人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

ホセ・クーラ、ハンガリー放送芸術協会との2020-21年公演スケジュール(コロナ禍で変更あり)

2020-12-14 | ハンガリー放送芸術協会と指揮・作曲・歌 2019~

 

 

今回は、ホセ・クーラの2020年-21年シーズンのハンガリー放送芸術協会との公演スケジュールを紹介したいと思います。今季も、歌手として、指揮者として、作曲家としての、クーラの多面的な才能と魅力が発揮されるユニークなプログラムが3回、組まれています。

しかし大変に残念なことですが、世界的なパンデミック下で、今季の公演予定も影響を免れることはできません。すでに今年10月のコンサートへの出演はキャンセルされてしまいました。また今後の先行きも不透明です。残りの公演が無事に開演することを願うばかりです。

今回は、そういう状況であることを前提に、クーラとハンガリー放送芸術協会とのユニークなコラボレーションの計画として、こういう公演が企画されていたのだということを記録に残しておく意味もふくめて、紹介しておきたいと思います。実際の公演の開催は、直前の状況によって変わり、最終的にどうなるかは現時点ではわかりませんので、ご注意ください。

 → ハンガリー放送芸術協会2020/21シーズンカレンダー(発表当初)

 

 


 

 

 

≪ 歌手としてーーコンサート ”大きな愛、孤独なヒーロー” 2020年10月1日 ≫

(*コロナ禍のため出演キャンセル)

 

シーズンの幕開けは、歌手として、サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」と、ブリテンの「ピーター・グライムズ」から、シーンを抜粋して歌うことが予定されていました。クーラの円熟の歌唱と表現力が味わえるサムソンとグライムズという、とても素晴らしいプログラム。放送も期待されていましたが、コロナ禍のため、ハンガリー当局から入国許可が下りなかったようで、本当に残念なことにクーラの出演はキャンセルになってしまいました。

 

 

●シーズンパンフレットより

 

OCTOBER 1, 2020 | Thursday 19:30 |
“Big Loves, Lonely Heroes”
Tchaikovsky: Romeo and Juliet - Overture
Fantasy R. Strauss: Don Quixote - Fantastic Variations
Saint-Säens: Samson and Delila - details
Britten: Peter Grimes - details
Conductor: János Kovács 

Jose Cura (vocals)
Contributed by Radio Symphony Orchestra and Choir

MÜPA, Béla Bartók National Concert Hall

 

2020年10月1日| 木曜日19:30 |
「大きな愛、孤独なヒーロー」
チャイコフスキー:ロメオとジュリエット-序曲
R.シュトラウス:交響詩『ドン・キホーテ
サン=サーンス:サムソンとデリラ
ブリテン:ピーター・グライムズ
指揮者:ヤーノシュ・コヴァーチ

ホセ・クーラ(ヴォ―カル)
放送交響楽団と合唱団

MÜPA、BélaBartók国立コンサートホール

 

 

●出演できなくなったことを告げるクーラのFB

 

 

”先週、10月1日のコンサートをとても嬉しくアナウンスしたが、今、コンサートへの参加が不可能になるだろうと伝えるのを悲しく思う。
……

実際のところ、我々は懸命に努力し、放送協会は大臣に手紙を書き、私も搭乗できるようにあらゆる種類の検査、健康テストをしたのだが、残念ながら、ウイルスの状況はすべてのEU加盟国でひどく、明日は予定した飛行機に搭乗できず、最終的にブロックされた。
このコンサートは、3月12日から演奏をしていない私をはじめ、私たちの芸術協会のすべての人々の精神にとって非常に重要なものだったので、私がどのように感じているかあなたも想像できるだろう。
一方、私と私の家族はとても健康でいるので、すべてを考慮するなら、私たちは幸運といえるだろう。

この意味で私たちほど幸運ではない人々へ、私からすべての愛を!
私たちは抵抗し続ける。これは遅かれ早かれ終わる...。”

Peace & Love
José

 

 

 

≪ 指揮者として、作曲家として、自身の作曲作品を世界初演  2021年1月27日 ≫

*コロナ禍と大雪による交通遮断等のためキャンセル

 

次の公演は、来年2021年1月27日に予定されています。

クーラは指揮者であり、作曲家としても、自らの新曲を初演します。

指揮するシンフォニーは、ポーランドの現代作曲家グレツキの曲。そしてヴェルディの「聖歌四篇」からのアヴェ・マリアとスターバト・マーテルに加えて、四篇のひとつであるテ・デウム Te Deumをクーラ自身が作曲したテ・デウム(世界初演)に置き換えて構成しています。

会場のリスト音楽院は、11月26日の告知で、今年2020年末まで、観客を入れた公演は行わないとしています。ただし多くのコンサートは、無観客で演奏し、オンラインで放送するとのことです。来年1月のクーラのコンサートがどうなるのか、まだわかりませんし、そもそも渡航できるのかどうかが心配ですが、無事開催されてオンラインで聞けることを願っています。

 

 

●シーズンパンフレットより

JANUARY 27, 2021 | Wednesday 19:30 |
M. Górecki: Symphony No. 3 (Symphony of Sad Songs)
Verdi: Quattro pezzi sacri
- Ave Maria
- Stabat Mater
José Cura: Te Deum
Conductor: José Cura
Wih the participation of the Hungarian Radio Symphony Orchestra , Choir and Children's Choir

Academy of Music Great Hall

 

2021年1月27日| 水曜日19:30 |
ヘンリク・ミコワイ・グレツキ:交響曲第3番『悲歌の交響曲』
ヴェルディ:聖歌四篇 Quattro pezzi sacri
- アヴェ・マリア
- スターバト・マーテル
ホセ・クーラ:テ・デウム
指揮者:ホセ・クーラ
ハンガリー放送交響楽団、合唱団と児童合唱団

リスト音楽院大ホール

 

 

 

≪ 指揮者として、ラフマニノフ交響曲第2番を指揮  2021年3月4日 ≫

 

今季最後は指揮者としてのコンサートです。3月4日。

CDも出しているラフマニノフの交響曲第2番をメインに、リムスキー=コルサコフやムソログスキーの曲など、ロシア、スラブの音楽の夕べとなるようです。

 

●シーズンパンフレットより

 

 

MARCH 4, 2021 | Thursday 19:30 |
Mussorgsky-Rimsky-Korsakov-Borodin: Mlada Suite 
Mussorgsky-Ravel: Pictures at an exhibition
Rachmaninov: Symphony No. 2
Conductor: José Cura
Featuring the Hungarian Radio Symphony Orchestra

MÜPA, Béla Bartók National Concert Hall

 

2021年3月4日| 木曜日19:30 |
ムソルグスキー-リムスキー・コルサコフ-ボロディン:組曲「ムラダ」
ムソルグスキー-ラヴェル:展覧会の絵
ラフマニノフ:交響曲第2番
指揮者:ホセ・クーラ
ハンガリー放送交響楽団

MÜPA、BélaBartók国立コンサートホール

 

 


 

 

これまでの記事で紹介してきましたが、ホセ・クーラは、2019年秋から、ハンガリー放送芸術協会の首席客員アーティスト(Principal Guest Artist)に就任しました。

 → これまでのブログ記事

2019年秋に、まず、ヴェルディ・レクイエムを指揮し、ラジオで生放送されました。次いで2020年1月には、クーラが脚本・作曲・指揮をすべて行った、初のオペラ作品「モンテズマと赤毛の司祭」の世界初演を成功させ、それらの合間をぬって、クーラの作曲作品のレコーディング作業も行われていました。ハンガリー放送芸術協会とのコラボレーションは非常に順調な出発で、今後がますます期待されるところでした。

ところが2月以降、急速に拡大した新型コロナのパンデミックにより、劇場の閉鎖、ロックダウン、国境封鎖などの事態によって、コンサートやオペラの開催自体が困難になるなか、2020年4月に予定されていたクーラの道化師の公演は、残念ながらキャンセルされ、前述のように、続く2020年ー21年シーズン最初の公演もキャンセル。辛い日々が続いています。

ゲストアーティストとして2年目を迎えた今季も、まだまだ多難ではありますが、クーラ自身が健康を維持し、作曲など充実した活動を続けているのは本当にうれしいことです。

クーラをはじめ、世界中のアーティスト、音楽家の皆さんが、健康で、1日も早く活動を正常化できる日が来ることを願っています。

 

 

 

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2019年 ホセ・クーラ、ヴェルディのレクイエムを指揮 with ハンガリー放送交響楽団

2019-11-17 | ハンガリー放送芸術協会と指揮・作曲・歌 2019~

 

 

ホセ・クーラは2019年の秋から、ハンガリー放送芸術協会のゲストアーティストとしての活動を開始しています。すでに紹介しましたが、11月4日に開催されたハンガリー事件犠牲者追悼コンサートで、協会傘下のハンガリー放送交響楽団を指揮し、ベートーヴェンのエグモント序曲、クーラ作曲Modusなどを上演しています。

*その時の様子と動画のリンク → (録画・ライブ放送告知編)2019年 ホセ・クーラ ハンガリー事件の犠牲者追悼コンサートで指揮

そしてクーラが参加した初の本格的なシーズンプログラムとして、11月13日、ブダペストの芸術宮殿(ベーラ・バルトーク国立コンサートホール)で、ヴェルディのレクイエムのコンサートが行われました。

今回は、そのリハーサルや本番の様子、当日インターネットラジオで生中継され、現在もオンデマンドで聞くことができますので、そのリンクなどを紹介したいと思います。

 

 

 ●ハンガリー放送芸術協会のHPより

 

VERDI: REQUIEM - CONDUCTED BY JOSÉ CURA

Müpa - Bartók Béla National Concert Hall

2019-11-13 szerda 19:30

Verdi: Requiem

Artists: Hungarian Radio Symphony Orchestra and Choir
Eszter Sümegi, Erika Gál, Attila Fekete, András Palerdi

Conductor: José Cura

 

コンサート用パンフより(画像に元ページリンク)

 


 

 

 ≪当日の様子≫

当日は、美しいブダペスト芸術宮殿いっぱいに観客が入り、コンサートは大きく成功したようです。クーラはFBで、 "ライブで起こりうる小さなミスはあったが、本当に楽しいパフォーマンスだった"と報告していました。 


●公演の直後のクーラのFB投稿

 

 

●ハンガリー放送芸術協会のFBより

84枚の写真が掲載されています。観客でいっぱいの美しいホール、クーラの指揮姿、終了後、嬉しそうなソリストの様子、共演者を労うクーラの姿など、たくさんです。右上のFマークをクリックすると直接FBで見ることができます。

 

 

 

 

 

 ≪バルトークラジオで生中継とオンデマンド録音≫

 

当日は、ハンガリーのネットラジオ、バルトークラジオで生中継されました。音質もよく、トラブルなく中継されてほっとしました。

いつまで可能かわかりませんが、現在はオンデマンドで聞くことができます。ただし日本とハンガリーは8時間の時差があるために、クーラやハンガリー放送芸術協会がFBでシェアしたリンクは、動作しなくなっているようです。

興味ある方は、少し面倒ですが、下の画像に貼ったリンクから、プログラムページを見てください。

 

①画面の上の方はテレビの番組表、下にスクロールするとラジオの番組表があります。

②並んでいる日付から11月13日をクリックし、バルトークラジオの列を見つけてください。


③バルトークラジオの列を下にスクロールして、19:35のボタンを押して下さい。すると番組説明と黄色いバナー(「ラジオを開始」とハンガリー語で書いてある)が現れます。


④黄色いボタンを押すと、次のようなプレーヤーが新しいウインドゥで現れます。自動的に開始します。

↓ ご覧のように、すでに時間がずれていますし、番組名も別のものになっていますが、大丈夫です。このまま聞いてください。

初めは男性の解説の音声がしばらく続き、拍手、チューニングの音と重なります。3分過ぎくらいに拍手が大きくなり、4分半過ぎくらいから始まります。

ここで注意していただきたいのは、一時停止、ストップのボタンを押したり、飛ばすためにバーを動かすと、なぜか再度、再生した時に別の番組になってしまうことです(!)。たぶん時差の関係だと思うのですが、とにかく一度聞き始めたら最後まで聞き続けなければなりません(笑)。もし良い解決方法をご存知の方がいらしたら、ぜひ教えてください。

まずは一度、録音してから聞くことをおすすめします。音質はとても良好だと思います。また直接リンクを張ると、そのリンク先がまた別番組に切り替わってしまうため、ご面倒ですが、バルトークラジオの番組表から聞いていただくのが一番確実のようです。

 

 

 

≪リハーサルの様子≫

●ハンガリー放送芸術協会のFBに掲載されたリハ風景

ジェネラル・リハーサルのようです。この時期、ハンガリーでも気温が下がっていると思いますが、相変わらずクーラは半袖Tシャツ一枚です。

 

 

●ハンガリーのテレビM5で放送されたニュース動画、クーラのショートインタビューとリハ風景

こちらはテレビのニュース動画で、リハーサルの様子、クーラのインタビューが収録されています。ハンガリー語通訳が被さり、聞き取りにくいです。

 

 

≪インタビュー動画≫

同じくテレビM5のインタビュー番組にクーラが出演した際の録画です。約8分くらいで、とても画質が良いです。

リラックスした雰囲気で、今回のレクイエムのことやハンガリーとの協力のこと、また来年のクーラ新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」のことなども語っているようですが・・。クーラは英語、ところがこれも、ハンガリー語の通訳音声が被さって、残念ながら、ほとんど何を言っているのか聞き取れません。せめて英語の字幕でもあれば助かりますが、興味深いインタビューだけに本当に残念です。

 

 

 

≪以前の録音、動画より≫

クーラはこれまでもヴェルディのレクイエムを指揮しています。ただしテノールとして全曲歌ったことは、私の調べた範囲ではないように思われます。その代わり、テノールの有名なソロ"Ingemisco" をローマの教会でのリサイタルで歌った動画があります。本当に美しく、魅力的な歌唱です。

 

●クーラ指揮 2008年 VERDI REQUIEM :"LIBERA ME.."  live recording 2008.feb

 

●クーラ独唱 1999年 VERDI REQUIEM :"Ingemisco" 1999 

 

 


 

ホセ・クーラがハンガリーで指揮したヴェルディのレクイエム、動画はありませんが、美しい写真とラジオ放送で見聞きすることができて、本当にうれしかったです。

あらためて、久しぶりに聞いたヴェルディのレクイエム、あちこちにアイーダやドン・カルロ、リゴレットなど、ヴェルディの傑作オペラを想起させるメロディが沢山あります。美しく、切なく、時に雄弁、怒り、悲しみ、嘆き、祈り・・あらゆる感情が音楽で表現されています。そして最後は、デズデモーナの祈りから、つながっていく、まるでオテロの死。全編にわたり、ヴェルディの描く人間ドラマそのものです。ヴェルディのドラマティックな役柄のプロフェッショナルとして活動してきたクーラが指揮するには、本当にぴったりだと思いました。

私には、正直なところ指揮の良し悪しは良く分からず、評価することはできませんが、情熱的で、よく歌い語るヴェルレクだったと思います。ドラマティックに人間的な感情にあふれ、ダイナミックで、そして温かみを感じます。もしかすると、きっちり構築された精緻な演奏を求める人、宗教曲としてのスタイルを重視する方には向かないかもしれません。しかし私にはクーラ指揮の今回の演奏は、クーラがアーティストとして長年追求、探求してきた、ヴェルディの人間ドラマを凝縮したもののように思いました。

この秋から始まったホセ・クーラとハンガリー放送芸術協会とのコラボレーション。すでに2回のコンサートが、動画とラジオでそれぞれ生中継され、オンデマンド視聴もでき、ファンにとって本当にありがたいことです。またクーラは、自身が作曲したオラトリオ「この人を見よ」を、同時並行でレコーディングしています。クリスマス頃には、何らかの形でリリースされるようです。当初の告知では、クーラ指揮、テノールにラモン・ヴァルガス、メゾにカサロヴァという国際的なキャスティングのようです。やはり、ラジオ、テレビ、オーケストラ、合唱団を傘下におくハンガリー放送芸術協会とのコラボは、これまでクーラがチャレンジしたくてもできなかったことを次々に実現させるチャンスとなっているように思います。もしかすると、来春のクーラ作曲の新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」も、何らかの形での放送が期待できる?!かもしれません。楽しみです。 

 

*画像は、クーラや主催者のFB,HPなどからお借りしました。

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(録画・ライブ放送告知編)2019年 ホセ・クーラ ハンガリー事件の犠牲者追悼コンサートで指揮

2019-11-05 | ハンガリー放送芸術協会と指揮・作曲・歌 2019~

 

 

*11/5 録画リンクを追加しました!


終了後、割とすぐに録画がアップされました。クーラがFBで録画リンクを紹介してくれました。
いつまで見られるかわかりません。また、回線の状況によっては、途切れ気味かもしれませんのでご了承ください。
 
 
 
曲目の順番は以下

1、ホセ・クーラ:Modus 
2、リスト:2つの伝説
3、ベートーヴェン:エグモント-序曲
 
 


 
 
この秋から、ハンガリー放送芸術協会の客員アーティストとしての活動がスタートするホセ・クーラ。上海の10月20日のコンサートを終えると、すぐにハンガリー入りして、コンサートのリハーサルやレコーディングの準備の活動をすすめています。それらについては、また別の記事で紹介したいと思います。
 
今回は、こうした今シーズンの活動のはじめとして、ハンガリー・ブダペストの聖シュテファン大聖堂で本日(2019年11月4日)、クーラが指揮するコンサートについての緊急のお知らせです。
 
ハンガリーのインターネットTV・M5で、ライブ中継されることが決まりました。
現地時間で、今晩(!)11月4日(月) 午後6時~7時、日本時間では、5日(火)の2時(深夜)です。
生中継後、オンデマンド放送されるかどうかはわかりません。

→ 録画


このコンサートは、1956年のハンガリー事件(ハンガリー革命、ハンガリー動乱などとも)とよばれる出来事を記念し、そのすべての犠牲者を追悼するためのコンサートということです。当時、旧ソ連によってソ連型の政治経済、社会体制をおしつけられていたハンガリーで、ソ連による政治的支配と抑圧、そのもとでの政府の支配に反対して、多くの市民が立ち上がりました。それに対しソ連が軍事介入し、弾圧、大勢の市民が犠牲になったのがこの事件です。
 
会場は、ブダペストのカトリック教会で非常に美しい聖ステファン大聖堂です。無料で事前申込制だったようですが、すでに満席となっているそうです。コンサートの後、聖ステファン広場にろうそくの明かりが灯されます。


放送は、日本時間だと夜中の2時からの1時間の予定です。しかも今日、あと数時間後ということですので、視聴の条件はきびしいと思いますし、ネットの通信状況によっては、日本からきれいにみられるかどうか、不安もあります。
 
また、開始が若干開始が遅れるかも(数分?)という情報が、クーラのFBに掲載されました。


”今日の午後6時の記念コンサートは生放送されるが、少し遅れる。彼らは、それは技術的な理由のためで、ほんの数分だけと言っている。もし18:00に何か他のものが表示されていても心配しないで。我慢して!”


さらに不安が増しましたが(笑)、もし興味をお持ちの方がいらしたら、以下の画像から、M5TVにリンクを張っていますので、お試しになってみてください。なお、クーラは指揮者で、歌は歌いません。

ネットTVの画面右上のEloのマークがライブ放送のボタンです。そこからM5を選んでください。


 



 


≪プログラム≫


2019年11月4日月曜日
喪の日
18:00 聖シュテファン大聖堂での記念コンサート
 

ベートーヴェン:エグモント-序曲
リスト:2つの伝説
ホセ・クーラ:Modus
 
ハンガリー放送交響楽団と合唱団
ホセ・クーラ指揮

 



●ハンガリーのネットテレビ、M5TVで生放送 日本時間5日(火)深夜2時~3時(開始が若干遅れる可能性あり)
 (画面右上、Eloの紫のボタンをクリックし、M5を選んだください)
                                                                                                          

 
 
●会場 ブダペストの聖シュテファン大聖堂
 
 
 
  


●聖シュテファン大聖堂のコンサート告知ページ
 
 
 
 
 
●プログラムの紹介(コンサート告知報道より)
 
ベートーベン:エグモント 序曲

エグモント序曲は、エロイカなど、ヒーローに焦点を当てたベートーヴェンの交響曲の一連の作品に続いている。
ゲーテのエグモントは、自由の英雄であり、外国人の抑圧に対抗して人々の側に立ち、そのために王によって処刑される理想的な騎士。
 
ホセ・クーラ:Modus
 
プラハで初演されたModusは、チェコの首都プラハ、より具体的には中世のプラハに触発された作品。作曲は一種の長い瞑想であり、主旋律が何度も繰り返され、繰り返されるたびに各クライマックスに到達する一種のマントラ。その後、作品はゆっくりと下降し、2本のフルートの柔らかい息で終わり、音楽のモチーフを反映する。
 
リスト:2つの伝説
 
1860年代初頭に作品が生まれ、おそらく1863年に2つの作品が完成した。当時ローマに住んでいた作曲家が、教会のために作った。彼は人前でピアノを弾かず、世俗的な仕事を書かなかった。彼の理想はもはや英雄ではなく、慈悲を具現化した敬虔な聖人たちだった。聖エリザベス、アッシジの聖フランシス、または彼の守護聖人であるパオラの聖フランシス。
 
 
 
●クーラによるFBでの告知 

 

●クーラがシェアした、ハンガリー放送芸術協会のFBでの告知

 

”月曜日11月4日に、1956年のハンガリー革命のすべての犠牲者を追悼する記念コンサートがM5チャンネルでデジタルライブ配信されることを、マエストロ・ホセ・クーラのすべてのFBフォロワーにお知らせできることは、私たちにとって喜びです。マエストロ・クーラは、このコンサートシーズンから始まるハンガリーの放送芸術協会のメインゲストアーティストです。彼はハンガリー放送交響楽団と合唱団を指揮します。”

 


 

 

いよいよクーラとハンガリー芸術文化協会との本格的なコラボレーションが始まりました。

続いて11月中に、ヴェルディのレクイエムを指揮するコンサートが開かれ、またクーラ作曲によるオラトリオの録音も行われます。来年1月は、クーラが作曲した初のオペラ「モンテズマと赤毛の司祭」の世界初演(コンサート形式)も実現します。

今回のコンサートがライブ生中継されるというのも、とても幸先がよいことで、今後がとても楽しみです。

自由を愛し、公正な世界を求めることを芸術活動においても信条としているクーラ。今回のハンガリーのコンサートも、”社会主義”を名乗る旧ソ連が、自由と民主主義を求める他国民を軍隊を派遣して踏みにじるという衝撃的な、世界史上の大事件であったハンガリー事件の犠牲者を追悼するもので、母国で軍政を経験しているクーラにとっても、深い思いがあるのではないかと思います。

今後、クーラがかつて作曲した、フォークランド戦争の犠牲者追悼レクイエムも、ついに初演が実現することとなりました。独立したアーティストとして、商業主義におもねず、多面的な芸術の道を開拓してきたクーラ。ハンガリー放送芸術協会との協力関係で、長年の夢をひとつひとつ実現し、さらに新しい展開にむかうことが期待されます。

 

 

 

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(告知編)2020年 ホセ・クーラ脚本・作曲の新作オペラ、リスト音楽院で初演へ――ハンガリー放送芸術協会初の首席客員アーティストに

2019-02-22 | ハンガリー放送芸術協会と指揮・作曲・歌 2019~





ラフマニノフの交響曲第2番のリマスター版リリースの情報に続いて、また大きなニュースが飛び込んできました。

2月20日に記者会見して発表されたことですが、ホセ・クーラは、この秋から3年間、ハンガリーの放送芸術協会の首席客員アーティスト(Principal Guest Artist)として活動する契約を結んだそうです。

ハンガリー放送芸術協会は、ハンガリー放送交響楽団や合唱団、児童合唱団などを傘下にもつ団体とのことです。クーラは、指揮者として、作曲家として、そして歌手として、オケや合唱団などとともに、つよい協力関係のもと、さまざまな音楽活動をすすめることになります。

そして大きな目玉のひとつは、来年2020年1月に、ブダペストのリスト音楽院(音楽アカデミー)で、クーラが脚本を書き、作曲、オーケストレーションした新作オペラの初演が決まったことです。

記者会見とインタビューの報道記事と、そこからざっと読み取れたことを紹介したいと思います。




≪最初の首席客員アーティストに――ハンガリー放送芸術協会のHPより≫ 





"José Cura is the first permanent guest artist of the Hungarian Radio Art Association"




――ホセ・クーラは、ハンガリー放送芸術協会の最初の首席客員アーティストです

2019年2月20日、ハンガリー放送芸術協会のマネジメントディレクター、GézaKovácsは、2019年9月から、世界的に有名なアルゼンチンのオペラ歌手、指揮者であり作曲家であるホセ・クーラが、ハンガリー放送芸術協会の最初の首席客員アーティストであると発表しました。

ハンガリー放送芸術協会(MRME)とホセ・クーラとの間の契約は、2019/20年のコンサート年度から締結されました。このコラボレーションは、MRMEのマネジメントディレクターであるGézaKovácsと、有名な作曲家、指揮者、オペラ演出家、セットデザイナーである有名なオペラ歌手ホセ・クーラの芸術的なスキルを、できるだけハンガリーの人々に紹介するという意図で署名されました。このイニシアチブでは、ホセ・クーラは、ハンガリー放送交響楽団、合唱団と子どもたちの合唱団との価値あるパートナーになります。

ホセ・クーラは、2018年にコンサート「ホセ・クーラの音楽的世界」の制作においてハンガリー放送芸術協会と共同作業を行いました。そしてコンサートの後、プロフェッショナルな協力に非常に満足したので、共同作業を続けるための交渉はすでに進行中でした。今日署名された合意は、それ以来存在していた関係の成果です。

秋から始まるコンサートシーズンの間、ホセ・クーラは、芸術宮殿(Müppa)でヴェルディのレクイエムを指揮し、彼自身のオペラ - MontezumaとHeroic Priest - を音楽アカデミーでステージ形式で初演上演します。歌手としては、レオンカヴァッロの道化師のカニオの役で、ハンガリーの聴衆は彼を見ることができます。





≪クーラがFB上で報告≫




クーラの文の下に、ハンガリーでのメディアの報道リンクがたくさんついています。



≪この秋からの活動内容について≫


報道や協会のHPから、この秋からはじまる2019/20シーズンのクーラとの活動は、以下のような内容が計画されているようです。


●ヴェルディのレクイエムを指揮

クーラ指揮、ブダペスト音楽宮殿・Müpa  2019年11月13日 

●クーラ作曲の3作品、オラトリオ「あの人を見よ」、「Modus」、「マニフィカト(Magnificat)」のCD録音   

2019年11月    
キャスト 
ソプラノ= Elisa Balbo,  メゾソプラノ=ヴェッセリーナ・カサロヴァ Kazarova mezzoszoprán,  
テノール=ラモン・ヴァルガス Ramón Vargas , バス ニコラス・テステ=Nicolas Testé

●クーラ脚本・作曲の新作オペラ「Montezuma és a rőthajú pap」の世界初演 

コンサート形式 2020年1月19 29日(失礼しました、19は間違いです) リスト音楽院 音楽アカデミー

表題は「モンテズマとろくでなしの司祭」というような意味でしょうか?
 → 正しくは「赤毛の司祭」でした。失礼しました。ヴィヴァルディはその髪色から「赤毛の司祭」と呼ばれていたそうです。
オペラの内容は、作曲家ヴィヴァルディ、スカルラッティ、ヘンデルの出会いと、彼らの間の会話などをもとにした喜劇だということです。「モンテズマ」は、2002年に発見されたヴィヴァルディのオペラの題名で、同名のアステカ王とスペインの征服者の確執をテーマにした作品だそうです。
クーラは指揮でしょうか?まだ詳細は発表されていません。

●レオンカヴァッロ「道化師」 

クーラはカニオ役で出演 2020年4月21日 ブダペスト音楽宮殿・Müpa

●コンサートツアー

ブダペスト放送交響楽団とともに、ドイツ、スロベニア、オマーンなどのツアーにクーラも同行する計画があるようです。日程は未公表です。




≪ハンガリーでの記者会見の様子≫







記者会見の中継動画。全体は20分超で、クーラの発言は13分過ぎから。クーラが英語で話し、ハンガリー語の通訳が続きます。




クーラの就任を伝えるハンガリーのニュース動画  ↓画像をクリックするとニュース動画のページにリンクしています。
会見場に入る様子から、クーラのミニインタビュー、2016年にハンガリーのジュールでヴェルディのオテロを指揮した時のリハーサルなども入っています。





この数年来、ハンガリーでの音楽活動が多く、協力関係を深めてきたうえに、今回のとても素晴らしい首席客員アーティストの契約です。
昨季まではチェコのプラハ響のレジデントアーティストとして、そして今年からは、フランスのミュルーズ交響楽団との協力アーティストに加えて、今回のハンガリー放送文化協会との共同の場です。

今回はとりわけ、チャレンジングなプログラムが組まれています。
何といっても、クーラがここ数年、脚本から取り組んできた新作オペラの初演が可能になったこと、そしてクーラの作曲作品がCD録音されるというのは、画期的です。
もともと指揮者、作曲家志望であり、多面的なアーティストとして努力と研鑽を積んできたクーラにとって、本当に大きな新しいチャンスです。夢を一歩一歩、実現させてきたことに、ファンのひとりとして、心からのお祝いを伝えたいと思います。
このハンガリー放送芸術協会との3年間の協力関係を通じて、作曲家、指揮者としてのクーラの活動が、またひとつ大きく、開けてゆくことになりそうです。




*画像は協会のFB、HPなどからお借りしました。

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