長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

あれから10年……時は来たれり!!ぬらっと再始動 ~ぬらりひょんサーガ 第38回~

2021年07月25日 13時42分26秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
 いや~、今日もあっちいっすね! みなさま、酷暑にもめげず、お元気でやってますか? そうだいでございます~。
 東京オリンピック、始まりましたね! 始まってしまいましたね……無論のこと、実際に世界レベルの真剣勝負が繰り広げられれば盛り上がることは確実なのでしょうが、それにまぎれて、そこにいたるまでの苦~い教訓の数々を忘れては絶対にいけないと思います。だいたい感染者数だって落ち着いてないんだし、いくら開放的についついなりがちな真夏だからといって、ゆるんじゃいかんものはいかんと! 外に出たって汗かくばっかりなんだもんね、おうちの中で応援しながら、ゆったりと過ごす夏にしましょうかね。

 外出といっても、映画もなんか、是非とも観たいなぁ~ってのが最近なくてねぇ。『ゴジラ VS コング』も観なきゃいかんとは思っているんですが、私ど~も、あのゴジラが感情豊かになってるノリが好きじゃないんですよ。ほんと、マンガチックに「ワシが地球を守らな!」みたいな義務感に燃えているアツい怪獣王ってのが、なんかね……もちろん、それもれっきとしたゴジラの伝統的な「顔」のひとつなのはよくわかるのですが、『ゴジラの逆襲』(1955年)の「いっさいのコミュニケーションを拒否する狂犬ゴジラ」が大好きなわたくしといたしましては水が合わず。まぁ、そうこう言ってもいつかは観に行くんだろうけれども、今すぐってほどじゃないんだな。

 そして、映画といえばもうひとつ気になるのが、今回の記事にもつながる、間もなく封切りの『妖怪大戦争 ガーディアンズ』ですよ。
 言わずと知れた三池崇史監督による、2005年公開の神木隆之介主演のお祭り映画『妖怪大戦争』の続編だそうですが、さぁ、今回のアップデートはどうなることやら。
 2005年版は、わたくし的には「荒俣宏原作」、「加藤保憲復活(嶋田さんじゃないけど)」、「クリーチャーデザイン韮沢靖」、「大映妖怪映画復古」、「川姫がともかくエロい」、そして「大スクリーンで謹聴する水木センセイのありがた~いお言葉」というトピック満載で非常に楽しめたのですが、今回の2021年版は、妖怪大翁なき今、果たしてどこまで当時のテンションに肉薄できるのか……地味に、8月13日の公開に合わせて2005年版がテレビ放映できるのかどうかも気になりますよね。作品は絶対におもしろいんですが、大人の事情が、ほら……
 それにしましても、なにはなくともこの『ガーディアンズ』に関して私が声を大にして叫びたいのは、ただひとつ!

なんで、親父のほうがぬらりひょんを演じてくれないんだよォオオ!!

 いやいや、「ぬらりひょん役に大森南朋」って……違うだろー!! そこは麿さんでしょ! 麿さんでしょ! 麿さんでしょー!!
 「高齢のため体調を考慮した」とは言わさんぞ! 『ルパンの娘』を見てみい、あんなに生命力に満ちあふれた78歳がいるか!!
 キャラクター上、島津惟新入道義弘がドはまり役というほどにバーバリー&超硬派の麿さんよりも、ヒョロっとして頼りなさそうな大森さんのほうが「大映調ぬらりひょん」に合っているのでしょうが、そこは麿さんのぬらりひょんが観たかったなぁ~。まぁ麿さんには、いつの日か実写版『ゲゲゲの鬼太郎』で正真正銘、悪の親玉でありながらちょっぴりコミカルなドジっ子要素もあるアニメ第3期風ぬらりひょんを演じていただくことにいたしましょう。絶対、ハマる!!

 思い起こせば、私が愛してやまない大妖怪ぬらりひょん様への愛が高じて、マンガ『ぬらりひょんの孫』のレビューのつもりが、あれよあれよという間にぬらりひょんそのもののイメージ変遷の歴史を江戸時代からたどるというロング企画『ぬらりひょんサーガ』を、我が『長岡京エイリアン』にて30回以上にわたってやらかしてから、はや10年近くの歳月が経ちます。
 10年近く前、すなはち2011年の秋の段階までのぬらりひょん史を、なんとかアホはアホなりに納得のいくまでほじくり返し、2013年にはマンガ『ぬらりひょんの孫』の最終回までを通観したあれこれをまとめたわけだったのですが、それ以降もおぬら様のアグレッシブな進化は止まるはずもなく、様々な媒体での多彩な活躍は続きました。

 そしてついに、今年の『ガーディアンズ』公開をもって、アニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』での活躍、『鬼太郎』以外のメディア作品へのゲスト出張に加えて「実写映画への出演」というカードが揃いましたので、満を持して『ぬらりひょんサーガ』の最新アップデートをやろうじゃないかという運びとあいなりました。
 ほんとは、これに加えて新しいぬらりひょん主演作品が世に出て大人気になるくらいのムーブメントがあったら申し分なかったのでしょうが、まぁ欲は言えませんよね。去年になんか話題になってた『ぬらりひょんの棲む家』は、あれサスペンスミステリーだもんなぁ。

 ということで、一回止めたエンジンを再びブルンブルンと再起動させて「ぬらりひょんの歴史 それから」を始めるわけなのですが、なんせ10年も前の企画ですので、まずどこまで話を進めたのかを振り返ってみましょう。


≪まとめ1≫ きぃちがいじゃがしかたがない☆ ~我が『長岡京エイリアン』とおぬら様、因縁の歴史~

『ぬらりひょんサーガ』(2011年9月~12月)
 ※スタート当初のタイトルは『純粋「ぬらりひょんの孫」批判』だったが、「そもそもぬらりひょんってどんな妖怪なんだろう?」といういらぬ詮索から泥沼にはまり、いっこうに『ぬらりひょんの孫』の話が始まらなかったために改題した。
第1回 …… 瀬戸内海の毒にも薬にもならない伝承妖怪ぬらりひょん
第2回 …… 佐脇嵩之『百怪図巻』の老人妖怪ぬらりひょん(1737年)、鳥山石燕『画図百鬼夜行』の「ぬうりひょん」(1776年)
第3回 …… 浮世草子『好色敗毒散』の「噓の精」ぬらりひょん(1703年)、『菅江真澄遊覧記』(1801~22年)の「百鬼夜行のメンバー」記述、藤沢衛彦『妖怪画談全集』の「妖怪の親玉」記述(1930年)
第4~7回 …… 水木しげる『墓場の鬼太郎』の孤高の爆弾魔ぬらりひょん(1967年)、蛇骨婆のパートナー設定、鬼太郎の秘技「鬼太郎憑き」&「先祖流し」展開
第8回 …… アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第1期のぬらりひょん(1968年)、映画『大映妖怪3部作』(1968~69年)の百鬼夜行モブぬらりひょん
第9回 …… 『墓場の鬼太郎・大妖怪ショッキング画報』(1967年)、佐藤有文『いちばんくわしい日本妖怪図鑑』、山田野理夫『おばけ文庫』(1976年)での「いつの間にか家にいる」属性
第10回 …… 水木しげる『新ゲゲゲの鬼太郎』での「墓の下高校校長」ぬらりひょん(1978年)
第11回 …… 実写ドラマ『ゲゲゲの鬼太郎』での「初・悪の親玉」&「初・女装」ぬらりひょん(1985年)
第12回 …… アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第3期での1回こっきりの千葉耕市ぬらりひょん(1985年)&朱の盤のパートナー設定
第13~14回 …… アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第3期とアニメ映画版『ゲゲゲの鬼太郎』での第一次青野武ぬらりひょん、マンガ『最新版ゲゲゲの鬼太郎』、実写Vシネマ『ゲゲゲの鬼太郎』(1987年)でのぬらりひょん
第15回 …… 水木しげる『鬼太郎国盗り物語』(1991~92年)での「真の妖怪総大将」ぬらりひょん
第16回 …… 特撮ドラマ『忍者戦隊カクレンジャー』での「妖怪忍者軍団の頭領」ぬらりひょん(1994年)
第17・18回 …… マンガ『地獄先生ぬ~べ~』に登場した「客人神」ぬらりひょん(1995年)
第19~21回 …… アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第4期の西村知道ぬらりひょん(1996~97年)
第22回 …… ゲーム『ゲゲゲの鬼太郎 異聞妖怪奇譚』の滝口順平ぬらりひょん(2003年)、映画『妖怪大戦争』の忌野清志郎ぬらりひょん(2005年)
第23回 …… 京極夏彦『ぬらりひょんの褌』(2006年)
第24回 …… ほしの竜一『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪千物語』でのぬらりひょん(2007年)
第25~27回 …… アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第5期とアニメ映画『ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』での第二次青野武ぬらりひょん(2007~08年)
第28回 …… マンガ『GANTZ 大阪編』(2006~08年)のガチムチラスボスぬらりひょん
第29回 …… 実写映画『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』の緒形拳ぬらりひょん(2008年)
第30~33回 …… マンガ『ぬらりひょんの孫』(2008~12年)での「妖怪任侠組織・奴良組の総大将」ぬらりひょん

『今さらですが……「ぬらりひょんの孫」にささげるバラード』(2013年9~10月 全4回『ぬらりひょんサーガ』第34~37回としてカウントします)
※マンガ『ぬらりひょんの孫』の2012年以降の展開(「百物語組編」と「御門院家編」)の感想を総括した内容。アニメ版1・2期(2010・11年)の大塚周夫ぬらりひょんには触れず。


 とまぁ、こんなわけだったんですが。いや~ホント、ヒマだったんだなぁ、当時の私……若さって、こわいネ!
 ひるがえってお次は、それ以降のおぬら様の主な活躍を見てまいりましょう。10年も経てば、いろんなチャレンジがあったんですねぇ。


≪まとめ2≫ 2012年以降の主なおぬら様のメディア活動
アニメ映画『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』(2015年12月公開 声・子安武人)
3DCGアニメ映画『GANTZ:O』(2016年10月公開 声・津嘉山正種)
実写アニメ混成映画『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』(2016年12月公開 演・斎藤工)
アニメ第2期『鬼灯の冷徹』(2018年5月放送回 声・龍田直樹)
ドラマ『妖怪シェアハウス』(2020年8~9月放送 全8回 演・大倉孝二)
実写映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021年8月公開予定 演・大森南朋)

そして……TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6シリーズ(2018年4月~20年3月放送 全97話 フジテレビ)Wikipedia より
 2015年の原作者・水木しげる没後初の TVシリーズであり、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(第1シリーズ)放送開始50周年を記念して制作された。目玉おやじ役は、第1シリーズより長年にわたって同役を担当した田の中勇が2010年に逝去したことに伴い、本作では第1・第2シリーズ・『墓場鬼太郎』の3作品で鬼太郎役として主演を務めた野沢雅子が担当。他のメインキャストも従来のシリーズ同様に一新された。
 メインスタッフも一新されているが、過去のシリーズで脚本・演出・作画等で参加したスタッフが一部続投や再び制作に携わってもいる。音楽は実写映画第2作『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』(2008年)も手掛けた高梨康治が担当している。
 本シリーズでは、インターネットやSNS、スマートフォンの普及により、妖怪を含む「見えないもの」を信じられなくなったり、傲慢な人間が増えた21世紀の社会を舞台にしている。それに合わせエピソードも原作の風刺色が強く退廃的な作風や、過去のシリーズ同様にユーモラスなシーンも織り交ぜながら、21世紀の世相の暗い部分の影響下での人間の心の闇などを取り入れたものが多くなっている。それだけに善良な人間と悪辣な人間の対比も歴代より際立っており、妖怪と関わったり怒らせたりした悪人たちには、個々に因果応報的な報いがもたらされることがほとんどである。その際も鬼太郎たちは、反省したり悔い改めようとしない身勝手で卑劣な人間には無用の情けを一切掛けず愛想を尽かして見捨てる事が少なくない。また、鬼太郎自身の性格やゲゲゲの森は、これまでのシリーズと比べてかなり人間に対し閉鎖的に描かれており、鬼太郎は妖怪と人間はあまり交わるべきでないと考え、ゲゲゲの森は約200年以上も人間が入ったことがない異次元的な空間に存在する(作中では東京都調布市の神社裏にある森から基本的に妖怪だけが入れるようになっている)。
 また第3シリーズの天童ユメコ以来となる人間のヒロインとして、本シリーズでは中学生の犬山まながレギュラー登場する。まなはユメコ同様にオリジナルキャラだが、調布市に住んでいて父親の実家が境港市であるなど、原作者の水木しげるに関連した設定が付加されている。従来からの妖怪側のヒロインであるねこ娘は、本シリーズでは成人女性に近いスタイルの美女として描かれ、ファッションや頭髪もアレンジされて第4シリーズに近いカラーリングとなった。この他ねずみ男の衣装は第3シリーズと同じ濃い空色となっている。

 大半の事件は各話ごとに解決するが、それとは別個に大まかに話数クールの節目ごとに区切る形式にて複数の章が描かれている。まず第1話からは、謎の存在「名無し」が鬼太郎たちと敵対する最初の大きな黒幕的存在として登場し、第11・12話で八百八狸軍団が襲来する「八百八狸編」などの幾つかの大きなストーリーの進展と共に、まなを標的にする描写が増えていく。第27話からは大妖怪バックベアード率いる西洋妖怪軍団が登場する「西洋妖怪編」が描かれ、原作からアレンジされた西洋妖怪キャラの一人として、ねこ娘とまなに次ぐヒロインとなる魔女アニエスが、第27~37話に鬼太郎ファミリーの仲間として登場した。「西洋妖怪編」にも名無しが日本妖怪と西洋妖怪の戦いを利用する存在として裏で関与していた。アニエスは「西洋妖怪編」終了後も鬼太郎たちに重要な情報を伝えたり、決戦時に助っ人として駆け付けるなど要所で活躍する。第38話からは通常通りの単発形式と同時進行して「名無し最終決戦編」が描かれ、第47~49話で、名無しの正体とまなを狙っていた理由も明かされたうえで決着がつけられた。しかし、この「名無し最終決戦編」クライマックスでねこ娘とまなの身に起きた出来事は、間接的に鬼太郎ファミリーの次の戦いへのきっかけとなり、第50話からは鬼太郎ファミリーと地獄から脱獄した極悪妖怪「大逆の四将」と、妖怪を憎む鬼道衆の末裔・石動零の三つ巴戦へと展開していく「地獄の四将編」が描かれる。第56・57話では、鬼太郎に倒されたバックベアードの水面下での復活計画が企てられていることが判明した。「地獄の四将編」は、クライマックスとして四将の中でも特に強力な九尾の狐(玉藻前)との決戦へ突入し第75話で決着となったが、第76話からは鬼太郎の宿敵ぬらりひょんと側近の朱の盆が登場する「最終章ぬらりひょん編」が描かれ、ぬらりひょんが大逆の四将を地獄から脱獄させ、石動零の人生を狂わせた張本人だったことが判明し、鬼太郎ファミリーと対峙する。単発の事件も描かれながら、ぬらりひょんは復活したバックベアード率いる西洋妖怪軍団を利用すると同時に日本の総理大臣も巧みに妖怪を憎む心境へと誘導し、関っている全ての妖怪と人間を泥沼の戦争状態へと陥れていく。最終話で総理、バックベアード、ぬらりひょんなど各首謀者の死によって事態は収束するが、その代償としてまなが鬼太郎を助けるために記憶を失い、その10年後に鬼太郎と再会して記憶を取り戻し、そこから鬼太郎ファミリーやアニエスなどの妖怪たちとの交流が再開される場面で終了した。
 次回予告の決めゼリフは「見えない世界の扉が開く」。

 2021年3月7日に行われたオンラインイベント「まんが王国とっとり 生誕99年水木しげる生誕祭」にて、翌2022年に水木しげる生誕100年を迎えるのを受けて立ち上げられた「水木しげる生誕100周年記念4大プロジェクト」の一環として、本シリーズの劇場版に当たる新作アニメ『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の制作が発表された。


 ……いや~なんてったって、最大のトピックは大塚明夫ぬらりひょんの堂々たるご登場でございます。こっちは1年半待たされましたっつーの! でも待っただけの甲斐は十二分にありました。最終章のラスボスという最上級待遇で、しかも前章「地獄の四将編」を裏から操っていた黒幕という立場にふさわしいワルっぷりでしたね。
 ここでさらっと、明夫ぬらりひょんの情報と歴代ぬらりひょんとの比較も。


≪まとめ3 アニメ第6期『ゲゲゲの鬼太郎』における明夫ぬらりひょん登場回≫
第76『ぬらりひょんの野望(土転び)』・77『人間消失!猫仙人の復讐(猫仙人)』・82『爺婆ぬっぺっぽう(ぬっぺっぽう)』・85『巨人ダイダラボッチ(七人同行、ダイダラボッチ)』・89『手の目の呪い(手の目)』・92『構成作家は天邪鬼(天邪鬼)』・94『ぶらり不死身温泉バスの旅(埴輪武者、寝肥り)』・95『妖怪大同盟』・96『第二次妖怪大戦争』・97最終話『見えてる世界が全てじゃない』
 の10話。()の中にあるのは、そのエピソードに登場したゲスト妖怪。

≪まとめ4 歴代アニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズにおける、ぬらりひょんの活躍貢献度≫
 第3期・千葉&第一次青野ぬらりひょん「全115話中15話登場(貢献度13%)」
 第4期・西村ぬらりひょん「全114話中18話登場(貢献度16%)」
 第5期・第二次青野ぬらりひょん「全100話中12話登場(貢献度12%)」
 第6期・明夫ぬらりひょん「全97話中10話登場(貢献度10%)」


 なるほど~。最終章のみのご登板ということで、登場話数じたいは準レギュラー化した歴代の中では最も少ない10話でしたか。でも、だからといって明夫ぬらりひょんの印象が薄いとか、他のおぬら様に比べてパワーダウンしているとか感じた人は、いないのではないでしょうか。
 まず風貌からして、1970年刊行の『水木しげる妖怪画集』でのシリアスな「ダークぬらりひょん」(初出は1968年9月刊行の『週刊少年マガジン』第38号掲載の『日本妖怪大画集』)を可能な限り忠実に取り入れた迫力ある姿で、同じ水木しげる先生の筆になるものでも、『墓場の鬼太郎』ベースのニヤけた「たれ目ぬらりひょん」とはまるで違う眼光の鋭さ! そして明夫ぬらりひょんのオリジナリティは見た目だけにとどまらず、最大の違いはなんといいましても……

 おっと、このまま一気呵成に明夫ぬらりひょんの考察になだれ込んでしまいそうな勢いなのですが、そこはグッと踏みとどまりまして、明夫ぬらりひょんの前に絶対に避けては通ることができない、「あのお方」バージョンのぬらりひょんの業績を振り返っていきたいと思います。あせらず、ゆっくり! いや、アニメ第6期が放送終了して1年以上経ってるし、今さらあせるも何も、ねぇ……

 え?「あのお方」って、明夫ぬらりひょんを差し置いて語らなきゃならないような超VIP 待遇の人なんているのか、ですって? そりゃもうあーた、上のぬらりひょん声優さんがたのお名前を読んでみてください。なぜ、歴代の声優さんは苗字表記なのに、大塚明夫さんだけが「明夫ぬらりひょん」なのか。それは……

アニメ版『ぬらりひょんの孫』(2010年)、『ぬらりひょんの孫 千年魔京』(2011年)における、偉大なる父・大塚周夫ぬらりひょん

 そう、周夫ぬらりひょん!! 彼を抜きにして、明夫ぬらりひょんを語ることはできないからなのだ!! ちかぬら、ちかぬら!!

 えっ、『ぬらりひょんの孫』の話はもう終わったでしょ?って思われた方も多いことでしょう。私もてっきりそうだと思っていたのですが、よくよく記事を読み返してみますと、当時のわたくしはDVD もTV も満足に視聴できない環境にあったため、すでに放送終了していたアニメ版第1期も、放送が佳境に入っていた『千年魔京』もまるで観ていなかったんですよね……なんと中途半端な!!

 ということですので、約10年ぶりに再始動した『ぬらりひょんサーガ』の開幕は、まさに切れ味悪く「ぬらっ。」とした、アニメ版『ぬらりひょんの孫』における周夫ぬらりひょんのまとめから始めていきたいと思いま~っす! さぁ、息子さんのほうにいけるのはいつかナ~!?
 10年前の作品から始めるのか……これぞ、『長岡京エイリアン』クオリティ。

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