長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

行かいでか!!

2012年12月19日 02時12分45秒 | すきなひとたち
元モーニング娘。の高橋愛が初参加 人気ミュージカル『ウェディング・シンガー』が最終公演
 ( gooブログ 2012年12月17日の記事より)

 人気ミュージカル『ウェディング・シンガー』が2013年3月に再演されることが決まり、出演者の井上芳雄(33歳)、高橋愛(26歳)、彩吹真央、吉野圭吾と演出の山田和也氏が記者会見を行った。
 結婚をテーマに、劇場を笑いと感動で包み込んできたミュージカル・コメディ『ウェディング・シンガー』。2008年、2011年に続く今回の公演は全国4ヶ所で行われ、日本最終公演となる予定だ。

 初演時から主人公のウェディングバンドマン・ロビーを演じてきた井上は、「この作品は大好きですが、気がついたらファイナルになっていました。舞台に出ている時には、いつもこれが最後だと思いながらやっていますが、今回も一生懸命やりたいと思います。」と、最終公演に向けて決意表明。昨年の震災時もまさに本作上演の最中だったが、「3月11日の直後にはこんな楽しいミュージカルをやっていていいのかなと思いましたが、お客様と一緒に笑いながら前に進んでいこうという気持ちになれたので、この作品の力をあらためて感じました。」と、力強くPRした。
 結婚式場のウェイトレス・ジュリアを演じる高橋は初参加。「こんなに愛されている作品に出ることができて幸せです。本当にミュージカルが大好きで、ずっと見ていた3人の方と一緒にステージに立てるなんて、すごく幸せです。ここにいることが幸福すぎて壊れてしまいそうですが、それを乗り越えるために稽古を頑張ります。」と、出演の喜びを語った。
 高橋の婚約者を演じる大澄賢也(47歳)はビデオメッセージで登場。「色々なところで活躍を聞いているので、また成長したヨッシー(井上)に会えるのを楽しみにしています。」と、まずは井上に伝言。「この間、愛ちゃんが出ている舞台を見に行ってお会いしましたが、とにかく可愛い! 僕の婚約者役ですからね。愛ちゃん、好きだよ! 僕に飛び込んできておくれ!」という熱烈ラブコールに、高橋も苦笑気味。井上からは、「愛ちゃんは可愛くて役にピッタリですが、僕との年齢差が大丈夫かなと。僕と愛ちゃんがカップルに見えるか、もっと言うと賢也さんと愛ちゃんが婚約者同士に見えるかという重大な問題があると思います(笑)。そこはなんとか演出の力で……」という懸念も飛び出した。

 会見の最後には、井上と高橋が劇中のデュエットナンバー『Grow Old With You いっしょにトシ取ろうよ』を生で披露。会場は、一足先にステージの感動に包まれた。

 ミュージカル『ウェディング・シンガー(The Wedding Singer)』は、1998年公開のアダム=サンドラー、ドリュー=バリモア主演の映画を元に、2006年にブロードウェイで初演された作品。日本では、2008年2月に井上芳雄・上原多香子の主演で初演。2011年3~4月にも同キャストで再演されている。
 物語の舞台はアメリカ・ニュージャージー。
 ウェディング・シンガーのロビーは、ある日式場でウェイトレスをしているジュリアと出会う。お互い結婚間近のフィアンセがいるという同じ境遇に意気投合し、相談をしているうちに友情が愛情に変わっていき……というラブコメディ。

 ミュージカル『ウェディング・シンガー』は、東京・有楽町シアタークリエ 2013年3月1日(金)~20日(水)、福岡・博多座 2013年3月23日(土)~24日(日)、岩手・岩手県民会館大ホール 2013年3月27日(水)~28日(木)、東京・日本青年館 2013年3月31日(日)にて上演予定。
 東京公演チケットは全席指定S席11,000円、A席8,500円(税込)で12月22日発売。



 ギャ~!! 行きます、行きますぅ~!
 ……と即決したいところなんですが、高いね。

 私は4年前の2008年初演版を観に行ったんですよね。その時は日生劇場でミュージカルを観ること自体が初めてだったので、とっても楽しかったですね~。意味なく、ご近所の宝塚劇場の軍隊式の出待ちとかも見物しちゃったりして、完全なおのぼりさんでした。

 その当時の記憶でいくと、実はこの『ウェディング・シンガー』については井上さんの歌声と賢也さんのキレッキレのダンスがものすごく印象に残ってますねぇ。
 いや、言うまでもなく観に行った決定的な動機はおたかさんだったんですけれども、その……
 休憩時間中に、隣のいかにもお得意さんな感じの上品なおばさま2人組が、

「あの上原って女の子、動いたり唄ったりするとソンよねぇ。」

 と致命的なことを語っていた声が今でも脳裏に浮かびます。となりで聞いてて、そりゃあもういきどおっちゃったねぇ、あたしゃ! 「あなたがた、そんな本当のことを言ってなにが楽しいんですか!? そこはいなしてください!!」って絶叫しかねない心持ちでしたよ。

 でも実際に、おたかさんそっちのけで私もぞっこんになってしまったのは日生劇場のゴージャスな雰囲気と賢也さんの身のこなしだったし、カーテンコールで劇場いっぱいにおばさま方の「けんやさ~ん!!」というベージュ色の声が響きわたったのも納得のいく内容でした。おもしろかったねぇ~。

 今回は寿降板したおたかさんに替わってあの高橋愛さん、そして劇場もシアタークリエか日本青年館ですか。
 行こうかねぇ!! 1万円オーバーもなんのそのでしょう、これは。それだけのものが観られるんですから。

 いかにも勘の鈍い美少女という役柄が似合っていたおたかさんもベストキャスティングだと思っていたのですが、そこをしっかりと演技でカヴァーできて、しかも歌声のほうも文句のつけようのない高橋さんの生舞台。想像するだけで、いいですねぇ。


 よし! 問題は、忙しい年の瀬にどうやって予約を取り付けるかだな。場合によっては即日完売も充分にあり得る? 油断は禁物ですぞ~い。
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仮面ライダーさん×ディズニー様!!  必死か!? コンテンツまかせの「第2次HO2 計画」

2012年12月17日 15時03分45秒 | 日記
 ぴえぇっひぇ~えい! どうもこんにちは、そうだいでございまする~。

 いんや~もう、忙しい忙しい! いろいろもろもろ、まさしく「年の瀬」ということでバタバタしておりますよ~。
 そんな最中なんですが、あいまをぬって先日14日にこんな公演を観てきました。

三条会 アトリエ・翻訳ワークショップショウケース 『コギト』

 これは、シンガポールの劇作家のフジール=スレイマンの哲学SF 戯曲『コギト』を日本語訳して将来的に三条会が上演するにあたって、原作者のスレイマンと三条会が、稽古とディスカッションを実際にいっしょに行いながら日本語版の台本を製作していくことによって、外国語の原作を持つこの作品を、より「日本人の発する言葉」に近い翻訳作品を作りあげていく、というプロジェクトなのだそうです。
 確かに、外国の作品を翻訳した日本語訳版って、どこかしら不自然な台詞回しや人と人との距離感が出てくるような気がするんですが、「まぁ翻訳だからね。」とか、「書かれた時代や文化も違うし仕方ないだろ。」とかと解釈して、いなしてしまう違和感のようなものがありますよね。へ~、そこで「神よ!」とか「くそっ!」とか言うんだぁ~、みたいな。

 そこらへんを、作者本人がみずから日本にやってきて日本側といっしょに話し合っていくというけっこうすごいプロジェクトについて、現時点での進行状況をおもにリーディングの形式を通じて公開するという今回の公演だったのですが、「直訳」でも「意訳」でもない新しい日本語訳による作品が世に出そうな可能性を秘めてショウケースは終わりました。
 2日間だけの上演日程で、内容も『コギト』の各シーンをさまざまなヴァージョンの翻訳台本で上演するというイレギュラーな公演だったのですが、ちょっとこれは、観に来た人だけの楽しみにしておきたいおもしろさがありましたね! 完成作品というよりは製作過程というようすを観ることができたわけですが、それがしっかり観客の期待にこたえるものになっているということは、それだけの密度のある試行錯誤が展開されているってことなんですから、『コギト』の完全日本語訳ヴァージョンの上演が今から楽しみで仕方ありません。

 日本語訳とは関係ないのですが、『コギト』の SF要素も作中で登場人物が指摘しているように「使い古された」テーマのストレートなアップデート版のようでありながら、フィリップ=K=ディックでもアーサー=C=クラークでもない別の視点から物語がかたられているような気がして、舞台作品ということでシンプルながらも実に劇作家のものらしい「身近さ」「肉っぽさ」があったと思います。今回の公演ではラストシーンがあえてリーディングされていなかったそうなんでね! どんな結末になるんだろうなぁ。


 さてさてぇ! 今回の本題はふつうの日記であります。しかし、間違いなく今月最大級の重さの責任のかかったミッションをやったわけなんですよぉ、昨日にまた!!

 第2次「 HO2(ひとさまの お子を お預かりする)計画」を、なんとか完遂してまいりました、昨日。

 いや~、おかげさまで、いちおう無事に終わりました。たいしたトラブルもケガもなくて本当によかった。
 そういえば、昨日は天気も良かったですよねぇ! これも午後に非常に効いていました……天気がいいのと悪いのではテンションの差が段違いな「夢の国」に行ってきましたからねぇ、午後は。


 先月にわたくし人生初の「 HO2計画」が敢行されたわけなのですが、このときには私の方向オンチぶりと公共交通機関の使えてなさがものの見事に露呈してしまい、ららぽーと船橋での映画『宇宙刑事ギャバン』と千葉の博物館と複合型娯楽施設「 Qiball(きぼーる)」というたった3ヶ所だったのにもかかわらず、以上に移動にエネルギーをついやす一日となってしまいました。まぁ、体調が本調子じゃなかったのも言い訳にはしたいんですが……京葉線はやっぱ、なにかとめんどくさい!

 そんな反省の残る前回だったわけですが、今月に入ってすぐに、同じお子さんのお母様からふたたびの「一日いっしょにいてやってくれない?」要請が!! 前回と同じように、お父様が仕事で遠方に行っているあいだにお母様も一日家をあける用事ができてしまったために、またしても私が『ウルトラセブン』の「怪獣カプセル」のごとく召喚されたというわけだったのです! 気をつけな……おいらはウインダムなみに危険だぜ!!

 今回も前のように「朝8時から夜8時まで」という時間だったのですが、当初私は「朝いちの子ども向け映画を観て、あとは葛西臨海水族園にでも……」と考えていました。前回の道中で、お子さんが水中生物に異様な食いつきを見せていたことはリサーチ済みだったからです。特にエビ・カニ類の白っちゃけた標本を凝視してた!

 ところが直前に電話でお母様と打ち合わせをしたところ、最初の映画はちょうど折りよく公開されている、超定番の『仮面ライダーウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』(監督・坂本浩一)にすることで即決したのですが、葛西臨海水族園はすでにもう行ったことがあるということで、私としましては今ひとつインパクトに欠けるではなかろうかという考えにいたったのです。
 その時、私の脳裏には、私の家の奥深くに厳重保管されているあるひとつの「切り札」がうかびました。

「もう使う見込みもなさそうだし、『あれ』、使うか……」

 「あれ」というのは他でもなし、今年春に行われた大学時代の先輩の結婚式二次会のビンゴ大会で、なぜかよりにもよってわたくしめが大当たりしてしまった、「東京ディズニーランド or シー 1日パスポート・ペアチケット」!!

 これはもうまさしく、使える人が使ったら、戦況に決定的な打撃を与える戦略核兵器クラスのリーサルウエポンにもなりかねなかったわけなのですが、いかんせんわたくしが持ち主では肝心のお相手もおらず、まったくの無用の長物と化してしまっておりまして、このままみすみす有効期限の来年春を迎えるのならば、いっそのことここで有効活用してしまおうか、という判断にいたったわけだったのです。もうクリスマスもちけぇけど、そっち系のスケジュール全然入る予定ねぇえし!! ここは平和活用で終わりにしようじゃないか……
 先輩スンマセン! 今年も私は男になれませんでした。5歳の幼児とペアで行くという使い方になっちゃいましたヨー。ダメだ、こりゃ!!

 ということで、今回の「第2次計画」の概要は、午前中に映画、午後にディズニーリゾートということで決定したわけなのでありました~。いやいや、お相手が誰にせよ、2人以上で行く舞浜は最高なんですよ、お相手が誰にせよ!!

 そんなわけで、計画は昨日16日日曜日に決行されることとなったのですが、16日はけっこう大事なことがある日でしたよねぇ、みなさん! 選挙行かれましたか!?
 そんなんもありまして、私は朝5時半に起床して、7時にあいたばっかりの衆議院総選挙投票所に行って投票を済ませ、そのあとで電車に乗って集合場所におもむくことに。

 前回、計画自体が「なし」になりかねないギリギリの時間に遅刻してしまった私でしたので、今回は準備万端! しっかり投票にも行った上で、予定通りにお子さんと合流することに成功。今回は幸先がいいぞ!

 そして向かったのが、前回と同じららぽーと船橋内の「TOHO シネマズ」。混雑を予測しての、前日のインターネット座席予約も手馴れたもの! わしかてアホやないっちゅうねん。

 さぁ、こうして今回観ることとなった作品が、前回の『宇宙刑事ギャバン』に引き続いての、今や東映の信頼&安定のドル箱コンテンツとなって久しい感のある「ヒーローもの」の最新作、『仮面ライダーウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』なのでありますが。

 いやぁ~……すっげぇおもしろかったわ! これぞまさしく「アルティメイタム」! タイトルに偽りなしでした。
 上映時間は「94分」ということだったのですが、体感は「良い意味で」ものすごく長かった! ここが本当に大事な違いなのですが、「悪い意味で」長く感じるんじゃなくて、いい意味で「うっわ~、このジェットコースター、どこまで続いてくんだろう!?」っていうワクワクドキドキが途切れなく続いていくんですね。やっぱり「映画」というよりは「エンタテインメント」であるわけなんですが、とにかく内容が濃密で、それでいて実に丁寧なんです。

 実のところを言いますと、私は今回の「 HO2計画」がなければ、この『アルティメイタム』を観るつもりはまったくありませんでした。理由はやっぱり、私はこの『長岡京エイリアン』でもさんざんっぱら語っているように「昭和ライダーシリーズ(『 RX』まで)」のファンであるため、その反動で「平成ライダーシリーズ」、特に『仮面ライダーディケイド』(2009年 シリーズ通算第19作)でそれまでの全ライダーが昭和、平成関係なくごちゃまぜになった後にふたたびオールリセットして製作された『仮面ライダーW』(2009~10年)、『オーズ』(2010~11年)、『フォーゼ』(2011~12年)、そして現在放送中の『ウィザード』(2012年~)の4作にたいする関心をまったく持っていなかったためです。いちおう、どこかで何かのかたちでそれらの2~3話を視聴することはあったわけなのですが、それ以上に続けて毎週観ようとすることはなかったわけなのです。
 それに加えて、私はこの『アルティメイタム』で満を持して復活するとアナウンスされた過去のヒーロー&ヒロインたち、『イナズマン』(1973~74年)、『アクマイザー3』(1975~76年)、『美少女仮面ポワトリン』(1990年)にものきなみ思い入れがなかったため、いまひとつ観に行きたいという気になれないものがあったのです。

 でもさぁ……えり好みはよくないねぇ、やっぱ! 今回の『アルティメイタム』は、ほんっとうにスクリーンで観ることができて良かったです。これは観に行くきっかけを与えてくれたお子さんに感謝しなければなりますまい。

 良かったポイントは全編ふんだんにあったのですが、私にとって最も大きかったのは、やはり昭和の石ノ森作品3作に対するリスペクトと、それらが活躍するちゃんとした「見せ場」と「復活意義」が物語に用意されているところなんですよね。ここには恐れ入ったし、同時に感動もしました。

 要するに、かつて私が映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(2011年4月公開)を観て激しく落胆した、『人造人間キカイダー』(1972~73年)、『キカイダー01』(1973~74年)、『イナズマン』、『快傑ズバット』(1977年)たちにたいしての「愛情がないにも程がある」ぞんざいな扱いを、『アルティメイタム』の製作スタッフはしっかりと「反面教師にして」素晴らしい脚本を仕上げてくれたのです。
 イナズマンにはイナズマンの物語があり、アクマイザー3にはアクマイザー3の悪魔の哲学があり、ポワトリンにはポワトリンのひねりまくった復活の理由がある。おかげで主役のフォーゼとウィザードの出番がすっかりスリムになってしまった感はありましたが、こういう冒険はほんとに大歓迎ですね。

 特に、一気にスーツデザインまでリニューアルされたイナズマンは、重大なネタバレになるのであんまり詳しくは言えないのですが、ある意味で「ポスト仮面ライダーたるヒーロー」になるというとてつもないポジションをゲットできてるんですよ!? すす、スンゲー! 新しいスーツも、特に顔のあたりがアクションスーツの限界に挑戦するかのような薄さになっていて、遠めに見れば「青い筋肉ムキムキの全裸のひと」みたいなリアル感になっていてすごかったですね。
 いっぽう、アクマイザー3は本作では「昭和版とは完全な別人&悪役」になってはいたものの、ティム=バートン版『バットマン』(1989年)でのニコルソン・ジョーカー役いらいで声優にトライしたデーモン小暮閣下のカッコイイ悪魔っぷりと、3悪魔の映画1作の復活だけにしておくには惜しいほどの熱い団結はよかったなぁ! 常々、私は平成ライダーシリーズの悪役側の「組織力・団結力のなさ」に味気なさを感じていたのですが、そこをしっかりカヴァーした今回の彼らは最高でした。できれば、モチーフとなった『三銃士』なみのサーベルアクションがもっと見たかった!

 でも、作品の脚本というポイントでいちばん感じ入ったのは、なんとも不思議な迷走感で唐突に始まったポワトリンのパートで、「なぜポワトリンが復活するのか?」「他のヒーロー&悪役たちとどうからむのか?」「ポワトリンの本当の正体とは?」というあたりがものすごく巧みに物語のキーとなっているのがすごくおもしろかったですね。ポワトリンの「正体」は最後のドッキリオチのような収まりかたになっていたのですが、作中で決定的なヒントが出される前にこの答えを勘付いた人はなかなかいないんじゃないかなぁ。お見事でした!

 あっ、ヤバいヤバい! このままじゃ『アルティメイタム』のレビューだけになっちまうわ! いい加減にしなきゃ。
 ちゃっちゃと『アルティメイタム』の結論にいきましょう。

結論。「仮面ライダーなでしこ」役の真野恵里菜さんが最高だった!!

 まぁ、やっぱここにかぎりますよね!
 だって、我が『長岡京エイリアン』はずいぶん前に「シリーズ史上、女性の仮面ライダーは何人いたのか?」という狂気の企画をやってたくらいなんですから、なでしこさんの誕生以前に。
 公式発表では「6人目」、『長岡京エイリアン』式計算では「5人目」となる女性仮面ライダーにして、シリーズ史上初の「女子高生仮面ライダー」であるなでしこなんですが、やっぱり彼女も先達の仮面ライダーファム、ラルク、キバーラさんたちと同じく「劇場版限定」の女性ライダーなんですよね(ただし、ラルクは『ディケイド』のパラレルワールドにゲスト出演している)……しかもなでしこさんは××じゃないし! 「番組にレギュラー出演する女性ライダー」っていうのはそんなにハードルが高いもんなんですかねェ? いいと思うんだけどなぁ。

 ともかく、スクリーンいっぱいに真野さんが活躍する以上、本来ならば彼女が見えるカットはすべて起立して拝見するのが当然だったわけなのですが、まことに残念ながら、今回も私のひざの上には私以上に夢中になってスクリーンを食い入るように見つめるお子さんがいたため、立ち上がることはでかないませんでした。お子さんごめん、私、映画を観たあとで完全に知らんぷりして「へぇ~、この娘さんがなでしこに変身するんだぁ。」なんて話してたけど、ずいぶん前から知ってました!! 許してくれ、これが大人なんだ。違うか!? ガハハ!

 他にも、『アルティメイタム』にかんしては「フォーゼ世界の完成されたエンタテインメント性」や「アクションシーンの見せ場にちゃんとライダーたちのバイクアクションを持ってくる『押さえてる感』」など、語りたいことは山ほどあるのですが、とにかくここは「おもしろかったの!!」という一言でおさめさせていただきたいと思います。ほんとに観れてよかった!


 さて、そして午後からの東京ディズニーリゾートであります。
 実はテンション的にはお子さんは前回の『ギャバン』以上に満足しており、もうこれだけでもおなかいっぱいという状況ではあったのですが、映画を観終えてパンフレットをかこんでたっぷり語りあって、ケンタッキーで昼食をとって外に立っていたサンタ姿のカーネルおじさんを2人でおちょくった時点でもやっと正午になるかならないかという時間帯で、しかもお天気はみるみるうちに良くなっていき、ちょっと歩けば暑く感じるほどの陽気になってきました。
 もう、これは舞浜に急行する以外に手はないだろうということで!

 でも、ここがなかなか難しいところなんですが、ららぽーとを出てお子さんとたわむれながら徒歩で JR南船橋駅に向かい、京葉線に乗って舞浜駅で降りて、ワクワクしながら歩いてディズニーランドの入り口に向かうと、時間は1時すぎくらいになりますね。
 んで、夜8時にお母様と集合して解散ということになると、電車移動にかかる時間を考えて少なくとも7時には夢の国を出なければならなくなってしまうんです。
 ということは、実質的に遊べる時間は、1時半~6時半の「5時間」になるんですが……

経験からの結論。ディズニーランドで5時間は、短い!! あっというま!

 名物の「エレクトリカルパレード」も、私たちが行った日は夜8時からだったのよねェ~。まぁ、それが観られなくても十二分に楽しめたわけだったのですが、もし今度来るようなことがあったのならば、やっぱり計画をしっかり立てて「朝から閉園の夜10時まで!」っていうプランでいきたいですねぇ。

 しかも、舞浜に着くまでに私たちは2人とも行ったことのない「ディズニーシーのほうに行く」ということで意見を一致させていたのですが、着くなりに耳に入ってきた放送によると、「園内混雑のため、シーのほうは指定日パスポートを持ったお客様以外の入場はいったん(夕方まで)停止しております~。」という非情なお言葉が。
 いったんは表情の暗くなる2人だったのですが、「じゃあランドで……」と踏み入った瞬間に、テンションはまたしてもガン上がりしてしまいました。
 だって、目の前に「舞浜城本丸」ことシンデレラ城が鎮座ましましてんだぜ!? いや、ここで興奮したのは私だけで、お子さんはすぐ近くにミッキーさんご本人がいて写真撮影などに応じている、休日でお客さんがギュウギュウ詰めになったランド固有の「EVERYDAY お祭り感」に一瞬のうちに飲まれてしまったわけなのです。
 やっぱり、このへんの安定感は本当にすごいですね……私なんか、ランドに来るのは15年ぶりくらいだったんですが、ちょっと「帰ってきた。」みたいな高揚感におそわれますからね! やっぱり、なにはなくともエンタテインメントに必要なのはこの固有性というか、代替不能のオンリーワン感なんじゃないかなぁ。シーに行けなかったのは確かに残念でしたが、結果的には今回はランドで充分によかった!

 まぁ、晴天の日曜日ということでしたので、はっきり言ってランドのほうも入場規制がかからないのが不思議なほどの込みっぷり。私の観た印象では、お客さんの6割が家族連れ、2.5割がカップル、1割が制服を着た学生さん(修学旅行?)で0.5割が相当な「手だれ感」のあるひとり常連客という配分になっていました。お昼3時のパレードとかは完全にクリスマス風味にシフトチェンジしているのですが、お客さんの感じはまだまだクリスマスモードにはなっていないようでしたね。こっからカップル率がギュンギュン上昇していくんだろうなぁ!


《突然ですが、ここでそうだいの内心を副音声でおとどけします。》
 ヘッヘッヘッ……カップルの皆さん、「ここでキメたい!」という気合いがだだもれでヤンスねぇ。このデートのためにそうとうな時間をかけて準備をして、今は薄氷を踏むかのような慎重さでお相手をエスコートしているんでヤンしょう。やっぱり、クライマックスは夜のエレクトリカルパレードでヤンスか? そこはどうしてもはずせないようでヤンスね~。 

 えっ? あっし? あっしはもう、昨日ふいっと思いついてここに来たんでヤンスよ。え? エレクトリカルパレード? いや、時間がないんで今日は観ないで帰るつもりでヤンス。なんか、そんなにがっつくのもどうかなぁ~、なんて。
 いや~なんだか、申し訳ない気持ちになっちゃいヤンスね! だって皆さん、ものすごいイベント感フルパワーでいらっしゃったんでしょ? あっしはもう、なにげなく「いつでも来られるからいいや~。」みたいな気軽さで来ちゃったもんでヤンスから。
 え? いやいや、あっしはお父さんじゃないでヤンスよ、この子は縁のある方のお子さんでヤンス。

 ……ヘッヘッヘ、そうでヤンス、あっしはあなたがたが日陰の虫けらのように憐れみさげすみ忌み嫌う、「恋人のいないひとりもの」なんでヤンスよ! そんなあっしが、皆さんよりも遥かに自由でぜいたくなランドの楽しみ方を謳歌しているんでヤンス!!
 せいぜい、相手の暗黒面の見えない束の間の夢の国を味わうことでヤンスね~!! ゲッゲッゲッゲ……

《こう思いながらの表面上の発言》
「あっ、見て見て、あそこにミッキーとミニーがいるよ! 手を振ろう! お~い。」


 失礼いたしました。

 まぁともかく、とてつもない混みようだったので、人気アトラクションがのきなみ長蛇の列となるのはもう火を見るよりも明らか! 最初のうちは「エー、50分待ち!?」とかと言っていちいち驚いていたのですが、「だいたいどこもそう」というとんでもない状況に、「まぁ、楽しく並んで待つのもディズニーだよね。」とお子さんと意気投合したのでありました。むやみにだだをこねず、ちゃんと事情を理解して並んでくれるお子さんで本当によかった……

 結局、日が暮れるくらいまでねばって楽しむことができたアトラクションはといいますと、
「ジャングルクルーズ」(60分待ち)
「ウエスタンリバー鉄道」(50分待ち)
「ホーンテッドマンション」(130分待ち~!!)

 の3つだけとなってしまいましたが、まァ~この3つで「船」「機関車」「おばけ」はおさえられたので、最善の選択だったかなぁと。え?「ビッグサンダーマウンテン」「スプラッシュマウンテン」「スペースマウンテン」の「舞浜三山」はおさえなかったのかって? ここらへんはお子さんがかたくなに拒絶したから行かなかったです。乗ってみたら楽しいばっかりなんだけどね~。という私の記憶も20年近くのあいまいなものですけどね!

 最後のホーンテッドマンションの「130分待ち」には、さすがに私もお子さんも一瞬ひるんでしまったのですが、「ランドに来ておいてホーンテッドマンションで根性試しもせずに帰ってなにが男か」という共通意識をもってトライすることとなりました。まぁディズニーランドなんですから、そんなに怖さをうりにしたものではなかったわけなのですが、日が暮れた闇夜の中、月光とおどろおどろしい顔がくりぬかれた無数のパンプキン灯篭に照らされて、おぼろげにたたずむマンションの外観はものすごくロマンティックで見事なものでした。アトラクションの中身だけじゃなくて、そこに行くまでのディティールがこれまたいいんですよねぇ、ディズニーランドは!

 でも、さすがはランドというか、ちゃんと待っただけのものを見せてくれるから待つ甲斐があるんですよね……1~2時間つっ立って待っていたのにしっかり楽しいというのは、当然のようでいてかなりものすごいことですよね。ホーンテッドマンションなんか130分待ちで、中に入るまであと30分といったところでついにお子さんが寝ちゃったんですけど、始まったら「ホリデーナイトメア」っていう秋~新年の特別限定ヴァージョンになってたみたいで、サンタクロース姿のジャック=スケリントンの哄笑にお子さんは一瞬で目が覚めてツアーを楽しんでいました。やっぱ楽しいねぇ~。がが、5歳児(およそ18kg)の30分間耐久だっこで、わたしの両腕がぁ~!!

 そういえば、ウエスタンリバー鉄道に乗ったときに流れる説明ナレーションの声があの青野武老師そのひとのもので、思いがけずに至福の時間に出会ってしまい目頭が熱くなってしまいました。ほんとに味のある良い声です……なにかあって落ちこむことがあったら、ウエスタンリバー鉄道に行けばいい!

 青くライトアップされたシンデレラ城天守閣を背に、エレクトリカルパレード前のランドをあとにするのはちょっぴり残念でしたが、それでもおいしいパンも食べたし、時間いっぱいに楽しんで帰った「第2次 HO2計画」。今回も成功だった……かナ~!? それは他ならぬお子さんに聞かなければわからないことなんですが、そんなことを聞くヒマもないほど充実した一日だったことは間違いありません。あぁ~、今回も楽しかった! ディズニーはやっぱり、いいね!!


《その数時間後》
 うう……歯みがきしようと思ったら、水を入れたコップが口のところまで持ち上がらねぇ!
 しかも、真冬用のコートを着ていると汗をかくような陽気だったランドで、なんの考えもなしにお子さんに「おんぶ・だっこ・かたぐるま」のトリプルアタックを仕掛けてしまったため、12月なのに前代未聞の「あせも」が! コートはぬいでも邪魔になるばっかりだったから、着てるしかなかったんだよなぁ~。まさか、あんなに暖かくなるとは。
 おまけに、深夜0時20分までがんばって起きていたのにガクンと停電みたいに記憶がなくなっちゃって、0時30分からのラジオ『Berryzステーション1422』(ラジオ日本)を聴きのがしちゃったよ! 今週はスペシャルウィークであの菅谷梨沙子さんがゲストだったんだぜ!?

 疲れてるんだねい……ムリはできねぇのう~。
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古代ロマンとか、訃報とか若さとか思い出とかで、師走

2012年12月11日 22時31分53秒 | 日記
よろい装着の人骨、6世紀の火山灰から 群馬・金井東裏遺跡
 (『日本経済新聞』2012年12月10日の記事などより)


 群馬県渋川市の金井東裏(かないひがしうら)遺跡で、6世紀初め(古墳時代後期)の火山灰の地層から、鉄製のよろいを着けた成人男性の人骨1体が見つかったと、県埋蔵文化財調査事業団が10日、発表した。よろいは古墳の副葬品として出土することが多いが、事業団によると、実際に装着した状態で見つかるのは初めて。
 同事業団はよろいは胴体部分のみだったことから、戦いの最中ではなく、同じ時期に噴火した榛名山二ツ岳(群馬県)の火砕流に巻き込まれたものとみている。古墳時代に被災した人骨が発見された例もなく、当時の災害の様子を知る上で一級史料となりそうだ。

 同事業団が国道バイパス建設工事に伴い発掘調査したところ、人骨は厚さ約30センチの火山灰に覆われた溝(幅約2メートル、深さ約1メートル)で確認、後頭部や腰骨以外のほぼ全身の骨が残っていた。榛名山に向かい、両膝を付き、うつぶせに崩れ落ちた格好だった。年齢は不明。そばには鉄製のやじり十数本や別のよろいもあり、乳児の頭の骨も見つかった。溝の中で火山灰に密閉されていたため、保存状態が良かったとみられる。
 人骨が着けていたよろいは背中側が露出しており、高さ60センチ、幅50センチ。小札(こざね)と呼ばれる短冊状の鉄板(長さ約5センチ、幅約2センチ、厚さ約1ミリ)を多数つづり合わせた強固なつくりだった。同事業団は「山の神の怒りを鎮める儀式をしていたのではないか。」としている。また当時、小札甲(こざねよろい)を作る工房は近畿地方でしか見つかっておらず、県内でも小札甲が副葬品として出土しているのは支配者層の古墳に限られていることから、「大和王権とつながりが深い、政(まつりごと)を担うような首長など地位のある人物だったのではないか。」とみている。同遺跡の西側にある同時代の金井丸山古墳からは副葬品として鉄剣3点が出土しており、小札甲姿の男性と関連がある可能性があるという。ほか、男性の近くからは生後数ヶ月の乳児の頭骨や鉄製の矢じり十数点も見つかった。

 金井東裏遺跡は榛名山二ツ岳の北東約8.5キロ。過去の発掘調査で、6世紀初めの噴火の際、火砕流が最大15キロ先に及んだことが判明している。

 群馬県内では5世紀後半以降、前方後円墳など有力者の古墳の副葬品として多く出土。榛名山の周辺では、金井東裏遺跡から約1キロ離れた国指定史跡の黒井峯(くろいみね)遺跡と、約4キロ離れた県指定史跡の中筋(なかすじ)遺跡が、同じく6世紀に榛名山の噴火で埋没しており、黒井峯遺跡では火山から噴出した軽石の下にあった古墳時代の住居や畑跡が当時のまま出土している。海外では、古代ローマの都市が埋まったイタリアのポンペイ遺跡が有名。ポンペイでは神殿や劇場、住居などが見つかっていることから、黒井峯・中筋両遺跡は「日本のポンペイ」と呼ばれている。

一瀬和夫・京都橘大教授(考古学)の話
 6世紀になると、首長クラスは今回見つかったような実用的なよろいは着けなくなる。男性は、首長の居館を警備する武人だったのではないか。武具一式を着けていないことから、任務としてではなく、自分の家族が心配で見に行ったのかもしれない。同様に噴火で埋もれたイタリアの古代都市ポンペイの遺跡では、家族の方を向いて倒れた父親の様子が分かっている。男性もわが子を抱いて逃げる途中、転んでしまったのかもしれない。



 うをを!! なんというロマンあふれるニュース……みなさん、どうもこんばんは、そうだいです~。今日も一日、お疲れさまでした!

 まぁ、ロマンって言ったって、要するに被災死した方の遺体が見つかったってことなんですから、決しておもしろいだけの話じゃないんですけどね。
 いくさの最中で甲冑を身につけていた人が出土した、というわけではないらしいのですが、それでも何らかの必要に迫られてその人が着用した甲冑がそのまま発見されたということは、これはやっぱりすごいことなんじゃないかなぁ!?

 う~ん、もしかしたら状況が状況だから、消防服のような用途でその時は着用していたのかも知れませんねぇ。すぐ近くの赤ちゃんにしろ、無残な結果になってしまったことには、それから1500年くらい経過した時代に生きている私も心を痛めてしまうわけなのですが、そういう名もなき誰かの死にざま(=生きざま)が我々の社会の知るところとなったという運命には……なにかしら感動してしまいますねぇ。

 でも、6世紀の群馬県、つまり上毛野国(かみつけぬのくに)がそれほどまでの文化レベルを有した大国だったとは……まったく知りませんでした。そういえば私もつねづね、近畿地方の大和朝廷の支配下になったあとの群馬県=上野国(こうずけのくに)が、なんでまた大王の親族が直接支配する政治特区みたいな扱いになっていたのかが不思議でしかたなかったのですが、かつてそれだけの重要性のある関東地方の要だったからだったんですねぇ。なるほどね~。
 だとすれば、6世紀初期に発生したという榛名山大噴火は、そのカミツケヌ政権に致命的な損害を与える大災害になったということなのでしょうか。ヤマト王権から見たらもっけの幸い以外の何者でもない感じなんですが、歴史の奔流というものは実に残酷なものなのねェ~。


 こんな感じで、今回はちょっと別の話題にしたかったのですが、甲冑着用の人が出土したというニュースがとてもおもしろかったので延期ということにして、あとは最近のつれづれみたいなあたりでお茶をにごしたいと思いま~す。いろいろ忙しいんですよ……


《小沢昭一先生、さようなら》

 いや、まさか、このお方までもが2012年のうちに亡くなってしまうとは……ショックを受ける前に、まず実感がわかない状態なんですよね。
 確かに、今年は6月くらいから TBSラジオの『小沢昭一の小沢昭一的こころ』をぱったり聴かなくなってましたからねぇ。今回の訃報記事ではじめて、9月から新規録音がなくなっていたということを知って驚いてしまいました。
 残念でも悲しいでもなく、本当に「ぽっかり穴があいてしまった」という感じですね。中断はありますけど、中学時代から聴いてましたからねぇ。いや、『小沢昭一的こころ』のおもしろさを理解していたとは自分でも思えないんですけど、なんとなく毎回聴いていたんです。
 そういえば、つい最近に読んだ兵藤裕己先生の学術書にも、ひょんなところで大道芸・放浪芸のれっきとした研究者として小沢昭一という名前が出ていてびっくりしたんでしたっけ。

 まだまだ TBSラジオには『永六輔の誰かとどこかで』と『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント(ちゃんとプレゼントすることは滅多にない)』があるわけなんですが……な~んか好きだったんだよなぁ、『小沢昭一的こころ』。
 今週の月曜日深夜に放送された『月曜JUNK 伊集院光の深夜の馬鹿力』での追悼の仕方は、いかにも伊集院さんらしいやりかたで、なんか感動してしまいました。小沢昭一先生とはひとかたならぬ縁のある伊集院さんですからね……

 小沢昭一先生、今まで本当にありがとうございました! ゆっくりお休みください。


《久しぶりに観た鈴木さんに、なぜかしみじみ……》

 前にもどっかで触れたように、今現在の私が TVを視聴する手段はといいますと、「仕事場でつけっぱなしになっている TV番組をなんとなく目にとめる」という戦時中の配給食糧(いも)なみのとぼしさであるわけなのですが、この前も仕事をしながらなんとな~く横目で観ていたら、ひとりの女優さんが、特にこれといった舞台装置も小道具もないスタジオで淡々と物語をかたっているだけ、という非常にシンプルな番組が流れていました。
 ちょっと TVから離れた場所にいたので音声もあまり聞こえなかったのですが、かたっている女優さんは若くもなく、おばさんでもなく……かといって、パッと見てすぐにわかる方でもなく。でも、確かに私はどこかでこの人を見たことがある! という、不思議な感覚にとらわれるお方だったのです。でも、年相応に大変な美人であることは間違いありません。
 う~ん、誰だっけ、この人? モヤモヤは続いていたのですが、番組が終わりかけたときにやっと、「もしかして……」という名前が私の中で浮かび上がってきました。

「もしかして……鈴木蘭々ちゃん……いや、蘭々さん?」

 当然ながら仕事中だったのでその場で確認することはできなかったのですが、その夜に帰宅してその番組『おはなしのくに』( NHK-Eテレ 毎週月曜日午前9:00~15放送)のサイトを調べてみたところ、確かに私が目にとめたのは、マージェリィ=W=ビアンコという作家さんの『ビロードのうさぎ』という作品を語り聞かせる鈴木蘭々さんその人であることが判明しました。

 鈴木さん。いい女優さんになりましたねぇ~! いや、具体的にどうかたっていたのかは全然聴き取れなかったので、いい女優さんになったみたいですねェ!
 なんか、若かったころよりもスリムになって落ち着いた印象にはなったのですが、瞳の輝きが往時とまったく変わっていないのがすばらしいですね。大好きなんですよね、ああいう「目に温度があるひと」。
 とは言っても、私が観た『ビロードのうさぎ』は2009年に収録された映像の再放送らしいので「最新の鈴木さん」ではないようなのですが、確か内田有紀さんも鈴木さんと同い年だったかと記憶しているのですが、私の少年時代に TVをにぎわせていた皆さんが今もちゃんと、成長したステキな姿を見せているというのは、なんだかしみじみ感動してしまいます。わしもオッサンになったものよのう!
 鈴木さんは現在、舞台を中心に活動されているんでしたっけ? いつか、ちゃんと拝見したいですね、女優の鈴木蘭々さんを。私個人は「歌手の」鈴木蘭々さんも好きだったんですけどね。『泣かないぞェ』とか。うわ~、100%、8cmシングルの話!!

 どうでもいいんですが、番組終了直前に音声がとだえて、無音の映像の画面はじっこに番組タイトルと「製作・著作 Eテレ」とかっていうテロップが出てるっていう最後のショット、よくあるじゃないですか。そこ、鈴木さんが完全に OFF状態になって、「もう、いいっすかね……おつかれっしたぁ!」みたいな感じにぺこぺこ頭を下げながらスタジオを出ていくさまがバッチリ映ってましたよ。
 最後のワンカットまでメルヘンを守り通せずに、一体なにが『おはなしのくに』だと言うんだ……今の NHKはやっぱり、たるんどる!!


《芸術系の短大の「演技発表会」なるものを観てきました》

 先日、知り合いの短大生の方に招待されて、その方の出演する「演技発表会」というものを観てきました。
 その方は芸術系の短大で「演劇」を専攻していて、確か半期に1回の割合で授業の最後に演劇の公演をするのだそうで、私は今回、その発表会としてその人が出演するシェイクスピアの『マクベス』を観に行くこととなったのです。『マクベス』は観るのもラクですわ、黒澤明の『蜘蛛巣城』をさんざん観ておおかたのあらすじは知ってるつもりだから!

 その発表会は基本的に「非公開」という形式になっているらしいのですが、特別に生徒が1人だけ知り合いを招待することができるらしくて、今回は光栄にも私がその方にお呼ばれすることとなったわけなのです。身にあまるプレジャ~。

 ところが、私が住んでいるのは千葉県千葉市で、演技発表会があるその短大のキャンパスは「東京都調布市」!! ワ~オ、ふぁーらうぇ~☆
 私が観る『マクベス』は午前10時に開演されるということで、よくよく計算してみたらば、私は早朝6時30分に起床して準備しなければならないという驚愕の事実が。これじゃ働いてるモードと変わりがねぇ!! 早朝マクベスかぁ~。胃に悪そう。

 それでも、「1生徒1名のみ指名」ということで、普通にお芝居を観る以上のプレッシャーが発生している今回に遅刻するわけにもいかず、まったく行き慣れていない調布市だったということもかえって良い方向に働いたのか、当日はまったく問題なく短大のキャンパスにたどり着くことができました。あ~よかった。

 さてくだんの演劇発表会だったのですが、これは確かに「発表会」という感じで、その演劇専攻の学科の生徒が4組に分かれたうち、『マクベス』を上演した組は生徒数がだいたい20名ちょっとということで、それぞれが『マクベス』の各名場面の誰かの役を順ぐりで演じるという形式になっていました。
 つまりは、前のシーンでマクベスを演じていた生徒さんが次のシーンで家臣A を演じていたり、さっき魔女だった生徒が今マクベス夫人をやっているというめまぐるしいダイジェスト版『マクベス』になっていたわけだったのです。上演時間は1時間。このアナウンスを開演直前に聞いたときに、私は内心ホッとしました……

 そしていざ始まってみると、私個人は配役のゴチャゴチャ感があるのが心配だと思っていたものの、マクベス役やマクベス夫人役などの衣装がそれぞれ全シーンで同じになっていたことが大いに功を奏したのか意外と観やすくなっていて、名シーンのみのぶつ切りになっていた構成も、内容がわかりやすい陰謀劇である『マクベス』だったためにそんなにわかりにくくはない流れになっていました。

 そんな感じで、すべり出しはおもしろそうだったのですが……
 あの……生徒のみなさんの血気がはやりすぎたのか、30すぎた私の聴力が衰えてきているからなのか、舞台上で役をもらった人が力を入れてしゃべっている重要そうなセリフにかぎって、なに言ってんのかじぇんじぇん聴き取れない……

 本人は実にノリノリで語っているようなんですけど、後半かならず日本語じゃなくなっちゃうんですよね、ほとんどの人が。
 これが「若さ」というものなのか……タイムマシンを駆使して、かつて劇団俳優をやっていたころの私自身をひっぱってきて見せてやりたかったです。
 そういえば、私も苦い経験を持っているあるハプニングが、やっぱりその発表会でも起きていましたね。本番っていうのは、手にも汗をかくもんですからね……でも、あれは素手で木刀を持たせてそれ相応にしっかりした殺陣をやるっていう演出にも問題があるのでは……まぁ、ケガ人は出なかったみたいで良かったですよ。

 ともかく、「若さって……」とアクビまじりに考えつつも、お昼12時にもならないうちにまた調布から千葉へという帰路につく私なのでありました~。だってもう、眠くて眠くて買い物も映画も頭に浮かばなかったんだもの~! なんだよ、このスケジュール!?


《私用で甲斐国に行ってきます》

 完全に個人的なイベントなんですが、クリスマス前くらいに甲斐国に行って、大学時代から親しくさせてもらっている、さるお方に会って茶飲み話をしてくるつもりです。
 なんか、この方にかぎって、「親友」っていう言葉とはまったく別のニュアンスにあるような気がするんですよね……でも、これは決して親友というほど「親しくない」ってことじゃあないんです。ですから、「親友」以上に「友人」でもないし「知り合い」でもないし、ましてや「想い人」ってわけでもないんですね。大好きな人なんですけどね……はたと考えてみれば、生活している距離も遠くて私は彼女についてのことをほとんど知らないのですが、これ以上なにを知る必要があるんだっていう気もするし。「男女間に友情は存在しない」? う~ん……

 今現在、私がいるのは私の生まれ育った土地ではなく、大学入学のときから移り住んできた千葉でありまして、そのせいもあってか、私の今いきている人間関係は大学時代以降にできたものがほとんどです。ありがたいことに、ほんのわずかながら東京近辺に在住するようになった幼稚園~小学校~中学校~高校時代の知り合いとの交流も最近になってにわかに復活するようになってきたのですが、それでも大多数は大学時代プロパーであるわけです。

 人それぞれだとは思うんですが、私は自分の大学時代の出会いこそが、かけがえのない人たちばかりしかいない「大当たり!」のシーズンだったと理解しています。他の時代の人たちにくらべて、やっぱりお互いいくらか成長しているからなんでしょうか? いや、たまたまだな……だって、大学時代の私はガキンチョもいいところだったんですから! ひと夏をまるごとゲタ履きで通すという、240%「モテない」方向のガキンチョでありんした……

 たまたま、大学時代の私はかなりキャラクターが「特濃」な集まりに顔を出すことが多かったのでしょう。でも、その中でも私がこれから甲斐国で会う予定のお方は……やめときましょう。もう、あの4年間から10年以上もの歳月が経過しようとしているのです。

 とにかく、何があるというわけでもないのですが、会うというだけで胸が静かにときめくお方であります。
 まず、なにはなくとも無礼・粗相のないように!! いい時間になればいいな~。


《あの「HO2 計画」が、まさかの再始動!?》

 てぇへんだ、てぇへんだ!!
 あの先月の、思い出すだに無駄な小失敗のやたら多かった「HO2(ひとさまの お子を お預かりする)計画」が、まさかの年内再始動!?
 よもやの再オファーを受注してしまいました……せいぜい、一命を賭させていただきます。

 もうネタ切れよ!? どこ行けばいいの、今度? 映画はなんかやってる? あぁ、『仮面ライダー』と『イナズマイレブン』やってんのね。でも、さすがに2本だてにしたら疲れるだろうしなぁ。どっちがいいか聞いてみるか。

 これもやたらと緊張する一大イベントですからね……とにかく、安全第一! くれぐれも事故のないように。

 今回は体調も万全ですけどね。何事も油断禁物でありまするゆえ、心してかかりますよ~い。



 とまぁ、こういった感じの近況でして……って、ちょっとイベントが多すぎでないかい!?
 そのほかにも、日頃ごひいきの丸ノ内伯爵(仮)との年末会合もあるし、こんなの気がついたらあっという間に2013年ですよ!!

 もちろん日々の忙しいお仕事もあるわけなんですが、これらのOFF になるわけがないOFF を糧にしつつ、引き続き濃密すぎる12月を突っ走っていきたいと思いま~っす。

 疲れているひまが、ない……
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世界よ、これが日本の土曜ワイド劇場だ!!  ~明智小五郎シリーズ第10作『大時計の美女』~

2012年12月08日 23時02分20秒 | ミステリーまわり
 おっしゃーい! どうもこんばんは、そうだいでございます~。みなさま、休日いかがお過ごしでしょうか~?
 いやぁもう、寒い寒い! もうどんなに天気がよくなっても、気温の方は真冬モードに突入してしまったんですなぁ。

 真冬といえば年の瀬、年の瀬といえばあなた、年賀状でございますよ……そろそろ、そっちのほうに費やす時間の計算もしなくちゃならない時期になってきてしまいました。はなはだ面倒くさいけど、これをやらなきゃ年は越せないわけなんですよ! がんばろ~っと。

 話はまるで変わりますが、電車に乗っていたら、中吊りに来年の NHK大河ドラマの『八重の桜』の宣伝広告が! こっちのほうも、そういう季節になってきたんですねぇ。
 いや~、この宣伝写真の綾瀬はるかさんが、カッコいいカッコいい!! ハリウッドで量産されているタイプとはまったく違った「日本のバトルヒロインここにあり!」といった趣のある実に凛々しい表情で、表面上の顔立ちやプロポーションなどといったものとは別の次元にある、彼女の中心から湧き出る「女優です!!」オーラに惚れてしまいます。

 綾瀬さんといえば、普段はおっとりした印象の強い方ですし、大阪城天守閣のことを「お寺」と呼ぶなどといったかなりキテるエピソードにもこと欠かないお方であるわけなのですが、この『八重の桜』宣伝写真での「やるときゃやらせていただきます。」というたたずまいとのギャップに、女優としての器のデカさを感じずにいられません。
 『八重の桜』、ちょっとだけ楽しみになってきましたね。去年、今年と、大河ドラマはなにかと不本意な話題の多い作品が続いてしまいましたから、いまだかつて大河では取りあげられることのなかった観点からの江戸幕末ものなので未知数のところはありますが、ぜひともがんばっていただきたいと思います。

 あっ、そういえば、その中吊り広告には「テーマ音楽 坂本龍一」ともうたれてましたわ!
 本編の BGMまでは担当されないようなのですが、こっちも楽しみですねぇ。
 いつだったか、この『長岡京エイリアン』で私が勝手に選出した「 NHK大河ドラマ 好きなテーマ曲ランキング」では、なんてったってベスト10にランクインしたいちばん新しい作品が『北条時宗』(2001年)だったんですからね! 最近のものではかろうじて『龍馬伝』(2010年)が第11位につけていましたが、そろそろ「おぉ、これは!」と思わずうならされてしまうような名曲がほしいです! 教授、よろしくお願いいたしま~っす。

「『八重の桜』の評判しだいでは、もしかしたら TVを買うかもね!?」

 なんていう、現時点では1ミクロンも考えていないようなことを、誰に向けるわけでもないリップサービスとして口走っておきまして、今回の本題に入っていくことにいたしましょっかね~。


 今月はいろいろと、11月から引っぱっている話題でやりたいことがたまっているのですが、まずは先月末に観た、恒例のこのシリーズの感想をつづりたいと思いま~っす。
 このシリーズの話題を2012年の今ごろにやるのって、誰か喜んでくれる人っているんですかね……まぁ、そこに期待をいだかないのが個人ブログのフットワークの軽さであるわけなんですが、それにしても、この一連の企画は他にもまして、「体育座りをしながら真っ黒い夜の海に石ころを投げている」ような感覚におそわれることが多いんですよね……

 ま、いっか!! 好きなんだから☆


ドラマ『江戸川乱歩の美女シリーズ 大時計の美女』(1979年11月放送 テレビ朝日『土曜ワイド劇場』 95分)


おもなキャスティング
 19代目・明智小五郎    …… 天知 茂(48歳 1985年没)
 児玉丈太郎        …… 横内 正(38歳)
 丈太郎の妻・夏代     …… 赤座 美代子(35歳)
 ヒロイン・野末秋子    …… 結城 しのぶ(26歳)
 黒川太一弁護士      …… 根上 淳(56歳 2005年没)
 刑務所の監察医・股野礼三 …… 松橋 登(35歳)
 丈太郎の元婚約者・アケミ …… 内藤 杏子(24歳)
 屋敷の下男・岩淵甚助   …… 岡部 征純(43歳)
 老婆の幽霊        …… 村上 記代(?歳)
 12代目・小林芳雄     …… 柏原 貴(?歳)
 助手・文代        …… 五十嵐 めぐみ(25歳)
 3代目・波越警部     …… 荒井 注(51歳 2000年没)

 ※天知茂による不定期スペシャルドラマシリーズ『江戸川乱歩の美女シリーズ』の第10作で、乱歩の長編小説『幽霊塔』(1937年3月~38年4月連載)の2度目の映像化となるが、明智小五郎が活躍するのは本作のみ
 ※乱歩の『幽霊塔』は、イギリスの探偵小説家・アリス=マリエル=ウィリアムスンの長編『灰色の女』(1898年)を、日本の小説家・黒岩涙香(るいこう)が翻案した長編『幽霊塔』(1899~1900年連載)を、さらにリメイクした作品。ややこしい
 ※本来、乱歩による原作小説『幽霊塔』に明智小五郎は登場しないのだが、1959年8月に作家・氷川瓏(ひかわ ろう 1913~89)によって子ども向け作品にリライトされた長編小説『時計塔の秘密』では、探偵になる以前の青年時代の明智小五郎が活躍している
 ※乱歩の『幽霊塔』(と、おそらくは『時計塔の秘密』も)の時間設定は、連載時よりもひと昔前の大正時代「1914年4月」になっている
 ※天知小五郎シリーズを通して時代設定は「1970~80年代現在」にされており、明智小五郎は東京都心で2人の成人した助手(小林と文代)のいる探偵事務所を運営している。文代は原作の設定である明智小五郎の妻ではなく、名字も明らかにされていない
 ※現在、小学館の隔週刊マンガ雑誌『ビッグコミックスペリオール』で連載されている乃木坂太郎の『幽麗塔』(2011年6月から連載中・コミックス既刊3巻)は「黒岩涙香の『幽霊塔』をリメイクした作品」であり、乱歩の『幽霊塔』と直接のかかわりはないが、同じ原点を持つ兄弟のような関係にある



 う~ん、やっぱり天知小五郎、まだまだ観飽きないなぁ~!!

 我が『長岡京エイリアン』では、予算の都合からこの天知小五郎シリーズをランダムに購入して観ているため、今回の第10作は3回目のレビューということになりますね。
 いよいよ、当時の『土曜ワイド劇場』のまごうことなき看板シリーズとなっていたこのシリーズも3年目に入り、記念すべき10作目の登場とあいなりました。天知茂サマの眉間のしわももう絶好調です!

 ちょっと視点を当時の日本の「名探偵事情」に広げてみますと、この『大時計の美女』が放送された1979年は明智小五郎の後輩にあたる、あの金田一耕助の映像化ブームが最後の大爆発をとげた年でもありまして、1月には西田敏行金田一の『悪魔が来りて笛を吹く』(東映)、5月には石坂浩二金田一の「いったんの」最終作となる『病院坂の首縊りの家』(東宝)、そして7月には古谷一行金田一が唯一スクリーンで活躍した、あんまり笑えないけどやたらキャスティングが豪華なパロディ作の『金田一耕助の冒険』(東映)が公開されるというロマンティック狂い咲きモードとなっていました。正確に言うと昭和の金田一ブームの最後の作品は1981年10月公開の鹿賀丈史金田一による『悪霊島』(東映)であるわけなのですが、やっぱりブームの熱のようなものは『病院坂の首縊り』のあたりでひと段落ついたと言えるでしょう。

 こんな感じでしたので、ついに約4年続いた金田一ブームが夏をもっていったん落ち着き、「日本の名探偵といえば?」といったお鉢が、ただひとり TVの世界でバリバリ現役を続けている天知小五郎にまわってきたというわけだったのです! 先輩はやっぱり強かった……
 ちなみに、古谷金田一が TBSのサスペンス劇場での不定期シリーズを開始するのは1983年からでしたので、そこまでは天知小五郎の「ひとり天下」が3年ちょい続いていたというわけだったんですね。そしてこの時期は、主演・天知茂と監督・井上梅次という黄金タッグがガッチリ組まれていた、向かうところ敵なしの「キラキラマリオ状態」でもあったのです! 働きまくる名探偵!!

 さて、このような活況を迎えることとなった天知小五郎シリーズの、記念すべき10作目を飾る今回の『大時計の美女』だったわけなのですが、実はこの作品、ちょ~っと他のシリーズ作品とはおもむきの異なる不思議な味わいの物語になっていました。

 他の作品との違い、それは、天知茂演じる明智小五郎の「超人性」が、本作ではだいぶおとなしくなっているという点なんです! あらら、これはけっこう、『土曜ワイド劇場』の天知小五郎シリーズでは大きな冒険なんじゃないですか!?

 天知小五郎シリーズといえば、クライマックスでの定番の「中にバッチリ決まったスーツを着ているはずなのにまったく着ぶくれしていない天才的変装術」に代表されるように、もうマンガのレベルにまでディフォルメされた明智小五郎の無敵さが無視できないポイントとなっているはずです。ここがしばしば批判点になったりツッコミどころにも挙げられてしまうわけなのですが、そこに強力な説得力を持たせるのが、あの不世出の名優・天知茂のダンディズムだだもれの身のこなしであったのでした。

 ところが! ど~にもこの『大時計の美女』の中での明智小五郎は、決して無能ではないのですが、そのいつもの「ヒーローっぷり」がクライマックスにまでお預けになっている感が強いのです。終盤になってやっとそのへんにエンジンがかかり、なんとか本シリーズ名物の「身長も声色も変わってしまう超絶変装」も披露されることとなるのですが、物語の大半で、明智は奇怪な事件を手をこまねいて傍観するだけだったり、舞台となった三浦半島の古びた洋館にそびえ立つ時計塔の謎に立ち往生してしまったり、謎の敵の放った毒吹き矢を首筋に受けて昏倒してしまったりというていたらくになっているのです。あの天知小五郎が神じゃない!? まぁそれでも、異常に頼りになりそうな外見であることに変わりはないんですけどね。

 どうして、この『大時計の美女』にかぎってこんな事態におちいってしまったのか?
 この問題の原因はどうやら、作品の原作が江戸川乱歩の「本来ならば明智小五郎の登場しない小説である」あたりにあるらしいのです。
 要するにこの『大時計の美女』は、明智小五郎のような「ヒーロー」がいないはずの大筋にドラマ独自のアレンジを加えて明智を差し込んだ作品であり、それがために、どこかしら明智小五郎の活躍の割合がいつもよりも窮屈な感じになっているらしいんですね。

 ところが!! ここがこの『大時計の美女』の素晴らしいところなんですが、上のようなちょっと危なっかしい状況下で作り出された物語であったのにもかかわらず、この作品はそのアレンジっぷりが非常に的確に奏功して、天知小五郎シリーズ、いやさ、その放送枠の母胎でもある『土曜ワイド劇場』の中でも、おそらくは屈指の大傑作になりおおせているのです! えっ、明智がパッとしないのに、なぜ!?

 これはもう、本作のメインゲストキャラクターである横内正演じる「児玉丈太郎」のおもしろすぎるキャラクター造形に代表されるように、ちゃんと原作『幽霊塔』に敬意を表しつつも大胆に創意工夫を凝らしていく、脚本のエンタテインメント性のおかげだとしか言いようがありません。

 ということで、本作で「明智小五郎がいまいち活躍しない」という問題点なのですが、これは江戸川乱歩のノン明智な原作の語り口と脚本のアレンジポイント、その双方に理由があるようです。

 原作の『幽霊塔』に起因する理由からいきますと、まず出発点として、この江戸川乱歩の小説が乱歩本人のオリジナル小説なのではなく、もとをただせば19世紀末につくられた探偵冒険小説を素体としている、ということですね。江戸川乱歩が「日本探偵小説界の祖」である黒岩涙香を少年時代から強くリスペクトしていたことは非常に有名な話です。
 つまりこの『幽霊塔』は、まだ「大事件を神がかった推理で解決する名探偵!」という設定がそれほど確立されていなかった時期に誕生した物語だったのであり、どちらかというとアレクサンドル=デュマ(親父)の伝奇小説に近いような、「主人公が体当たりで怪奇な事件にぶち当たっていって解決する」実に肉体派な作品だったのです。

 実際に、乱歩の『幽霊塔』は執筆時期よりも約20年さかのぼった大正時代の長崎県で、まだ若かった主人公・北川光雄が叔父で養父の児玉丈太郎の買い取った山間部の古びた時計屋敷で発生する怪事件に挑んでいくという内容になっていて、いちおう「長崎県警きっての名刑事」とたたえられる森村刑事という人物も途中から参加はするのですが、事件の大部分は光雄と、彼がゾッコンに惚れこんでしまう、ミステリアスな雰囲気をおびた謎の美女・野末秋子の活躍によって解決されてゆくのです。
 この原作『幽霊塔』はもうホントにめっちゃくちゃおもしろい小説なのですが、どこがいいのかと言いますと、主な交通手段が「人力車」であるというクラシックな時代設定も最高なのですが、主人公の光雄が大金持ちの叔父・丈太郎の養子で、そこそこ美人ないいなずけ・三浦栄子がいながらも別の野末秋子に猛アタックをしかけるという、時計塔の謎もへったくれもない「リア充」ぶりにあります。だってこの光雄、事件のどさくさにまぎれて秋子さんに告白してんだぜ!? 乱歩の筆が大暴発!!

 そんな光雄の乱行ぶりにかぎらず、この原作『幽霊塔』は「サーカスから逃げだしたトラが時計屋敷に乱入!」「乗った列車が唐突すぎる脱線事故!」「壁いちめん床いちめん家具いちめんにクモがウジャウジャうごめいている部屋に潜入!」といったアホみたいな大ハプニングが連続して巻き起こっており、もうこうなったら光雄を演じるのは『ダイ・ハード』シリーズのブルース=ウィリスでいいんじゃないかというまでの肉体派アクション映画の様相を呈しているのです。それで終盤には、莫大な財宝をめざして時計塔の内部にある広大な迷宮空間に飛び込んでいくダンジョン展開もあるっていうんですから、もう大盤振る舞いもいいところ!!

 こんな感じですので、原作の『幽霊塔』には、はっきり言って知性派のドライな名探偵が入り込む余地はなかったわけなのです。だって、物語の進行は「正義」と「恋愛感情」を気持ちいいくらいに混同した主人公の光雄がバリバリこなしていきますし、あろうことか、森村刑事はそんな光雄の勘違いによってクライマックス直前にコテンパンにのされて監禁されてしまうのです。光雄くん、それカンペキな犯罪よ!? ムチャしよるわ……
 そして極めつけは、この物語で発生した一連の事件の真犯人が、光雄の行動とはまぁ~ったく関係のないタイミングで都合よく「あんな最期」をとげてしまうこと! 財宝は見つかるわ真犯人は自滅してくれるわ、おまけに夢中になったヒロインの秋子さんはゲットできるわで、ちょっと理不尽なくらいにハッピーエンドを満喫してしまう光雄なのでした……どこで死んでもおかしくないイベントが目白押しだったのに、なんという豪運☆

 このように、ハリウッド映画なみにアドベンチャーがたっぷりな原作『幽霊塔』だったわけなのですが、さぁこれを一体どうやって明智小五郎が活躍する『土曜ワイド劇場』にもってくるべきなのか!? ここで製作スタッフ、特に脚本担当の大ベテラン、長谷川公之(1925~2003)が駆使したテクニックは実に簡潔で、ベストなものでした。

 すなはち、大作映画が作れるほどにゴチャゴチャした原作『幽霊塔』の「分解」と、そこからつまんできた要素を TVの『土曜ワイド劇場』のサイズの枠に組み立てなおした「リ・ビルド( re-build)」!!
 つまり、もともとお城ができていたレゴブロックをバラバラにして、そのいい部分だけをピックアップしてこぢんまりした、けれども非常によくできた家を作ったというのが、原作『幽霊塔』とドラマ『大時計の美女』の関係なんじゃないかと思うんですね。


 まず、『大時計の美女』は、なるたけ物語の謎のメインとなる古びた時計屋敷だけに焦点をしぼって、トラだ列車事故だクモだらけだというそれ以外のギミック要素を惜しげもなくカットしています。
 ちなみに、原作『幽霊塔』では、後半に重要なキーマンとしていかにも乱歩ワールドの住人らしい恐るべき「特殊技能」を持った芦屋暁斎(あしや ぎょうさい 名前からして妖しすぎ!)という怪老人が登場するのですが、『大時計の美女』はここのくだりもばっさり省略しています。芦屋暁斎の語る異常なサイドストーリーは、同じ乱歩の小説である『猟奇の果(はて)』や遺作『黄金の怪獣』にも通じる魅力に満ちているのですが、まぁ、『土曜ワイド劇場』という枠でここをカットしたのは正解だったと思います。2時間ドラマじゃおさまりきらねぇ!

 その代わりに何をフィーチャーしたのかといいますと、それはもう「時計屋敷を取り巻くあやしすぎる面々」! ここですよねぇ~。

 そう、ここなんです。時計屋敷に長年伝わる「隠し財宝」の言い伝えを知ってか知らずか、いかにも欲の皮のつっぱっていそうな野心家から謎に包まれた美女まで、クセのある登場人物だけしか集合していない(もちろん、明智小五郎も含む)という圧巻のうさんくささこそが、観る者に猛烈に「あぁ~、これ、『土曜ワイド劇場』だわぁ。」というカタルシスを味あわせてくれるのです。最高だ!!
 赤座美代子、根上淳、そして天知小五郎シリーズの記念すべき第1作『氷柱の美女』でのインパクトも記憶に新しい松橋登! いいですね~、これで何も起こらないほうがおかしいですね~。

 もちろん、この『大時計の美女』に登場する人物は全員、キャラクターを原作の『幽霊塔』に登場する誰かから受け継いでいるわけなのですが、その一方で、原作の人物を100%忠実に映像化したキャラも1人もいないという不思議な関係になっています。

 そして、その最たる例となっていたのが、原作の主人公・北川光雄とその叔父を足したような役割になっている「児玉丈太郎」役の横内正さんでした。
 児玉丈太郎という名前は原作の光雄の叔父とまったく同じなのですが、『大時計の美女』の丈太郎は40手前の中年男性ということで、長崎地方裁判所の判事職を定年退職した原作の丈太郎とも、「26歳」と設定されている光雄ともまったく違ったキャラクターになっています。
 さらに、ここで無視できないのは、このドラマ版の丈太郎という人物が、時計屋敷の謎にチャレンジするというポジションこそ光雄と同じではあるものの、東京で何かしらの事業に失敗していたり、妻のある身でありながら時計屋敷のある三浦半島の地元にも愛人がいたり、なおかつ財宝の秘密のカギをにぎっている様子の美女・野末秋子にも手をつけようとするなど、原作の光雄ともまるで違うオッサンな感じの「リア充」ぶりを発揮しているということなのです。いかにも『土ワイ』ですね~。また、演じる横内さんの、あの天知小五郎さえもがかすんでしまう「うさんくささ」がたまりません。あの低音の美声、サングラス、趣味の悪い柄のシャツ~!!

 実のところ、『大時計の美女』の側に起因する「明智小五郎のいまいちさ」というのも、その大きな原因は横内さん演じる児玉丈太郎によるところが大きく、それは、この事件の依頼人が他ならぬ丈太郎さんだったからなのです。

 結局、神のごとき推理力を兼ね備えた明智小五郎も、事件の依頼人がちゃんとホントのことを打ち明けてくれなければ正しい真実にたどり着くことはできません。案の定、時計屋敷にやって来た時点で丈太郎が「何か」を隠していると看破した明智は事件解決に対する熱意を失ってしまったかのようにどこか冷めた感じになってしまい、あっという間に謎の美女・秋子にゾッコンになってしまうのでした。明智先生、それ仕事の出張じゃなくて、ただの恋人探しの三浦半島旅行ォオ~!!

 こういった、謎はいたるところにゴロゴロしてるけどなんだか解決する気にならないというグダグダの中で、深夜の屋敷に現れる老婆の幽霊、財宝の秘密と関係があるとしか思えない暗号文書などといった見どころが小出しにでた上での、「恒例の」意味なく女性がハダカになる殺人事件が発生するわけです。
 ところが、今回の事件は以前にレビューした『氷柱の美女』事件や『化粧台の美女』事件に見られたような用意周到な犯罪計画といったものはいっさいなく、時計屋敷の財宝が見つからないというプレッシャーにあせった真犯人が暴走するかたちで殺人が起きてしまったという、いかにも『大時計の美女』らしいショボさがあるのです。でも、ここがいいんだなぁ~! 原作の真犯人とはまったく違う人物がドラマの真犯人となるわけなのですが、この人の最期も原作なみに情けないです!


 結論から言いますと、この『大時計の美女』は天知小五郎シリーズの中でもミョ~にスケールの小さい事件として目立つ不思議な作品なのですが、この意図的なコンパクトさがむしろ欲に目のくらんだ人間のぶざまさやかわいらしさをきわだたせており、その背伸びのしていなさが非常に『土曜ワイド劇場』らしい安心のクオリティを発揮しているのです!
 明智小五郎が「超人じゃない」からこそムチャクチャおもしろい。この逆転現象がほんとにいいんですよ。

 もっと多くの人に観てほしい快作です。でも、DVD を買うしか手はないか……ほんとにおもしろいから、観られる人は観てみて~!!
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世界は転倒した! じゃあ、ビールでも飲もっか  ~城山羊の会 『あの山の稜線が崩れてゆく』~

2012年12月05日 23時06分50秒 | ふつうじゃない映画
 は~い、みなさまこんばんは! いつものそうだいでございます。みなさま、今日もがんばって疲れましたか? ご苦労様でしたねぇ。

 私も今日は、朝から電車に乗りどおしの一日だったんですけれども、やっぱり電車移動っていうのは、もちろん便利でいいんですけど、長時間はツラいものがありますなぁ! 何を当たり前のことをほざいてるんでしょうか。
 まずはやっぱり、空調がなかなか思い通りのいい感じにならなくてねぇ! こう冬本番になってくると、乗り始めはあったかくてとてもありがたいんですが、1時間も乗っていれば暑くなって汗はかくしノドは渇くし……それを3~4回も乗り継いじゃったら、家につくころにはもうヘロヘロなんですよね~! お仕事そのもので疲れるんだったら当然納得もいくんですけど、移動の疲れっていうものは、なかなかタチの悪いもんでありますなぁ。
 特に、今日はなんだかわかんないですが JR線も東京メトロもダイヤの乱れがちょいちょい連続したりしてね。別に電車自体が運休してお仕事に影響が出る、とまでいくことはなかったので良かったのですが、比較的あさい夜に帰途についたのに家に帰ったら真夜中、っていうのはなんともはや……明日も早いからさっさと寝なきゃ!


 あぁ! そういえば、十八世・中村勘三郎さん、ねぇ……
 勘三郎さんになって7年ちょっと。還暦も迎えずにですよ。これにはなんとも、言葉を失ってしまいます。
 これからどんどん、お父上の十七世・勘三郎にそっくりになっていって、しかもその父を超える業績を打ち立てていくのかと思っていたのですが……

 こういうことを連想するのは非常に不謹慎かとは思うのですが、 NHK大河ドラマが大好きである私はやはりどうしても、彼が五世・中村勘九郎だった時代に演じて大評判となった、『武田信玄』(1988年)での今川義元役のあまりにも残酷で、かつ壮絶に美しかった最期を思い起こしてしまいます。
 今となっては、この『武田信玄』で描写された今川義元像や桶狭間合戦のもようは、いかにも旧態依然とした古臭い俗説にまみれたものとなってしまってはいるのですが、それでも、京の都を目指して万全の態勢をととのえて出陣したはずの義元が、織田信長の豪雨にまぎれた奇襲によって一瞬にして斬殺されてしまうというフィクションの世界は、彼の入魂の演技によって確かに「史実を軽く凌駕した」リアリティを持ったものに昇華していたのです。
 それにしても、まさしくこれからという時期にあっという間に舞台からその姿を消すことになってしまった2人の天才、十八世と今川義元……人の世というものは、昔も今も思わぬところで残酷すぎる刃をひらめかせるものなんですね。
 つくづく私は、そんな運命の神様にとってもアウト・オブ・眼中な最底辺にいる凡人でよかったと思っとりますよ、ハイ。

 そういえば、最近は芸人さんが胃がん手術を受けることになった、とかいうニュースもありましたが、この前に三条会のお芝居を私と一緒に観た親友も、会社の規定で35歳になってからは必ず人間ドックを受けなきゃならないようになる、とか言ってましたわ。
 健康診断じゃあ、わかる内容もたかが知れてますからね。私だって35なんてあっという間なんだから、ちょっとはそういうもののために貯金しておかなきゃなりませんわな。バカにならないんでしょ? 人間ドックのお代なんて。や~ね~!

 ……今ちょっと調べてみたんですけど、高っ! 人間ドック高っ! よし、がんばって明日からも働こう……


 まぁ、んなこたぁどうでもいいんだ!
 今回は、つい昨日に東京で観てきたお芝居の感想なぞをつれづれ、いってみたいと思いま~す。
 昨日は夕方までお仕事をしたあと、東京は渋谷と下北沢の中間ぐらいに位置する、駒場というところにある小劇場「こまばアゴラ劇場」に行ってお芝居を観てきまし~た。


城山羊(しろやぎ)の会プロデュース第13回公演 『あの山の稜線が崩れてゆく』(作・演出 山内ケンジ)


 はい~、城山羊の会さんでございます! あの、丸1年前の2011年暮れに、私が「こ、こ、こりはまさしく3.11以降の日本を描いた作品でし!!」と勝手に興奮してしまった映画『ミツコ感覚』(主演・初音映莉子のようでいてあきらかに石橋けい)の監督である山内ケンジさんの作・演出であります。

 この『長岡京エイリアン』でも、ちょいちょい城山羊の会さんの作品が好きだ~なんてことをつぶやいているわたくしなのですが、実は公演を観るのは去年春の『メガネ夫婦のイスタンブール旅行記』以来でして、『ミツコ感覚』公開に前後していた去年末と今年夏の2公演をまるまる見逃しているという情けない状況になっておりました。ダメだな~!

 ということで、およそ1年半ぶりに観ることになった城山羊の会公演に、私の期待はいやがおうにも高まっていたわけだったのですが、実際に昨日、このまなこでしかと拝見した感想は……


とても恐ろしく、あたたかく、おもしろく、せつない作品だった!!


 やっぱり今回もギャフンとうならせられてしまいました……お芝居自体は「1時間半」というボリュームだったのですが、そのわずかな間にこうも自分の「脳内の温度」が乱高下してしまうものなのかと、なんだか激しいスポーツかおもしろいスーパー銭湯にでも興じたかのような感覚におちいってしまいましたよ。

 いろいろ言いつつ、結局は私も2008年ごろからたかだか5作ほどの城山羊の会さんの公演しか観ていない浅漬け人間なので大きな口はたたけないのですが、私は城山羊の会というか、山内ケンジさんの作り出す「登場人物たちの言葉や行動のボタンのかけ違いから物語が始まっていく」世界が大好きです。誰が悪いというでもなく、よかれと思ってついた軽いウソがいちばん恐ろしい悲劇を生み出す母胎になってしまうという、いわば「凶夢のピタゴラスイッチ」とも言える伏線の精緻さと、物語の進行にしたがってある程度の不幸が累積してきた段階で、登場人物全員が一気に「スッポ~ン☆」と常識の重力から開放された狂気と本能の宇宙へと飛翔していく、人間本来の「逃避」の力強さとが同時に体験できる城山羊の会さんの作品が大好きだったわけなのです。

 ところが……今回は、そのあたりの「思わぬ不幸とそれに抗う人間」との衝突が生み出す爆発の火薬量がちょっと今までと違っていたような気がするんですよ。ケタがちがってた!


 まず、今回の『あの山の稜線が崩れてゆく』は、物語ののっけから上にあげたような山内ケンジさんの作品にみられるダイナミズムが「前倒し」になっています。始まってわずか5分という早さで、舞台となっている古めかしい家に住んでいる3人暮らし一家のひとり娘である受験生のしおり(演・岸井ゆきの)が家庭教師の高崎馬(たかさきうま 演・本村壮平)にたいして何らかの想いをいだいていることが暗示され、それにたたみかけるかのように、しおりの母親・冴子がちょっと度を越した欲求不満におちいっているらしいことが明示されるのです。今回も、冴子役を演じている石橋けいさんの疲労オーラ180% 大全開で床を見つめるうつろな視線と、絶妙な角度で傾斜したねこ背から首筋へのラインは快調でした。やっぱり石橋さんは素晴らしい!!

 娘のしおりを押しのけて高崎馬に常軌を逸したモーションを仕掛けてくる冴子ではあるのですが、その日、予定よりも仕事が早く終わったと帰宅してきたスーツ姿の旦那さん(しおりの父 演・古屋隆太)はきわめて常識的な物腰の中年男性で、冴子にもしおりにも優しい声をかけるその様子からは、冴子があれほどおかしな精神状態になる理由がつかみとれません。
 ところが、そんな旦那さんが帰宅したことから冴子さんの奇矯な言動にはさらにギアがかかってしまい、「早く帰ってくるなんて知らなかったから夕食を作ってなかった」と言って泣き出したり、それなら外食に行こうと旦那さんが言ったら言ったで「外食が大嫌いなあなたが外食に行こうだなんて、おっかし~い☆」と大爆笑したりと、完全な部外者である高崎馬がいることもどこ吹く風で崩壊しまくってしまいます。

 この時点で、紳士にしか見えない旦那さんが、冴子にとっては非常に強い「何かしらの」不満をつのらせる忌まわしい存在になっているらしいことがわかってくるのですが、じゃあ具体的に旦那さんのどこが冴子をそんなに狂わせるのか、という焦点は一向にはっきりしてきません。それは、当惑するばかりの家族と高崎馬の知らないその答えをただひとり知っている冴子が舞台の上では沈黙するばかりだからです。
 ここが今回の作品のポイントのひとつだと私はふんでいるのですが、今までの山内作品では、主人公に位置することの多い女性(たいてい石橋さん?)が整理されていない言動で日常の不満を吐露していくところから物語がころがっていくという流れがあったような気がするのですが、今回の場合では、物語の語り手であるはずの冴子が沈黙を押し通しているという大きな違いがあるような気がします。

 語り手がいない、ということは、物語を客観的に見つめる人物がいない……のではなく、「意図的に隠されている」ということなのではないのでしょうか。
 つまり、今回の『あの山の稜線が崩れてゆく』は、これから起きる山内作品ならではの「大崩壊」を引き起こしてしまった主人公が誰なのか、ということがラストシーンになるまでわからない緊張感にいろどられているということになるのです。
 今までの山内さんの作品では、確かにちょっとした発言のズレから始まって次々とトラブルが発生していってしまい、最終的には殺人くらいの事態にまで発展していってしまうというスリルがありましたが、これらの信じがたい崩壊の連続が、「いったい誰のつくり出したものなのか?」という部分に謎を残す手法は、こと今回の作品に関して非常にすばらしい効果を与えていたと思います。

 私の観た山内作品のかぎりでは、確か2010年2月に上演された城山羊の会プロデュース第8回公演『イーピン光線』のクライマックスにこのあたりに近い「あぁ~、そうだったのか。」な展開があったと記憶しているのですが、そのときはよく効いた「ひとつのコントのオチ」のようなワンポイントな印象にとどまっていたものの、今回はこの「主人公は誰?」の謎が全編にわたって行き届いていてとてもミステリアスなひとときを味わいました。ミステリー大好き!

 こんな感じの思いをもって私はこの『あの山の稜線が崩れてゆく』を拝見しましたので、私のつたない筆(じゃなくて……パソコンの場合は「指」っていうんでしょうか)でどのくらい守り通せるのかはわからないのですが、今回の作品の主人公が誰だったのかはなるべく明かさないようにしてお話を進めていきたいと思います。できんのか!?

 さて、とにもかくにもこういった「しおりと高崎馬のびみょうな関係」と「冴子と旦那さんのピリッとした関係」の2つがやけに早めにクローズアップされた序盤だったのですが、それらをブッタ切るかのように突如として来訪するのが、これみよがしに弁護士バッジをジャケットにつけた吉岡夫妻(演・永井若葉&岡部たかし)です。このお2人がまた、ご丁寧にどちらもバッジをつけている立派な弁護士センセイであるはずなのに、外見と言動があやしいあやしい。やがて吉岡夫妻はすったもんだの末に、しおりとその両親に対して、一晩で決定するにはあまりにも巨大すぎる人生の選択を迫ってくる添島という男性(演・猪野学)を連れてきます。

 今回の作品は、ここで出そろった3人家族と高崎馬と吉岡夫妻、そして添島の計7名で登場人物が全員になるのですが、やっぱり石橋さんの猫背、永井さんのしれっと繰り出される異常な発言、岡部さんの空間いっぱいに響きわたる割りには中身のない低音ヴォイス、そして本村さんのまったく予想のつかないタイミングで炸裂する無意味きわまりない慟哭といったあたりが次々に展開されていくと、「あぁ、私は今、山内ワールドを体験しているんだなぁ!」という幸せにひたってしまうわけなのです。石橋さんと永井さんがおんなじ部屋にいるってだけで、龍虎あいまみえるというか、ものすごく陰湿な川中島合戦を目撃しているような臨場感にとらわれるんですよねぇ! 燃えるなぁ!!

 ともかく、この7人が繰り広げる悲喜こもごも(便利な日本語……)の末に、物語のクライマックスには、たった1時間半前の序盤にあった舞台上の風景はもう二度とかえってこないという残酷な結果と、置き去りにされた主人公のもとにひとり残るパートナーという「救い」が残されてゆくのです。ここで提示された救いが、観る人に「あぁ、よかったね。」という感動をもたらすのか、「うわぁ、完全にいっちゃった、この人たち……」というドン引きをもたらすのかは受け取り方次第であるわけなのですが、私個人は、あんな悲劇が展開されたのによく冷えたビールを用意してくれる誰かがいてくれるということに満ち足りた表情を浮かべてしまう主人公に、人間の愛すべき単純さのようなものを感じて非常にせつなくも温かい気持ちになりました。この、人間についてのカラーが常に2色以上入り混じっている描写力こそが、山内作品のものすごいところなんですよね。

 今回の物語で展開される「大災厄」は、少なくとも主人公にとっては、まさしく「世界が転倒してしまった!」レベルのひどすぎる悲劇でした。ここで私が言いたい「転倒」の意味合いは、ただ単に転んじゃった、という程度のものではありません。世界のルールが、善悪が180°ひっくり返り、今まで生活している中で普通にあったはずの大事な何かが一瞬のうちに手元から消え去ってしまった「顛倒(てんとう)」の意味なのです。「顛倒」だと、ちょっと読みづらいから使ってないだけ。これはつまり、今まであったごくごく常識的な風景が確実に「終わってしまった」ことを意味する大崩壊であるわけなんですね。
 映像のイメージでたとえるのならば、デイヴィッド=フィンチャー監督の映画『ファイト・クラブ』(1999年)のラストシーンみたいな感じですよね。まさに、『あの山の稜線が崩れてゆく』!

 この大崩壊は……そのレベルの出来事だけでも「自分の身に起こったら」と考えただけでゾッとしてしまう恐ろしさなのですが、出来事そのものよりももっと恐ろしいのは、その大崩壊の始まった起点がどうやら、ずーっとずーっと昔からその主人公が「なんとなく思い描いていたとりとめのない妄想」であるらしいということなのです。

 イソップ童話の『おおかみ少年』の主人公は、積極的に村の人たちを大騒ぎさせるウソをつき続けたために、そのウソが「実現化してしまう」という顛倒の末に若い命を散らせてしまいます。余談ですが、童話の原典となったアイソーポス(紀元前619~紀元前564年?)の寓話では、クライマックスでオオカミが食い尽くしたのは村の飼育していた羊であって、主人公は食べられなかったそうです。確かによく考えてみたら、そりゃそうですよね……

 ところが、『あの山の稜線が崩れてゆく』の主人公は『おおかみ少年』ほどの悪意さえもない他愛のない思いつきをするか、せいぜい冗談交じりに口走って遊ぶくらいのことしかしていなかったわけなのです。たったそれだけの妄想が、ある日突然に現実のものとなって容赦なく襲いかかってくるという、この無残な恐怖。こんなことがあっていいものかという理不尽さなのですが、考えてみれば、現実の世界で人間に襲いかかる、事故とか病気とか災厄といった「不幸」の成分はだいたいこんな理不尽が8~90% を占めているわけで、「ちょっとその道を歩いてみたくなった」や「なんとなく脂っこい食べ物が好きだった」という起点は、あくまでもほんの小さなとっかかりにすぎないのではないのでしょうか。同じことをやっていても健康な人は健康であるわけなんですから。

 その辺りの、「始まったらもうどうしようもない」という、人間の抗いようのない不幸が活き活きと描写されているのもとてつもないのですが、今回の作品のさらなるポイントは、そんな「ありえない不幸」の原因が自分にあることを本人がちょっとでも「自覚してしまった」時点で、その不幸が現実のものとなってしまうという用意周到さにあります。つまり、この主人公はフィクションの世界によくある「100% 落ち度のない被害者」にもなることさえもが許されないのです。主人公を取り巻く面々は、そこを執拗について責めたててきます。「だって、あなただってこうなるとは予想していたんでしょ? ずいぶん昔から!」と。

 物語の流れに即していきますと、突然あらわれた添島の要求にもまして「ありえない」のは、その添島の意向を土壇場になるまでしおり一家に伝えることを忘れていた吉岡夫妻の職務怠慢なのですが、作品の世界は「そもそも吉岡夫妻が悪い」というごくごく常識的な論理を軽くプチッと踏み潰してしまった上で、「こんな事態になることを少しでも脳裏に浮かべていた主人公が悪い」という恐るべき空気に支配されていくのです。そして、その空気に抗いきれずに自分の非を認めてしまった主人公の姿に失望した「これまでの世界」は、主人公のもとを去っていってしまうんですね。

 こんなに恐ろしい話があるでしょうか……主人公はそれなりに自分の築きあげた世界に満足して、それを全力で守っているつもりではいたのでしょうが、その力が自分自身の「飽き」にさえも打ち克てない弱さだったことを思い知らされ、ラストシーンで絶叫してしまうのです。

 恐ろしく、それでいてとってもいいお話です! まさにタイトルどおり、観た方はすべからく『あの山の稜線が崩れてゆく』ほどのショックをおぼえるのではないのでしょうか。ただし、その驚くべきラストシーンから「人間の奥深さと弱さとたくましさ」を感じるのか、「とにかくシュールだった」程度のビックリにとどまってしまうのかは、かなりシビアに観る側の感性に迫ってくる問題になるかと思います。

 この作品は、もっとも安易で楽チンな解釈でとらえてしまえば、ラストシーンにやけに充実した表情で瓶ビールを飲んでいた主人公の、「もしもあの妄想が現実のものとなってしまったら……」という、うたかたの思考実験と見ることができなくもないのですが、それではあまりにも、この作品の根底にある「恐ろしさ」から逃避しすぎた読み取り方になってしまうと思います。やっぱりこの1時間半の出来事は、今日か明日にでも、他ならぬ観客それぞれの我が身に降りかかってくるかもしれない現実の災厄ととらえるべきなのではないのでしょうか。このくらいの「荒唐無稽さ」は軽く現実化してしまうのがこの世界なのであるということを、山内ケンジさんの鋭利な視線は明瞭に見通しているのです。


 う~ん、やっぱり城山羊の会、城山羊の会!! やっぱり大好きなんだな、という自分を再確認できた夜なのでありました~。

 ちなみに、『あの山の稜線が崩れてゆく』は今月11日火曜日まで上演しております。さらに会場のこまばアゴラ劇場では、あの映画『ミツコ感覚』の特別上映会も10日までやってるそうですよ~!


 完全な蛇足ですが、私はこの城山羊の会さんの上演する作品を観終えたあとの感覚に非常に近いものを味わってしまう映画作品として、いっつも頭の中に、かなり古典的なドイツのサスペンス映画である『M』(1931年 監督・フリッツ=ラング)を浮かべてしまいます。
 この映画は、主人公に連続幼女殺害犯(演・ピーター=ローレ)をもってきて、彼が殺人を犯した末に街の自警団の活躍によって捕らえられ、クライマックスでは自身の殺人欲求の業の深さを魂をふりしぼるかのような悲壮さで告白するという衝撃的な内容から、現在ではサイコスリラーものの原典のような観点で評価されることが多いかと思います。

 でも! 私が中学生だったころにこの『M』の VHSビデオを観て本当にビックラこいたのは、そんな逮捕劇のサスペンスでも連続殺人犯の償っても償いきれない告白でもなく、映画の最後の最後にとってつけたように流れたテロップだったんですよね!

 殺人犯の涙ながらの抗いきれない欲望の告白を聞いて、彼をリンチしようと集まっていた市民の集団は、彼を殺したところで彼に殺された少女達の命は帰ってこないし、そもそもこの男は罰を受けるべき資格を持っていない「病人」として処遇されるべき人間なのではないか、と困惑してしまいます。彼を罰することに意味がないのならば、我々のこの怒りはどこにぶつけたらいいのだろうか? こんな男に育てあげてしまった男の家族なのか、それとも、こんな男を野放しにしてしまった社会なのか?
 結論の出ようのないドン詰まり状態になったところで、映画はパッと映像が切れて、画面にはでかでかとこんな内容の文字と、女性による機械的なナレーションが。


「そもそも、親が子どもから目を離さないでいればよかったのです。」


 えぇ~!! そこ!? そこに責任をもってくかね、しかし!!
 この、サイコだのサスペンスだのと、丹精こめて作り上げた世界をたった一瞬で自分の手でブチ壊してしまう豪胆さと爽快感ね!!

 似ていると思うんです。この、繊細さと豪快さのステキすぎるマッチング。

 山内さん、次回作も首をながぁ~くして、お待ちしておりま~っす♡
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