長岡京エイリアン

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美人妻と低予算で行くハリウッド版パノラマ島奇譚  映画『ジュラシック・パーク3』

2013年12月27日 22時14分24秒 | 特撮あたり
映画『ジュラシック・パーク3』(2001年7月公開 アメリカ 93分)

 『ジュラシック・パーク』(1993年)、『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』(1997年)に続く、シリーズ第3作である。
 シリーズの前2作が「マイケル=クライトンによる SF小説の映画化」という形をとっていたのに対し、この作品では基本的に映画オリジナルのストーリーが展開されている。また、「自然への畏怖を忘れた人間の傲慢」といった哲学的テーマも薄れ、家族向けの娯楽作品としての色あいが強くなっている。監督も前2作のスティーヴン=スピルバーグから、ILM の特殊効果スタッフ出身のジョー=ジョンストンに代わった。
 物語は、クライトンの原作小説2部作の恐竜活躍シーンのうち、映像化されていなかった部分を継ぎ合わせた形で進行する。原作第1作で執念深く主人公らを追跡した T-レックスの役割は、本作ではスピノサウルスが担っている。ただし、人間が「神の真似事」をすることへの批判精神は、原作小説および先の映画版2作から引き続き受け継がれ、主人公は再び第1作のアラン=グラント博士となった。
 映画版第1作でフェミニズム的性格の強い女性として描かれたサトラー博士は、本作ではアメリカ国務省のエリート官僚の妻となっているが、かつての同僚だったグラント博士との親交は続いている。
 総製作費9000万ドル、世界での興行収入は3億6880万ドルだった。

 その後、シリーズ全3作のプロデューサーであるキャスリーン=ケネディは、2009年製作予定でシリーズ最新作となる『ジュラシック・パーク4』の準備を進めていたが、原作者のマイケル=クライトンが2008年11月に死去したことにより、「彼の死は、もうシリーズに手を出すのはやめよう、というサインなのかもしれない。」と発言して続編製作から手を引き、今後も製作されない可能性を示俊している。


主なスタッフ
監督 …… ジョー=ジョンストン(51歳)
脚本 …… アレクサンダー=ペイン(40歳)、ジム=テイラー(38歳)
製作総指揮 …… スティーヴン=スピルバーグ(54歳)
特殊効果 …… スタン=ウィンストン(55歳 2008年没)
VFX  …… インダストリアル・ライト&マジック( ILM)


主な登場人物
アラン=グラント博士 …… サム=ニール(53歳)
 古生物学者。8年前のジュラシック・パーク事件(第1作)の当事者の一人だった。本作では、カービー夫妻の依頼でサイトB(イスラ・ソルナ島)を訪れる。
 イスラ・ヌブラル島の事件によって注目を浴びているものの、ヴェロキラプトルが独自の言語を用いて意思疎通を行っているという自説で学界から失笑を買っており、研究費に困窮している。ジュラシック・パークの恐竜は、カエルの遺伝子を元に「再現」されたものであって研究対象にはならないと考えており、「天変地異が起ころうとも絶対にもう恐竜の島へは行かない。」と断言していた。が、カービーが提示した巨額の報酬につられて、着陸しないという条件でイスラ・ソルナ島上空へのフライトに同行する。
 ジュラシック・パーク事件と前後して恐竜に対する考えが変わったらしく、著作の内容も変化したという。本人いわく、「事件前は私も恐竜が好きだったが、喰われかける前と後では違う。」とのこと。そのため、第1作のように、恐竜に積極的に好奇心を見せるような行動は少ない。パークを作った人間の行動を「神の真似事」と評して嫌悪している。

ポール=カービー …… ウィリアム=H=メイシー(51歳)
 カービー・エンタープライズの社長を名乗る男。本人いわくアウトドア派で、グラント博士にサイトBのガイドを依頼する。
 しかし、その正体は小さなタイル塗装屋の主人。アウトドア派というのも嘘で、実際にはカラコルム山脈のK2山の標高すら知らない。サイトBで行方不明になった息子エリックの捜索を現地警察やアメリカ政府に拒否されており、自力で探すために、グラント達を騙して小型飛行機で島を訪れる。しかし、グラントがサイトBを訪れたことがあると勘違いしていた。

アマンダ=カービー …… ティア=レオーニ(35歳)
 ポールの離婚した元妻。ポールと共に、グラントにサイトBのガイドを依頼する。

エリック=カービー …… トレヴァー=モーガン(14歳)
 カービー夫妻の息子。物語の2ヶ月前に、サイトB上空でパラセーリングに行って消息不明になる。
 インジェン社が遺した施設と非常食を頼りに、単身で2ヶ月もの間生き残っていた。ヴェロキラプトルの群れに囲まれたグラントをガス手榴弾を用いて救ったり、小型の肉食恐竜を避けるために T-レックスの小便を回収するなど、たくましい活躍を見せる。グラントと気が合う。

ビリー=ブレナン …… アレッサンドロ=ニヴォラ(29歳)
 グラント博士の助手。グラントと共にサイトBを訪れる。
 研究のためにヴェロキラプトルの卵を勝手に回収し、一行を危険に晒してしまう。そのことを知ったグラントは、「ここ(サイトB)を造った連中と何ら変わらない。」と糾弾した。中盤、エリックを救うためにプテラノドンの群れの中に飛び込み彼を救うが、自らはプテラノドンに追い立てられながら姿を消す。しかし終盤で、重傷を負いながらもグラント達と共に救出された。パラグライダーが得意で、かつて命を救われた古いバッグをお守りとして大事に持っている。

エリー=デグラー(旧姓サトラー)…… ローラ=ダーン(34歳)
 グラント博士の親友。もと古植物学者で、8年前のジュラシック・パーク事件(第1作)の当事者の一人だった。現在でもアランとの親交は続いているが、アメリカ国務省のエリート官僚と結婚しており、2人の幼い息子がいる。

ユデスキー …… マイケル=ジェッター(48歳 2003年没)
 サイトBに行くためにカービー夫妻が雇った男。飛行機の操縦を担当する。銃は持っているが戦闘は専門外。ヴェロキラプトルに襲撃され、他の人間をおびき出すための罠に使われたうえで殺された。

クーパー …… ジョン=ディール(51歳)
 サイトBに行くためにカービー夫妻が雇った男。銃撃のプロらしい。飛行機内でサイトB着陸に激しく抗議したグラント博士を殴って気絶させる。着陸後にスピノサウルスの襲撃を受けジャングルの中で応戦するが、全く歯が立たないまま捕食され死亡し、最初の犠牲者となる。

ベン=ヒルデブランド …… マーク=ハレリック(?歳)
 2ヶ月前にエリックとともにサイトB上空でパラセーリングをした男。アマンダの新しい恋人だった。エリックと共に島へ降下し、木に引っかかったところまではビデオカメラの映像で生存が確認される。しかし、何らかの理由で降りることができず、木からぶら下がったまま死亡し、ミイラのような遺体となって発見された。

マーク=デグラー …… テイラー=ニコルズ(?歳)
 エリーの夫。アメリカ国務省に勤務しているエリート官僚。


登場する恐竜・翼竜

トリケラトプス(体長9メートル)
 前2作に続いて登場した。本作で初めて群れで行動する姿を主人公たちに目撃されるが、遠景のみの登場で特に物語に絡むこともなく、これまでにも増して存在感がうすかった。

コリトサウルス(体長10~13メートル)
 本作で初登場した大型草食恐竜。体型も習性もパラサウロロフスによく似ているが、頭部の突起の形状が異なる。主人公たちが群れの中に乱入したために混乱する。

ステゴサウルス(体長7~9メートル)
 前作に続いて登場した。群れで行動する姿を主人公たちに遠景で目撃されるのみで、特に物語に絡むことはなかった。

パラサウロロフス(体長10~13メートル)
 前2作に続いて登場した。第1作のように群れで行動する姿を主人公たちに遠景で目撃されるのみで、特に物語に絡むことはなかった。

ブラキオサウルス(体長25メートル)
 第1作に続いて登場した。本作では群れで活動する生態が強調され、特にリーダーと目されるオスの個体も確認されている。

スピノサウルス(体長15~18メートル)
 本作で新たに登場した大型獣脚類で、肉食恐竜では最大の体長を誇る。前2作では最強の恐竜だったティラノサウルスさえも凌駕する戦闘力を持つとされ、本編中でも両者の格闘が描かれる。
 ただし現在、スピノサウルスは魚食と推定されており、本作で見られるような獰猛な性格は疑問視されている。これは、シリーズを通して学術的な立場から助言をしている古生物学者ジャック=ホーナーが、ティラノサウルスを戦闘能力の低い腐肉食性の動物と考えているためのバランス策であるが、実際にはホーナーの言うように、身体のサイズだけがその動物の強さを示すわけではない。本作の製作・公開時にスタッフや俳優が、「スピノサウルスは腕が大きく、鋭い爪を持っているので T-レックスよりも強い。」といった内容のコメントをしているが、実際のスピノサウルスの腕は本作で描写されるほど大きくはない。
 古生物や恐竜への造詣が深い SF研究家の金子隆一は、本作の日本版パンフレットの中で「実際はティラノの圧勝」と解説している。のちに、日本のアニメ映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』でも T-レックスとスピノサウルスの対決は見られたが、ここでは金子の主張どおりの結果に終わった。

ティラノサウルス・レックス(体長11~13メートル)
 前2作に続いてシリーズ共通の強敵として登場するが、本作では「最強」の座をスピノサウルスに譲り、出番も少なくなっている。

ヴェロキラプトル(体長2メートル)
 前2作に続いてシリーズ共通の強敵として登場し、特に本作では、独自の言語のようなものを駆使して統制のとれた集団活動を行う高い知性が強調されている。
 映画製作当時、ヴェロキラプトルの化石から羽毛状の痕跡が発見されたため、本作のヴェロキラプトルの一部の個体には、頭に毛が生えているという変化が見られる。また、メスしか飼育されなかったイスラ・ヌブラル島のジュラシック・パークと異なり、サイトBでは恐竜が自然繁殖していることから、本作のラプトルでは雌雄の差もカラーリングやデザインによって区別されている。

コンプソグナトゥス(体長0.7~1.4メートル)
 前作『ロスト・ワールド』では「トリアシクス」という架空の種名で登場し、集団で人間を襲う獰猛な小型肉食恐竜として描写されていたが、本作では昆虫を捕食しながら移動する姿しか見られなかった。ただし、サイトBで2ヶ月生活したエリックがこの種を強く警戒していることから、コンプソグナトゥスが危険な存在であることに変わりはないと思われる。

アンキロサウルス(体長5.5~10.7メートル)
 本作で初登場した大型草食恐竜。群れで行動する姿を主人公たちに遠景で目撃されるのみで、特に物語に絡むことはなかった。

プテラノドン(翼長7~9メートル)
 本作の中盤に群れで登場し、サイトBの「翼竜飼育ドーム」跡地で主人公たちを執拗に追い回す脅威となった。

ケラトサウルス(体長4.5~6.0メートル)
 本作で初登場した中型肉食恐竜。グラント博士らが衛星携帯電話を回収するためにスピノサウルスの糞をあさるシーンに数秒間だけ登場した。ここでのケラトサウルスの外観は、同じく登場するティラノサウルスのデータをもとに造形されたと思われるが、実際のケラトサウルスは骨格に厚みがなくより華奢であり、両目も顔の前方を見るようには付いていない。




《ティア=レオーニはいいよな~♡  あぁ、途中。》

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