログラム、カニオ、サムソン、オテロと、クーラの18番の演目からの曲に加え、プッチーニの名曲、さらにクーラ指揮でナブッコがあります。
同郷の指揮者マリオが同行するようですし、上海フィルと合唱団が出演します。
デュエットがありますから、まだ名前は発表されていませんが、ソプラノの共演者がいると思われます。
そして不思議なのは、イアーゴのクレドがプログラムにあることです。バリトン歌手がゲストで出演するのか、それともクーラがはじめてイアーゴに挑戦するのでしょうか?
道化師のバリトンのプロローグは、クーラはよく歌っているので、今後、イアーゴもレパートリーにいれるつもりなのか?とても興味津々ですが、当日のお楽しみですね。
 
中国は、距離的には近いですが、やはり、チケット購入をめぐって、壁も感じさせられました。同時に、急速な経済発展を遂げ、国際的にも大きな位置を占めるようになった中国は、文化・芸術の分野でも、欧米のクラシック音楽、オペラなどの著名なアーティスト、オーケストラなどを旺盛に招聘していて、非常に活気があることも実感しました。クーラはこれまでも、中国では、2007年の上海でのトゥーランドット公演とコンサート、北京・国家大劇院での2015年のサムソンなど、何回か、出演しています。韓国でも、2010年にサムソンの公演とコンサートを行っています。すぐお隣の国までは来ているクーラですが、なぜか、なかなか日本には来るチャンスがないようで、とても残念でなりません。今回のコンサートが無事成功し、上海の人々にクーラの魅力をたっぷりとみせてくれることを願っています。
 
 
 

 

  

 *写真は、劇場HPなどからお借りしました。

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2019年 ホセ・クーラ、オペラアリア・コンサート in モスクワ

2019-04-21 | コンサート ②

 

 

ホセ・クーラは、2019年3月14日、モスクワでオペラ・アリアとデュエットのコンサートに出演しました。1日だけの公演でしたが、チケットは完売、当日も満席、観客は大喝采、大興奮の一夜だったようです。レビュー、SNSなどに画像や動画がアップされていますので、いくつか紹介したいと思います。

このコンサートは、ロシアのソプラノ、ヒブラ・ゲルズマーワさんが、毎回ゲストを招待して行う一連のコンサートのひとつだったようです。場所は、ロシアのチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院大ホール。

クーラ出演のきっかけは、2018年3月3日に、ドレスデン歌劇場のオテロに病気のテノールに代わってクーラが急きょ出演したことにありました。この時、ヒブラさんがデズデモーナでロールデビューした公演で、クーラのオテロと共演し、突然の交代にも関わらず素晴らしい舞台になったことから、コンサートにクーラを招いてオテロの場面を歌いたいと考えたようです。

 → 2018年ドレスデンのオテロについてはこちらの記事で紹介しています。

 

  

 

 



 

≪プログラム≫

 

このプログラムを見ると、クーラは、コンサートの冒頭、道化師のプロローグを歌い、その後、前半にカニオのアリア、ヴェルディの運命の力の二重唱などを歌ったようです。後半は、オテロの第3幕、4幕、デズデモーナとの場面を歌いました。

指揮は、同じくドレスデンのオテロで共演したダニエレ・カッレガーリさんです。

 

 


 

≪コンサートの様子からーー写真と動画≫


終了後、大興奮、大満足の観客から、たくさんの画像、動画がSNSにアップされていました。"何という情熱、愛、ドラマティック!"、"コンサートなのに、これほど刺激的なオテロを見たことがない!素晴らしい!"などの感想が添えられていました。

レビューでも、"ヒブラ・ゲルズマーワとホセ・クーラがセンセーションを巻き起こした""このコンサートは、ステージ上の素晴らしいアーティスト、完璧なパフォーマンス、素晴らしいオーケストラ、そしてファイナルでの拍手の嵐など、一連の歴史的なものだった"と書いたものなど、会場内の熱狂を伝えていました。

ヒブラさんとクーラは、演技や歌唱のスタイルでとても相性が良いように思われます。キャラクターのドラマを伝えることを大切にし、コンサートであっても役柄に入り込んで演技し、歌う、自然な演技、役柄にふさわしい自然な体の動きと表情、という点で共通していて、ドレスデンのオテロや今回のコンサートでも素晴らしいケミストリーを生み出したようです。イタリアオペラの情熱を熟知したベテランのカッレガーリさんとともに、素晴らしいトリオで、観客を一体にしたコンサートになったことが、SNSなどからもよく伝わってきました。

ネットにアップされている写真と、クーラが歌ったものを中心に動画を紹介します。動画は劇場内で撮影されたもので画質も音質もあまりよくないですが、雰囲気を伝えてくれています。

  

●ヒブラさんがFBにアップした写真

 

●こちらはロシアのメディアのFBより

 

●クーラが歌う「道化師」のカニオのアリア「衣装をつけろ」

Leoncavallo "Pagliacci"

 

●前半のハイライト、ヴェルディの「運命の力」から第1幕の二重唱

第1幕、父に結婚を反対され悩むレオノーラと、屋敷に忍び込み駆け落ちしようと説得するアルヴァ―ロの二重唱。クーラは1999年にスカラで、ムーティ指揮でこの役を歌っていますが、それ以来、オペラでは歌っていません。コンサートでも珍しいのでは?

Verdi "La Forza del Destino"  Leonora and Alvaro 

 

●後半、ヴェルディの「オテロ」より、第3幕のオテロとデズデモーナ

イアーゴに誘導され、妻デズデモーナへの疑いをもつオテロ。ただ純粋にカッシオの許しを願うデズデモーナ、一方のオテロは自分が贈ったハンカチはどこにいったかと執拗に問い詰める。話は噛み合わず、オテロだけが疑念を深めていく。コンサートであるが、2人の演技と歌唱はオペラの舞台さながら。とりわけクーラの表情には厳しく深い苦悩と怒りが。大迫力の二重唱。

Verdi "Otello" Act3

 

写真からも、迫力の顔つきや体、すっかり役に入り込んでいる様子がわかります。 

 

ヴェルディの「オテロ」第4幕、デズデモーナの柳の歌」~「アヴェマリア」、オテロの登場~オテロの死「私を恐れることはない」(“Niun mi tema”)

ヒブラさん自身がアップしてくれたもので、画質も音質も良く、約30分の動画です。コンサート用に、オテロとデズデモーナ以外の部分をカットして編曲してありますが、ほとんど4幕全体です。オテロの登場は後半16分頃から。見ているうちに、コンサートとは思えないほどドラマに引き込まれます。

Hibla Gerzmava and Jose Cura. Final scene from the Opera G.Verdi "Otello"

 

●アンコール プッチーニ「 ラ・ボエーム」より、ロドルフォとミミの二重唱「愛らしい乙女よ」(”O suave fanciulla”)

ヴェルディづくしのコンサートでしたが、アンコール曲には、プッチーニから「ラ・ボエーム」の美しい二重唱が歌われました。大喝采のうちにプログラムを終了し、とてもリラックスした雰囲気でアンコールに応えています。ユーモラスで、2人の親密さ、息がぴったり合った様子が伝わります。

Hibla Gerzmava, Jose Cura and conductor Daniele Callegari

 

●ロシアのメディアのFBより、カーテンコールの動画や画像

 

 


 

 ≪取材を受けるクーラ≫

モスクワ滞在中に、マスコミの取材もいくつか受けたようです。 

 

●テレビインタビューの取材風景 

 

●インターネットにアップされたスペイン語のインタビュー

こちらもロシアのメディアでスペイン語版。とてもおもしろそうなインタビューですが、スペイン語のため、内容は理解できず・・。

"En los tiempos de la inmediatez es difícil que el arte clásico entre en la sociedad"

 

 


 

 

コンサートは大成功、モスクワ滞在は、なかなか盛りだくさんだったようです。

昨年ロシアのマリインスキー劇場でハウスデビューしたクーラですが、今後また、ボリショイ劇場など、モスクワでもオペラ出演が実現してほしいです。ヒブラさんとのオテロの舞台をぜひ見てみたいものです。

今年は上海で、クーラのオペラアリアコンサートが予定されています。いまだに日程、場所が不明なのが心配ですが、このモスクワのコンサートのような盛り上がりが期待されます。楽しみに待ちたいと思います。

 

観客の大喝采に応えて笑顔の3人

 

終了後、リラックスして記念撮影のようです。

  

*画像はヒブラさんのFB、報道などからお借りしました。

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2019年 ホセ・クーラ、 オペラアリアと指揮ーースロベニア・リュブリャナ冬のフェスティバル

2019-02-11 | コンサート ②




今年2019年、ホセ・クーラの歌手としての最初の公演は、2月4日、スロベニアの首都リュブリャナで開催された第3回リュブリャナ・ウインターフェスティバルでのコンサートでした。
指揮者としては1/19が今年最初
現地に駆けつけた欧州在住のクーラファンの話では、とても素晴らしいコンサートだったとのことです。

スロベニアは旧ユーゴから1991年に独立した中欧の国で、オーストリアの南、イタリアの東側に位置しています。
以前、同じリュブリャナで開催されている夏のフェスティバルで、オテロに出演したことがあります。とても美しい舞台でした。
 → 2016年のリュブリャナでのオテロを紹介したブログ記事

リュブリャナのフェスティバル、今年も、クーラのコンサートの他に、ドミンゴがヴェルディのレクイエムを指揮するなど、多彩な企画があるようです。











José Cura, tenor and conductor
Elvira Hasanagić, soprano
Monika Bohinec, mezzo-soprano
Simon Krečič, conductor
SNG Maribor Symphony Orchestra

PROGRAM
R. Leoncavallo: Pagliacci Prologue Intermezzo “Recitar!…Vesti la giubba”, Canio’s aria
V. Bellini: Norma Sinfonia  “Mira, o Norma…Si, fino all´ore”, Norma and Adalgisa’s duet
C. Saint-Saëns: Samson and Delilah  Bacchanale  “En ces lieux, malgré moi”, Samson and Delilah’s duet
C. Gounod: Faust “Oh Dieu! Que de bijoux! … Ah! Je ris de me voir”, Marguerite’s aria
G. Verdi: Vespri Siciliani  Overture
G. Verdi: Otello  “Già nella notte densa”, Desdemona and Otello’s duet
***
C. Guastavino: Las niñas, Symphonic Poem
C. Guastavino: Four Songs Violetas El albeador Jardín antiguo Alegría de la soledad
G. Bizet: Carmen Prelude  Seguidilla, Carmen’s aria   Intermezzo III
“C’est des contrebandiers…Je dis que rien ne m’épouvante“, Micaela’s aria
“C’est toi !… C’est moi!“, Don José and Carmen’s duet



≪ライブ放送から、サムソンとデリラの二重唱≫

今回のコンサートでは、クーラはテノールとしてオペラアリアやデュエットを歌い、指揮もしました。ソプラノとメゾソプラノの2人の女性歌手が共演しています。

コンサート全体がネットでライブ放送されたらしいのですが、残念なことに現在では録画全体を見ることはできません。
幸い、サムソンとデリラの二重唱「あなたの声に私の心は開く」(Mon coeur s'ouvre à ta voix)の1曲だけですが、オンデマンドで視聴できます(約7分)。クーラは指揮をしながら、「ダリラ~、ダリラ~」と歌っています。

いつまで見られるかわかりませんが、以下の画像↓に録画のリンクをはってあります。






フェスティバルの宣伝用動画

フェスティバル事務局のフェイスブックには、宣伝用の短い動画が何回も掲載されていました。
クーラの声は入っていません。












≪フェスティバルのFBに掲載された画像より≫

主催者のFBに掲載された画像からいくつかお借りして紹介します。

クーラと共演の女性歌手2人



クーラはオペラの序曲や、女性が歌う時なども指揮したようです。オケとともに拍手をうけています。












終演後でしょうか、指揮者とクーラ、そしてソプラノ、メゾの2人と。



共演者の方がFBにアップした写真。



こちらはフェスティバルのFB。紹介した以外にもたくさんの画像がアップされています。



コンサート終了後に、レセプションが開催されたようです。そこで何か記念品を受け取るクーラ。


髪はだいぶ白くなりましたが、好奇心いっぱいのいたずらっ子みたいな表情は変わりません。



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あまり大きすぎないホールで、クーラと指揮者、オケと女声2人という、なかなか贅沢なコンサートでした。
今年のクーラは、指揮の比重が大きくなっていますが、オペラ・アリアコンサートは、この先、3/14モスクワ、3/26,28プラハ、10月には上海で行われる予定です。

上海の詳しい日程は未公表ですが、日本から近いところで開催されるチャンスです。この先、ますます指揮や演出に軸足を移していきそうなクーラ。クーラを一度聞いてみたい、久しぶりに聞いてみたい、という方がいらしたら、上海はひとつの選択肢ではないでしょうか。
早く詳細が発表されるよう願っています。






*画像はフェスティバルのFBなどからお借りしました。
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