人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(旅行編)2020年 ホセ・クーラ、ハンブルクでオテロを歌う

2021-10-03 | ハンブルクのオテロ2020

*ハンブルク歌劇場の正面と窓に掲示されたクーラのポスター

 

2020年3月、ハンブルク歌劇場に出演するホセ・クーラのオテロを鑑賞するためにドイツに行ってきました。すでにハンブルクのオテロの記事はアップしていますが、記録として簡単な旅行記を書いておきたいと思いました。

今から振り返ってみると、2020年3月は、ちょうど欧州でも新型コロナ感染が急速に広がり始めた時期で、通常の旅行が可能だった本当に最後のチャンスでした。行きも帰りも特別なチェックもなく航空機を利用できたのですが、ほんの数日、遅ければ、国境封鎖、航空便のキャンセル、待期期間などの規制が強化されたところでした。

帰国後は、マスクをして自粛して生活し、無事に感染なく終えることができました。

 

 

 

≪ 成田からフィンエアーでハンブルクへ ≫

 

●成田から出発

 

 

2018年にロシア・サンクトペテルブルクへクーラのサムソンを鑑賞するために旅行しましたが、その時と同じフィンエアーで、まずフィンランドのヘルシンキ空港へ。そして乗り継いでハンブルク空港まで行きました。フィンエアーは日本のJALと提携していて確か共同運航便だったかと思います。

ハンブルクはドイツ北部の港町、そしてベルリンに次ぐドイツ第2の人口をもつ大都市です。港湾都市として古くから栄えた町とのことです。

 

 

 

 

 

●フィンエアーでヘルシンキへ

 

 

 

乗り継ぎのヘルシンキのヴァンター国際空港はあいにくの雨。2018年に来た時、空港の拡張工事中でしたが、今回は整備がすすみ、ターミナルビルはとても広く、店舗も増え、さらににぎやかになっていました。トイレなどの施設が北欧デザインですっきりと美しく、機能的なところも魅力的です。

 

 

●ハンブルクに到着

 

 

ハンブルク空港に到着し、地下鉄に乗り換えてハンブルク中央駅をめざします。





 

ハンブルク中央駅に無事到着、大きな駅で、構内にたくさんのショップ、カフェやスーパーがありました。

中央駅近くのホテルに宿泊しました。手頃な値段で朝食つき。決して豪華ではありませんが、何気ないハムやチーズ、バター、パンの美味しいこと!とりわけ雑穀がふんだんに使われたドイツパンの美味しさにはすっかり心を奪われてしまいました。

 

 

●ハンブルク駅と鉄道の魅力

 



ハンブルク中央駅と駅前通り。二階建てバスが走っていました。









 

ドイツの駅はどこもそうなのでしょうか?ハンブルク中央駅には、改札がなく、駅の外と内をさえぎるものがありません。もちろん切符は必要です。

とても開放的で、駅が街の延長にありセンターであるということを実感させてくれました。

ハンブルク中央駅で、行き交うさまざまなカラフルな電車を見るのはとても楽しいものでした。

 

 

●ハンブルク街歩き

 

雨の日があったり、コロナの懸念もありで、あまり自由には行動できませんでしたが、少し歩いただけでも、美しい建物や広場が素晴らしかったです。

コロナ対策ですでに閉店しているお店も少なくありませんでした。



聖ペトリ教会






ハンブルク市庁舎




 

カフェやレストランにも入りたかったのですが、感染対策のため、ほとんど利用しませんでした。その代わりに、駅構内や街のパン屋さん、スーパーを利用して、いろんなパンやフルーツ、チーズ、時にはテイクアウトのパスタやピザなどを買って食べました。どれも美味しくて十分満足でした。名物のカリーブルストにもチャレンジしました。

 

 

●リューネブルクへ



車窓からの美しい田園風景


 

2回目のオテロの公演がキャンセルになったこともあり、ハンブルク中央駅から鉄道に乗って、リューネブルクへの小旅行に出かけました。お天気に恵まれ、美しい街並みを楽しみました。




リューネブルクの街並みと街のシンボルのクレーン



市庁舎前で行われていたマーケット



美しい広場







石畳の通りと古いレンガ造りの建物。子どものころから想像してきたヨーロッパの街のイメージそのものの美しさでした。内部は現代的に改装されています。






ドイツ滞在中、唯一入ったリューネブルクのレストランで、自慢の自家醸造ビールとともに。

とてもとても大きいシュニッツェル。

 



●ハンブルクのアルスター湖


 

●倉庫街とエルプフィルハーモニー




最近の有名な観光地となったコンサートホール、エルプフィルハーモニー。行ってみたかったのですが我慢して、近くを通っただけ。





貿易の拠点として栄えた港町ハンブルク、その流通を支えた倉庫街です。

赤いレンガ造りの倉庫街が続くなかを運河が通っています。

 

 

●またフィンエアーで成田へ












 

 

●帰国

 



 

とにかく今回は、クーラのオテロを見るのが第一目的であるため、感染防止第一に、いろいろ見て回りたい場所が多いのですが、観光などは最低限におさえ、外食もほとんどしないようにするなど、制限の多い旅となりました。

この時期は、まだドイツ国内ではマスクをしている人もほとんどいなくて、その後のロックダウンが想像できないほどのんびりした感じでしたが、1回だけ、駅近くで通行人から、"I want corona!!"と、アジア系だと私たちを見て声をかけられたことがありました。

5泊7日、ぎりぎりまでキャンセルするかどうか迷った旅でしたが、クーラのオテロを見るチャンスが今後どれだけあるかを考え、また日本政府やEU、ドイツ当局からの情報をふまえたうえで、決行しました。

公演編でも書きましたが、クーラが出演したオテロは、ハンブルク歌劇場がコロナ禍による長期閉鎖になる前、最後の公演となり、本当に奇跡のような夜となりました。

いろいろ制約の多い旅でしたので、美しいハンブルクや北ドイツにはぜひ、また機会をみて旅行したいと思っています。何といっても、ドイツパンの美味しさに惹かれて(笑)。

 

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(公演編)2020年 ホセ・クーラ、ハンブルクでオテロを歌う

2020-03-20 | ハンブルクのオテロ2020

 

 

 

ホセ・クーラは、2020年3月12日と15日の2公演、北ドイツのハンブルク歌劇場でヴェルディのオテロを歌う予定でした。 

しかし急速に世界中に広がった新型ウィルスによる感染対策で、ドイツ政府は屋内では1000人以上のイベントを中止するよう勧告しました。当初は、ハンブルク市当局の方針をふまえて、個別に判断し、対策をしっかりとったうえでの公演続行を表明したハンブルク歌劇場でしたが、ドイツ国内での急速な感染拡大を背景に、3月13日から4月30日までの公演キャンセルを発表しました。  
 
こうした経過をうけて、3月12日のクーラのオテロはぎりぎりで開催され、ハンブルク歌劇場が長期閉鎖になる前の最後の公演となりました。不幸中の幸いというべきか、一公演のみが実現したオテロ、さまざまな人々の思いをうけ、奇跡的な一夜となりました。
 
SNSや劇場のHPなどから、今回のオテロについて紹介したいと思います。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
*劇場HPのオテロ告知ページ。ただし舞台写真に写っているのはクーラではなく、初演時のマルコ・ベルティ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
≪急激に広がった感染対策による劇場閉鎖≫
 
 
 
●クーラのFB
 
日本時間の3/11、現地では10日に更新されたクーラのFB記事です。すでに欧州での感染拡大が深刻化し、ドイツ国内での感染の拡がりもふまえて、確か9日だったと思いますがドイツ政府が、1000人以上集めるイベントを中止するように勧告しました。そういう状況のなかで、多くのファンが心配していることを考慮して、このコメントを出してくれました。
 
 
 
 
”親愛なるみなさん。多くの人たちが状況を考慮して、私がハンブルグでオテロに出演するかどうかを聞いてきている。私は、私たちキャストが皆、ここにいて、ショーをする準備ができていることを伝えて、みなさんを安心させたいと思う。しかし、状況は刻一刻と変化しているため、今後48時間でどうなるかはわからない。だから、警戒を怠らず、最善を尽くそう。 ホセ ”
 
 
 
 
●劇場によるオテロの告知
 
劇場側もハンブルク市当局と相談のうえだと思いますが、いったんは、公演続行を公表。オテロの告知が出され、その時はほっとしたのでしたが・・。
 
 
 
 
 
●公演キャンセルを伝える劇場HP
 
その後、さらに人数にかかわらず、イベント中止を求める当局の勧告が出されたこと、EU域内での感染拡大など、急速な事態の進展を背景に、ハンブルク歌劇場も、3月13日から4月30日までの公演キャンセルを発表しました。前後して、欧州の歌劇場のほとんどが、公演キャンセル、閉鎖をつぎつぎと決めていきました。ドイツ政府の対応、EUの状況、劇場の対応などが、わずか数日の間に急激に変化していった渦中のできごとでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
●オテロ初日の前日3/11に出されたFBでのキャンセル告知
 
 
 
 
 
 
 
≪閉鎖前の最後の公演に≫
 
 
1夜のみでしたが、日々激変する状況のなか、幸いにも実現したクーラのオテロの公演。時期的な偶然とはいえ、ハンブルク歌劇場のつよい意志も感じました。イタリアオペラを特集する企画の一環として取り組まれたものでした。
 
事前に告知されていたキャストからの変更もありました。デズデモーナは、ベテランのストヤノヴァから、若手のアメリカのソプラノ、アイリーン・ペレスに。指揮者も公演直前に、ダニエル・カレガリに変更になりました。新型肺炎対応もあり、落ち着いてリハーサルする時間も十分確保できなかったのではないでしょうか。
 
しかしオテロの公演は大成功、劇場閉鎖前の最後の一夜ということもあって、感動的な公演になりました。
 
 
 
 
●1夜だけとなったオテロの公演を前にーークーラのインスタより
 
 
 
”今夜のオテロの準備中。ハンブルク歌劇場が閉じる前の最後のショー。本当に奇妙で、悲しく感じる。 このトリッキーな瞬間、問題を抱えている皆さんに幸運を。一緒にいて、すぐに再起動する準備を !!! ”
 
 
 
 
 
●クーラがFBでシェアしたカーテンコールのスタンディング・オベーションの動画
 
 
 
”昨日のスタンディングオベーション。 感情的なショー!”
 
 
 
このカーテンコール動画は、ドイツのオペラ雑誌Das Operanglasがアップしたものです。「とても感動的な舞台」とクーラが語ったように、この動画をみるとわかりますが、終演後も拍手が長く続き、最後は大勢の観客が舞台前に詰めかけてスタンディング・オベーション。エキサイティングな公演、素晴らしい出演者への喝さいと、劇場閉鎖前の最後の夜に名残を惜む思いが込められていたように思います。
 
 
 
 
●指揮者のカレガリ氏のツイート
 
 
 
”木曜日は、この悪名高いコロナウイルス(による閉鎖)の前の、ハンブルク歌劇場での最後のオテロの公演だった .... この悪夢がもうすぐ終わることを望む .... 全世界のすべてのアーティストに大きなハグを🙏”
 
 
 
 
●デズデモーナ役アイリーン・ペレスさんのFBより
 
 
 
”ハンブルク歌劇場でホセ・クーラとともに歌うことができたのは、とても名誉なことだった。彼は、舞台上での信じられないほどの芸術性と優雅さで、私が若い歌手として尊敬した最初のラテン系アーティストの1人。 彼のオテロとデスデモーナを歌えることができて、夢が叶った。”
 
 
 
 
 
 
 
 
 
●イアーゴ役アンドレイ・ドバー氏のFBより
 
 
 
”この写真は、「オテロ」公演の後、ちょうど1週間前にハンブルク歌劇場で撮影された。それ以来、世界は急速に変化したが、私たちは再び会って歌うだろう、きっと!”
 
 
 
 
●エミリア役のマリア・クリスティーナ・ダミアンさんのFBより
 
 
 
”昨日、ハンブルク歌劇場で最初で最後のオテロのパフォーマンスがあった。ユニークなホセ・クーラとステージを共有できたことに感謝。非常に驚くべき、理屈抜きの声、そして圧倒的な個性。まさに「Ecco il Leone」”
 
 
*「Ecco il Leone」=「これがライオンだ」ーーオテロは「ライオン=獅子」と称えられた勇敢な指揮官。ただしオテロの物語において、この言葉は、第3幕の終わり、イアーゴが、自らの策略に嵌り、自滅、混乱し倒れ込んだオテロを足蹴にしながら言い放つ。
 
 
 
 
 
●観客のSNSより
 
 
 
 
 
 
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David Wallbruch(@david_wall20251)がシェアした投稿 - <time style=" font-size:14px; line-height:17px;" datetime="2020-03-12T22:00:25+00:00">2020年 3月月12日午後3時00分PDT</time>

 
 
 
 
 
 
 
 
●帰国ーークーラのFBより 
 
 
 
”バックホーム、安全と健全さを! 休息し、たくさんの新しい音楽を作曲する時間 ... みんな元気で。慎重に、注意を。遅かれ早かれ、これらは終了し、私たちは一緒に再起動する必要がある!!!”
 
 
 
 

 

 

感染症対策のため、世界各地で劇場をはじめとする文化施設が閉鎖されています。ニューヨークのメトロポリタン歌劇場では、今シーズン(2019/20年、5月まで)の残りの公演を全てキャンセルし、劇場のオケ、スタッフ、合唱団の歌手らは一時解雇というニュースも流れてきました。日本でも、オーケストラ、文化団体、劇団、フリーランスのアーティスト、技術者など、大勢の方たちに深刻な影響が及んでいるようです。本当に辛い状況になってきました。

フランス、ドイツなどでは、公的助成を充実させるという動きもあるようです。ぜひ、人間のくらしと世界をより豊かに、美しくしてくれる、なくてはならない存在である文化と芸術の担い手のアーティストの皆さんが、権利と尊厳、そして生活が保障されるように、公的な助成の充実をつよく願っています。そして何よりも、一刻も早く、新型感染症が制圧され、事態の収束が図られることを。

さまざまな困難、懸念を乗り越えて、ハンブルク歌劇場の閉鎖前最後の公演、オテロを成功させてくださった、劇場関係者、クーラとアーティストの皆さん、指揮者とオーケストラ、技術者、スタッフの皆さんに、心からのお礼と感謝の思いを伝えたいと思います。ありがとうございました。
 
 
 
 
 
*出演者、関係者等のSNSよりお借りしました。
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(告知編)2020年 ホセ・クーラ、ハンブルクでオテロを歌う

2019-03-27 | ハンブルクのオテロ2020
※3/12 新型ウィルス感染対策ため、ドイツ政府が屋内1000人以上のイベント中止を勧告したことを受けて、ハンブルク歌劇場は、3/13以降の公演をキャンセルすると発表しました。不幸中の幸いというべきか、12日のクーラのオテロは、劇場休止前の最後の公演として実施されることになりました。2回めの15日はキャンセルとなります。

*3/9 デズデモーナは、ベテランのストヤノヴァから、アイリーン・ペレスに交代になったと告知されました。

まだホセ・クーラの公式カレンダーには掲載されていませんが、劇場の2019/20シーズン・プログラム発表で、クーラのオテロ出演が判明しました。
うれしいことに、ドイツのハンブルク歌劇場、来年2020年3月です。
現地在住の方に教えていただいて知ることができました。ありがとうございます!
このプロダクションの初演は2017年で、再演となる2019/20シーズンは、19年10月に4公演、20年3月に2公演が行われます。
クーラが出演する方の3月の2公演は、「イタリアオペラ週間」という位置づけのようです。
Director: Calixto Bieito
Set Designer: Susanne Gschwender
Costume Designer: Ingo Krügler
Lighting Designer: Michael Bauer
Dramaturgy: Ute Vollmar
Conductor: Paolo Carignani
Chor: Eberhard Friedrich
Otello: José Cura
Jago: Andrzej Dobber
Cassio: Dovlet Nurgeldiyev
Rodrigo: Peter Galliard
Lodovico: Tigran Martirossian
Montano: Ang Du
Desdemona: Krassimira Stoyanova Ailyn Perez
Emilia: Nadezhda Karyazina
Orchester: Philharmonisches Staatsorchester Hamburg
Chor: Chor der Hamburgischen Staatsoper
クーラの共演者は、デズデモーナがクラッシミラ・ストヤノヴァ、ブルガリア出身のベテランで、クーラとは、DVDにもなっているリセウや、METのオテロで共演しています。この記事のトップ画像は、2006年のリセウのオテロでのクーラとストヤノヴァです。
イアーゴは、これもベテランでポーランド出身のアンジェイ・ドッベル(アンドレイ・ドバーという表記もありました)です。クーラとは2010年にMETでヴェルディのスティッフェリオを一緒に歌っています。
指揮者のパオロ・カリニャーニ氏はイタリア出身、少し調べたら、クーラとは、ウィーンのトスカで共演した記録がありました。
秋の公演では、オテロがマルコ・ベルティ、イアーゴがマルコ・ヴラトーニャ、ダブル・マルコのイタリア人コンビです。クーラとベルティは、98年にスカラ座のマノンレスコーで共演、ベルティはクーラが演じるデ・グリューの友人役を歌っていました。またヴラトーニャとクーラは、オテロで何回か共演し、プッチーニのエドガールやトスカなどでも共演しています。それぞれベテランでメインを固めたキャストのようですね。
●ハンブルク歌劇場のシーズン発表
ハンブルク歌劇場が2月に発表した来シーズンのパンフレット
こちらはシーズンパンフレットより、オテロのプログラムのページ(パンフのPDFにリンクをはってあります)
●ハンブルクのオテロのプロダクション
2017年初演の比較的新しいこのプロダクション、舞台設定も現代のようで、出演者の服装や装置も現代的です。
オテロはダークスーツを着ているようです。主要キャストはパーティー帰りのようなドレスで、大量のシャンパンがありますが、群衆は粗末な服装、背景には巨大なクレーンや有刺鉄線なども見え、難民キャンプや強制収容所、または工場跡地のような印象があります。どんな演出、テーマなのでしょうか。
劇場サイトに掲載されている画像をいくつかお借りしました。画像や動画のオテロはベルティ、イアーゴはクラウディオ・スグーラ。
劇場サイトにアップされている紹介動画。オテロには動きが少ないような感じがしますが、これ以外に動画は見つからなかったので、実際のところはよくわかりません。
Staatsoper Hamburg - Otello
●ハンブルクとクーラ
ドイツ北部の港湾都市ハンブルクでクーラが初めて出演したのは、2000年のコンサートだったようです。
その翌年2001年にも歌と指揮のコンサートを行い、ハンブルク歌劇場でのオペラは、2003年でした。この時はとてもユニークな公演で、前半にクーラが指揮者として登場してカヴァレリア・ルスティカーナを振り、後半の道化師では、クーラがカニオを歌ったそうです。
そして2004年には、オテロで登場、バルバラ・フリットリと出演しています。
その次は、2016年の西部の娘でした。これは地元のオペラファンが絶賛する素晴らしい公演だったようです。
その時の動画、ジョンソンの「やがて来る自由の日」がアップされています。
 → この時の公演とクーラのインタビューを紹介したブログ記事
José Cura - La Fanciulla del West - Ch'ella mi creda libero
●ホセ・クーラとストヤノヴァ
クーラとストヤノヴァは何度も共演しているベテラン同士。特にオテロでは、前述したスペインのリセウ大劇場でのオテロがDVDになっているので、ご覧になられた方もいると思います。
2013年にクーラがニューヨークのMETでオテロに出演した時も、ストヤノヴァがデズデモーナでした。
何度も共演している2人ですから、2人の相性はばっちりでしょう。
リセウ大劇場の公式チャンネルから、オテロ第3幕の二重唱
OTELLO de Giuseppe Verdi (2005-06)
こちらは2013年METの公演から、第4幕、妻の殺害を決意したオテロ、ラストまでの緊迫の場面を。
Jose Cura , Krassimira Stoyanova "Chi è la?... Niun mi tema" Otello
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ホセ・クーラが一生を通じてそのキャラクターの真実とドラマを追求しつづけているのがオテロです。
円熟し、演技、存在感、解釈の深まりがどんなオテロを見せてくれるのでしょうか。
なんとか現地に行って鑑賞したいと、今から少しずつ準備をすすめてみたいと思っています。
来季からは、ハンガリーの放送文化協会と3年契約を結び、作曲、指揮、歌の新たな挑戦が始まるクーラ。とりわけクーラ自身が脚本から作曲まで手掛けた新作オペラも、来年1月にハンガリーで初演されることが決まっています。
ますます指揮者、作曲家、演出家としての活動の比重を高め、総合的なアーティストとしての充実期にあるクーラは、やむをえないことですが、オペラ出演の回数が大幅に減っています。あと何回、オテロを歌ってくれるのか・・。焦りさえ感じますが、可能なチャンスを生かしてクーラの生の舞台を見に行きたいものです。
多忙な活動のなかでしょうけれど、良いコンディションを維持してくれることを願っています。
ハンブルク歌劇場
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