人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(ラジオ録音編)2021年 ホセ・クーラ、エストニアでコンサートーー歌、作曲、指揮

2021-11-21 | コンサート ③

 

 

 

ホセ・クーラは2021年11月18日と19日、エストニアでコンサートに出演しました。

19日の首都タリンでのコンサートは、ラジオで生中継され、現在(2021/11/21)も聞くことができます。いつまでかは不明ですが、しばらくの間、以下のリンクから可能だと思います。

演目は、以下に詳細がありますが、前半が、クーラの母国アルゼンチンの歌曲、そしてクーラが作曲した、ギターとオーケストラの「復活のための協奏曲」です。アルゼンチン歌曲は、クーラがオーケストラの中央に座り、指揮をしながら歌い、ギターコンチェルトはクーラが指揮をしました。

後半は、オペラからのアリアとデュエット。メゾソプラノをゲストに迎えて、「道化師」のプロローグとカニオのアリア、カヴァレリア・ルスティカーナのトゥリッドウとサントゥッツァの二重唱を歌いました。指揮はマリオ・デ・ローズ。

アンコールとして、クーラは「誰も寝てはならぬ」と、ギターの弾き語りで「イエスタディ」を最後に歌いました。

アルゼンチン歌曲に、クーラ作曲のギター協奏曲、そしてオペラアリアと、とてもバラエティー豊かな、クーラの多彩な面を知ることができるとてもユニークなプログラムです。エストニアの聴衆にとって、オペラアリア以外は、馴染みのないアルゼンチン歌曲だったり、初めて聞くエストニア初演のギター協奏曲だったにもかかわらず、新鮮に歓迎してくれたようです。とても乗りが良く、熱狂的な拍手、足踏み、歓声で、満席の会場は大いに盛りあがっていました。

クーラの語りも英語でしたがいつも通りユーモアたっぷりで、大いに笑い、楽しんだ夕べとして、コンサートは大成功だったようです。

ぜひ、以下の画像のリンクから、クーラのコンサートをお聞きください。前半と後半、休憩時間にクーラのインタビューを挟んで、合わせて2時間半です。

 

 

 

 

→ こちらのリンクでも聞くことができます

 

 

Estonian National Symphony Orchestra

Tenor : José Cura
Mezzo-soprano : Monika-Evelin Liiv
Guitarist : Rovshan Mamedkuliyev
Conductors : José Cura and Mario De Rose

November 19 at 7 p.m.

 

≪ Program ≫

María Elena Walsh – "Postal de guerra" / "Postkaart sõjast"

Carlos Guastavino – "Riqueza" / "Rikkus"

Carlos Guastavino – "El albeador" / "Varajane ärkaja" vokaaltsüklist "Canciónes del alba" / "Koidulaulud"

Alberto Ginastera – "Canción al árbol del olvido" / "Laul unustusepuust" vokaaltsüklist "Dos canciones" / "Kaks laulu" op. 3
tekst: Fernán Silva Valdés

Carlos Guastavino – "Cuatro canciones coloniales" / "Neli koloniaallaulu" (1966)
- nr 2 "Préstame tu pañuelito" / "Laena mulle oma taskurätikut"
- nr 3 "Ya me voy a retirar" / "Lähen pensionile"

Carlos Guastavino – "Yo, maestra" / "Mina, õpetaja"

* * * 

José Cura – Kitarrikontsert "Concierto para un Resurgir" / "Kontsert taastärkamisele"
- Chôro – Batucada – Saudade – Chôro – Batucada
- Alborada
- Ronda

* * * 

Ruggiero Leoncavallo –  "Pagliacci" 
- Proloog
- Intermetso
- Canio aaria "Vesti la giubba"

Francesco Cilea –  "Adriana Lecouvreur"
- Bouilloni printsessi aaria "Acerba voluttà"

Pietro Mascagni – "Cavalleria rusticana" 
- Intermetso
- Santuzza aaria "Voi lo sapete"
- Turiddu ja Santuzza duett "Tu qui, Santuzza?"

 

Live broadcast on Klassikaraadio on Friday from the Estonia Concert Hall , November 19 at 7 p.m.

 

 

 

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(舞台写真編)2021年 ホセ・クーラ、道化師のカニオを歌うーーハンガリーでコンサート形式

2021-11-15 | オペラの舞台―道化師

 

 

2021年11月9日、ホセ・クーラはハンガリーのブダペストで、レオンカヴァッロのオペラ「道化師」に出演しました。

すでに前回の記事でご紹介したように、ラジオ生放送され、いつまで可能かはわかりませんが現在まだ、オンデマンドで録音を聞くことができます(11月15日現在)。ぜひ記事のリンクをクリックしてみてください。

今回は、この公演の舞台写真が、主催者のハンガリー放送芸術協会のフェイスブックに大量に掲載されましたので、その一部をご紹介するとともに、リハーサルの様子を収めた動画や写真などもありますのでリンクを掲載しています。

写真を見ていただくとよくわかりますが、今回の公演はコンサート形式なのですが、クーラは完全に役になり切っていて、まわりの出演者も巻き込んで、セットはないけれども、あきらかにドラマの空間ができあがっているのがわかります。ぜひとも動画も見てみたいものです。

 

 

 

 

 

 

Leoncavallo's 'Pagliacci' 

Canio: José Cura.
Nedda: Polina Pasztircsák.
Tonio: Zoltán Kelemen.
Beppo: János Alagi.
Silvio: Zsolt Haja.

Hungarian Radio Children's Choir, Choir and Symphony Orchestra. 
Conductor: János Kovács.

9th November, 2021    Müpa Budapest

 

 

 

●舞台写真ーーハンガリー放送芸術協会のFBより

協会のFBに2度にわけて掲載されました。右上のFマークをクリックするとFBの投稿ページに移り、画像を拡大してみたり、その他の大量の写真を見ることが可能です。

 

 

 

 

 

 

●リハーサルの写真

こちらはリハーサル中の様子を撮影したもの。同じくハンガリー放送芸術協会のFBより。

 

 

 

 

 

●インタビュー動画 リハーサルの様子も少し

クーラがインタビューに答える様子(英語)とリハーサルの様子も収録したニュース動画(3分半)です。

 

 

 

 

●クーラのFB投稿ーー劇場の公演紹介記事をとりあげて

公演会場であるMUPAブダペストの告知に、クーラについての短い紹介が掲載されています。以下の投稿は、クーラがその紹介記事を取りあげて、感謝の言葉を述べたものです。

 

 

 

”ドン・キホーテのように、長年、風車とたたかってきた私にとって、このような真面目な言葉を読むのはとてもうれしいことだ。 正確な観察をしてくれたMolnár氏に感謝する。あなたの判断が常にどれほど厳しいかを知っているだけに、それは私にとって大きな意味がある。”

 

(引用された紹介文)


”歌手、俳優としてのクーラの業績は、しばしば批評家を困惑させる。しかしこれは、楽しい困惑の一種だ。彼らが見ているのはクーラ自身ではなく、彼が演じているキャラクター(オテロであれ、カラフであれ、場合によってはカニオであれ)であるため、舞台上でパフォーマーが実際に何をしているのかを語ることができないことに気づくからである。

クーラの歌は常に正確で、楽譜に書かれていることを忠実に守っているのだが、彼の口から出てくる言葉はすべて、精神状態の表明やその表現のように思える。彼の芸術的な存在感が呼び起こすもので、大きな影響を受けるのは視聴者だけではない。キャストの仲間の歌手たちは、彼の周りの舞台を熱狂させるクーラを常に頼りにしている。”

 

 

 

 

 


 

 

公演のラジオ生中継を実施し、たくさんの写真を掲載してくださったハンガリー放送芸術協会には、本当に感謝です。

クーラの舞台上の存在感の大きさは、ラジオ放送からも十分感じ取れました。上記でクーラが紹介した文章のとおりで、写真を見ても録音を聞いても、クーラ自身がまるで酷く傲慢で、暴力的で威圧的な人物そのものに感じられますが(笑)、スコアとリブレットに忠実に、ドラマを描き出しているだけであり、そのリアルさと迫力が、見るものの胸をうち、時には錯覚させるのではないでしょうか。

オペラ道化師の解釈については、これまでクーラはたびたび発言してきています。このブログでも何度かご紹介していますので、興味のある方はご覧いただければ幸いです。

*例えば「ホセ・クーラ 道化師の解釈 "私は仮面の背後にいる"」など

お読みいただいてありがとうございました。

 

 

 

*写真は放送芸術協会FBや劇場HPからお借りしました。

 

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(録音編)2021年 ホセ・クーラ、道化師のカニオを歌うーーハンガリーでコンサート形式

2021-11-11 | オペラの舞台―道化師

 

 

 

ホセ・クーラは、2021年11月9日、ハンガリーの首都ブダペストのバルトーク国立コンサートホール(Müpa Budapest)に出演しました。演目は、レオンカヴァッロのオペラ「道化師」、クーラはおなじみの主人公カニオです。

今回は1回だけの公演で、コンサート形式。クーラは、主催側の要求にこたえて、通常バリトンの役であるトニオが歌うプロローグも歌いました。

 

この公演は、日本時間11月10日早朝の3時35分から、ハンガリーのバルトークラジオで生中継されました。そしてしばらくの間は、オンデマンドで聞くことができます(いつまでかは不明)。

音響も音質、録音状態もとても良かったです。クーラも冒頭から声が伸びやかで、カニオの慟哭「衣装をつけろ」の迫力、後半からラストにかけての緊迫のドラマの盛り上がりはやはり素晴らしく、観客も大喝采の舞台でした。

映像がないのが残念ですが、後日、ハンガリーのテレビで放映されるという情報もあります。日本で視聴できるかどうかはまだわかりませんが、情報が出ましたらまたお知らせしたいと思います。

 

以下の画像にリンクをはっています。クリックするとバルトークラジオにつながります。それでは「道化師」の録音(約80分)をお楽しみください。

 

 

 

 

Leoncavallo's 'Pagliacci' 

Canio: José Cura.
Nedda: Polina Pasztircsák.
Tonio: Zoltán Kelemen.
Beppo: János Alagi.
Silvio: Zsolt Haja.

Hungarian Radio Children's Choir, Choir and Symphony Orchestra. 
Conductor: János Kovács.

9th November, 2021    Müpa Budapest

 

 

●バルトークラジオの紹介ページ

なおこの写真ではクーラが指揮をしていますが、今回の道化師ではクーラは指揮ではなく歌手としての出演です。

 

 

 

 

●ハンガリー放送文化協会のFBに掲載された告知

 

 

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(写真と動画編)2021年 ホセ・クーラ、マスタークラスをマルタフィルハーモニー管弦楽団と

2021-11-07 | マスタークラス

 

 

 

2021年10月25日から30日までの1週間、ホセクーラは、マルタフィルハーモニー管弦楽団が主催するマスタークラスに、講師として招かれました。 

*マスタークラスの告知詳細については以前の投稿(「告知編」)で掲載しています。

今回は、オケや出演者が投稿したSNSなどから、マスタークラスの様子を紹介したいと思います。残念ですがマスタークラスそのものや最終日のコンサートの全体の動画は公開されていません。

クーラのマスタークラスは独特で、とてもフランクでリラックスした雰囲気、そしてオペラの音楽と脚本にそってドラマを深く表現する歌唱を追求するユニークなものです。もし興味をお持ちの方がいらしたら、2019年のカーディフ国際声楽コンクールでのマスタークラスが1時間超の動画で現在も公開されていますので、ぜひご覧になってみてください。

*「2019年 ホセ・クーラ、BBCカーディフ国際声楽コンクールでマスタークラス

 

 

 


 

 

 

≪ マスタークラスの様子 ーー SNSより ≫

 

マスタークラスの日程は、最初の2日間がピアノとのレッスン、次の2日間はオーケストラとのレッスン、そして最終日に、クロージングコンサートとして、クーラ指揮、マルタフィルと受講者によるコンサートが行われました。

コンサートは無料の申込制で、早々に満席になったようです。

 

 

● マルタフィルのFBより

 

 

"Mastering the Voice with José Cura"が始まる。インターナショナルな参加者は、洞察に満ちたマスタークラスを開始し、解釈、オーケストラや指揮者との交流、コミュニケーションなどのスキルを掘り下げて、テアトロアストラでのクロージングコンサートを開催する。クロージングコンサートは、マルタ観光局とゴゾ島省共同で提供される。クロージングコンサートは10月30日午後7時30分~ Teatru Astraにて。”

 

 

 

 

 

 

●参加者によるクロージングコンサート オケFBより

 

 

 

 

●マスタークラスを終えて ーー クーラのFBより

 

 

"Mastering the Voice"の第1回目が終了した。教師として、素晴らしい才能を持った生徒たちをとても誇りに思っている。生徒から主催者まで、関係者全員、よくやった!

 

 

 

●受講生の投稿より

多くの受講生がSNSでマスタークラスに参加した感動を伝えていました。その中からいくつかの投稿を紹介します。

 

 

 

 

 

 

●最後のコンサートの様子ーー参加者によるYouTube動画

 

Sara Briski Cirman - Seguidilla (G. Bizet, Carmen) with Jose Cura and Malta philharmonic orchestra

 

 

 

●マルタフィルのFBに掲載された告知動画 ーー ダムラウ夫妻とのコンサート抜粋とクーラのインタビュー

 

 

 

 


 

 

≪ 受講生をとりあげたメディア報道より ≫

 

スロベニアから参加したサラ・ブリスキー・サーマンさんは、すでに歌手、ソングライター、ハープ奏者としても活動している人なのだそうです。上に掲載した動画の投稿者です。祖国スロベニアのメディアが、彼女のマスタークラスでの体験を記事にしています。一部を抜粋して紹介します。

 

 

 

 

彼女は、ホセ・クーラとマルタ・フィルハーモニー管弦楽団によるソロ歌唱のマスタークラスのためにマルタを訪れた。

「マスタークラスに応募したものの、世界中の歌手が応募していたので、選ばれる見込みはほとんどなかった」と半信半疑だったが、彼女は成功した。それだけでなく、1週間のコースの最後に、マルタのメインシアターであるテアトロアストラで行われたコンサートで、マエストロ・クーラとマルタフィルと共演するという光栄な機会に恵まれた。「私はコンサートではオペラ『カルメン』の『Seguidilla』を歌ったが、このアリアのテノールパートをクーラ自身が歌ってくれるという、他の参加者にはない特別な名誉を得た」と、今でも信じられない様子だ。

彼女は「夢のような時間だった」と語る。

「世界で最も有名な最高のテノールの1人に褒められたことは、これからキャリアを始めようとしている若い歌手にとって、大きな確認になる。彼が私と一緒に歌ってくれたことは、大きな成果であり、将来への良い足がかりだと考えている」

 1週間のコースで、彼女はクーラをより知ることができた。「彼は私たちにとてもパーソナルなアプローチをしてくれて、この短い時間にできるだけ多くの知識を与えようと懸命に努力してくれた」

 彼から何かアドバイスをもらったのだろうか?

「彼のアドバイスで一番心に残っているのは、”Don't hurry and don't stop(急がずに、そして立ち止まらずに)” で、これは私が25歳であることにもとづいている。だから私は急がず、立ち止まらずにやっていきたい」

(「novice.svet24」)

 

 

 


 

 

マルタフィルとのマスタークラスは、参加者たちにとってもクーラにとっても、とても実りある充実した時間だったようです。クーラが願うように、それぞれの若い歌手たちが、様々なプレッシャーに潰されることなく、長くキャリアを発展させ、アーティストとして成熟していけるようになるといいですね。日本でも、クーラのマスタークラスが、オケや音楽団体、大学などによって企画されると素晴らしいと思うのですが、実現する日を楽しみにしています。

 

 

*画像はマルタフィルや受講生のSNSなどからお借りしました。

 

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