人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2019年 ホセ・クーラ、仏ミュルーズでラフマニノフ交響曲第2番、ピアソラのタンガーソ、自作マニフィカトを指揮

2019-03-31 | ミュルーズ交響楽団とともに

  

今シーズン(2018/19)からホセ・クーラは、フランス東部の都市ミュルーズに拠点をおくミュルーズ交響楽団のアソシエート・アーティストに就任しました。今後3年間、協力関係を深めていくことになります。

昨年までは、ピエタリ・インキネンが首席指揮者を務めるチェコのプラハ交響楽団で、レジデント・アーティストとして活動してきました。そして今年からは、このミュルーズとの3年契約が始まります。さらに来季(2019/20~)からは、ハンガリー放送文化協会の首席客員アーティストとして活動することも決まっています。歌手としての活動や最近増えてきた演出の仕事に加えて、今後の3年間は、指揮者、作曲家として、もともとクーラの専攻であったこの分野の活動が、さらに発展していきそうです。

 → クーラとミュルーズ交響楽団との協力関係の開始について、以前の記事で紹介しています。

 → ハンガリー放送芸術協会の客員アーティストについては、こちらの記事をごらんください。

 

ミュルーズでは、クーラとの協力の第1弾として、2019年3月8、9日、クーラが指揮をするコンサートが行われました。

コンサートの題名は、「ホセ・クーラーーミュルーズ交響楽団の新しい友人」。リハや本番の様子がSNSなどにアップされている画像などから、コンサートの様子を紹介したいと思います。

 

●オケのFBに掲載された告知
 
 
Orchestre symphonique de Mulhouse – OSM.
"José Cura, a new friend of the OSM" - 8 & 9/03
 

Program
• José Cura - Magnificat
• Astor Piazzolla - Tangazo
• Sergei Rachmaninov - Symphony No. 2

With
• José Cura, Conductor, associate artist
• Chloé Chaume, soprano
• Strasbourg Philharmonic Choir, conducted by Catherine Bolzinger
• Choir of Haute-Alsace, direction Bernard Beck
• Master of Colmar, direction Luciano Bibiloni

プログラム
•ホセ・クーラ - マニフィカト
アストル・ピアソラ - タンガーソ
•セルゲイ・ラフマニノフ - 交響曲第2番

 



唱団のFBより

クーラ作曲のマニフィカトに出演する合唱団とオケの写真、またリハの様子などが掲載されています。 

 
 
≪リハーサル≫
 
オケのFBに何度か掲載されたリハーサルの様子です。
リハーサルはとてもハードに、親密に、熱心におこなわれたようです。1週間の共同作業を通じて明らかになったクーラのイメージは、”仕事の中でも、外でも、寛大さと一体感!″ だと。クーラの仕事仲間への姿勢をよく表していますね。写真からも、リラックス、かつ、集中している様子が伝わってきます。

合唱団など関係者の人たちのコメントにも、クーラとともに音楽をつくる喜びと楽しさが示されていました。
 
  
 
 
 
 
≪クーラのマニフィカト≫
 
今回演奏された、クーラが作曲した「マニフィカト」。
 → 作曲家としてこの曲に込めた思いや経過について、以前の記事で紹介しています。
 
聖母マリアの祈りをテーマにした曲で、ソプラノがソリストとして参加しています。そのChloe Chaumeさんが、コンサートの数か月前にインスタにアップした楽譜の写真です。マーカーでチェックしながら準備中。
 

#work #opera #josecura @josecuragram #magnificat #filaturemulhouse #pagliacci #newrole

Chloe Chaumeさん(@chloe_chaume)がシェアした投稿 -2019年 1月月18日午前7時57分PST

 
 
 
≪退任する団員とのエピソード≫ 
 
このコンサートでは、演奏終了後に、この日を最後に引退するクラリネット奏者の方が紹介され、長年の貢献がたたえられて観客、オケの仲間から、大きな拍手を受けたようです。その時の動画がオケのFBに掲載されています。動画の後半にクーラの姿も映っています。
 
 
 
●こちらは、クーラがオケのFBに投稿したコメント。

 
――ミュージシャンに引退はない。それは単なる「管理上の」変更だ。献身と責任を果たした良き一例して、おめでとう、アラン!そしてまた、OSMとの私の最初のコンサートであるこの日を選んで、このステップを踏み出してくれてありがとう。私にとって光栄だ!今夜お会いしましょう!
 
 
●またクーラは自分のFBにもその時の写真をアップして、コメントしました。 
 
 
ーー非常にエモーショナルで感動的に、クラリネット奏者のアランは、3月8日土曜日、OSMとの彼の最後のコンサートを行った。親愛なるアラン、2度目の青春を楽しんでほしい。
 
 
●そしてアランから、感謝のコメントも。
 
 
ーー親愛なるマエストロ、親愛なるホセ
あなたとともに私の最後のコンサートを演奏することは、大きな名誉と素晴らしい喜びでした。
あなたの才能、あなたのカリスマ性、あなたの寛大さとあなたのユーモアは、このコンサートを、まるで素晴らしいパーティーのようにしてくれました。そして私は心からあなたに感謝します。
またすぐにミュルーズでお会いしましょう!

 

 
 
プラハ響の3年間に続く、新たなオーケストラとの共同です。ハンガリー放送芸術協会との同時並行となりますが、いずれにしても長期の継続的な関係を築くことは、さまざまなチャレンジが可能になり、信頼関係のもとで芸術的な深まりも期待できて、クーラのような多面的な挑戦を続けるアーティストにとって、またオーケストラや観客の側にとっても、非常に有意義なことだと思います。
 
クラリネット奏者のアラン氏のエピソードにあるように、クーラは、カリスマ性とその才能によってイニシアティブを発揮することができると同時に、ユーモアや寛容さによって、喜びと楽しさを分かち合い、ともに音楽をつくる仲間としての愛と尊敬をもって、連帯感を深めあうことができる人なのだと思います。
 
またクーラは一貫して妥協のない努力の人でもあります。今回もマニフィカトのスコアに、最後まで手を入れて修正していたという目撃情報もありました。作曲家としても着実に実績を積みつつあります。今後、ハンガリーでの活動を通じて、CDやデジタル配信などでクーラの作曲した曲を聴くこともできそうです。とても楽しみです。
 
 
 
 *画像はミュルーズ交響楽団、合唱団のFBからお借りしました。 
 
 
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ホセ・クーラ、フランス・ミュルーズ交響楽団のアソシエート・アーティストに

2018-11-10 | ミュルーズ交響楽団とともに



ホセ・クーラはすでに、公表されている2018年の公演スケジュールを終えました。
今年はオペラ公演が少なかった一方で、2つの新しいプロダクションを演出し(プラハのナブッコとエストニアの西部の娘)、そしてカヴァレリア・ルスティカーナと道化師のプロダクション再演(2012年リエージュ初演)がサンフランシスコオペラの開幕を飾りました。
演出家としての活躍が世界的なスケールで広がった年だったと思います。

来年のさらなる活躍が楽しみですが、11月10日現在、来年2019年のスケジュールはまだ公式に発表されていません。いずれクーラの公式HPで発表された段階で、まとめて紹介したいと思います。

とはいえ、いくつか劇場や主催者側によって公表されたオペラやコンサート出演予定もあります。
今回は、そうした来年の新しい取り組みとして明らかになったうちの1つを紹介したいと思います。

それは、指揮者、作曲家としての新たな活動の場として、今後の3年間にわたり、フランスのミュルーズ交響楽団のアソシエート・アーティストになったということです。オケの2018/19シーズン発表で公式に明らかにされ、コンサートの日程も告知されています。







●ミュルーズ交響楽団との新たな協力関係


上の画像はミュルーズ交響楽団のコンサート告知です。
「ミュルーズ交響楽団の新しい友人-ホセ・クーラ、シンフォニーコンサート」と見出しが立っています。

記事のなかでは、「アソシエート・アーティストとしてホセ・クーラは、次の3シーズンにわたってミュルーズ交響楽団に戻り、ミュージシャンとして特別な絆を築く」と紹介されていました。


ミュルーズ交響楽団は、フランスの東部、アルザス地方の工業都市ミュルーズを拠点するオーケストラです。アルザス地方といえば、世界史にもたびたび登場する地名ですね。豊かな農産物、豊富な資源と工業力に恵まれた地域で、それゆえにフランスとドイツの領有争いに繰り返し巻き込まれてきた歴史があります。

こうした地域で、1867年に市民オーケストラから出発したミュルーズ交響楽団は、現在では、フランスの5つある国立歌劇場の1つであるラン国立歌劇場のオーケストラピットを、ストラスブールのオケと交代で務めている、実力ある団体だそうです。
インターネットで検索してみた範囲ですが、ラン国立歌劇場は、日本の二期会とオペラの共同制作をしているなど、日本ともゆかりの深い劇場のようでした。





クーラは、これまで2015年秋からの3シーズン、チェコのプラハ交響楽団のレジデント・アーティストとして活動してきました。
年間3回のコンサートを行い、歌、指揮、作曲作品の初演、編曲など、クーラの多面的な能力を発揮する場として、とても素晴らしい関係と機会をプラハ響とともにつくってきました。プラハ響とのレジデント契約は終了しましたが、引き続き年1回のコンサートを続けることになっています。

それに加え、今回は、フランスのオケとの新たな協力関係です。どんなことが行われるのか、またまた楽しみです。



●2018/19シーズンプログラムの発表




今年6月、ミュルーズ交響楽団が行った、2018/19シーズンプログラムの発表の画像です。オケのフェイスブックに動画も掲載されています。

クーラは同席していませんが、この場で、今後の協力関係についての発表も行われたようです。


次の画像は、シーズンパンフレットから、アソシエート・アーティストとしてクーラを紹介した部分。




こちらは、2019年3月8、9日に予定されている、クーラとの初めてのコンサート紹介部分です。

演目は、クーラが愛する、おなじみのラフマニノフの交響曲第2番をメインに、クーラ作曲の「マニフィカト」、そしてクーラの母国アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラのタンガーソ。



José Cura
Magnificat
Astor Piazzolla
Tangazo
Sergueï Rachmaninov
Symphonie n° 2 Op.27


最後は、シーズンプログラムのなかから、オケの写真を。
堅苦しく整列した写真が全然なくて、音楽を共に楽しもうとするスタンスの若々しい印象のオケです。スターウォーズなど映画音楽をとりあげるなど、音楽を市民に広げる視点をつよく持っているようにも見えます。
そういう点では、クーラの姿勢ともぴったりで、今後の協力関係によって、さらに音楽の豊かさ、楽しさ、素晴らしさを、新しい発想や展開で広げてくれるのではないかと思います。




*画像は、オーケストラのHP、FBなどからお借りしました。リンクをはってありますので、ぜひ直接ご覧いただけるとありがたいです。
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