モナコのモンテカルロ歌劇場でのホセ・クーラのピーター・グライムズ、2月20日に無事初日を迎えました。
レビューも出始めています。カーテンコールの映像などをみても、大きな喝さいを受けており、成功したようです。
繰り返しの説明で恐縮ですが、このプロダクションは、クーラが長年つよく願ってきたピーター・グライムズへの初挑戦が実ったもので、しかも舞台デザイン、演出、照明などの多くを自ら手掛け、主演も担って、昨年2017年ドイツのボンで初演されました。観客からもレビューからも高く評価され、今回は、共同制作のモナコで再演されているのです。
ボンの客席は約1000、モンテカルロは500余と、両方とも非常にコンパクトな劇場で、そこでクーラ渾身のグライムズが聞けるとは本当に贅沢な体験です。モナコで鑑賞された方の情報によれば、演出家としてのクーラも舞台も非常に良かったとのことでした。
ぜひ映像化、ネット中継をお願いしたいのですが、残念ながら今のところ、放映の情報はありません。最終日の28日までに放送予定が発表されることを願っています。
いずれレビューも紹介したいと思っていますが、今回は、初日を前後して掲載された劇場サイトの告知動画や舞台写真、SNSにアップされたカーテンコールの様子などをまとめてみました。
→ リハーサル編はこちら
Peter Grimes by Benjamin Britten
First at the Monte Carlo Opera
New production,in co-production with the Bonn Opera
Opera in three acts and a prologue
Benjamin Britten Music (1913-1976)
February 20,23,25,28, 2018
Musical direction= Jan Latham-Koenig
Staging= José Cura
Sets & costumes= José Cura
Lights= José Cura and Benoit Vigan
Choirmaster= Stefano Visconti
Peters Grimes, a fisherman= José Cura
Ellen Orford, a widow= Ann Petersen
Captain Balstrode= Peter Sidhom
auntie= Carole Wilson
First niece= Micaela Oeste , Second niece =Tineke van Ingelgem
Bob Boles, fisherman and Methodist =Michael Colvin
Swallow, a lawyer= Brian Bannatyne-Scott, Mrs Sedley= Christine Solhosse, Rev. Horace Adams, the rector= Phillip Sheffield
Ned Keene, pharmacist and healer= Trevor Scheunemann , Carter Hobson, valet= Michael Druiett
つぎの動画は、モナコの情報サイトがアップしたもので、舞台の様子とクーラのインタビューを収録しています。
たぶんドレスリハーサルの時だと思われますが、クーラの歌も含め、舞台の映像がたくさんあって、とてもうれしい動画です。
クーラのグライムズの痛切な声、叫びが響きます。
Opéra : Première de « Peter Grimes » de Britten à la Salle Garnier
こちらはモンテカルロ歌劇場がアップした動画。リハーサルの様子とクーラのインタビューで、クーラが演出家として演技をつけている様子もあります。
Séance de travail pour Peter Grimes de Benjamin Britten - Reportage Monaco Info
初日の後に、共演者がアップした画像。舞台上からとったもののようで臨場感たっぷりです。
#petergrimes #operademontecarlo One down, first #Britten opera ever performed in Monte Carlo pic.twitter.com/26lvqIMcfr
— Michael Druiett (@mdruiett) 2018年2月22日
初演の場を提供した共同制作のボン劇場も駆けつけて、フェイスブックにもその様子を投稿して応援していました。
初日のカーテンコールの様子。インスタにアップされたものです。
同じくインスタにアップされたカーテンコールの画像。
クーラのインタビュー。30分たっぷりですが、残念ながらすべてフランス語。
何を言っているかわからない・・でもクーラの穏かでささやくようなフランス語が、なかなか魅力的に響きます。
Jose Cura ITW
初日を終えて、数日のオフの間に、モナコの海でとった写真をクーラがアップしたもの。
モンテカルロの美しい海と空を背景に、もともとギリシャ・ローマの彫刻のような整った顔立ちが、風雪を経て、成熟し、まるで哲学者のような風貌です。
モンテカルロ歌劇場の共演者のSNSから
以下、いくつか劇場サイトからお借りした舞台写真を。
グライムズの粗暴な外見の内側にある、愛への渇望、切なさが滲み出るような写真がたくさん。
事故死した少年の幻影に苦しみ、罪の意識に苛まれているのか。クーラ演出独自のシーンと思われます。
クーラがデザインした舞台の全景写真。映画のような、絵画のような、美しい舞台です。海の香りが漂ってくるようです。
モンテカルロ歌劇場のサイトには、まだまだたくさんの素晴らしい写真が掲載されていますので、ぜひ直接ごらんください。